Winkの歌で妄想する「秒速5センチメートル」:貴樹と水野理紗の愁嘆場

こんばんは、お寒うございます。週末は結構暖かいという予報が出ていますね。この冬は寒いので、たまにはそういう日があってもいいなと思います。ところで筑波嶺あたりの女子高生達、この寒いのにコートを着ていない娘が結構いますね。ブレザーの中にはセーターなりカーディガンなり着込んで、マフラーと手袋はきっちりしているけど、今はコートなしが流行しているんでしょうか。

生足ミニスカートだと寒そうなんですけど。これが…若さか。
さて本日は妄想「秒速5センチメートル」。今日はWinkの「涙をみせないで~Boys Don't Cry~」で貴樹と水野さんの別れ際の愁嘆場を妄想してみましょう。

Winkといえば80年代末から90年代半ばまで活躍した女性アイドル・デュオとして有名ですね。鈴木早智子と相田翔子の二人組で、1988年4月に「Sugar Baby Love」でデビューしました。1989年の3rdシングル「愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜」でブレイクし、同年の5thシングル「淋しい熱帯魚」で日本レコード大賞(当時は今とは比べものにならない位権威がありました)を受賞し、紅白歌合戦(同じく今よりもずっと権威がありました)出場を果たしました。

その後1993年頃までトップアイドルとして活躍し、1996年3月末をもって7年11ヶ月に及んだ活動を停止しました。解散ではなく、あくまでも「活動停止中」なのだそうですが、これまでに本格的な活動再開の動きは見られません。ただし、何度かテレビの年末特別番組等で「一夜限りの」といった主旨で2人揃って歌を披露したことは何度かあります。

Winkといえば生き人形のように無表情で、オルゴール人形のような衣装でロボットのように踊る不思議な雰囲気のユニットでした。動くマネキンというかマリオネット人形というか。笑わなかったのは戦略かと思っていましたが、「振り付けを覚えるのが精一杯で笑顔まで気が回らなかった。事務所の社長にはもっと笑うよう言われていた」という趣旨の回想をしているので、たまたま当たったということになるのかも知れません。

実は当時、私は結構Winkのファンでして、1stアルバム「Moonlight Serenade」、ミニアルバム「At Heel Diamonds」、2ndアルバム「Especially For You 〜優しさにつつまれて〜」、3rdアルバム「Twin Memories」、4thアルバム「Velvet」、5thアルバム「Crescent」までを持っていたりします。88年から90年一杯までということになりますね。Wink前期といえましょう。

前期Winkといえば洋楽のカバーという印象が強いです。1stシングルの「Sugar Baby Love」はルベッツの、3rdシングルの「愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜」はカイリー・ミノーグの、そして7thシングル「Sexy Music」はかのノーランズのカバーでした。
そして本日紹介する4thシングル「涙をみせないで~Boys Don't Cry~」はユーゴスラビアの音楽ユニット、ムーラン・ルージュのカバーで、1989年3月16日にリリースされています。Winkとしては「愛が止まらない 〜Turn It Into Love〜」「淋しい熱帯魚」に次ぐ3番目のヒット曲なのですが、この二曲に挟まれているせいで狹間の曲という印象があります。でも私は3曲の中ではこの曲が一番好きでしたね。

10曲中9曲が洋楽カバーだった2ndアルバム「Especially For You 〜優しさにつつまれて〜」(1989年4月リリース)にも収録されています。ちなみにこのアルバムはWinkの全アルバム中最大のヒットです。

この曲は女性が男性に振られる典型的な失恋ソングなんですが、曲調が明るいので聞いているとあまり悲愴感がありません。歌詞はよく聞くとかなり悲しげなんですけどね。
妄想するなら、都会の片隅で寄り添うように触れ合った二つの孤独の魂、貴樹と理紗。しかし理紗にとっては安住の地であって欲しかったその恋は、貴樹にとっては束の間の慰めに過ぎませんでした。

“この数年間、とにかく前に進みたくて、届かないものに手を触れたくて、それが具体的に何を指すのか、ほとんど脅迫的とも言えるようなその思いがどこから湧いてくるのかも分からずに”いた貴樹にとって、残念ながら理紗は貴樹が求めて止まない「それ」ではありませんでした。映像版でははっきりとして別れの愁嘆場は描かれていませんでしたが、こんな感じだったのかも知れません。
You 揺れるジュエルな星空に
何故? Good-bye あなたは軽く言うの
My love 胸をつたう涙 止めて
ルージュ直すふりで横向くわ
Sick-sick-sick せつないの
抱きしめて もっと
Sick-sick-sick つたえたい
でも Boys don't cry (Boys don't cry)
貴樹も理紗も、その時涙は見せませんでした。しかし貴樹はともかく、理紗の胸の内は溢れる涙で一杯だったのでした。こんな星の輝く美しい夜なのに。でも理紗は本当は知っていました。貴樹の瞳が自分よりずっと遙か遠くのどこかを見つめていたことを。

You 今夜 まるで映画のような
Sea side ふたり 哀しみは似合わない
バックミラー映るあなた だめね
かっこつけてもまだ愛してる
Sick-sick-sick もう一度
見つめてよ もっと
Sick-sick-sick 戻れない
ねぇ Boys don't cry (Boys don't cry)
二人の別れは意外なほど淡々となされました。理紗はこんなにも貴樹を愛しているのに。いや、愛しているが故に、貴樹を自由にさせてやりたかったのかも知れません。優しい理紗。しかし、理紗自身の心は哀しみに満ち満ちていくのでした。
Sick-sick-sick こんなにも
好きなのに 好きよ
Sick-sick-sick 痛いほど
今 Boys don't cry (Boys don't cry)
Boys don't cry
Sick-sick-sick せつないの
抱きしめて(もっと)
Sick-sick-sick つたえたい
でも Boys don't cry (Boys don't cry)
Sick-sick-sick もう一度
見つめてよ(もっと)
Sick-sick-sick 戻れない
ねぇ Boys don't cry (Boys don't cry)…

“あなたのことは今でも好きです。でも、私たちはきっと千回もメールをやり取りして、たぶん心は一センチくらいしか近づけませんでした”……後日届いた理紗からのメール。
……ただ、生活をしているだけで、悲しみはそこここに積もる、日に干したシーツにも、洗面所の歯ブラシにも、携帯電話の履歴にも……理紗を悲しませると判っていても、それでも立ち止まることのできない貴樹。理想の恋の呪縛、恐るべし。もうほとんど妄想というよりは映像版に近い印象があります。
それでは聞いてみて下さい。
テレビ版。大阪ローカルのようです。バンバンことばんばひろふみのインタビュー付きです。

http://www.youtube.com/watch?v=v__8icY9h3U
PV版。なぜゴルフとか原稿書きなのかよくわかりません。これが…バブルか。

http://www.youtube.com/watch?v=qnlbqS5Z-lE
アイマス版。あずさと千早が踊っています。この二人の中の人は歌が上手いので有名ですが、ここではWinkの歌唱が使われています。

http://www.youtube.com/watch?v=h5bREDLhcbQ
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