記憶に残る一言(その6):伊達臣人のセリフ

こんばんは。今日も降ったり晴れたりと忙しい一日でした。朝から降っていたので傘を持っていかねばと思ったら、主力のジャンプ傘(16本骨)がないことに気付きました。おそらく酔っ払ってどこかに置いてきたのでしょう。多分先週の金曜日だと思うのですが、今まで全く気付かなかったとは……
サブウェポン格の折りたたみ傘では少々心許ないので、また買わねば。札幌に来て3本目ですよ。1本目はドンキホーテで激安で買ったのですが、強風の豊平川沿いであっという間に風になってしまい、2本目は先週霞のように消えてしまいました。
さて今日の記憶に残るセリフ、海のリハクかと思いきやそれが違うのですよ。意表をついて「魁!!男塾」から王大人に続いて伊達臣人の登場だァーーーッッ!!(バキ風)
伊達臣人は作中で準主役級の人なのですが、その凄まじい強さとは裏腹に、言っていることがころころ変わるという面白い特徴があるのでぜひ取り上げたいと思いました。
伊達臣人は作中で準主役級の人なのですが、その凄まじい強さとは裏腹に、言っていることがころころ変わるという面白い特徴があるのでぜひ取り上げたいと思いました。
まず初登場時は男塾の敵でした。関東豪学連という、関東一都六県の98校を支配し、構成員は1000名にも及ぶという不良学生集団の総長が伊達臣人です。元々伊達は男塾一号生の筆頭で、塾長の江田島平八をして「なにをやらせても完璧。男塾300年の中でも奴ほどの逸材はおらん」と言わしめる程の人物でした。
しかし教官殺しの罪(塾内では「男塾ニ・一五事件」と呼ばれる)を犯して男塾を出奔したのでした。両頬に三本ずつある傷跡は、六忘面痕(ろくぼうめんこん)といい、当時その教官につけられたものですが、殺された教官は江田島に言わせれば「チンケな野郎」「奴も教官としては向いていなかった」そうなので、そんなヤツを教官に据えとくなよと塾長に突っ込みたくなります。関東豪学連は、愕怨祭(がくえんさい)を開催中の男塾に攻め込んできて、色々あった挙げ句伊達とその腹心である三面拳(雷電、飛燕、月光)が、主人公の剣桃太郎ら現一号生と4対4で驚邏大四凶殺(きょうらだいよんきょうさつ)で勝負することになります。
ちなみに驚邏大四凶殺は男塾最大名物で、四人一組の二チームが巨大な鉄球に足枷で繋がれ、それを転がしながら富士山の山頂を目指し、途中のチェックポイントで各チーム1名ずつ代表者を選び戦っていくというもので、過去三百年唯一の生存者は江田島塾長のみなんだとか。男塾の敷地内には命を落とした者の慰霊碑が建っています。
詳細は省きますが(ぜひ漫画喫茶などで読んで頂きたい。「魁!!男塾」は結構巻数はありますが、読破に要する時間はすごく短くて済むと思います)、伊達は剣桃太郎と最終戦で激突し、桃太郎を大いに苦しめるものの惜敗します。この頃の伊達は完全な悪役で、鎧兜に身を固め、兜の角で突き刺すなどのエグイ技を使っています。そして驚邏大四凶殺の一ヶ月後、傷の癒えた桃太郎達一号生(男塾ではどんなに重傷を負っても一ヶ月で必ず完治します)の前に、死んだはずの伊達と三面拳が登場し、以後仲間になります。伊達は一号生の副将格となり、対三号生戦の大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)や天挑五輪大武會(てんちょうごりんだいぶかい)を戦っていきます。ちなみに仲間になってからの伊達はやたら男前になります。
伊達の特徴としては、桃太郎には敗れたものの、以後は全戦全勝であり、しかも余裕をもって敵に勝つ事が多いということでしょう。桃太郎の場合は敵の大将格とぶつかることもあって毎回かなりの苦戦を強いられ、伊達を破ったときのように「主人公属性」によって勝利をもぎ取るケースが多いのに対し、伊達は敵の副将格を相手に余裕綽々で勝つのです。その実力の高さは仲間内でも折り紙付きで、伊達自身が「俺では勝てん」と言っていた大豪院邪鬼よりも強いのではないかという印象があります。邪鬼は「男塾の帝王」と呼ばれながらなかなか戦わず、ようやく戦っても結構苦戦しているということも原因でしょうが。
そのため連載当時、伊達の読者人気は非常に高く、人気投票では常に三位以内に入り、一度は主人公である桃太郎を追い抜いて一位の栄冠に輝いた事もあります。やはり圧倒的な強さが印象に残るからでしょう。三面拳が苦戦した男塾死天王(いろいろあったけど結果的に飛燕、月光は敗北。雷電は戦う前に倒れてしまう)に対しても、伊達は圧勝してみせています。伊達の使う流派は覇極流。覇極流には槍術と素手での活殺拳がありますが、神業のような槍さばきが印象的です。
抱腹絶倒なのには覇極流超奥義「宇呂惔瀦(うろやけぬま)」です。これは対戦相手と全く同じ動きをしてみせる紫蘭という敵と戦った際に繰り出した技です。背中に槍を隠した構えから上空に槍を放り投げます。紫蘭もつられて自分の槍を投げるのですが、実際にはこのような奥義は存在せず、実は伊達は折れた槍の下半分だけを投げていて、穂先部分は隠し持っていたのでした。つまり紫蘭から槍を手放させるトリックだったのですが、逆から読めば伊達の諧謔の心が判って頂けると思います。とっさによく考えるよと思いますが、漢字も考えたんでしょうか?
そんな自身の強さを自覚していたらしい、伊達の記憶に残るセリフがこれです。これがイヤミに聞こえないあたりが伊達の凄さです。一生に一度言ってみたいですね「お前が弱いんじゃない、俺が強すぎるんだ」って。ゲームとかでなら比較的簡単に言えるかもしれませんが。
また伊達は、口は悪いもののかなり仲間思いであるとされています。大威震八連制覇で三面拳の雷電が敗北した際は「馬鹿めが…ふがいない奴よ。三面拳のツラ汚しもいいとこだ」と言い放ち、「死んだ仲間に言うセリフか!!」と富樫や虎丸を激昂させますが、憎まれ口を叩く伊達の腕組みした指は腕に食い込んで血を流していました。
ここで飛燕が伊達の心境を代弁。「何年もの間わたし達は生死を共にし、肉親の血より濃い絆で結ばれてきました。その死を悲しまない者などどこにおりましょう。ああいう人なんです。仲間の死を見るのが何よりもつらい…だからああしてこれ以上犠牲をださぬよう厳しい態度にでる…本当はやさしい人なんです」なんか伊達がドヤ顔しているような感じがしますがきっと気のせいでしょう。
しかし、私は忘れていませんよ。関東豪学連時代、男塾侵攻の先鋒を務めた親衛隊長森田大器に対して伊達がしたことを。作戦に失敗しておめおめ逃げ帰ってくるという醜態を晒したとはいえ、自ら処刑ですよ。「仲間の死を見るのがなによりつらい」のではなかったのか。親衛隊長ということはそれなりに伊達に近かったはずなのに。
敵に対してはよく辛辣なセリフをはく伊達ですが、一旦仲間になると「やさしい人」であるせいか、やたら賞賛するセリフを言うことが多いようです。ただ、三面拳最強とされる月光について「あいつと戦ったら俺でも危ないぜ」と褒めるくらいならいいのですが、赤子の手をひねるように圧勝してみせた男爵ディーノについてさえも、仲間になってからは「この俺を手こずらせたほどのディーノのおっさんの力をあなどっちゃいけねぇぜ」と言います。
これは明らかに贔屓の引き倒し的迷言でした。失言と言っても良いでしょう。伊達はディーノに全く苦戦などしておらず、戦闘中に伊達はディーノをあなどりまくっていました。そして実際ディーノは敵に舐められた上に惨敗してしまいます。この時は死にませんでしたが、それは単に殺すまでもない実力差だったせいだと思われます。
おかげで伊達が失地挽回のため自ら出陣しなければならないハメになりました。いや、誰も「伊達行ってこいよ」とは言っていないのですが、自らの発言の責任を感じたといったところでしょう。ま、そこは伊達なので蹴りを一発食らった程度でほとんど無傷で圧勝して見せましたけど。
この時の対戦相手だった鎮獰太子(ちんどうたいし)は、「直径50cmに満たない円の外に出たら腹をかっさばいて負けを認める」という自己ルールを設定しており、ディーノは全く寄せ付けず倒しましたが、伊達には同じ条件で惨敗し、さあ腹を切れと迫られても怖気づいて切腹出来ないという醜態をさらしていました。多分伊達は腹なんか切れないと判っていてあえて言っていたので、味方にはやさしいけど敵にはとことん底意地の悪い男です。竜宝という敵に対しては、最高度の修行を経て頂点に達した者だけが許される「極武髪」を切り取り、「こいつは靴ブラシにちょうどいい」とか言っているし。
ということで、伊達は敵対者には容赦ありませんが、仲間には優しくしてくれる頼りになる男なので、ぜひお近づきになりたいものです。でも大して実力がなくても過剰に褒めちぎるところはちょっと考え物かも。自身もある程度(というより相当程度)の実力を身につけた上で友人として付き合いたい漢ですね。ただし森田という名前の人だけは要注意。なぜか冷酷な扱いを受けることになりますから(笑)。
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