狼と香辛料:人気ラノベシリーズの第一弾。剣と魔法のないファンタジー

5月病がいらっしゃる
 
 GWも夢のように終わって、皆さん現実にようこそ。といっても今週はまだ休みボケの残ったまま週末になだれ込みそうですね。

残念さやかちゃん

 本日は帯広小旅行(その2)かと思った?残念!さやかちゃんでした。←このネタはどういうふうに生まれたんでしょうね。面白いけど。さやかは“可愛い女の子”かどうかは評価が分かれるところかも知れません。まどか、マミ、ほむらあたりだとあまり異論はなさそうだけど。

狼と香辛料

 というわけで(どういうわけだ)残り少ない書籍ネタいきます。本日は支倉凍砂の「狼と香辛料」」です。支倉凍砂の作品は初めて読みましたが、「狼と香辛料」については未見ながらアニメ化されていることは知っていました。

支倉凍砂

 支倉凍砂(はせくら いすな)は1982年12月27日生まれで千葉県出身。立教大学理学部物理学科に在籍していましたが、卒業したかどうかは不明です。14歳のころから小説を書き始め、16歳のころから文学賞に応募し始めたそうです。大学に通う傍らで書き始めた「狼と香辛料」が、2005年に電撃小説大賞銀賞を受賞し、2006年2月に本作品でデビューを果たしました。

 この電撃小説大賞、歴代の受賞者をざっと見渡しても知っている人がなかなかいませんで……おお、第10回の大賞受賞者有川浩は、先日「海の底」を読みましたし、「図書館戦争」シリーズは大ヒットしてすっかり人気作家となっていますね。

とあるシリーズでホロを説明

 その他は、もしかするとラノベ界では有名な作家もいるのかも知れませんが、私は普段ラノベをほとんど読まないので、残念ながら存じ上げません。ただし、「ブギーポップは笑わない」(第4回大賞)、「我が家のお稲荷さま」(第10回金賞)、「アクセル・ワールド」(第15回大賞)、「ロウきゅーぶ!」(第15回銀賞)などはアニメ化されていることは知っているので、きっと有名なのでしょう。

 ちなみに「狼と香辛料」は第12回の銀賞で、その上に大賞と金賞受賞者がいるのですが、知名度では「狼と香辛料」が圧倒していますね。大賞は正賞+副賞300万円、金賞は正賞+副賞100万円、銀賞は正賞+副賞50万円で、それぞれ受賞作品でデビューできるそうなので、賞金額は違うけれどもスタートラインは同じなのかも知れません。「ビブリア古書堂の事件手帖」の三上延など、受賞に至らなかった応募者を「拾い上げ」てデビューさせることも多いそうです。賞金の額や受賞者の多さから行けば、「一丁これに応募して作家になっか」と考える人は多そうです。

アニメ版狼と香辛料

 「狼と香辛料」はシリーズ化され、宝島社の「このライトノベルがすごい! 2007」で新人ながら作品部門第1位を獲得しました。「キャラクター女性部門」でも、『このライトノベルがすごい! 2007』でヒロインのホロが1位を獲得している。シリーズ累計の発行部数は2010年1月現在で400万部を越えているといることで、この人気を放って置くはずもなく、アニメ化(2008年に第一期、2009年に第二期を放映)の他、ゲーム化や漫画化がなされています。
 
 2011年7月に全17巻で完結していますが、支倉凍砂による軽妙な筆致と、文倉十による繊細なイラストで人気を博しており、ファンタジー小説でありながら「剣と魔法」は登場せず(ただしヒロインの賢狼ホロなど、怪異がないわけではない)、また中世ヨーロッパ的世界観の中で繰り広げられる経済活動を主題に置くなど、新感覚ファンタジーの名にふさわしい内容となっています。

おいらん言葉のホロ

 例によって文庫版の内容紹介ですが、裏表紙ではなく表紙裏にありますね。昔はそういう文庫本も多かったけど最近では珍しいような。

 行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが―。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。

ホロとロレンス

 ということで、主役は25歳の旅商人のロレンスと15歳ほどの可憐な少女に見える数百歳を軽く超える巨大な狼「賢狼ホロ」です。ホロは大昔の「友達」の頼みでパスロエの村の豊作の神をしていましたが、最近ではすっかり村人たちから顧みられなくなっており、たまたま通りかかったロレンスの馬車に逃げ込みます。ホロは麦畑にいて麦とともに存在したのですが、ロレンスの馬車の中に麦があったので乗り移ることができたのだそうです。

 このホロ、人間形はなぜか美少女の姿をしていて花魁言葉を使っているのですが、耳と尻尾は消せないようです。この時代、一神教を封じる「正教会」の勢力が伸張してきており、ホロのような異形の者は「悪魔憑き」とされて火あぶりにされかねない状況になっています。北の故郷に帰りたいというホロとともにロレンスは旅をすることになりますが…

ホロフィギュア

 一方ロレンスは少年時代に商人修行を開始し、独立した行商人になって7年目の若手商人ですが、なかなかの切れ者です。各地を行商して回っていますが、夢は故郷となる町を見つけて店を出すことです。商人は農民や職人など「その土地のみに生きる人たち」とは対極をなす自由な存在ですが、市街地に店舗を構えて顧客が来るのを待つ町商人と、各地を巡り顧客のもとへ出向いて商売をする行商人に分かれます。行商人は一見気ままにみえますが、常に孤独な浮き草暮らしで、長く続けていると基本的に町商人になることに憧れるようです。町商人になるためには、その町の組合に所属したうえでその町の出身者でなければならないという制約がありますが、その町の住人と結婚することでも店を開くことができるようです。

 本作では基本的に超常現象は発生せず、ファンタジーの定番である「剣と魔法」のうち、剣はともかく魔法は存在しません。唯一の怪異がホロのような知性を持つ獣の存在で、彼らはその正体において同族をはるかに凌ぐ体躯を持つうえに極めて長寿あるいは不死で、人間に化身することができます。ホロ以外にも存在するようですが、多くは人目に触れることを嫌い、迫害されることを恐れ、人間に姿を変えて人の世にまぎれるか人里から離れて暮らすため、その存在は伝説となりつつあるようです。

リアル賢狼ホロ

 ちなみにタイトルの「狼」は当然ホロを指しますが、「香辛料」はロレンスを指します。。ロレンスを香辛料とするのは、作中に登場してロレンスと組むことになるミローネ商会の支店長マールハイトが、商売の節度を説くために正教会が創作した戯曲の登場人物「肥え太った魂にたっぷりと香辛料のうまみを効かせた大金持ちの商人」を引き合いに出し、彼をいずれ成功するであろう商人として褒めた言葉にちなんでいます。

 本書は通常のファンタジーでは脇役に甘んじがちの商人のありようや生き様を、ロレンスを通して克明に描いており、勇気よりも智恵、腕っ節よりも機略が重要な商人の世界は極めて興味深く、魅力的なものとなっています。狡猾さや出し抜くことは美徳ですが、裏切りや詐欺は許されないあたり、他の職業とはちょっと価値観は違いますが、商人には商人なりの信義が存在していて、お金は殊の外重視するものの、決して「銭のためならなんでもやるズラ」という銭ゲバにはなっていません。

リンゴ好きのホロ

 また賢狼ホロも魅力的な存在として描かれています。これはイラストを描いている文倉十の貢献が大きいと思いますが、年を経て老獪な部分もあれば美少女そのものの可憐な部分もあり、リンゴが大好きかと思えば酒も大好きで、飲み方を忘れてしまったのか二日酔いになったりもします。そしてロレンスを上回る交渉術で品物を高く売りつけたり、もうロレンスの嫁でいいじゃないかという勢いです。一巻では当然そんな関係には進みませんが、いずれはそうなりそうな予感です。

 アニメの「狼と香辛料」は面白いですかね?面白いならポスト「とらドラ!」(さ、最近見れてない…)ということも検討したいのですが。

ホロさんサービスシーン
   

 
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No title

現在、やっと11巻まで読み進んだヤクトです。
古書店でもなかなか値が下がらない・・・。

私はユースフ氏とは逆にアニメ第一話を見て興味を持ち、原作本に食指を延ばしたクチですね。

特に1巻は非常に良い出来。
シリーズ化しなかったとしても、単独作品として完成してますね。
5巻くらいまでは「経済戦」の要素が強く、商業行為に疎い私のような人間にも「先物取引」「為替相場」「関税」などの意味がよくわかり勉強になりました。

逆に、最近のラノベらしい賑やかさには欠けるかも。私の周囲の中高生にはあまり受けてませんでした。

しかし『大酒をかっ喰らう10代半ばの美少女』『二日酔いで寝込む修道女姿の美少女』ってのもすごいイメージだよな・・・。あんまり見たくないような・・・。

Re: No title

 ヤクトさん連続投稿ありがとうございます。

 私はアニメは見ていないのですが、賢狼ホロはネット界で人気らしく、AAが多数作られており、「やる夫シリーズ」に良く登場していますね。

 神という存在が思いっきり正面から登場しているのに、それ以外の魔法の類いが全くないというのもある意味不自然な世界ですね。ホロ自身はもっと超常的能力があってもいいのに。

 ファンタジー世界での商人というものには、「ドラクエⅣ」のトルネコの章で若干触れたのが最初でしょうかね。確かに金儲けと「剣と魔法」の世界はしっくりこない感じがしますね。商人という職業も魔法は使えないし。

 しかしドラクエⅥでは商人を極めると「ぐんたいよび」という謎のスキルを覚えます。どうやら金にあかして傭兵部隊を呼んでいるらしいのですが、お金を使って呼び出した謎の軍隊が、敵全体からランダムで4回単体攻撃を行います。事実上召喚魔法ですな。ファイナルファンタジーでは召喚士という職業がありましたが、ドラクエにはないので商人が召喚士の役割をするのでしょうか?ロレンスも大商人になれば召喚術が?

No title

(´・・`)ホロかわいいよホロ‥http://goo.gl/tjdRgx

Re: No title

 ROM専さんこんばんは、いらっしゃい。

> (´・・`)ホロかわいいよホロ‥http://goo.gl/tjdRgx

 そ、それは薄い本では!やはり需要があるんですねえ。愛がホロホロ(笑)。
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