四コマ誌を語る(その4):まんがライフMOMO

こんばんは。昨日は出張者の応対ですすきのに繰り出していてお休みしてしまいました。せっかく接待しても「いつもすすきので遊んでやがって」的な目で見られるのが正直理不尽です。いつも遊んでたら破産するわい。あんたが来たから付き合って遊んでいるんですよ。普段は地味にブログ更新してますって。来週はいよいよ12月ですが、それと同時に札幌にも雪の季節が本格的に到来するらしいです。根雪か?根雪なのか?

本日は竹書房の四コマ誌を語るの第四回目、「まんがライフMOMO」を紹介します。「まんがライフMOMO」毎月28日発売で発行部数は公称8万部。20~30代のコア漫画読者層向けのかわいい絵柄+四コマとしての面白さも追求した、次世代型4コマ誌という触れ込みで、26歳~36歳を中心とした男性をメインターゲットとしています。やはり私はターゲットから外れているなあ。読者層としては男性が7割、30歳以下が7割を占めているそうです。
2003年に「近代麻雀ゴールド」8月1日増刊号として創刊(月刊)されました。2002年にライバルである芳文社が萌え系四コマに特化した「まんがタイムきらら」を創刊しており、竹書房もこれに対抗ないし追随すべく若者向けの四コマ誌を立ち上げることとなったのが創刊のきっかけです。
2009年1月号(2008年11月28日発売)を以て独立創刊しとなりましたが、増刊号としての出版とか独立創刊とかは、出版する側にとしていろいろあるようなのですが、読んでる方としては特に影響はないです。

「まんがライフオリジナル」で連載していた「せんせいのお時間」(ももせたまみ)連載の中核に据え、竹書房の四コマ誌で好評だったゲスト掲載作品を連載としたことで、「まんがライフ」系統の流れを汲む青年・女性向け4コマ誌と、芳文社「まんがタイムきらら」を代表とする萌え系四コマ誌の中間に位置する雑誌という性格を持っています。
男性受けを狙って主な登場人物の大半が女性で、学園もの作品の比率が同社の四コマ誌よりも高くなっていますが、「きらら」系がサブカルチャー化へと突き進んだのに対し、MOMOは従来の四コマ漫画読者層にも満足して貰える誌面作り指向したことが奏功したのか、2000年代半ばに相次いだ萌え系四コマの創刊→即廃刊の波に飲み込まれること無く現在に至っています。
表紙メインおよび巻頭カラー担当は創刊以来ほぼ一貫してももせたまみ(「せんせいのお時間」→「私設花野女子怪館」)が務めています。「せんせいのお時間」はライオリ時代に既に大人気でしたが、ライオリは事実上「秋月りす帝国」で表紙を飾ることができなかったので、MOMO創刊はももせたまみにとっては好機到来だったと思います。妖怪を扱う「私設花野女子怪館」は「せんせいのお時間」に比べるとパワーダウンかなと思っていましたが、世に妖怪ブームが来たので持ち直している気配。

メディアミックス路線に関しては2004年に「せんせいのお時間」がテレビアニメ化されて以降、長らくアニメ化作品がなく、芳文社に大きく水を開けられていましたが、2011年に入って「森田さんは無口」「ポヨポヨ観察日記」が続けてテレビアニメ化されるなど、遅まきながらライバル誌に追随する姿勢を見せるようになっています。
表紙を務めるももせたまみの絵柄が少女漫画タッチなので、いつも買うのにちょっと躊躇するのですが、本屋側からすれば誰が何を買おうと気にしないだろうと開き直って買っていました。札幌ではコンビニで買うことが多いので、余計平然としています。

それでは私のお気に入り作品を紹介しましょう。まずは「ゴーゴーダイナマイツ」(小池定路)。2013年5月から連載開始の比較的新しい作品です。

まんがくらぶ連載中の「父とヒゲゴリラと私」も好きですが、こちらも面白いです。チアリーディングをしていた新任教師がチア部設立を目指してメンバーをスカウト。他の運動経験があっる生徒が多いのですが、理由あって今はその競技を諦めてしまっていました。部員たちは、心機一転始めたチア部「ダイナマイツ」での活動の中で、各々の思いを胸に抱き少しずつチームになっていきます。

相変わらず作画がうまい。男子生徒が加入したり、チアの基本を説明したりと、もちろんチア部自体を描いているほか、周辺人物の野球部とかサッカー部にも脚光を当てています。ああ、チア部は応援が主任務だから?と思いきや、競技チアリーディングはもはや応援ではなく一つの独立した競技となっているようです。萌え系四コマ誌にもかかわらず、可愛いだけじゃない女子がリアルです。

「ポヨポヨ観察日記」(樹るう)。2004年から連載中の、現在のMOMOでは最古参です。2012年1月から12月までテレビ東京にてテレビアニメが放送されました。

チバラギ県ちくば市という架空の田園都市が舞台になっています。モデルは筑波市に違いありません。現在は札幌在住とはいえ、筑波嶺近辺なので親近感ありありです。球状の体型をした猫らしからぬ姿の猫「ぽよ」を巡る、農家の家族とその周囲の人々を描いています。

球体猫「ぽよ」も見てくれだけでなく色々と個性的なのですが、飼い主の萌ちゃんの猫バカっぷりがとてもいいです。この人は22歳と若いのですが、OL時代に上司のセクハラ、同僚のいじめ、同じ職場の彼氏の無理解などにたまりかねて仕事を辞め、そのまま酔っ払って歓楽街で枕代わりに一夜を過ごした野良猫(ポヨ)を連れて来たという「過去」があります。どんだけブラックな会社で働いていたんだ。基本いい人ばかり出てくる漫画なので、この部分だけやけに異質です。現在は家事手伝いですが、ママン(萌そっくり)が亡くなっているので家庭の面倒をみており、決してニートではないです。


弟でポヨの宿命のライバルである英は結構美形で、なにより性格が男前。ガールフレンドのマキちゃんは英にお熱ですが、どこまで自覚しているのかちょっと不明。佐藤家の人は他人からの人気に結構無頓着ですな。

個人的には隣に引っ越してきた若夫婦の田中ユカさんが好きです。ガーデニングに憧れて都会から引っ越してきたのに、当初は潔癖症気味で動物が苦手でした。ポヨをツチノコだと思い込んでいたり。その後ポヨの甥にあたる球体子猫を引き取ったり、ガーデニングになれるなどして急速に地元に溶け込んで、萌達と和気藹々と暮らしています。いいなあ、こういう奥さん。

「おうちでごはん」(スズキユカ)。2008年8月号から連載されている非四コマです。料理大好きで食べるのはもっと好きな大学生鴨川耕太「カモ」が、色々な料理を作りながら周りの人々と交流する様を描いています。

普通の料理漫画は美食やグルメといった内容になりがちですが、本作は一般家庭で作る日常の料理を描いています。カモが住むアパートには大学の友人である米田、食の造詣が深いリーマンの瓜沢、酒好きOL夏実、大甘党の遠藤など個性的な住人がいて、これらの人々との交流も楽しそうです。

カモには異母妹のJKがおり、鈴菜「スズナ」といいますが、日仏のハーフで、カモの義母の連れ子なので血のつながりはありません。それじゃ「みゆき」路線かと思いきや、「カモ」に兄としてとても懐いているのでそれはなさそう。両親の転勤で一時期ベルギーで暮らしていましたが、カモの作るごはんが食べたいと言って再び単身来日しています。黒髪なのに目は青いスズナ。青い瞳は優性遺伝なのかなあ?

時々登場する女子大生であるはしばみさんや宮前椒子とカモの仲が気になりますが、食い気だけでつながっているのだろうか、この人達。キャラが立っているし、絵柄的にもアニメ化に適していると思うのですが。

「初恋症候群」(瀬戸口みづき)。本来は「初恋」と「症候群」の間に矢の刺さったハートがあります。また「症候群」と書いて「シンドローム」と読みます。鳩子がキレるかも(笑)。2011年10月から連載されています。

幼なじみの瑠璃、東吾、奈緒。3人は高校生になり、東吾(♂)も奈緒(♀)も瑠璃(♀)が好き(もちろん恋愛的に)。しかし瑠璃はなんとリーマンと交際を始めてしまいます。奈緒は東吾になんとか瑠璃を取り戻せとけしかけますが…


純情可憐な瑠璃ちゃん、てっきりチャラいリーマンに弄ばれて貪られているのかと思いきや、交際相手りの津島さんは東吾の兄(ろくでもない鬼畜系)の同僚でイケメンながらとんでもなくヘタレで、おそらくキスさえもまだ。

結構綺麗なのにやたら飄々としながら毒舌でシビアなさくら先生や、同じく世界の真実を暴きまくる超毒舌(でも褒められるとデレる)のデブスなクラスメート島袋さんの存在がとてもいいです。この二人はガンガン登場させて欲しいです。いっそこの二人だけでもいいくらい。ホッホウ!


何も問題のないJKだと思われた瑠璃ですが、実は両親は夫婦としてはもう破綻状態で、この人も笑顔の影には色々抱えていたのでした。四コマなのに人間関係がとてもめんどうくさいですが、次第に引き込まれていった作品です。連載順が後方なのが気になりますが、ぜひ連載を続けて単行本も出して欲しいものです。

「奥様はアイドル❤」(師走冬子)。2005年1月号から連載中。アイドルとサラリーマンの夫婦の、一風変わった夫婦生活をコミカルに描いた作品です。師走冬子は絵柄が可愛らしくて好きです。夫婦だけとこの二人はちゃんと夫婦生活(おお、婉曲な表現)があるのか疑問。もしやまゆりは処女なのでは。

国民的アイドルの桜井まゆりは16歳で現役女子高生かつアイドルかつ奥さま。夫の博嗣は28歳でエリートサラリーマン。20代で部長ってどういう会社だろう。「ロト7」のCMの妻夫木聡か。


まゆりのライバル(?)の双子のアイドルエリマリが好きです。マリことまりかはまゆりの大ファンですが、エリことえりかはライバル視しています。しかしすっかり色物アイドルでほぼ女芸人状態なため、同じ土俵に上がることすらありません。この作品もアニメ化するのに適当だと思うのですが…

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