小樽ショートトリップ:7年ぶりに再訪しました

こんばんは。毎週の土日の休みはルーチンワークの中で終わってしまう感がありますが、実に久々に月曜日もお休みとなると何かしなくてはという気になりますね(ブログのネタ的な意味で)。そんな訳でちょっと小樽に行ってきました。といっても小樽は札幌からはごく近くの街ですが。

実は2007年の夏に訪問したことがあるので7年ぶりの再訪です。倶知安とか長万部とか様似とかも考えたのですが、往復すると一日がかりになってしまうなあと思ってぼやぼやしている間に出発機を逃しました。その点小樽は気軽に行けて良いですね。

小樽の人口は約12万6千人で道内第7位。石狩湾に面し、古くから港湾都市として発展しました。札幌から海水浴ということになると、一番近いところでは銭函海岸(最近痛ましい事故が起こってしまいましたが)ということになりますが、銭函は既に小樽市内です。中心部には歴史的建造物が数多く残り、観光都市としても人気が高く、札幌にも近いことからベッドタウンとしての役割も担っていますが、最盛期の1960年代には人口は20万人前後あったものの、その後人口は減少傾向にあり、2010年4月12日に総務省から過疎地域として指定されています。

20世紀半ばまでは石狩地方で産出された石炭の道外への輸送や、ロシアとの交易で栄え、1920年頃までは、札幌の人口よりも多く、函館に次ぎ道内第二位の人口がありました。戦前までは色内大通り街には日銀小樽支店を始め大手銀行、商社、海運業等の本支店が軒を連ね、アメリカの金融街になぞられて「北のウォール街」と呼ばれていました。

しかし1960年代以降、石炭需要の低下と北海道内の炭鉱の閉山、ロシア貿易の衰退、太平洋側の苫小牧港や近隣の石狩湾新港の整備により、小樽の港としての機能は衰えましたが、今度は小樽運河や往事の繁栄を偲ばせる近代建築が観光資源となり、観光都市へと変貌を遂げたのでした。映画やテレビドラマの舞台として頻繁に登場することから、中国、韓国、台湾など近隣諸国からの観光客が急増しており、今日も中国人の集団があちこちにいました。まあ札幌にもたくさんいますけどね。いっぱいお金を落として行って下さいませ。

小樽で最も有名なのは小樽運河でしょうね。内陸に水路を掘ったものではなく、沖合を埋立てて陸との間に出来た水路で、「埋立て式運河」と呼ばれます。1923(大正12)年に完成し、海上に停泊した船舶からの貨物を乗せた艀(はしけ)舟を係留し、貨物の荷揚げに使用しました。しかし、人力で荷揚げする方式は戦後に入り衰退し、戦後は樺太等との交易もなくなったため、物流の拠点としても急速に廃れていきました。

無用の長物と化した小樽運河は、1960年代に埋め立てて道路として整備する方針が打ち出されましたが、保存運動が全国規模で高まり、運河は一部埋め立てられて道路が開通しましたが、同時に整備された散策路やガス灯により周辺の景観は一変して、小樽の一大観光スポットに成長しました。1996年(平成8年)には都市景観100選を受賞しています。

運河の中でも「北運河」と呼ばれる北部は、運河の幅が昔ながらの40メートルであり、作業船などの小型船が今も係留されていますが、半分を埋め立てて散策路を整備した南部分の方が駅にも近く、またエキゾチックな雰囲気があるせいか観光客が多くなっています。


運河の両岸には煉瓦や札幌軟石で造られた重厚な倉庫群が立ち並んでいますが、現在は内部が飲食店や各種店舗に改装されたものも多く、さらに観光に一役買っています。二人乗れる人力車が観光案内を行っていたり、小型船による運河クルーズも行われています。

駅前にはアーケードで覆われた「セントラルタウン都通」があり、さながら小樽の「狸小路」といった雰囲気ですが、規模が全然違うほか、シャッターが閉じられたままの店もちらほらあって、活力のなさが気になりました。北海道では札幌一極集中が進んでいるのですが、その余波でしょうかね。小樽は人気ありそうなのに。

むしろ駅の近くよりも運河の近くや「メルヘン交差点」のほうが繁栄している感じです。「メルヘン交差点」には西洋風の建築物が立ち並び、ガラス細工やオルゴールといった工芸品店や土産品店、飲食店が、常に観光客で賑わっています。




この交差点のある「堺町通り」は、大正時代から昭和初期にかけて栄えた商人街で、現在は有名な北一硝子などのガラス工芸店や、古い商家などを改造した店舗などが並ぶ買物街となっており、小樽でも有数の賑やかな通りになっています。



小樽の名物といえば寿司が有名です。「寿司屋通り」なんてのもあって、それこそ多数の寿司屋があるのですが、「無愛想・まずい・高い」の三拍子がそろっているという悪評があります。かつて北杜夫が信じられない無愛想な仕打ちを受け、ぼったくりのような料金請求を受けたということで、腹に据えかねて小説誌に「小樽の鮨屋は世界一無礼」というタイトルのエッセイを発表したそうです。そのせいで「寿司屋通り」は一時、火の消えたような閑古鳥状態になってしまったとか。

そういうことがあったら反省して改心して出直すということが必要なのではないかと思うのですが、依然として「小樽の寿司屋」の評判は芳しくなく、札幌で食べた方がいいとか、積丹半島に行った方がいいと言われている体たらくです。もちろんまっとうな店もたくさんあるのでしょうが。

他に焼肉やジンギスカン、ラーメンなど各種の店がありますが、私が入ったのは「ヴィクトリアステーション」というハンバーグ・ステーキのレストラン。

これは「ビッグボーイ」の系列店ですね。なぜ小樽まで行ってまでと突っ込まれそうですが、ランスのように「オレは入りたい店に入る男。とー!」という感じで。カットステーキにサラダ&スープ&カレーバーで、ご飯もお代わり自由ということで、スープもサラダも2回お代わりし、ご飯も2杯(さらにカレーもかける)でお腹いっぱいでした。小樽では歩き回ったのでまあいいか、なんて。あ、休日ですがアルコールは飲まなかった自分を褒めたいと思います(笑)。


ちなみに電車で小樽に行くときは、進行方向右側の席に座りましょう。太陽の光が射さないし、なにより銭函駅以降で綺麗な海が間近に見られます。今日は海水浴する人達も出ていました。ただ、JR沿線の海岸はごろた石が転がっていて砂浜ではないので、あまり多くの人は行けない感じでした。電車から直接見ることはできませんが、銭函海水浴場は砂浜があって泳ぎ訳す、駅前でもあるので人気が高いそうです。


そう言えば「銭函」って縁起がいいとかで切符に人気があったりしましたね。広尾線の「愛国発幸福行き」の切符も「愛の国から幸福へ」なんてブームになっていました。どちらも廃駅になってしまいましたが、切符は今なお売っているらしいです。

なお、札幌と新千歳空港を結ぶ快速エアポートが小樽まで行くので、これに乗ると早く小樽に行くことができますが、普通列車や区間快速もまた楽しからずや。しょせん大した距離ではないので何に乗ってもいいのですが、途中乗車だと座れない場合もあるので注意です。

田中邦衛の真似をして「おたる…」と呟けば、当然「節子それおたると違う、ほたるや!」と清太にいちゃんから突っ込まれてしまいますが、さらにミルコ兄さんから追撃を受けたりして。

なんだ今日のしまらないオチは…たまげたなあ。休日なので許してね。

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