魔法少女まどか☆マギカ考察:魔法の使者・キュゥべえ(その2)

はい今日もこんばんは。ちょっとご存知でした、奥様!まどマギ劇場版ですってよ!私は今日初めて知りましたよ。ネタとしてはあったけど、本当にやるんだ。しかし、見にいくことができるのでしょうか…映画館にはおっさんを完全にはじく結界ができてそう。二期もやってくれないかな~。まどマギポータブルで描いた「マミの魔女化」とか「杏子の魔女化」とか、禁断の「ほむらの魔女化」とかを描いて、彼女たちの堕ちていく様をねちっこく描いて下さいよ…くっくっく。そしてそのたびに怯えまくるまどか。
まあそれはさておき、さっそく昨日の続きをいってみましょう。キュゥべえ考察のその2です
4.なぜ女の子を契約対象とするのか?

これはキュゥべえ自身が9話で
「君たちの魂は、エントロピーを覆す、エネルギー源たりうるんだよ」
「とりわけ最も効率がいいのは、第二次性徴期の少女の、希望と絶望の相転移だ」
「ソウルジェムになった君たちの魂は、燃え尽きてグリーフシードへと変わるその瞬間に、膨大なエネルギーを発生させる。それを回収するのが、僕たち、インキュベーターの役割だ」
と明確に述べています。しかしそれだけではなく、「3.」で考察したように、キュゥべえ自身、嘘をつくことができないために、契約に関して知性の高い相手に追及されると、それが極めて不利なものであることを看破されかねないという弱点を抱えています。これをカバーするために、知識や経験の足りない、年端のいかない女の子を丸めこんで契約させているという面もあるのではないでしょうか。
人間の感覚では、子供相手になんと卑劣で悪辣な契約を結んでいることか言えますが、何しろキュゥべえは異星人から派遣されているので、我々とは違った倫理観を持っていてもおかしくありません。子供であっても虚偽を挟まない契約は有効とか自己責任とかなんとか。
同じように、あるいはもっと軽はずみな第二次性徴期の少年はなぜ扱わないのか…それは純粋に効率性の問題なのかも知れません(笑)。
やたら夢見がちな20過ぎの女性でも、エネルギー源としては適切な気がします(ほら腐女子とか貴腐人とか)。しかし、それらの人々はおそらく人生経験を積んでいるので、契約には慎重となり、キュゥべえとしても騙しきれない場合が多いのでしょう。でも長い長い歴史の中にはいるかも知れませんね、「魔法熟女」とか「魔法老女」とかが。卑弥呼とかクレオパトラとかは怪しい?
ちなみにスピンオフ作品「魔法少女おりこ☆マギカ」というマンガでは、千歳ゆまという明らかに10歳まで達していない女児とキュゥべえが契約しています。どうしたんだ、第二次性徴期の少女という話は(笑)。まあ派生作品だから大目にみましょう。

手前がまゆです。奥に杏子とマミ。だいぶタッチが違ってますが。
またコミックアンソロジーでは、夢見がちのいかず後家・早乙女先生と契約するという話も。この先生、キュゥべえの残骸を食べるというびっくり行為に出て(結構おいしいらしい)、頭からキュゥべえみたいな耳が生えてきてキュゥべえを焦らせていました。

5.回収したグリーフシードはどうするのか?
キュゥべえは、6話でさやかが使用して真っ黒になったグリーフシードを体内に回収しています。その際、
「もう、危険だね。これ以上の穢れを吸ったら、魔女が孵化するかもしれない」
「大丈夫、貸して」
「これでもう安全だ」
「これもまた、僕の役目の一つだからね」
と発言しています。これだけ聞くと、キュゥべえはグリーフシードを無害化処理でもしているかのようです。

しかし、思い出して下さい。キュゥべえの正式名称はインキュベーター、つまり孵卵器です。それはもちろん、魔法少女を魔女に孵化させるというところから由来している名称だと思われますが、魔女に孵化するのは魔法少女だけではなく、穢れのたまったグリーフシードも魔女に孵化するわけです。とすると、「魔女の孵卵器」であるキュゥべえとしては、回収したグリーフシードもやはり魔女に孵化させているのではないでしょうか。
もちろん、倒したはずの魔女がまた出てきたら不審に思われる(まあ一匹二匹位なら使い魔が成長したとかいえば取りつくろえますが)ので、違う地域とか違う国に持って行って使用するのではないでしょうか。キュゥべえは同時期に多数が活動しているらしいので、情報交換と同時に回収したグリーフシードも交換している可能性があります。
「ほい、これお菓子の魔女。結構強いからね、気をつけて」
「ありがとう。お返しに銀の魔女だよ」
「お、これ見滝原にはまだ出てないや。早速使わせてもらうよ」
なんて会話をキュゥべえ同士でしてたりして。
グリーフシードはそれ自体卵のようなものなので、自律的に動き回るとは考えにくいのですが、3話では病院の壁にグリーフシード(かの「お菓子の魔女」ことシャルロットのものです)が突き刺さっています。そしてキュゥべえの
「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」
「マズいよ、早く逃げないと!もうすぐ結界が出来上がる!」
というセリフ。どう考えても出来過ぎじゃないですか?それとも使い魔が運んで置いていくんでしょうかね。そんな気のきいたことする連中には見えませんが…
6.キュゥべえにとっての「期待される魔法少女像」は?

まず、魔女に負ける魔法少女は駄目です。おそらくキュゥべえサイドも、契約に当たって女の子の願いを叶える際には、それなりの初期投資を行っているものと思われます。そのため、魔女になる前に魔法少女に死なれてしまっては、投資分の回収が不可能になってしまいます。そういう意味では巴マミは、キュゥべえにとっては失敗作ということに。
強い魔法少女は強い魔女になるようです。これは、10話でワルプルギスの夜を倒したまどかが凶悪な魔女になった際、キュゥべえが「今のまどかなら、おそらく十日かそこいらで、この星を壊滅させてしまうんじゃないかな?」と言っていることからも伺われます。地球が壊滅したらもうエネルギー回収は不可能になるわけですが、キュゥべえ曰く「僕らのエネルギー回収ノルマは、おおむね達成できた」とのことなので、超強力な魔女が生まれる際に生じるエネルギーで、宇宙の延命は必要十分なだけ達成できるということなのでしょう。故に、超強力な魔女になりうる鹿目まどかこそ、キュゥべえの理想の魔法少女ということになります。そりゃストーカーのごとく付け狙うわけです。
魔女を倒し続ける魔法少女。つまり生前の巴マミや佐倉杏子はどうでしょうか。なかなか魔女になってくれないので、エネルギー回収がうまくいきませんね。しかし、彼女らから回収するグリーフシードは別の場所で有効利用できるし、特に巴マミは新たな魔法少女を勧誘する際の広告塔としても有効なので、様子をみながら気長に魔女化を待つのが吉のようです。
すぐに魔女化する魔法少女はどうでしょう。本作では美樹さやかが代表例です。魔女になってくれればエネルギーが回収できるので安直でいいですが、問題は回収量ですね。さやかの場合は背負う因果が大したことなさそうなので、さほどの量にはなっていない気が。まあ、質より量ということで、さやか型魔法少女も大量に生産すればキュゥべえ的にはペイするのかも知れませんね。叶える願い=初期投資の額も大したことない気がしますし。
7.なぜ弁解しに来た、キュゥべえ!?
9話。さやかの魔女化に傷心のまどか。ベッドに体育座りしています。その窓に影絵のように浮かび上がるキュゥべえさんの姿。一連の問答の後、
ま:「そんな風に思ってるなら、やっぱりあなた、私たちの敵なんだね」
キ:「これでも弁解に来たつもりだったんだよ?君たちの犠牲が、どれだけ素晴らしい物をもたらすか、理解して貰いたかったんだが、どうやら無理みたいだね」
ま:「当たり前でしょ?」

という会話があります。キュゥべえ…お前は何万年も女の子を口説き倒してきたくせに、お前の仕事を理解してもらうことが不可能だっていうことをまだ認識していないのか?
いやいやそんな訳がありません。断言します。キュゥべえは無駄だとわかっていてあえてやってます。何故?可愛い女の子を言葉責めにして喜んでいるのです。そう、キュゥべえはドSなんです。一方怯え顔がやたらとさまになるまどかには、Mのオーラが漂っています。まさに相性ばっちり。キュゥべえからすると、まどかは貴重なエネルギーの大鉱脈であるととともに、さいはての未開惑星で働くうさを晴らすためのスケープゴートでもあったんです。思春期の女の子を選んでいるのも、実はいじめて遊ぶためだったりして。もちろん正体がばれないうちは我慢して媚びを売ったりしているわけですが、それもストレスになっているので、発散は容赦なく(笑)。

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