イノセント・ブルー:絵も音も詐欺的な「School Days」OP

こんばんは。昨夜から降り続いた雨で豊平川大増水。まさに濁流は逝く者の如し。台風11号はしぶとかったですね。すでに低気圧に変わりましたが、各地に大きな被害を残していきました。明日からは北海道の天気も回復するようで、一週間は観光に適当な天候となりそうです。最高気温は27-30度とちょい高めらしいですけどね。

本日は「School Days」のOP「イノセント・ブルー」を紹介しましょう。歌っているのはDeviceHighです。

DeviceHigh(デバイス・ハイ)は、テクノポップユニットで、1999年にプレイステーション用ゲーム「まぼろし月夜」の主題歌「そよ風の訪問者(VISITOR)」でデビューしました。当初のメンバーはボーカルのREM(レム)、ドラムスの橋本彦士、キーボードの中村繁一と謎の巨大ロボットBENKEI(ベンケイ)の「4人」だそうですが、当然BENKEIは姿を見せたことがありません。強力な光学迷彩装置でも搭載しているから?

バンド名はMS-DOSの環境定義ファイルCONFIG.SYSで用いられるコマンドに由来しており、初期はインディーズアーティストとして活動していました。

2007年に中村繁一が脱退したほか、2011年11月には突如活動停止を発表しています。「とある(制作会社の)ディレクター」からパワーハラスメントを受けたことによるREMの体調不良が原因だったそうですが、その後活動再開の情報は入ってきていません。公式サイトも消滅してしまっています。

まさに「中に誰もいませんよ…」状態。

「イノセント・ブルー」はDeviceHighの1stシングルで、2007年7月25日にリリースされました。当時既にメンバーはREMと橋本彦士の2人になっていたようです。作詞はメンバーのREM、作曲編曲もメンバーの橋本彦士です。オリコン最高順位は65位でした。

イノセント・ブルーとは深い青色のことだそうで、こんな色だそうです。

「School Days」2007年7月から9月まで放映された深夜アニメですが、2005年4月28日に発売された同名の18禁ゲームを原作としています。テレビアニメ70話分以上の膨大な長さのフルアニメーションで作られたことで大きな話題となりました。アドベンチャーゲームでエンディングは20通りで、5人のヒロイン毎にあるハッピーエンドが15通り、バッドエンドが3通りありましたが、バッドエンドにおける陰惨な描写は大きな話題になりました。

このバッドエンドがインパクトがあったせいか、テレビアニメ版は「とにかくショッキングに行きたい」という惨劇ありきの案が採用され、監督の元永慶太郎も「最初からハッピーエンドだけは考えていませんでした」と述べていたほどでした。こうして完成したTVアニメ版は、主人公である伊藤誠・西薗寺世界・桂言葉の三角関係を中心としたドロドロの壮絶な愛憎劇に重点が置かれたものに仕上がっています。

特に伊藤誠の外道振りは話題になり、「誠死ね」は視聴者の合い言葉になってしまったほど。全国10万人の誠さん(数は適当)はえらい迷惑を被ったわけですね。もっとも原作でもきちんとした選択をしていれば誠は「きれいな誠」となってハッピーエンドを迎えられるので、「誠死ね」はプレイヤーの選択によるものと言えますが、アニメ版では否応なしだったのでさらに反感を買ったもののようです。

さらにアニメ版では、伊藤誠の負の側面(流されやすく優柔不断)が強調された結果、終盤では肉体関係にあった世界や言葉を突き放し、他の女子生徒達との性的快楽へ逃避していましたから、嫌われるのも仕方がないかも知れません。アニメの誠の外道ぶりは出演者からも定評を得ており、世界を演じた河原木志穂は「平川さん(主人公・伊藤誠役)の死にっぷりが素敵で、そのおかげでテンションがすごく上がった」と言っているほどで、誠が刺された場面では歓声が上がったとの噂も(笑)。

テレビアニメの最終話放映予定日の前日に、京都府で少女が警察官の父親の首を斧で切りつけ殺害するという事件(京田辺警察官殺害事件)が発生したため、アニメ最終回は一部地域で放送中止となりました。その際、差し替え番組としてヨーロッパの城や遊覧船を映した環境映像が流れたのですが、海外の画像掲示板「4chan」でそれを目の当たりにした外国人が画像掲示板で「Nice boat」と言い放ったことが大いに受けました。今では「School Days」最終話の代名詞的用語として使われているほか、ネットではアニメなどの話や放映話数が飛ぶことや、猟奇的シーンが登場した際に「Nice boat」というのがお約束になっています。

最終話では、誠が最終的に言葉を選んだことに激おこぷんぷん丸の世界(誠の子を妊娠中)が誠を殺害→誠が殺されたことを知った言葉が世界を殺害→誠の生首を抱いた言葉がヨットで遠海に進んでいく……という展開でした。そりゃ放映できんわ、こんなん!ちなみに誠が生首になったのは、殺害した世界によるものではなく、殺された誠を発見した言葉によるものです。

まあ女の子と力では死体全ては運びきれませんからね…。ディオ様だったら首だけでもOKだったんですが。

そういう凄惨な内容のアニメにも関わらず、イメージイラストではなぜか世界と言葉が仲良く描かれているものが多く、「イノセント・ブルー」の画像もほとんどOP詐欺の領域でした。ホラー映画などの音楽が美しいように、せめてOP位は綺麗にという製作サイドの親心なのかも知れませんが……

この曲の特徴と言えば、冒頭からメロディーの中登場する「ぽぽーぽぽ」という音でしょう。一度耳にすると一生頭から離れなくなる……のはおおげさですが、かなり心に残ります。

いつからか舞い降りた 私の蒼い天使よ…
気がつけばみつめてしまう あなたの横顔ばかり
Ah すれ違う微笑みに うつむくしかできずに
背中ごしに声かけたの 今は心の中で
それは雪のように降りつもった イノセントな痛み
たとえ遠まわりでも この想いは まっすぐ届けたい
ためらいに隠された 素直なキモチと勇気
閉ざされた扉の鍵は 誰もが持っているはず
Ah あなたの足跡を そっとなぞってみるの
願いかけた砂の星屑 今は小瓶に詰めて
それは波のように絶えることなく 寄せては引く痛み
風に砕け散った涙は そう せつなさのカケラね
それは雪のように降りつもった イノセントな痛み
やっとみつけられそう 私の恋 私だけの場所を
いつの日か飛びたってゆけ 私の蒼い天使よ…

それでは聞いてみて下さい。まずはテレビサイズ版。解像度が低くて恐縮です。しかしこのOPを見てあの最終回は想像できんですよ。

https://www.youtube.com/watch?v=UARsD0rIk4M
フルバージョン。5.1chサラウンド仕様だそうです。画像が変わらないのが残念です。

https://www.youtube.com/watch?v=nSbCS1HJFog
フルバージョンでイラスト集付き。モノクロですが楽しいです。

https://www.youtube.com/watch?v=C7uiLsnZXmM
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