超訳百人一首 うた恋い。(その2):清少納言編と紫式部編

中島公園
  
 こんばんは。暖かいというか……暑いなちくしょーめ!なんで札幌がこんなに暑いんでしょう。こっちはなにもかも冬優先なので、暑さ対応が非常に甘いんですよ。朝夕はいいんですが、オフィスが焦熱地獄。南向きの窓が憎い。

シャツクール 大容量

 フッ…まさか札幌でこいつを使う羽目になるとはな。などと中二病のごとく呟いて隠し持ったシャツクールを使ってしまうのでした。しかも大容量だぜよ。こちとら東京の酷暑を乗り越えてきた猛者の一人。札幌の暑さごときでやられるものか。やらせんはせん!やらせはせんぞ!

超訳百人一首 うた恋い。その2

 それはそうと「超訳百人一首 うた恋い。」全13話見終わりました。こんな面白いアニメに気付かずにいたとは…

このリハクの目をもってしても

 まあ「リハクの目」と書いて節穴と読むようですが、出会えて良かった、見られて良かったこの作品。時代を超えて伝わる想いっていいですね。

友人の紹介で会う二人
意気投合

 では早速続きから。平安朝屈指の才女である清少納言編は3回に亘って続くのです。その二回目になる第9話は清少納言と藤原行成の話。行成といえば能書家で三蹟の一人です。ちなみに他の二人は小野道風と藤原佐理。「サリーちゃんのパパが豆腐を買うぜい(コウゼイ)」と覚えるらしいです。ちなみに空海・橘逸勢・嵯峨天皇の3人を三筆と呼び、三蹟と並び称しますが、三筆は江戸時代や明治時代など各時代にいるのに対し、三蹟と呼ばれるのはこの三人だけです。

行成さん

 藤原行成は藤原斉信から友人から清少納言を紹介されます。ちなみに斉信、行成、公任に源の俊賢の四人は一条天皇時代に大納言・権大納言になっており、四納言と称され、藤原道長政権を積極的に支えた公卿とされます。

ほとんど見えている気もしますが

 行成と清少納言は共に親が有名な歌人でありながら和歌が苦手という共通点があり、2人は意気投合します。しかし行成は聡明でありながら見えない壁を作って一定以上打ち解けない清少納言が気になり、いろいろとアプローチを試みますが、清少納言は行成と友達以上の関係を認めません。具体的には扇子で顔を覆って絶対素顔を見せないのですね。

参った行成

 そこで行成は一通の文を出します。このエピソードは枕草子第136段、「頭の弁の、職に参りたまいて」から取られています。頭の弁とは藤原の行成のことで、当時蔵人頭でした。蔵人頭は文官と武官から一人ずつが就任し、それぞれ頭の弁と頭の中将なんて呼ばれていました。光源氏の友達の左大臣の息子(葵の上の兄)は「頭の中将」でしたね。

清少納言orz

 行成が清少納言と長話をしていたところ、夜が更けてしまい、翌日の勤務があるせいで帰って行きました。翌日「今日はとても心残りでなりません。夜通し昔話でもして明かそうと思っていたのに鶏の声に急き立てられて」との手紙が来たので、清少納言は「そんな夜更けに鳴いたとおっしゃる鶏の声は孟嘗君の話にあるニセの鶏のことでしょう?」と返したらすぐに返事があり、「孟嘗君の鶏は、函谷関を開いて3000の食客と共に危うく逃れ去った、とあるけれども私が言っているのは逢坂の関、つまり私とあなたの逢瀬のことですよ」とありました。

清少納言と行成の歌合戦

 そこで清少納言、百人一首の例の歌 「夜をこめて 鶏の空音は はかるとも よに逢坂の 関は許さじ」(夜がまだ明けないうちに、鶏の鳴き真似をして人をだまそうとしても、函谷関ならともかく、この逢坂の関は決して許しませんよ)と読みます。

ドヤ顔行成

 しかし行成これにすぐに返事をして、「逢坂は 人越え易き 関なれば 鶏鳴かぬにも あけて待つとか」。逢坂の関は実際、当時既に往来自由だったらしいので、史記で名高い函谷関とは比べものにならないでしょう。深窓の令嬢とビッチくらいの差があります。ビッチ呼ばわりされた清少納言、セクハラと訴えるべきですね。

公任と実方

 そして10話。清少納言編ラストです。今度は四納言の一人、公任が登場。藤原道長の台頭によって、清少納言が仕える中宮・定子の立場は日増しに危うくなっていきます。行成は蔵人頭として多忙な日々を送る一方、清少納言とはどんどん疎遠になっていました。もやもやする行成の気持ちを察してか、藤原公任は上から目線で仕事と女とどっちかを選ぶしかないと助言します。

ソードマスターヤマトより

 「行成がやられたか…」「フフフ…奴は四納言の中でも最弱…」「女房ごときに負けるとは貴族の面汚しよ…」といった会話が四納言の中であったとかなかっとか(ありません)。「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なを聞こえけれ」の和歌を公任が作りますが、これは本編の本題ではなかったりして。

実方が生きていれば

 清少納言は公任の友人であった実方(すでに故人)の元カノで、生前の実方から構ってやってくれと言われていたことを思い出し、歌の贈答を行います。これは枕草子第102段「二月つごもりのころに」のエピソードですね。

和歌完成

 二月の末に公任から「すこし春ある 心地こそそれ」と和歌の下の句が清少納言に贈られてきます。歌が下手な上に遅いとあっては取り柄がないと、やけになって(その振りをして)「空寒み 花にまがへて 散る雪に」という上の句を書いて差し出します。清少納言は白居易の「南秦の雪」という漢詩を引用して教養をひけらかした訳ですね。人によっては嫌味な女と捉えるところですが、実方はそんな彼女を愛したのでした。

定子逝く

 定子は出産時に亡くなり、清少納言は都を去って田舎に引きこもろうとします。そこへ復活した行成登場。

やって来た行成

 なぜ定子の忘れ形見を守ろうとせずに去ろうとするのかと尋ねます。

楽しかった時のことだけを記す枕草子

 清少納言は、枕草子は素晴らしい主君だった定子の幸せだった時代だけを書いて後世に残そうとするもので、宮中に残っていては定子の没落が隠しきれないので、意志を貫くために去るのだと。最後まで定子に尽くした清少納言、滅茶苦茶カッコイイです。

清少納言と行成

 夢のような束の間の逢瀬。最後の最後に清少納言は行成に全てを見せてくれましたが、翌日には何事も亡かったかのように去りゆく二人。大人の恋はシビアなのです。

さらば我らの恋

 11話。清少納言が登場すればこの人を外すことはできません。紫式部登場です。

紫式部に嫌われる公任

 清少納言が去った後の宮中で一番の才女とされるのが「源氏物語」の紫式部。公任は紫式部に辛辣に当たられて仕事が手に付かないほど落ち込みます。能吏の行成はなんとかするべく紫式部を脅かして公任に詫びを入れさせます。

行成が怖い

 清少納言派のせいか行成、紫式部には容赦ありません。「紫式部日記」でディスっていることを知っているのか(笑)。しかしこれも本筋でなく、紫式部には香子(これが本名という説があるのですが、本当かどうかは不明)と呼ばれた少女時代にとても仲の良かった藤子という親友がいたのです。源氏物語は彼女のために書かれていた物だったんですね。

香子と藤子
少女時代の香子と藤子

 百合か、百合なのか!?どうでもいい話ですが、「フジコ」と聞くとこの人を連想してしまうのは私だけでしょうか?こっちは「不二子」という字ですけど。

不二子といえば

 しかし時は流れ、藤子は中級貴族の嫁となり、夫と共に任国に下りました。彼女との再会を待ち望んでいた紫式部は、先輩女房から藤子が都に戻っていること、そしてまた別の任国に下りそうであることを聞きます。

藤子に会いに行くが
藤子の冷たい目

 一目でも藤子に会いたいと出かける紫式部ですが、彼女の姿を見ても無視して去って行く藤子。かつて颯爽とした男勝りの少女だった藤子は今では家事や育児に追われて日常生活に沈んだ古女房。とても紫式部に合わせる顔がないと思っていたのです。

こんな姿見せられない

 そんな彼女に送った歌が「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲がくれにし 夜半の月かな」(せっかく久しぶりに逢えたのに、それが貴女だと分かるかどうかのわずかな間にあわただしく帰ってしまわれた。まるで雲間にさっと隠れてしまう夜半の月のように)です。

新作キマシタワー

 そして男に翻弄されて自分の意志で生きることのできない藤子など当時の女性のために書こうとしたのが源氏物語の
新作「あふひ」、すなわち「葵」でした。

葵の上を取り殺す六条御息所の生霊

 ちなみにあらすじは、光源氏の愛人である六条御息所と正妻である葵の上の供の者が争い、御息所が辱めを受けます。葵の上を恨んだ御息所は生き霊となって取り憑き、出産直後の葵の上を取り殺します。看病中に御息所の生霊を目撃してしまい愕然とする源氏。しかし四十九日が過ぎると源氏は紫の上の処女奪うのでした…というものです。源氏、ナニヤッテンダオマエハ。

ほとんど「良いではないか良いではないか」

 長くなったので残り2話は明日やります。
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