2015年冬季アニメ感想:当たり有りはずれ有り

こんばんは。統一地方選挙も近づいておりますが、札幌では道知事・道議・市長・市議と4つも同時に選挙することになります。こういうのは重なってもめでたくも嬉しくもないのですが、週一で分割でやられるよりは一気にやってもらう方がそりゃあすっきりしますよね。

野球シーズンも始まり、Jリーグもやっているということで、一度は札幌ドームにも行ってみたいと思っているのですが…機会あるかなあ。さて本日「純潔のマリア」の最終回を見終わったので、昨日書いたとおり冬季アニメの感想を綴っていきたいと思います。秋季から2クール続いた大作「四月は君の嘘」と「寄生獣 セイの格率」は別途感想を綴ったので、残りについてです。順番は見終わった順であって面白かった順ではありませんので悪しからず。
① 銃皇無尽のファフニール

主人公の周囲は全員美少女というハーレム状態、一見大したことなさそうでいて実は極めて特殊な資質を持つ主人公と中二病成分たっぷりの本作。しかし物語の本質(ドラゴンとは何なのか、ドラゴン同士に関係性はあるのか、なぜDは女性ばかりなのか、主人公はなぜに男なのにDなのか、など)には全く迫ることなく、それどころか登場人物が誰もそうした謎に言及しようともしない不思議空間でした。よくぞ最後まで見たなあ。

7体のドラゴンのうち3体しか倒されていないので、第二期やる気マンマンみたいですが、早見沙織が演じた立川穂乃花は正体がばれてしまったので多分もう出てこないので、私も見ないんじゃないかな(笑)。

イリス(日高里菜)とティア(佐倉綾音)のキンキンする娼婦声には耳がやられました。音響監督とかの指示だろうからしかたないのでしょうが、特にあやねるは「君嘘」の椿との演技の落差に戸惑ったりはしなかったのでしょうか。 松岡禎丞、金元寿子、花澤香菜、檜山修之、井上麻里奈、そして早見沙織と声優陣は豪華なんですが、それが無駄遣いにしか見えないというのが…

② 幸福グラフィティ

気を取り直して私にとっての「ごちうさ」枠の癒し系アニメです。女の子達がおいしいものを作っては食べるだけ…と行ってしまっては身も蓋もありませんが、実際そういう作品。でも癒やしを求めているこちとらとしては変に色恋とか持ってこられても困るので「だがそれがいい」と言うほかありません。同じくJCを主人公にした「恋愛ラボ」は本当に男が出てきたことで議論が分かれましたね。「恋愛したーい!」と騒ぎながら女の子だけできゃあきゃあ騒いでいた方が良かったのかも。

おいしものを食べまくりながらも一応時間はちゃんと進んでいて、春夏秋冬と四季は巡って高校に合格したところでとりあえず第一期は終了しています。リョウときりんは同居するらしいので、これから一層百合系癒しJKお料理ドラマとなることでしょう。

ただリョウ達がJCというのはかなり無理があったような。何か食べる時の口元のエロさや、そもそも中学生が予備校通ったりあんな短いスカート履いたりするものなのかという素朴な疑問が。JK、すなわち高校生が適当だと思うんですよね。

本作ではきちんと時間が流れているので、なるべく長めの連載期間を取るべく中学生時代から始めたのではないかなんて思ってしまいます。それならそれで初期はもうちょっと幼くキャラデザインを設定しても良かったような気もしますが、とりあえず高校生編も早く制作して欲しいものです。ちなみに美術系というちょっと特殊な高校ですが、合格発表の番号を見ると今時珍しいほど狭き門だったような。

③ 暗殺教室

続けて2クール目に入りますが、とりあえず前半が終了したということで途中感想を。これは面白い!来年3月に地球を破壊するという謎の生物「殺せんせー」と、授業を受けながら暗殺を試みる「椚ヶ丘中学校3年E組」の面々という話ですが、「殺せんせー」は以外にも教育者として極めて優れた能力を持っており、進学校の底辺クラスとして差別されていたクラスメイトは前向きかつポジティブな学校生活を送るようになっています。

暗殺を試みることにより成長していく生徒達というのもシュールですが、現在2ヶ月半経過した6月半ばといったところでしょう。原作(少年ジャンプ連載中)では11月まで進んでいるようですが、3月というタイムリミットがあるので、ジャンプ得意の延長攻撃もそうそう効かないような。それともいろいろこじつけて暗殺教室高校編とかやったりするのかな?

こちらも「殺せんせー」は何者なのかとか、どうやって月を爆破したのか(7割が砕けて常時三日月状態)とか色々謎があるのですが、人工的に作られた生物だと語ったり、かつては手足が2本ずつあった(人間だった?)ことを示唆するなど、小出しながら謎は解明される方向にあります。なによりクラスメイト達が読者同様の疑問を持っているところがいいですね。

中学生に暗殺を任せておけんと各国から暗殺者が次々と送り込まれており、教師として「人類最強の男」烏間惟臣(ただし生徒のバックアップ業務が主になっている感じ)、色仕掛けの暗殺者・ビッチ先生ことイリーナ・イェラビッチがいるほか、生徒として自律思考固定砲台(通称「律」)や、肉体改造され「殺せんせー」同様の触手を持つ暗殺戦士「イトナ」などが登場していますが、暗殺成功には至っていません。きっと今後も様々な暗殺計画や暗殺者が登場するのでしょうね。

生徒は沢山いますが、とりあえず清楚な黒髪ロングの美少女にしてCVが佐藤聡美というクラスのマドンナ・神崎有希子をもっと前面に出して欲しいものです。

④ 探偵歌劇ミルキィホームズTD

2010年に第一期、2012年に第二期が放映されたマジキチアニメ(褒めてます)の第四弾です。2013年の第三弾に「ふたりはミルキィホームズ」は別キャラ(フェザーズ)が主役で雰囲気も異なったようなので未見です。

探偵オペラが探偵歌劇になり、日本語で言い換えただけ以上の変化がありました。探偵でも怪盗でもないアイドル天城茉莉音という新キャラが登場し、「奇跡の歌」を歌う天才アイドルだった彼女が冒頭何者かの仕業により擬人化された歌の妖精のような「エレメント」達を全て失って歌が歌えなくなることから物語が始まります。

最初はえ~…ミルキィのダメッぷりをもっと前面に出せよと思っていましたが。ミルキィは後方にいようがどこにいようがやはりダメだったのでどうでも良くなってきました。というか茉莉音がだんだん好きになったりして。

ちなみにこの世界、トイズという人それぞれに多種多様な性質を持つ特殊な超能力があり、トイズを善用する探偵と悪用する怪盗が激しく対立する「大探偵時代」と呼ばれているのですが、TDでは「大アイドル時代」にすり替えられてしまっていました。

しかもミルキィホームズはトイズを駆使して名声を博していたものが、ひょんなことからトイズを失ってダメダメになった…というのがアニメ第一期第二期の設定だったのですが、第四期では全員トイズを取り戻しています。にもかかわらずダメ探偵というのはどういうことか。

基本ミルキィホームズは様々なパロディとミルキィのダメっぷりを楽しむものだと思っているので、私は楽しく見ることができました。茉莉音のエレメントを奪った犯人は当初からこいつだろうと思っていた人物がいたのですが、なかなか尻尾を出さないので

とも思ってしまいましたが、最終的にはやはり当たっていた。この海のリハクの目はごまかせんぞ。でもその真の理由まではわからなかったな。リハクだから仕方ないですが。

それにしても第11話に登場した茉莉音ママンのCVは井上喜久子なんですが…いい!17才教教祖だからJK役もそつなくこなしなすが、こういう美しく優しいママン役こそ本領発揮だと思います。第11話で最終回でも問題なかったんですが感動で終わるなんてミルキィじゃないということで、最終回の第12話では怪盗帝国総出演で、何度も「私たちが歌うなんてナイナイ」「私たちはアイドルじゃなくて探偵」とか言っていたくせにステージで歌うし、オチのない終わり方をしていました。

怪盗帝国を出すならG4も出したらんかい。第五期(あるのか?)ではトイズを使いまくって怪盗帝国と全面対決して欲しいですね。無論ギャグ・パロディやダメ全開でマジキチ展開でオナシャス!

⑤ 純潔のマリア

キリスト教の流布により、それ以前の古き宗教の神々、魔女、妖精達などが矮小化し続けている中世フランスを舞台に、戦争嫌いな魔女マリア(処女)が強大な魔力によって戦場するのもを消滅させています。人の世の理(戦争)に直接的に魔力で介入するマリアは、天界の方針に沿わないとして大天使ミカエルに目を付けられ、人前で魔力を使うことを禁止され、また純潔(処女)を失ったときには魔女としての能力も失うようにされてしまいます。それでも戦争を止めようとするマリアは異端審問に遭って火あぶりにされそうになりますが……

まずこの作品は百年戦争末期の英仏の戦いをよく描いています。信仰や国家への忠誠などくそ食らえで純粋に生活の為に戦っている傭兵や、神の名の下に同じキリスト教徒同士の戦いを煽る教会などが非常にリアルです。領主に徴発されて嫌々戦いに駆り出される農民とか、戦争がないと野盗に早変わりする傭兵団、気位ばかり高い王国騎士団など、まさに人間の営みそのものですが、実際に強大な力を持つ大天使ミカエルが存在しているに関わらず、天の教会は全く介入しようとしません。

じゃあ地上は放置状態かというと必ずしもそういうわけでもなく、魔女が夢魔を使う程度は見逃すものの、マリアのように怪物を召喚したり直接的な魔力を振るって戦争に介入するのは許しがたいようです。魔女だって地上の営みの一つだろうに。

戦場には戦いに間接的に介入して金儲けする魔女(おそらくケルト神話由来)や戦死した戦士の魂を運ぶワルキューレ(ゲルマン神話由来)などもやって来ていますが、過度な介入をしない限りは天の教会は見逃しているようです。

この作品を見ていると、「女神転生」シリーズを思い出します。唯一神を名乗る「法の神」と、それ以外の神話の神々が登場しますが、唯一神を戴く宗教が普及していくと、古い宗教の神々はあるいは貶められて悪魔とされたり、過去の性質を忘れ去られて妖精とか妖怪といった存在に堕ちたりしていきます。有名な神話の神々は健在ですが、やはりその力は唯一神に対抗できるほどではなく、その御使いである大天使達に対抗できる程度です。

マリアは度々ケルヌンノスという黒い霧のような存在に様々に問いかけられますが、ケルヌンノスとはケルト神話の神で、この時代にはほぼ人々から忘れ去られ、形をとることができなくなっているようです。新しい宗教の流布の前に古い神々は力を失い消え去る運命のようですが、ケルヌンノスによればミカエルら天の教会とて将来そうならない保証はないそうです。


クトゥルフ神話が欧米人に怖れられるのは、その内容が唯一神への信仰を土台から揺るがすかららしいですよ。日本人にはそれほど怖くないのは、神道とか仏教といった多神教的宗教が根付いているからでしょうか。

ちなみにミカエルのCVは井上喜久子。いつものお姉ちゃんらしからぬ無機質で非情ふうな声を出しています。能登麻美子演じるイングランドの魔女ビブとの戦いはあまりの豪華キャスティングにマイッチングでした。二人とも本来の優しく美しい声で演じて欲しかったけど、それじゃ戦いにならないか(笑)。

主役のマリアを演じた金元寿子は以前演じたイカ娘とか琴浦さんとかカチューシャに比べてずいぶん低い声で演技をしていました。「銃皇無尽のファフニール」のリーザも低い声だったので、こっちが地声?


どうも感想の長さが評価に直結しているような気がしないでもないですが、多分気のせいです。最後にエドウィナの使い魔のねこが可愛いです。ねこ可愛いよねこ。


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