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好きなアニメキャラ(その34):モーム(超時空世紀オーガス)

花火
  

 こんばんは。昨夜は遠くで花火が上がっているのを見ました。豊平川の南と月寒方向の二ヶ所で。どちらも見られるとはゴージャスですが、ちょっと距離が遠くて迫力はありませんでしたね。花火を見るとああ夏だなあと実感しますね。至近距離で見ると腹に響くような音が迫力なんですが、暑いし人多いし行くのはなかなか骨です。

モームさん 

 本日は好きなアニメキャラですが、最近のキャラだと思うでしょ?私もそのつもりだったのですが、何故かやけに古い作品のキャラを思い出したのでこちらを紹介します。30年前の「超時空世紀オーガス」のモームです。

オーガスBD-BOX 

 1983年7月から84年4月まで放映された「超時空世紀オーガス」はそのタイトルから判るとおり、「超時空要塞マクロス」(82年10月~83年6月)の後番組で、いわゆる「超時空シリーズ」は「超時空騎団サザンクロス」(84年4月~9月)まで三作制作されました。しかしシリーズ化して今なお人気のマクロスに対し、オーガスとサザンクロスはすっかり「黒歴史」扱いのような気がします。

オーガス 

 タイムトラベル、平行世界と混乱時空、特異点、軌道エレベーターなど、マクロス以上にSFガジェットに満ちた作品だったのですが、そのSF度の高さが視聴者に受け入れられなかったかも知れません。メカも異世界風になったのですが、バルキリーのようなマクロス・メカのリアルさと比較すると玩具っぽかったかも。

アニメ誌の表紙にもなったモームのイラスト



 Wikipediaのあらすじです。

私も行く! 

 西暦2062年、地球は軌道エレベータの所有権を巡り、2つの陣営に分かれて争っていた。桂木桂(かつらぎ けい)の所属する自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)は最新のD兵器・時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行する。

美樹本キャラらしい表情のモーム 

 だが、相手陣営の抵抗が激しく撤退せざるを得ない状況になり、憤慨した桂は未調整の時空震動弾を作動させてしまう。その結果、暴走した時空震動弾により時空は混乱し、世界はあらゆる多元世界の混じったパッチワークのような世界、相剋界に包まれた「混乱時空」と化した。

美樹本イラスト 

 そして桂自身も時空転移に巻き込まれ、時空振動弾破裂の20年後、混乱時空世紀20年(西暦でいえば2082年)の世界に飛ばされてしまった。桂はエマーンの隊商に拾われ行動を共にするが、混乱時空修復の鍵となる「特異点」とみなされ、各勢力の争奪戦にさらされる身となる。

猫耳モーム 

 さらに、もう一人の特異点、オルソンはチラムのエースパイロットとして桂の前に立ちはだかる。過去と現在が複雑に絡み合う中、時空再生に向かって桂木桂はオーガスを駆る。

桂木桂 

 私に言わせれば本作の不人気の原因は、主人公桂木桂のチャラさが受け入れられなかったのではないかと思います。パイロットとしては天才的な腕を持っていますが、スケベで女性関係に節操がなくフリーダムな男で、見た目がマクロスに登場したミンメイの従兄であるリン・カイフン(鈴海皇)に似ています。小白竜ですね。

リン・カイフン 

 マクロスを見ていた頃にカイフンが嫌いだったこともあり、シンプルに見た目にむかつきましたし、第一話でいきなりベッドシーンという日曜日のまっ昼間からいきなり何を放映するんだ的な展開といい、桂木桂が好きになれなかったという人は私の他にも結構いたのではないでしょうか。

オーガスの上のモーム 

 いや、ここは嫌いなキャラを論じるところではないのでこいつこの人のことはこの辺りにして、モームの話をしましょう。モームは平行世界の一つである「ムー」製のロボットです。ロボットといっても小さな女の子そのものの姿で、アンテナなどのロボット的記号を一切持たないところが新鮮でした。

オーガスの萌えキャラ 

 モームを某マルチとか某まほろさんとかの「メイドロボやロボット少女萌えの元祖」とする意見もあります。当時は「萌え」という単語はまだありませんでしたが。モームのデザインは1980年のリメイク版「鉄腕アトム」の最終回に登場した美少女ロボット・ニョーカが原型であるとされています。

美少女ロボット・ニョーカ
ニョーカとアトム 

 ニョーカはアトム同様天馬博士が設計・開発したため、アトムに近い存在で、アトムの初恋の相手ですが、体内に中性子爆弾が内蔵されており、優しくも悲しい結末を迎えることになります。

私を買って下さい! 

 キャラデザインは美樹本晴彦。私は基本的に美樹本キャラはあまり好きではないのですが、モームだけは別。けなげで献身的なところがたまりません。一家に一台(というかあえて一人と言いたい)欲しいです。

オーガスメモリアル 

 モームが好きとかいうとロリコンかよと言われそうですが、人間じゃなく少女型ロボット、すなわちガイノイドなので無問題…かな?人間の同年齢の少女と比較するとスタイルがトランジスターグラマー風でバストが大きめです。胸元にはメンテナンスハッチがあります。

ロボットであることが判るイラスト 

 初登場で「私を買って下さい!」と桂に声を掛けるというインパクトのある登場の仕方をしました。このために、購入者である桂を「ご主人様」とか「桂様」と呼びます。本来の用途は看護婦ですが、掃除洗濯などの家事全般や機械修理、果ては戦闘デバイスを操縦しての戦闘すらこなす多用途汎用ぶりでした。

ロボット的な部分が皆無なモーム 

 また、配線の接続が完了して無かった状態で初出撃したオーガスに取り付いて修理したり、機能停止していた大尉(ムーの戦闘ロボット)を再起動させたりしていました。

大尉を再起動させたモーム 

 モームを制作したムーは例の海に沈んだとされる謎の超古代文明がネーミングの由来で、太平洋中心の巨大大陸に所在していると設定されています。作中では元々は人手不足を高度な技術力を駆使して作ったロボットで補填していた高度な文明でした。モームなどは人間に仕えるために作られたヒューマノイド型のロボットですね。

人気キャラモーム 

 しかし、ロボットを生産していた中枢コンピューターが暴走して人間を全員虐殺し、現在は中枢コンピューターの作る戦闘ロボットだけが増産され、周辺国家を攻撃しているという、完全な機械化軍事国家となっています。ムーでは殺す人間のなくなった戦闘ロボットが、わずかに残ったモームのようなヒューマノイドタイプのロボットを手慰みに「殺して」いたりします。

ミムジィ 

 桂が身を寄せるグローマ・ファクトリーはエマーン人が中心となっていますが、エマーンは後頭部から触角が生えている以外は地球人そっくりで、平行世界の中でも最も技術の発展した女系社会です。エマーンの名家の娘であるミムジィが作中のメインヒロインでした。

桂とモーム 

 ちなみに桂が属していた地球はチラムと呼ばれ、ムーの攻撃をまともに受けていたことからこれに対抗するために完全軍事国家体制となっていました。メカは戦闘デバイスと呼ばれ、エマーンのメカが腕付きなのに対し、脚付きなのが特徴となっていました。

スーパーロボット大戦のグローマ 

 母艦である交易船のグローマはゴキブリホイホイによく似た形状をしていました。空飛ぶ家といった方が綺麗な言い回しかも知れませんが(笑)。

女の子いっぱい 

 作中にはエマーン人の女性キャラや桂の実の娘アテナなど、女性キャラは結構登場していましたが、モームはダントツの人気を誇り、メインヒロインのミムジィさえも凌いでいました。放送後初期に発売されたオリジナル編集版ビデオソフトは「モームの夢」というタイトルとなっていました。実はモームのバッテリーは充電・交換できないタイプであり、稼働時間(寿命)は限られていました。ムーではあえてロボットに寿命を設定して世代交代を行っていた可能性もありますね。

ミムジィを救うために 

 終盤、軌道エレベータでの決戦の際、襲い来るムーの戦闘ロボットから妊娠中のミムジィを守るため、モームは破損したエマーンの戦闘メカ・ディモーラの三連装ビームガンを自分の身体に直結し、残り少ないバッテリーを使い、文字通り命を削って戦いました。最後は桂の腕の中で機能を停止した後、軌道エレベータ頂上の宇宙空間へ葬られます。

モームに駆け寄る桂
機能を停止したモームに大ショック
号泣する桂 

 モームが機能停止した際、軽薄チャラ男の桂はいつになく号泣し、その「死」を悲しんでいました。本当にバッテリーが交換不能であったかどうかは不明ですが、ムーのロボットはロストテクノロジーで解析不能だったため、桂たちにはどうにもなりませんでした。

懇願モーム 

 なおモームの名は「鏡の国のアリス」の「ジャバウォックの詩」の最終節

ミムジィを庇って戦うモーム 

 “Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe;
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe”

モームセル画 

の最終行の“mome”から取られています。その一行上には“mimsy”もありますね。モーム(mome)は“郷遠(さととお)し”と訳され、「故郷を離れて遠し」(from home) を略した造語だとされます。

モームとミムジィ 

 ちなみにミムジィ(mimsy)は“弱(よわ)ぼらしい ”と訳され、“弱々しい”(flimsy)と“みすぼらしい” (miserable)からの造語とみられます。

深雪さなえ 

 CVは室井深雪。1989年に芸名を深雪さなえに変更しています。甘い声質から幼い役柄や可愛らしい役柄を多く担当し、1980年代前半において少女的な声を得意とする声優の一角として人気を得ていました。

女の子座りのモーム

 
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いい作品

オーガスときてモーム。思い出すだけで涙がでます。

オープニングのグローマのうえでみんなが並んでいるシーンなんて「こんなシアワセな時間があったんだなー」と思い出します。

ほんとうにいい作品です、オーガス!

Re: いい作品

 ぶにあるさん、初めましてこんばんは。こんな僻地にようこそいらっしゃい。返事が遅れてすいません。

 オーガスはマクロスの後番組でしたが、マクロス以上にSF性が強かったことや、主人公の性格など、人を選ぶ作品になってしまったように思います。メカデザインもマクロスのリアル感からはだいぶ離れていたように思えます。

 そういうメジャー化阻害要因が多々あって、知る人ぞ知るという作品になってしまったように思いますが、モームというキャラを生み出したというこの一点だけでも後世に残る作品ではないかと思います。モームはもっと報われて欲しかったですが、悲劇的な結末を迎えたからこそ記憶に残るキャラでもあります。モームをリメイクしたキャラとか出して欲しいのですが…
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