好きなアニメキャラ(その20):綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン)

冬至ですね。当時の東寺は冬至だった…。言わずと知れた一年で一番昼の短い日で、明日からは少しずつ昼間が長くなっていきますが、冬の寒さはこれからが本番ですね。世界各地で太陽の力が最も弱まった日を無事過ぎ去ったことを祝う冬至の祭りをするそうで、本来クリスマスも起源はゲルマン民族の冬至祭(ユール)でした。

記念すべき20回目の好きなアニメキャラ、本日は綾波レイです。大物を忘れていましたよ。もっとも、2013年4月28日の林原めぐみの項(http://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-353.html)で若干紹介してしまっているのですが、でもやるのだ。

今さらの感もありますが、綾波レイは「新世紀エヴァンゲリオン」に登場して一世を風靡した女性キャラです。色白で青髪と赤い瞳を持った細身の少女で、エヴァンゲリオン零号機のパイロットでファーストチルドレンと呼ばれています。

細身だけど結構グラマーで、中学生とは思えない発育を見せています。物語開始以前のEVA零号機の起動実験中の暴走事故で重傷を負ったため、初登場時は包帯姿で登場しました。過去の経歴は全て抹消済みであり、本作におけるヒロイン(の一人)であり、最大のキーパーソンとして重大な役割を果たします。

レイは3月30日生まれ。同じくエヴァンゲリオンのパイロットであるシンジやアスカは2015年に14歳であり、パイロットには原則として「母親のいない(母親の魂もしくは肉体と魂がEVAのコアになっている)14歳の子供」が選出されていることから、レイも2001年生まれとしたいところなのですが……

脚本決定稿では2010年に現れたレイ(レイⅠ)について「7歳に見えるが5歳」という記述があることから、少なくとも2005年に誕生し、本来の人間より早く成長しているのではないかと思われます。そもそも普通の人間ではありませんし。

ちなみには3月30日は碇ユイの誕生日ですが、担当声優である林原めぐみの誕生日をそのまま引用したもので、特に意味はないそうです。

レイの名前はセーラーマーズ・火野レイから取られており、姓の「綾波」は旧日本海軍の吹雪型駆逐艦の11番艦「綾波」に由来しています。海上自衛隊では名前を引き継いだ護衛艦「あやなみ」があり、あやなみ型護衛艦のネームシップであり、同型艦には「しきなみ」や「まきなみ」があります。新劇場版を見た人はピンとくる名前かと思います。ちなみに新劇場版:Qではユイの旧姓が綾波だったということが明かされています。

寡黙で常に無表情ですが、これは感情の表現の仕方を知らなかったからで、碇シンジと出会って絆を深めていく過程で次第に様々な感情を見せるようになり、自我といえるものが芽生えていきます。作中では「エヴァに乗ることが全てで、他には何もない」と言い切り、どんな危険な任務であっても自分の命を省みることなく毅然とこなします。

エヴァに乗ることは他者との繋がりを持つ唯一の手段であり、それにより築かれる「みんなとの絆」を大切にし、自身の存在理由を見出そうとしているので、決してペシミスティックな訳ではありません。

古い集合団地の一室に一人で暮らしており、部屋は打放しコンクリート柄の壁紙(あれは壁紙だったんだ!)が貼られて殺風景で、カーテンは常に閉め切りになっています。生活用品も家電製品も必要最低限のものしか置かれておらず、唯一、零号機の起動実験時に割れてしまったゲンドウのメガネを大事に所持しています。私服着用の場面はなく、プラグスーツか学校の制服で活動していました。

実はアニメ版で1話から23話まで登場していたレイはレイⅡとでもいうべき存在で、本編では3人のレイが登場しています。レイⅠは21話の「ネルフ、誕生」に登場し、2010年当時5歳でした。当時碇ゲンドウと愛人の関係にあった赤木ナオコ(リツコの母でスーパーコンピューターシステム「MAGI」の開発者)と出会った際、「ばあさんはしつこい」「ばあさんは用済みだ」というゲンドウのセリフをわざわざ聞かせ、逆上たナオコに絞め殺されています。ナオコはその直後にMAGIに向かって投身自殺していますが、ナオコはレイⅠを一目見ただけでゲンドウの妻であった碇ユイを想起していました。

その後メインを張ったレイⅡは、23話「涙」で第16使徒アルミサエルとの戦闘でエヴァ零号機を自爆させることで撃破した際に死亡し、直後に包帯姿で登場したレイはレイⅢとなります。包帯は負傷したものの救出されたというエクスキューズで巻かれていましたが、本当は全く無傷でした。

ユイのクローンかと思っていましたが、実際には魂は第二使徒リリス(人類をはじめ、使徒を除く全ての地球上の生物の始祖)の魂で、肉体はEVA初号機に取り込まれて同一化した碇ユイのサルベージで得られたユイとアダムの遺伝子が半分ずつ受け継がれたハイブリッドです。レイⅠやレイⅢが見せた嗜虐性はアダムによるものらしいです。


セントラルドグマに位置する地下プラントには多数の魂のないレイのクローン体が存在し、レイが死んだ場合、魂を新しい身体に移し変えることで何度でも復活します。記憶は定期的にバックアップを取っているため、新しい肉体に受け継がれますが、感情は保存されることはありません。

しかし劇中ではレイⅢが涙を流すシーンがあり、何らかの共鳴のようなものはあるようです。魂の宿っていない肉体は、パイロットなしでエヴァンゲリオンを起動するための「ダミーシステム」のコアとして活用されています。

ゲーム版の「新世紀エヴァンゲリオン2」では、レイが心の奥深くにいるリリスと会話したり、地下の磔にされているリリスと会話する場面が存在します。魂が移され綾波レイになったことで、リリスだった頃の記憶はほぼ持っておらず、綾波レイとしての肉体が長く保てないのは、本来の自分の肉体ではないからだと言われています。

新劇場版では2作目の「破」で第10の使徒に零号機ごと捕食され取り込まれてしまい、シンジの「綾波を助けたい」という強い願いから、初号機のコアにサルベージされました。3作目の「Q]では、「アヤナミレイ(仮称)」が登場します。ユイの残された情報を元に複製された「アヤナミシリーズ」の一つなのだそうで、アスカはアヤナミレイ(仮称)を「綾波タイプの初期ロット」と言っています。

レイの無表情で感情の起伏が乏しい「人形」のようなキャラクター像は、後のアニメ、ゲーム、漫画、ライトノベルなどにおけるキャラクターデザイン、造型に大きな影響を与えました。類似のキャラは「綾波系」と呼ばれるほどです。神林長平の「戦闘妖精・雪風」の主人公・深井零は男ですが、、無口、無反応、無感動、機械のような冷静沈着はレイと似ています。影響があったりしていたら面白いのですが。


そういえば「勇者ライディーン」には明日香麗という霊感のある超能力少女が登場していました。ヒロインは桜野マリで、これでレイ・アスカ・マリとエヴァの女性パイロットが勢揃いですね。

著名人にもレイ好きは多く、経済学者の森永卓郎は、仕事用のデスクに綾波レイのフィギュアを置いているそうです。

小説家の滝本竜彦も熱狂的なファンで、番組出演時にその思い入れの強さを語ったことがあります。

女優の栗山千明は綾波レイを「理想の女性像」、渚カヲルを「理想の男性像」だと番組出演時に話しています。

オリエンタルラジオの中田敦彦は「綾波レイが初恋の人」で「理想の女性像」だと発言しています。またロンドンブーツ1号2号の田村淳も綾波レイのファンであると語っていました。

なお育成シミュレーションゲーム「新世紀エヴァンゲリオン 綾波育成計画withアスカ補完計画」は、各種ハードで発売されていますが、私も2003年12月発売のPS2版をプレイしました。プリンセスメーカー(これもガイナックス作品です)の流れを汲み、レイの保護監督主任となって育成していくのですが、原作とかけ離れたレイを見ることが可能で、条件を満たせば恋愛状態になることも可能です。2008年にはDS版も出ているので、プレイするならこれが手軽でしょう。


CVは大御所林原めぐみです。既に上記記事で紹介していますので詳しくはそちらで。

90年代の声優ブームをピークとして長い間人気アイドル声優の王座に君臨しています。アニメージュのアニメグランプリ声優部門7連覇・通算12回獲得という記録は、おそらく今後も破られることのない金字塔であろうと言われています。CDシングル・CDアルバムともオリコン上位にチャートインすることが多く、数多のミリオンセラーアーティストがひしめく90年代後半のオリコンチャートで最高第3位になるなど、声優ブームと林原の人気の強さを知らしめました。

また林原めぐみの自身の名を冠する2番組(「林原めぐみHeartfulStation」「林原めぐみのTokyoBoogieNight」は20年以上続く長寿番組で、通算1000回を超えています。声優がパーソナリティであるアニラジは、短期間で終了するものも少なくないですが、声優が週1回放送の冠番組を2番組(しかも同時進行)で放送1000回を超える例は類がなく、林原めぐみが初のケースとなっています。

ちなみに林原めぐみはオーディションでは葛城ミサト役、惣流・アスカ・ラングレー役の選考も受けていましたが、庵野秀明監督が「綾波レイ役には林原めぐみが合っている」と考えていたのでその通りに配役されたそうです。アスカ役である宮村優子は綾波レイ役で選考を受けていたそうで、キャラ逆転版もちょっと見てみたいですね。林原めぐみは活発なキャラを多数こなしており、綾波レイはむしろ異質なキャラなので、林原めぐみ版アスカもいい感じな気がします。

スポンサーサイト