記憶に残る一言(その14):四天王のセリフ(ソードマスターヤマト)

昨日は妙に暖かくて今日はまたえらく寒い。ちょっと奥さま聞きまして?また真冬日ですってよ!その結果何が起きるかというと、道路の雪が溶けて再凍結して、つるつるの氷になるんです。

うおー怖えー!もう家に籠もってようかと思うほど滑って怖いです。道が滑って怖いから会社休みますって許されますか?許されるか!!

本日は記憶に残る一言です。再びマンガに戻りましょう。今回のはこれです。

これは月刊チェヨンスで連載されていた夢野カケラの「ソードマスターヤマト」の一コマです。四天王の一人であるサイアークを倒したヤマトですが、まだ三人残っています。それだけではなく、残りの四天王のセリフからは「サイアークなど一番の小者」であることが窺われます。さらなる激闘必至の状況ですね。

しかしこのマンガ、もともと人気がなかった上に、担当の編集者もいい加減だったせいで、前号で伝説級の誤植を連発(編集者に彼女が出来てうかれまくっていたらしい)してしまい、10か月目の今号で打ち切りになってしまったのです。週刊少年ジャンプでは不人気マンガは10週で打ち切りになりますが、こちらは月刊誌なので10か月ということなのでしょうか。しかも与えられたページはたった3ページ。四コママンガだって普通は最低4ページは与えられるというのに。

しかも夢野カケラ先生は長期連載を目論んでいたらしく、やたら伏線を張りまくっていたんですね。

① 敵のボスのベルゼバブに主人公の両親が捕まっている。

ちなみに食事は一日におむすび一個で地獄のような労働を強いられているらしい。

② ベルゼバブの城の門を開くには四天王を倒さなければならない。

③ ベルゼバブを倒すには「聖なる石」が必要。

④ 四天王の先鋒・サイアークは別名「ザ・不死身」と呼ばれるタフネスさで、10回刺さないと死なない。

⑤ ヤマトには生き別れた妹がいるらしいことを第一話からほのめかしている。

これで長期連載に持ちこもうという算段だったらしいですが、不人気では仕方有りません。画力もないし。夢野先生はたった3ページでこれらの伏線を回収しつつ物語を終わらせることができるのか?

……ということなんですが、実はこれ増田こうすけの「増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和」に登場した劇中劇で、「マンガ家シリーズ」と呼ばれるものの一つです。「誤植編」と「完結編」に別れていて、これは完結編ですね。

誤植編も彼女ができて浮かれまくった編集の小島さんのせいで、下記のようにそれはそれはひどい誤植をやられているのですが、初デートの前にふられてショック死したらしいので許してあげましょう。
① 「アイツだけは…許さない!」
↓

② 「オレの憎しみは消えないんだ!」
↓

③ 「お前はヤマトか?」
↓

④ 「オレはヤマトだ!」
↓

⑤ 「俺の新しい技を見せてやる!」
↓

⑥ 「ウオオオオオオ!」
↓

「まそっぷ」って一体何だし。さらに最後のアオリ文は「彼女ができました」と担当編集小島さんの個人的な近況の報告だったし。

そんなわけで追い詰められた夢野先生、たった3ページでソードマスターヤマトを終わらせます。まずサイアーク戦。サイアークは「実は一回刺されただけで死ぬ」といきなりのカミングアウト。

続いて先ほどの四天王の残りの三人のセリフが登場するのですが、実はヤマト、サイアークを刺した勢いのまま突撃してきています。

そしてそのまま残る三人を一気に串刺し!お前らはもっと弱いじゃないか。すると奥の扉が開いてラスボス・ベルゼバブの声が聞こえてきます。なんとここがベルゼバブの居城・魔龍城だったのです。四天王が全員倒されたので扉が開いたのですね。

そしてベルゼバブが伏線回収にいそしみます。「聖なる石」は別になくても倒せるし、ヤマトの両親はやせてきたので最寄りの町へ解放したんだそうです。親切じゃないかベル様。というかどういうつもりで両親を拉致していたんでしょうか。

この親切に対してヤマトも伏線回収。別にベルゼバブに役立つ情報じゃないんですが。

そして最後は打ち切りマンガによくある形で終了。ヤマトの勇気が世界を救うと信じて…!さてそれでは最初のセリフに戻りますが、

ゴクアーク「サイアークがやられたようだな…」
キョウアーク「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」
レツアーク「人間ごときに負けるとは魔族の面汚しよ…」
とさんざんサイアークをディスっていた三人の方々ですが、異様にあっさりまとめて倒されたのはご愛敬として、バトル物の少年漫画やRPGなどにはよくありがちなセリフでもあります。改変がしやすいためいろんな形にいじられて遊ばれています。例えば…

(サッカー編)
ウルグアイ「チリが敗れたようだな…」
アルゼンチン「フフフ…奴は南米勢の中でも最弱…」
ブラジル「ベスト4以下で消えるとは南米の面汚しよ…」
2010年のワールドカップの際の作品。結局決勝まで南米勢は残ることができませんでしたので、まさにソードマスターヤマト状態。

(○○剛編)
草彅剛「高城剛がやられたようだな…」
堂本剛「ククク…奴は四剛の中でも最弱…」
長渕剛「沢尻エリカごときに負けるとは剛の面汚しよ…」
何なんだ四剛って(笑)。ハイパーメディアクリエイターってドラクエとかの職業としてどうですかね。ほぼ遊び人と同列だったりして。

(ブラジャー編)
Cカップ「Aカップがやられたようだな」
Bカップ「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」
Dカップ「ヌーブラごときに負けるとはバストの面汚しよ…」
まあ確かにAカップは貧乳用だから最弱かも知れませんが、なんだかよくわかりません。

(動画サイト編)
ニコ動「YouTubeがやられたようだな…」
veoh「フフフ…奴は四天王の中でも最弱…」
saymove「あの程度の負荷でダウンなど動画サイトの面汚しよ…」
この面子だとどう考えてもYouTubeが最強な気がするので、残りの皆さんも一気にダウンすることでしょう。

(エヴァンゲリオン編)
零号機「参号機がやられたようだな…」
初号機「フフフ…奴はエヴァ四天王の中でも最弱…」
弐号機「使徒ごときに侵食されるとはエヴァシリーズの面汚しよ…」
なるほど。でも零号機も弐号機も使徒に侵蝕された参号機にあっさり倒されていましたな。

(長期休暇編)
シルバーウィーク「ゴールデンウィークが終わったか」
お盆休み「フフフ…奴は長期休暇四天王の中でも最弱…」
年末年始「長期休暇の面汚しよ…」
まあ年度で真っ先に終了しますが、最弱ではないでしょう。

(声優編)
新谷良子「谷亮子が選挙に出馬するようね」
田中涼子「フフフ…奴はりょーこ声優四天王の中でも最弱…」
白石涼子「小○一○ごときにほだされるとは我らの面汚しよ…」
谷亮子「いや私声優じゃないし」
オチというかツッコミが入った変形版。確かに声優じゃないですな。っていうか実は私、田中涼子もあんまり知らないのですが(爆)。
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