渡辺満里奈の歌で妄想する「秒速5センチメートル」(その3):恋愛成就に向けての花苗の決心

ボーナス待つ深く林檎の創抉り(有働亨汐路)
こんばんは。出そうでなかなかでないものといえば幽霊とボーナスですね(なんじゃそりゃ)。幽霊はともかく、ボーナスはとっとと出て欲しいものです。

さて本日も渡辺満里奈の歌で秒速5センチメートルの妄想をしてみましょう。本日は1989年7月リリースの10thシングル「虹の少年」で花苗の気持ちを妄想してみます。
80年代末というと、いわゆる四天王といわれるビッグアイドルがおりました。それが工藤静香、中山美穂、浅香唯、南野陽子なのですが、その下あたりにいながら味のある歌を歌っていたアイドルといえば渡辺美奈代、高岡早紀、渡辺満里奈の3人ではなかったかと思われます。四天王についてては改めて語る機会もあると思いますので他日に譲るとして、この3人の歌手活動についてはもっと評価されてもよいのではないかと思います。

渡辺美奈代は最もアイドルアイドルしたアイドルでしたが、歌唱力は3人の中では一番あったと思います。90年代以降の「中途半端ヌード」のセクシータレントということで彼女を覚えているという人は、一度ベスト盤でも聞いてみて欲しいと思います。高岡早紀については当ブログでも昨年9月26-27日の二日にわたって取り上げていますが、
nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-139.html
nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-140.html
とにかくこの人は10代の頃おじさま方にもてもてだったらしく、ビッグネームが楽曲に関わっています。歌はさほど上手くなかったのですが、囁くように歌うウィスパーボイスがなかなか魅力的でした。彼女の歌手活動期間は非常に短いのですが、ブックオフなどでアルバムCDを見かけたらぜひ買ってみて下さい。多分損したとは思わずに済みます。

そして渡辺満里奈ですが、この人は竹内まりやのポジションにいけた可能性のあった人だったのではないかと思います。作詩作曲能力の有無ではなく、歌っていた楽曲の雰囲気的になんですが。88年から89年にかけての傑作群のような作品をもう1-2年リリースできていたら…と思うのですが、90年代に入ると急速にアイドル冬の時代がやってきてしまい、3人ともこれを乗り切ることができませんでした。ただ、女優・タレントとしてしっかり芸能界で生き残っているところはさすがだと思います。
あんまりアイドルを語っていると「秒速」のカテから外れてしまうので本題に入りましょう。場所は種子島でもどこか別の海辺の町でもいいのですが、特に湘南みたいにあかぬけていなくてもいいと思います。花苗と貴樹は本編よりも親密で、第三者から見れば彼氏彼女の関係だと思われます。
多分貴樹は「雪の一夜」体験がないままに明里とさよならして引っ越してきたのではないかと思います。明里との想い出はもちろん胸の中に生きているけど、それは恋とも呼べない幼い日々のもの。それでもやはり貴樹にはどことなく遠くを見ている気配があり、花苗としては毎日が幸せなのですが、その幸せがある日突然消えてしまうのではないかという不安に苛まれていたりして。幸せ過ぎて怖いというやつかも知れません。

遥かな虹を見た
白い 入り江の午後
何故だか あなたのことが
とても 気になる
瞳を細めては
遠くはかないもの
愛してしまったようで 不安になる
まだ 夢を見てるの
草の青で シャツが
汚れても 気にせずに
いつもの花屋にも寄らず
逢いにゆこう
あなたに聞かせたいこと 数えながら
すりきれたジーンズが
ほっとさせる わたし
いつまでも そばにいる
この指で約束するよ
たとえ どんな時も
世界一 勇気を出して
きっと めぐり逢える

この時間軸で花苗が貴樹と付き合っているのは、本編より勇気を出して貴樹にぶつかることができたからかも知れません。中学生時代の2年間という助走期間があったのですから、高校時代にはもっとアグレッシブでも良かった。純情可憐が花苗の魅力ですが、恋は戦って勝ち取るものなのでしょうか。誰に出す当てもないメールを打ったり、異世界で女の子と二人きりの夢を見たりはしていない貴樹ですが、それでも明里の思い出は花苗にとっては強敵でしょう。しかし、今回は正面からぶつかっても何とか勝てるはずです。
たそがれ 街灯の下で
涙ぐめば
前ゆく あなたが 急に見えなくなる
せつなくて 泣くのは
きっと これが最後
すばるの空に誓う
この胸に約束するよ
どんな悲しいことも
世界一 勇気を出して
二人 越えてゆける
この指で約束するよ
たとえ どんな時も
世界一 勇気を出して
きっと めぐり逢える
この胸に約束するよ
どんな悲しいことも
世界一 勇気を出して
二人 越えてゆける

この気持ちをずっと持ち続けていられたら、きっと花苗は貴樹と結ばれ、幸せになれるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。それでは聞いてみて下さい。
残念ながらYouTubeにはこのフルバージョンしか見当たりません。「歌ってみた」はあるのですが、微妙なので今回はパスです。この歌、あんまり人気がないのかなあ。歌詞はもとより、作曲・編曲とも非常に爽やかで名曲だと思うのですが。

http://www.youtube.com/watch?v=DDyZ32nmUfY
デビュー当時はもう少し歌唱力があればと思われた渡辺満里奈ですが、この頃はそこそこ歌えています。継続は力なりですね。

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