花咲くいろは(その2):ど根性仲居ドラマから一気に路線転換?

文化の日って晴れの特異日とか聞きましたが、今年に限っては適応されていないような。土砂降りというわけでもないし、穏やかな雨は嫌いじゃないのですが。プロ野球では楽天が優勝しましたね。これで東北が少しでも元気づけられればいいのですが。

さて一回お休みしましたが、しごきといじめに充ち満ちたど根性仲居物語「花咲くいろは」のレビューを再開しましょう。今回、2話までの展開からかなりの大転換が発生しております。

まずはまさかのエロス回?の第3話「ホビロン」です。

ちなみにホビロンはベトナム語で、フィリピン語ではバロット。そう「マルドゥック・スクランブル」のヒロインであるルーン・バロットの名前の由来となった、孵化直前のアヒルの卵を加熱したゆで卵のことです。孵化前の卵を茹でて食べるので、殻の内部では雛の姿が出来上がっているので、見た目は非常にグロテスクに感じられます。食べ慣れると美味なのだそうですが…。

前回の終盤に緒花に迫ったインチキ作家・次郎丸太郎でしたが、どうなったかと言えば、何とそのまま緒花をお持ち帰り!長期滞在している波の間に拉致・監禁です。

緒花は猿ぐつわをかまされて縛めてられています。しかしなんか縛り方が妙な気が。こ、これは不完全ながら“亀甲縛り”なのでは?

純情可憐な女子高生になんてことを!(建前)いいぞもっとやれ!(本音)

次郎丸は官能小説をなんとか完成させたいと、緒花で「実地訓練」をしてみたようです。だがひしひしと感じる「才能がない!」という実感。

しかし、ひどい目に遭っているにもかかわらず、自分が登場する百合小説「温泉仲居 泡塗れの新人研修」を読む緒花。いいなあ、緒花の感性はエキセントリックで。

次郎丸の創作(というか妄想)では、民子は攻め(これは当然)、そしてなんと菜子も攻めで、緒花総受け状態です。

攻めの民子と菜子が新人教育と称し、風呂場で受けの緒花に言葉責めを浴びせながら、“大事な所”を洗い合いまくっているらしいです。「TARI TARI」とか「ちはやふる」を見るにつけ、なぜこういうストーリーをわざわざ深夜にやるんだろうという疑問を持ったものでした。朝でも夕方でもいけるのに。true tearsはドロドロっぷりが深夜らしいなあと思いましたが、「花いろ」はわざわざ深夜に放映する意義を作ってくれたような。
実際には18禁でもR15でもないですが、こういうシーン展開は実に面白い(福山雅治か)ですね。

しかし次郎丸の緒花拉致監禁は他のスタッフに知られるところとなりました。賄いを作る途中で消えたのですからそりゃあ創作しますよね。そしてインチキ作家であることもバレてしまった次郎丸、喜翆荘の軽トラを奪って逃走します。

断崖に立つ次郎丸。これは二時間サスペンスドラマか。片平なぎさはどこにいる?そして興奮のあまり海に飛び込みますが、海では溺れて死にたくない助けてくれと。何がしたいんだお前は。

そこへ飛び込む菜子。そんなあっさり飛び込みまくっても無事な場所なら、サスペンスドラマのロケは無理ですね。下には岩場があったりしないんでしょうか。

緒花にさえビビるほどの極度人見知りの菜子ですが、泳ぎは得意中の得意だったようで、あっさり次郎丸を救助します。そしてこのセクシーショット。グラマーだなあ。いつも地味にしているけど、ちゃんとおしゃれすればかなりの美人ではないでしょうか。

死ぬことさえ満足にできないと嘆く次郎丸に、「才能はある!」と殴り倒す緒花。アントニオ猪木の闘魂注入みたいです。綾瀬千早も綿谷新に「かるたの才能あると思う」と言われてカルタバカ一代となった訳で、誰かに才能があるって言って貰うことは、何かを継続していくためにはとても重要なことのようです。

緒花が評価したのは、次郎丸の百合小説の中での緒花のセリフ「輝きたいの」でした。自分でも気付かなかった心の奥の願いを当てて見せたと。

余談ですが、30年近く前に「輝きたいの」というドラマがありました。女子プロレスラーになりたい女の子の話で、何と今井美樹が主演していました。

次郎丸は緒花の意外な言葉で改心し、土下座謝罪をした上で宿泊代を返済する為に旅館で働く傍らで執筆活動を続ける事になりました。やはり官能小説を書くのでしょうか。自分が官能小説の登場人物になるって、むしろ恩を仇で返すような気がしないでもないですが。

その後、海岸で遅い朝食ということなり、今さらですが緒花の民子への復讐が始まります。嫌いなほうれん草をたっぷり入れて満面の笑みで差し出したり。民子は「死ね!」の代わりに「ホビロン!」と叫んでやけ食いします。

「ホビロン」の本来の意味は上記のとおりですが、民子はわざわざ「ポスト『死ね』単語」を探していたようで、緒花が覗き見たノートにはいろいろな書き込みが。

決定した「ホビロン」は、“ホ”ントに“ビ”ックリするほど“論”(ロン)外!という文章の頭文字で、食べ物としての「ホビロン」の言語道断振り(ただし食べ慣れていない人にとっては、ということですが)にも通じるとして決定したようです。

そして騒動ですっかり忘れていた種村孝一(コーちゃん)からメールが。そういえば東京を離れる際に告られたんだっけと今さら思い出す緒花。返事はどうしよう?

続いて学園ドラマもスタートするぜの第4話「青鷺ラプソディー」です。

春休みも終わって高校二年生になった緒花。いよいよ石川県の高校に通うことになります。東京では紺セーラー服に緑のスカーフでしたが、こちらでは白いセーラー服に紺色のスカーフ。ブレザーにチェックのスカートというのが主流になっている最近、連続してセーラー服というのもなかなかに稀なことではないでしょうか。香林高校というなかなかにゆかしい名前の高校ですが、金沢市の香林坊から取った名前でしょうか。

次郎丸は従業員姿として喜翆荘で働き始めていますが、何となく若旦那と似たタイプのような。風呂掃除はやけに上手いというのはもしや覗きでもしていたんか。

菜子、民子と一緒に電車に乗る緒花。民子はともなく、菜子とはだいぶ打ち解けたようです。満開の桜を見て東京でのお花見を思い出す緒花。あっちでは花見というの人混みで、孝一と手を繋いだりしたっけと。

職員室前で菜子と別れた緒花。菜子と同じクラスになりたいと神頼みします。緒花の性格ならすぐに友達ができそうですが、緒花からすれば初めての転校、やはり心細いのでしょう。

その願いは半分叶って、菜子ではなく民子と同じクラスになりました(笑)。東京から来たと自己紹介したところ、嵐のような注目を一身に受ける緒花。休み時間には質問攻めに遭います。

クラスの女子達は皆可愛いですね。男ども、ここは天国に違いない。しかしなんとなくどこかで見た頃があるような顔ぶれだと思ったら……

タッチは違いますが、どうやらtrue tearsのモブ子さん達を流用しているようです。富山から大挙して石川に転校…いやいや年代が違うし。「リフレクティア」をTARI TARIで歌っていたりと、P.A.WORKS作品はコラボが好きなのでしょうか。


そして判明した驚愕の事実。民子は男子達から「民子姫」と呼ばれて崇め奉られていたのでした。緒花もびっくりですがこっちもびっくりですよ。追いまわしの地味な服装・髪型しか知らんかったもので。高原のお嬢様という野郎共の妄想は…すごく…違和感があります。

やいのやいのとまくし立てられる緒花を見かねて助け船を出してくれたのは今回初登場の和倉結名(CV戸松遥)。喜翆荘のライバル旅館「福屋」の一人娘です。ライバルといっても福屋の方が歴史もあり、全国的に有名な大旅館なのですが。

明るい結名とはすぐに打ち解けた緒花。福屋を継ぐかどうかは考えず、今の青春を謳歌したいという彼女に憧れる緒花。「結名姫」は「民子姫」と並ぶ二大マドンナのようです。やはりこのクラスはパラダイスだぜよ、オノコ共。

昼休み、菜子とお弁当を食べる緒花は、民子が告られる場面に遭遇。民子はばっさり斬り伏せてしまっています。その姿はさしずめ愛嬌のない森島はるかのごとし。しかし好みのタイプの男性像がやたらリアルなんですが。これはやはりどう考えても徹ですね。


喜翆荘に戻って仲居の仕事に就く緒花と菜子ですが、民子が告られていたことを早速巴にご注進。巴が嫉妬黒い炎を吹き出しています。よっぽど男と縁の無い暮らしをしているんでしょうか。本来の能登ボイスで囁けば男の10人や20人、すぐにも落とせるものを。

福屋にお使いに行く緒花と菜子。道すがら菜子から、毎年の神無月(10月)には、神様が年に一度出雲へ帰る道すがら迷子にならないようにと道程に雪洞を提げて案内する「ぼんぼり祭り」が開催されると聞いて楽しみにする緒花。自分の将来もぼんぼりで進むべき道を示して欲しいなあと思う緒花。それは誰しも欲しいっすよ。青鷺にやたらビビる緒花。人には強いが動物には弱いのでしょうか。

ちなみに「ぼんぼり祭り」は架空の行事ですが、本作の舞台である湯乃鷺温泉のモデルとなった湯涌温泉では観光協会主催の「湯涌ぼんぼり祭り」として再現されているそうで、今年も第三回ぼんぼり祭りが開催されています。アニメは集客に効果的であるということが次第に明らかになってきたようなので、今後観光地とタイアップしたアニメ作品が増えるかも知れませんね。

さて旅館では常に徹にからかわれている緒花。緒花はかなり本気でむかつています。故にいつも怒鳴られている民子も徹のことが嫌いだろうと短絡的思考に走ってしまった緒花。そこだ、空気が読めないと言われる所以は。

お風呂で一緒になったのでつい口走ってしまう緒花。徹に片思い中の民子は当然激怒。またやってしまったか。しかし民子、シャンプーは流してから風呂を出た方がいいぞ。

そして翌日、半ば本気で(笑)緒花を殺しにかかる民子ですが、そこへ衝撃的事態が。バイクに乗った徹が福屋の前に来ると、結名がいそいそと乗るではありませんか。そういえば徹は結名を知っている風なことを言っていましたね。

結名と徹は付き合っているのか?去りゆく二人を見つめる民子が息をしていない気が。DIOのスタンドか?緒花はまた青鷺に追いかけられるのでした。

そうえいばコーちゃんをやけに意識し過ぎてメールの返事も出せない緒花。なんというあられもない姿を。でも緒花はおバカ可愛いからいいや。

どんよりした曇り空のようだったtrue tearsから一転して春の晴天のような展開になってきた「花いろ」。明るくお馬鹿な緒花は実にいいですね。こういうヒロインを待っていました。これからの展開が楽しみです。それにしてもこの背景見て下さいよ。もはや絵画ですね。

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