夏季アニメ総括:二勝二敗というところでしょうか…

こんばんは。いや~昨日は秋が深まったと思ったのですが、今日はわりと暖かで。気温の変動が激しいと風邪を引きやすいので注意が必要ですね。

さて、視聴していた夏季アニメも最終回を迎えましたので、本日は夏季アニメの総括らしきものを行いたいと思います。

その前に、ネットのまとめサイトで「今期のクソアニメで打線組んだwwwwwwwwww」という記事を発見しました。「○○で打線組んだ」って今流行なんですかね。それによると…

1(中) 六畳間の侵略者!?
2(右) 東京ESP
3(三) 白銀の意思 アルジェヴォルン
4(左) RAIL WARS
5(一) グラスリップ
6(遊) 精霊使いの剣舞
7(二) まじもじるるも
8(捕) モモキュンソード
9(投) 人生

打順はまあなんとなくわかりますが、ポジションはどういう意味があるんでしょうか(笑)。それにしても、私が視聴していた夏季アニメが全部入っているのに驚きです。全面的に賛成する訳ではありませんが、いいとこついているなあ。

ではまず視聴を打ち切ってしまった「RAIL WARS」。全話を見ていない以上総括はできないのですが、上記記事のコメントに「RAIL WARSとかいう心の底からどうしようもなくクソアニメのキングオブクソアニメ 何でアニメ化したんや」というコメントにほぼ全面同意です。

私が見ていた回までに限っても、あまり列車への愛がなく、やたらテロリストが登場し、しかも馬鹿丸出しで、学生なのに公安に配属されたまではともかく、自分達だけで爆弾処理をしたりとツッコミどころ満載でした。ヒロイン達のサービスカットやラッキースケベが売りだった感じがあります。このブログではあまり悪口は書きたくないのですが、原作ファンがかなり怒っているようです。ちゃんと原作のストーリーを反映していないのかも知れません。

本作についてはアニメーターの首藤武夫が5月30日に自身のTwitterで“アニメ製作に於いて何一つ、石ころより役に立たないのが「原作者」という存在。役に立たないならまだしも、あの手この手で妨害工作を繰り出してくる輩がいる。そんな数々の妨害にも負けず鋭意製作中です! #RAILWARS”と発言したことが話題になり、製作に口出しをする原作者に不満があった様子を窺わせていますが、口出しを受けてこうなったのか、こんな展開だったから我慢できずに口出ししたのか。とりあえず4番レフトの座は正しいかと(ポジションはどこでもいいですが)。

続いて「グラスリップ」。P.A.WORKSの作品といえば、富山県南砺市を舞台とした「true tears」や石川県の湯涌温泉をモデルにした「花咲くいろは」、そして湘南を舞台にした「TARI TARI」とご当地青春ものの佳作を世に送り出しており、本作も福井県坂井市をモデルにしたご当地ものであることからかなり期待したのですが……なんだこれは。たまげたなあ。

さっきの記事でも「クリーンナップ強力すぎィ」とのコメントがあり、不動の4番打者「RAIL WARS」に続き5番ファーストに入っているのが「グラスリップ」。「未だにグラスリップ切ってない奴は偉いと思う」「グラスリップ最新話見てるけど、酷すぎてやばい」などのコメントが寄せられています。

視聴を打ち切った「RAIL WARS」と違い、P.A.WORKSの実績に期待して、いつかきっと面白くなるという思いから見続けましたが、結局最後まで面白くなりませんでした。

作画は実に綺麗です。列車の絵なんか「RAIL WARS」より綺麗だったりして。例によってモブ子さん達も可愛いです。しかーし、しかし!肝心なメインキャラ達に魅力がありませんでした。誰一人感情移入できないというのは珍しいです。この作品、私の好きな声優・早見沙織が出演しているというのも視聴理由の一つなのですが、彼女の演じた「高山やなぎ」にしても何だかよくわからない人でした。

仲良し5人組に異分子の転校生が入ってきたことで広がる波紋…とでも言えば良いのか、主要キャラが抱えていた恋愛感情をもっとドロドロと描けばそれはそれで面白かったかと思うのですが、どれもこれも中途半端でした。やなぎが好きな雪哉(やなぎの母の再婚相手の連れ子)は主人公の深水透子が好きで、さらに透子は謎の転校生沖倉駆が好きになり…ということで、やなぎには黒い嫉妬の炎に灼かれて暗黒面に墜ちて欲しかったのですが、別にそういうことはなかったぜ!

一番の問題はこの駆という不思議ちゃんでしょう。不思議ちゃんといえば「true tears」の乃絵もそうでしたが、男の不思議ちゃんというのがこれほどウザい存在だとは。これだけ何の共感も好意も抱けないキャラは珍しいです。

某辞職した兵庫県議の真似はするは、いきなり分身の術は使うわ。訳知り顔に登場してきたので、透子の不思議体験(幻影が見える)について色々知っているのかと思いきや、実は何も知らなかったりして思いっきり期待はずれでした。イケメンなら何しても許されると思うなよ。


透子の妹の陽菜が作品唯一の良心…そう思っていた時期がオレにもありました。でもこのJCも足を痛めている雪哉に、事情も知らないのにわざわざ水着で自転車に乗って追っかけてきて「格好悪くならないで下さい!」と言い放つていたらく。

そういえばやなぎと陽菜は仲が良く、着なくなった服を貰ったりしていましたが、この二人は中の人的観点では「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」の雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣ですね。そりゃあ仲が良い訳ですよ。陽菜は由衣っぽいJKになりそうな気がします。

それから脇役ですが、透子のママンの声は聞いたことがあるなと思ったら、なんと「true tears」の主人公眞一郎のママンをやっていた高橋理恵子さんじゃありませんか。息子である眞一郎への溺愛ぶりに対し、比呂美への修羅のごとき態度がインパクトがありましたが、実の娘に対しては優しいのね(笑)。


ということで、登場キャラ達の精神疾患を心配しているうちに終わってしまった作品でした。駆と透子は精神科で受診した方がいいな。病弱薄幸少女の幸もかなりヤバいです。同性愛だからではなく、目的の為に他人の好意を利用するあたりがサイコパスっぽいので。

続いてクソアニメ打線で一番センターの「六畳間の侵略者!?」です。私はこれには異論があります。結論を先に書くと、中二病的展開がとても面白いアニメだったと思います。

月額5000円の格安アパート「ころな荘106号室」に引っ越してきた里見孝太郎(浩太朗にあらず)が、幽霊地(東本願寺早苗)、宇宙人(ティアとルース)、地底人(クラノ=キリハ)、魔法少女(虹野ゆりか)に囲まれてクラスというハーレムアニメです。皆色々な事情で106号室を狙っているのですが、大家さんの笠置静香(シズ子にあらず)が締結させた「ころな陸戦規定」により実力行使はできなくなり、トランプなどで領土の取り合いを行っていました。

涼宮ハルヒが見たら羨ましくて仕方がないシチュエーション(もっともハルヒも気付いていないだけで未来人、宇宙人、超能力者に囲まれていましたが)ですが、当初はいがみあっていた面々ですが、それぞれの敵が登場するなか、団結して共闘していくようになり、コミュニティになっていきます。

私のお気に入りは桜庭先輩。久々に見た儚げな美少女で、性格は天使そのもの。この人については改めて取り上げたいのでここではあまり触れませんが、付き合うなら絶対この人にしろと言いたいです。でも嫉妬の黒い炎に灼かれて(こればっかですね)堕天使になる桜庭先輩も捨てがたい。病弱な先輩に障害物マラソン出場をお願いする孝太郎はマジ鬼畜だと思います。

あと魔法少女虹野ゆりか。公私ともにダメっぷりが目立つ、「魔法少女まどか☆まぎか」の詐欺OPで描かれる「ダメ魔法少女まどか」そのままのような子で、幽霊や宇宙人や地底人は受け入れた孝太郎がゆりかに限っては「ただのコスプレ好き」という認識を頑固に維持していたのが笑えました。ようやく孝太郎に理解して貰った時も、結局敵の魔法で記憶を消されて元の木阿弥だし、結界防護で物的被害を最小限に留めたり、孝太郎に防御魔法をかけて被害を少なくしたりと、影のMVP的働きをしているのに、誰もそれを理解していない報われなさが可哀想可愛くていいです。

「朝比奈みくる」的ポジションなこの人についても別途取り上げましょう。ちなみにゆりかは人間としてポンコツですが、魔法少女としては結構優秀で、様々な魔法を使いこなしています。衣装はマドマギっぽいですが、戦闘スタイルはリリカルなのは風ですね。

なお、中の人である新人声優大森日雅(にちか)はとてもおいしい役にありつき、しかも好演したので、今後の活躍に期待大だということですね。



桜庭先輩とゆりかは3話のからみが非常に良くて。障害物マラソン最後の試練・借り物で「友達」が出たぼっちのゆりかはムリですーと泣きますが、そこで桜庭先輩「ここにいるじゃないですか」。天使は本当にいたんだ!

借り物が「部活の後輩」だった桜庭先輩がゆりかと共にグロッキーな孝太郎を連れてゴールインしましたが、桜庭先輩あってこそポンコツ魔法少女ゆりかは、困難から逃げ出さない勇気を持つようになっていったと思われます。

同じくラノベを原作にしてもこうも出来が違うのはどうしてでしょうか。監督とかスタッフの力量なのかなあ…。原作は既刊16巻で6巻位までの放映だったので、二期をぜひ。

最後に春季アニメですが2クール放映して終了した「魔法科高校の劣等生」。こちらもラノベ原作作品ですが、魔法が体系化されているのでファンタジーではなくSFですね。魔法こそが国力の源とみなされ、魔法技能師の養成は国策となっています。

体系化された魔法といっても、先天的な素質が必要なので、魔法使い(魔法技能師)はファイブスター物語の騎士やダイバーのような希少価値のある存在であり、当然魔法の素養を持たない大多数の人々からは嫉妬される存在でもあり、魔法師排斥運動を行う組織も存在します。

司馬達也・深雪兄妹の国立魔法大学付属第一高等学校での3年間を描く作品だそうで、原作では現在二年生になってからのエピソードが描かれています。既刊14巻で、第一期では7巻までが描かれているので、当然第二期はあるでしょう。「アニメ!アニメ!」が実施した「春アニメ2014何を見ますか?」では総合ランキングで第1位、男性ランキングでも第1位、女性ランキングで第2位を記録した非常に前評判の高い作品でした。

で、評価ですが、これは視聴者を選ぶ作品かなと思います。とにかく主人公司馬達也の無双振りが目立つ「さす兄」アニメです。あ、「さす兄」とは「さすがはお兄様です!」の略で、劇中妹の深雪がしばしば発言しています。

優等生の妹と劣等生の兄という構図なのですが、当初から兄達也は劣等生でもなんでもなく、破天荒な実力を持っています。劣等生とは仮の姿、実は国宝とも言うべき戦略級魔法師であり、核兵器以上の破壊力を持つ「質量爆散(マテリアル・バースト)」を使用し、また24時間以内に起こった即死以外のあらゆる負傷・損傷を一瞬で完治させる「再成」も可能で、魔法工学エンジニアとしても超一流。まさに中二病患者の妄想の先にいそうな存在です。

そして双子じゃないけど同学年の妹が才色兼備の超絶美少女で、しかも自分に限りなく恋愛感情に近い敬愛を捧げているという。全国100万人の「妹にないがしろにされているお兄ちゃん」感涙という設定もあります。


入学編では反魔法組織「ブランシュ」、九校戦編では魔法犯罪シンジケート「無頭竜(ノーヘッド・ドラゴン)」、そして横浜騒乱編では大亜細亜連合(大亜連合)という中国と周辺諸国により構成される連合国が敵として登場し、当たり前のようにテロリストが出現し、達也・深雪兄妹や高校のクラスメート・先輩達と戦うことになります。

最終的には達也が戦略級魔法師である実力を遺憾なく発揮し、出撃してきた大亜連合の艦隊を「質量爆散(マテリアル・バースト)」で全消滅させていました。横浜騒乱編(劇中では「灼熱のハロウィン」よ呼ばれる事件)により、魔法師の強さ=国の強さという認識が完全に普及し、魔法師の存在はさらにその重要性を高めることになったそうですが、核融合の制御とか、経済活動にも魔法は必須になるようなので、政治経済軍事、どの面でも魔法優先の思想がはびこりそうです。そうなると魔法の素養を持つ者と持たない者の間に深刻な乖離が生まれそうな気もしますが、そのうち人工的に魔法師を製造するということになっていくのかも。

そもそも達也自身が本来は魔法師としての才能を持たず、6歳のときに「人造魔法師実験」の被験者にされたという過去があるそうなので、人工的に魔法師を生み出すことは劇中では決して夢物語ではないでしょうが、その過程でどれほど非人道的な実験が行われることか。中国が中心となっている大亜連合では普通に外道な人体実験とかやってそうですけどね。

登場人物が凄まじく多く、アフレコは声優でごった返したそうで、制作費もかなりかかっているんでしょうが、二期のみならず三期四期の製作も期待されます。スピンオフの漫画作品「魔法科高校の優等生」というものあるらしいので、合間にアニメ化してはどうでしょう。

受け付けない人は全く受け付けない可能性がありますが、好きな人は大好きという人を選ぶ作品ですが、9割の人に受け入れられなくても1割の熱狂的ファンが付けば興業的にはきっと大成功でしょうから、ぜひ続編を。ちなみは私の中二病脳は大好きだと言っています。

そういえばこの作品、深雪は筆頭に美少女ばかりが登場しますが、Webラジオ「満開ブルーム放送委員会」第9回での作者のコメントによれば、魔法師は美男美女になる傾向が強いのだとか。持つ者と持たざる者の格差がこんなところにも。まさか魔法能力の強さと美貌が比例するとか言わないでしょうね。もしそうなら私も反魔法組織に入ります(笑)。

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