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記憶に残る一言(その22):進駐軍の米兵のセリフ(はだしのゲン)

やよいちゃん


 弥生三月の一日にこんばんは。如月が姓になることが多いのに対し、弥生は名になることが多いようですね。遙かな昔、弥生ちゃんという可愛い娘が隣に座っていたことがあったんですが…なぜそのチャンスを生かさなかったし。離れてから、あああの娘可愛かったなあと気づいたりして。目がリハクだったのは大昔からだったか。キュアピースのやよいはイメージ。それほど似てなかったですけど。

はだしのゲン

 さて今日は記憶に残る一言なんですが、いろんな意味で問題作の「はだしのゲン」からです。「はだしのゲン」は、中沢啓治の原爆被爆体験を元にした自伝的漫画で、激動の戦中戦後を必死に生き抜く中岡ゲンを主人公としています。

海人ゴンズイ
シャカの息子

 連載誌は何と「週刊少年ジャンプ」。子供うけを第一に考えていそうな同誌ですが、時々チャレンジングなことをやりますよね。友情努力勝利が三大テーマらしいのですが、「海人ゴンズイ」なんか一体どれにあてはまるのやら。ジョージ秋山は少年誌各誌に連載を持った経歴がありますが、これ以降ジャンプ登場はありませんでした。その前の「シャカの息子」もなかなかに凄かったです。特に投げっぱなしジャーマンなラストが…

はだしのゲン1巻

 「はだしのゲン」は1973(昭和48)年から1974(昭和49)年まで「週刊少年ジャンプ」に連載された後、左派系オピニオン誌「市民」で1975(昭和50)年から1976年(昭和51)年まで、共産党の機関誌「文化評論」で1977(昭和52)年から1980(昭和55)年まで、そして日教組の機関誌「教育評論」で1982(昭和57)年から1985(昭和60)年まで連載されました。汐文社の愛蔵版で全10巻。ジャンプ版は1-4巻にあたります。

はだしのゲン2巻

 学校への漫画持ち込みは厳禁とされていましたが、なぜか「はだしのゲン」だけは校内で堂々と読めえる漫画だったのは、日教組の機関誌で連載されていたからなんでしょうね。完結はしていますが、「第一部 完」というやつで、ゲンが東京に移住してからを描く第二部の構想もあったようです。

はだしのゲン3巻

 作品の内容、表現などについて様々な意見がありますが、実体験に基づく原爆の惨禍や当時の時代背景・世相風俗を表現する傍らで、エンターテインメントとしても読ませる作品として国内外での評価は高く、2010年6月調査のgooランキング「読んでおきたい日本史モノマンガランキング」の第1位に選ばれています。単行本、文庫本などを含めた累計発行部数は650万部を超えています。

はだしのゲンやばい発言集

 個人的には閲覧制限とかはするべきではないと思いますが、作中に頻繁に登場する差別用語も削除することなくありのままで置くべきだろうとも思います(画像はクリックして拡大して下さい)。作者が書いたんですから、後世の価値基準で勝手に改竄してはいかんでしょう。それから「はだしのゲン」は様々なパロディの材料にされていますが、公式サイトでもネタにしている位なので、中沢啓治の懐の深さに感嘆しつつ、「けしからん!」などと青筋立てる一部筋には委細構わずネタを作るといいと思います。

これはすごいシーン

 もちろん、ゲンとママンの目の前で、投下した家の下敷きになった姉と弟が生きたまま燃える「ギギギ…」なシーンとか、壮絶な場面は多々あるのですが、ユーモラスな場面も結構あるんですね。

クソつぼに落ちるクソBBA

 たとえばこれ。原爆投下後、ゲンのママンの友だちのキヨの家に身を寄せて新たな生活を始めるゲンですが、キヨの姑や子供達から迫害され続け、とうとう家を追い出されます。ゲンは根に持つタイプなので、いじめや迫害に対しては必ず復讐していますが、この時もキヨの子供と姑を懲らしめています。

身も蓋もないセリフだ

 身も蓋もなく喜んでいるのは死んだ弟の進次に瓜二つの原爆孤児の隆太です。「はだしのゲン」は様々なキャラが入れ替わり立ち替わりするのですが、やはり死んだ姉の英子によく似た夏江という女の子が出てきたりしています。まさかスターシステム…

ラララ…

 あとこれは全然ユーモラスではない場面なんですが、中沢啓治の独特の文字のせいで、「ううう」が「ラララ」に見えます。こんな場面でなにを歌っているだと思ってしまいます。ちなみに原爆投下直後の描写では、皮膚や身体がどろどろに溶けた人々が助けを求めて彷徨っていますが、そのシーンの呻き声「ううう」も「ラララ」に見え、なぜこの人達は歌っているんだろうと思いました。

オ ナイスデザイン

 今回紹介したいのがこれです。進駐軍の米兵に、原爆で亡くなった犠牲者の頭蓋骨に「怨」の文字を書いて売りつけようとしたところ、何も知らない米兵は「オ、ナイスデザイン」と喜んでいます。インターネットなどでは、主にカオスな状況を皮肉る目的で用いられるネタとなっています。オ、ナイス○○は本当にいいデザインの場合もそうでない場合も使える使い勝手の良いセリフです。

くやしいのぅくやしいのぅ

 さらにこれは、同様にネットで多用される「くやしいのぅwwwくやしいのぅwww」のオリジナル版。最初からディスっていたんですね。

薬に手を出したムスビ

 こちらはゲンの仲間であるムスビ。ビタミン剤と偽られて麻薬(ヒロポン)を注射された結果麻薬中毒になってしまい、薬物依存症に耐えきれず、うっかりゲンたちの前で麻薬を使おうとしてバレてしまうシーンです。

バキでパロディ

 そのパロディ。バキシリーズで薬中といえばジャック・ハンマーということで、医師でもある鎬紅葉に突っ込まれています。確かにこの人の使う薬がビタミン剤のはずがないですね。

何を書いているゲン

 こちらは絵描き歌に挑戦するゲン。ウホッいい男を書いてしまっています。どういう絵描き歌で阿部さんができるんだ。このシーンは大人気で…

悩むゲンその1

 ゲンがF-X選定に頭を悩ませています。以下画像はクリックして拡大の上お楽しみ下さい。F-22、F-15SE、サーブ39グリペンをことごとく破るゲン。ちなみにグリペンで「そりゃ何てエロゲじゃ」と言っているのは、「群青の空を越えて」という18禁PCゲームに登場するためです。

群青の空を越えて

 日本が東西に分かれて内戦状態にあるという設定であり、グリペンはEUが支持する東側が使用しています。作中では小型かつ運用コストが低い点が適するとされ、本作の解説本には何とサーブ社が実際に資料を提供しています。実際には日本での運用には向かないと言われていますが。

悩むゲンその2

 ゲンのF-X選定その2。ユーロファイター・タイフーン、スホーイ37、先進技術実証機にダメ出ししています。

悩むゲンその3

 続いてゲンのF-X選定その3。F-35、F-14、F-2改にダメ出し。F35は有望なんですが、なかなか開発が終了しませんね。ゲンが言うとおり価格も上がるばかりだし。

悩むゲンその4

 さらにゲンののF-X選定その4。F-4EJ改改改、F-1改、YF-23と段々投げやりになってきたゲン。ゲンあなた疲れているのよ。

涼宮ハルヒのギギギその1

 最後に涼宮ハルヒのパロディ。ハルヒはゲンではなく、パパンの大吉みたいですね。そしてキョンがゲン。差別用語も平然と使っているところが原作をリスペクトしています(?)。

涼宮ハルヒのギギギその2

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No title

ゲンパロは大好きで、収集してます。
画風とのギャップが良いのかも知れません。
プリキュアネタとかも好きです。

>群青の空
設定で私も、一時期、買おうかだいぶ悩みましたが。
考えてみれば、プレイでグリペンを操縦できるわけじゃないし(フライトシムじゃないですしね)ついぞ入手せず。
しかしこのゲンパロのセリフで、このゲームをパッと判った人って何歳以上でしょうね(笑)

Re: No title

 望郷士さんこんばんは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

> ゲンパロは大好きで、収集してます。
> 画風とのギャップが良いのかも知れません。
> プリキュアネタとかも好きです。

 パロディのベースになる作品にはやはりそれなりの力があるんだと思います。そのエネルギーは怒りとか恨みから発生しているのかも知れませんが、はだしのゲンはとにかくパワフルだと思います。ただジャンプ以後は掲載誌のせいか思想的発言が多くなっていくのが…

> >群青の空
> 設定で私も、一時期、買おうかだいぶ悩みましたが。
> 考えてみれば、プレイでグリペンを操縦できるわけじゃないし(フライトシムじゃないですしね)ついぞ入手せず。

 フライトシミュレーターは難しいので、気楽にやるならフライトシューティングと呼ばれたエースコンバットシリーズがいいでしょう。エロとかは一切ありませんが。そして海戦ならウォーシップガンナーシリーズ。どちらも戦闘機無双、戦艦無双ができます。大和型船体を双胴にして主砲・波動砲、副砲・光子魚雷という超戦艦も作りましたが、最終的には120ノットくらい出す超高速フリゲートに落ち着きました。敵艦隊内を縦横無尽に駆け巡って超音速酸素魚雷を撃ちまくり、敵の波動砲は挙動で察知して機動力でかわす。ガミラスは波動砲に手を出さない頃の方が正解だったと思いますな。

> しかしこのゲンパロのセリフで、このゲームをパッと判った人って何歳以上でしょうね(笑)

 2005年のエロゲーなのでそれほど昔のものでは…。まああんまり若い人は知らないでしょうが。

昔のジャンプは・・・

イロモノがたくさんありましたよね。
「トイレット博士」とか今のマイナー雑誌でも載せてもらえるかどうか・・・(笑)
本宮さんのケンカものも今ならチャンピオンでしょうかね。
その本宮さんは田中角栄のロッキード事件に憤って、政治モノの作品を連載させていましたっけ(ゴリ押し?)

そんなわけで「はだしのゲン」がジャンプに連載されていたのは自分的には何の違和感もなかったんですが、その後(現在も?)全国の小中学校の図書館に置いてあると知ってビックリです!

いや、原爆の悲惨さとかを伝えるっていう意味ではいいんだけど、学校の図書館にマンガがあるっていうのが衝撃的でした(笑)
もっとも、自分の時もマンガありましたけど・・・「マンガ日本の歴史」が(爆)

Re: 昔のジャンプは・・・

 junkyさんこんばんは、いらっしゃい。いつもありがとうございます。

 70年代の漫画雑誌はまだキワモノ扱いされていて、その分今より自由にやれたのかも知れませんね。

> 「トイレット博士」とか今のマイナー雑誌でも載せてもらえるかどうか・・・(笑)

 メタクソ団!マタンキ!(笑)。スナミ先生ってモデルは編集者だったんですよね。Dr.マシリトの先行者ですね。

> その本宮さんは田中角栄のロッキード事件に憤って、政治モノの作品を連載させていましたっけ(ゴリ押し?)

 やってましたね「やぶれかぶれ」。政界に出場するのかと思わせておいて結論はただの撤退。アンケート至上主義のくせにいろいろ挑戦的ですよねジャンプは。

> そんなわけで「はだしのゲン」がジャンプに連載されていたのは自分的には何の違和感もなかったんですが、その後(現在も?)全国の小中学校の図書館に置いてあると知ってビックリです!

 やはり共産党機関誌や日教組機関誌に掲載されていたというのが決め手ではないかと。「紫電改のタカ」とか「戦場まんがシリーズ」とかも置いてくれればいいのに。ああいう作品見て戦争好きになるとは思えませんし。ミリオタになる可能性はあるけど。

> いや、原爆の悲惨さとかを伝えるっていう意味ではいいんだけど、学校の図書館にマンガがあるっていうのが衝撃的でした(笑)
> もっとも、自分の時もマンガありましたけど・・・「マンガ日本の歴史」が(爆)

 ありましたね、学級文庫に全巻揃っているけど見向きもされなかったりして。学校の校門では○研のおばちゃんが待ち構えていて、「科学」と「学習」の契約を取ろうとしてたりして。「科学」は好きでしたが「学習」はどうも…

No title

どうも、以前赤毛のアンの記事にコメントさせていただいた影月です。

個人的にはだしのゲンは作者が亡くなってまだそう経たない頃に一部心ない人々に誹謗中傷されていたのを覚えています(どんな人達かはネットやっている方なら想像つきますよね………?)

まあはだしのゲンが賛否両論なのはわかりますけれども亡くなって間もない人物にああいったことを書くのは人間としてどうなんだ?とかなり頭にきたのを今でもはっきりと記憶しています。

どうもその方々ははだしのゲンの内容を嘘偽りだと主張しそこから挙句の果てに作者の人間性やその死までもを弄ぶかのような発言をしていました。私もそれなりにネットに浸ってきた人間なので色々と残念な方々の発言も結構見てきましたがはだしのゲンの時のその書き込みは私がみたネット上における誹謗中傷の中でもトップクラスの酷さだったと思います。あのサイト、今も更新しているのでしょうか?だとすると非常に恐ろしいです。

第一、実際に原爆を体験したはだしのゲンの作者をいくら思想的に相容れなかったとしてもその死や体験までもを冒涜するのは戦後生まれの若い世代がやっていいことではないでしょう、はだしのゲンは捏造漫画って……じゃあそういう貴方は実際に当時の広島にでもいて現実を見ているのかと?その発言をした方々、十中八九何も知らないでしょう……いいとこテレビやネットの原爆に関する簡単な写真や動画あるいは資料をちらっと読んだくらい……この漫画と及び作者その程度の認識しかない人間がバカにしてモンではないと思います。

お目汚し失礼。

Re: No title

 影月さんこんばんは、いらっしゃい。お久しぶりです。不在にしておりましてお返事遅れましてあいすいません。

 おっしゃる点については「言論の自由」をどこまで認めるのか、ということに行き着くのだと思います。

藤子・F・不二雄の「エスパー魔美」のとあるシーンに「公表された作品については、みる人全部が自由に批評する権利を持つ。どんなにこきおろされてもさまたげることはできないんだ。それがいやならだれにもみせないことだ」というセリフがあります。

 「はだしのゲン」については少年ジャンプ版はさておき、その後の掲載誌がことごとく左派系だったせいか、その主張がはなはだしく左傾化していたことは否めないと思います。作者自身が原爆の被害者なので、彼の立場からすればそうなるのも無理はないかなとも思いますが、世間に公表した以上はどのような批評を受けてもそれは仕方が無いかなと思います。

 内容が虚偽とかいう話については、言論の自由がどこまで認められるのかという議論に行き着くかと思われます。例えば「ホロコーストはなかった」という主張(私は暴論だと思いますが)がありますが、これは仏独といった国では主張すること自体が犯罪とされます。一方英米では何事であれ主張すること自体は許容されるという立場のようです(もちろん主張を許す=主張に賛成するということではありません)。

 これは英米と大陸の「言論の自由」に対するスタンスの違いを示しているともいえますが、それだけでなく「ホロコースト」が実際に行われた地であるか否かも重大な影響を与えているのかも知れません。

 ではお前はどっちか?と問われれば、英米系の方かなと思います。世には「アポロ宇宙船は月に行っていない」とか、トンデモな主張が溢れかえっていますが、主張すること自体は許容してもいいのではないかと。反面、手ひどい反論や罵詈雑言も認めるべきだと思います。

 「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」(ヴォルテールの名言とされていますが、実際にはタレンタイアのようです)という考えたかを敷衍すれば、賛同されるかどうかはともかく、どのような主張も主張するだけなら許されるということになると思います。実際には公序良俗とか公共の福祉といった制限はありますが。そしてもちろん異論・反論の権利もあるわけです。

 その一方、「言論の自由」の発祥の地としてフランスがシャルリーのえげつない風刺を守ろうとするのはいいのですが、サッカー選手のズラタン・イブラヒモヴィッチがの試合の裁定に不満を持って、「15年間の選手生活の中で、ここまで最低な審判は初めて見た。このクソな国でな」と叫んだことについては「フランスの事をクソなどという人間はこの国から出て行ってもらって構わない。」と国外退去を主張する声が出るのはどういうことかと思います。自分達は他者に何を言ってもいいが、他者が自分達の悪口を言うことは容認できないという姿勢は、まさにダブルスタンダードではないかと思ってしまいます。

 個人的には、リアル「はだしのゲン」だった中沢啓治氏は度量の大きい人みたいなので、誹謗中傷は何処吹く風だったのではないかと思います。主張に根も葉もなければなおさらに。
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