コミック版秒速5センチメートル(その4):映像版第3話「秒速5センチメートル」相当部分を読む①

いや~今日は寒いですね。真冬を実感します。明日も寒いらしいです。さすが小寒、寒の入りですよ。今年はその前からかなり寒くてマイッチングでしたが、さらに厳しくなりそうですね。
本日の会社員・OLジャンルの順位は48位。下矢印なのに48位か。4日間連続して50位以内にいるなんてどエライことです。
さて今日は久々にコミック版秒速5センチメートルを。年末年始は華やかであるべきだと思って自粛していたんですが、三が日も明けたのでいよいよ心まで寒くなって貰おうかと思います。映像版の第3話「秒速5センチメートル」は、たった5分で我々を鬱のどん底に叩き込んでくれる恐るべき作品なのですが、それもこれも第1話第2話があってこそ。第3話だけみたら何がなんだか判らないと思います。また短時間に圧倒的な情報量を詰め込んでいるので、コミックではどのように表現するのか、山崎まさよしの歌の援護射撃もないのだぞと心配していたのですが、映像版ではちらっとしか出てこない水野理紗(名前はコミックで知りましたよ)を事実上のヒロインに据えることで、「秒速」の新解釈を提示してくれました。
で、肝心なその新解釈はどうなのよ、と言えばですね……我らが貴樹、かなりのヒールになってしまっているのです。人によっては貴樹とシンクロ率400%になっているので、「こんなの貴樹じゃない!」と思うのではないでしょうか。正直私も映像版の貴樹は好きですが、コミック版の貴樹はなあ…と思います。ま、うだうだ言っていても仕方がありません。早速内容を追ってみるとしましょう。
本日はコミック版第7話「END THEME_1」です。表紙は深夜のビル街。長い階段を上っていく貴樹の後ろ姿が描かれています。背中に哀愁が……。
深夜のオフィス。パーテーションで区切った席には、12時を回っても残業する人の姿がちらほらと。貴樹もその一人ですが、PCの画面が霞んでしまって見えないので諦めて今日は帰ります。家に着いたら午前1時過ぎ。携帯に水野理紗から着信があったことに気づき、ベッドに横になってリダイヤルします。土曜日の夜に会うことになりましたが…

そして水野さんのアパート、いきなり退職を宣言する貴樹に驚く水野さん。そりゃ驚くわな。ところで水野さん、映像版では黒縁眼鏡にツインテールとは言いたくないお下げ髪でひたすら地味な感じでしたが、コミック版では眼鏡っ娘ではあるものの、髪を下ろしていてやや地味だけど結構可愛いです。さすが明里・花苗に次ぐ第三のヒロインに昇格しただけのことはあります。
でもワーカホリックな貴樹の身体を心配していたらしい水野さんはそれに賛成し、労います。退職したらどこかへ行こうと言う貴樹。「理紗の行きたいところでいいよ」とぬか喜び(涙)させています。かつて一度だけ温泉に旅行に行ったらしいです。雪山をバックに照れた二人を写した写真が水野さんの部屋に飾ってあります。
場面は変わって大学時代の同窓会に参加する貴樹。その中の会話で水野さんとは3年も付き合っていることが判明します。け、結構長いのね。じゃあそろそろゴールインかと水を向ける悪友達に対し、「そういうのはまだ考えていない」とクールに否定する貴樹。女の子のクラスメートが「遠野君の女の扱いには一回行ってやりたかったんだよね!」と絡みだします。どうも大学時代から女性との交際を秘匿する癖があったみたいです。

さらに場面は変わって再び水野さんのアパート。再来週両親が上京してくるという水野さん、夜一緒に食事でもどうかと貴樹を誘います。「…親に会えってこと?」貴樹の顔が怖いです。仕事をやめるつもりなのにそんな状態では会えないと主張する貴樹。水野さんはそんな重く考えなくてもと言いますが、「親はそういうことだと思うに決まっているだろ」と頑なに言い張る貴樹。どうも結婚は本気で全く考えていないようです。まあニート状態で結婚結婚と騒がれても水野さんの方がどん引きするでしょうけどね(笑)。
翌朝。もう一度話がしたいという水野さんのメールに、忙しいからまた今度と断る貴樹。電車内でうたた寝するうちに出逢ったことのことを夢に見ます。別の会社だけど一緒に仕事をしたことがあったようです。二人とも私服だと学生みたいです。一緒にお茶を飲んで会話をしたら、非常に気があって、気付けばどんどん関係が深まっていったようです。水野さん、映像では見せない笑顔が可愛いなあ。明里の一件がなければ彼女でいいじゃんと思いますよ。
そしてさらに過去に遡って大学時代の貴樹の恋愛遍歴(?)。別れ話2連発です。一人目の娘は別れを切り出しながら「あたしは遠野君のこと今でも好きよ。でも遠野君はあたしのことそんなに好きじゃないでしょ?」と、貴樹の高校時代からの癖「目の前の彼女のことは見ていない」を看破します。二人目の娘は二股かけていたらしいです。相手には奥さんがいるようです。「背徳感 好きなんでしょ」と挑発する彼女に怒り、「ふざけんなよ!」とゴミ箱を蹴る貴樹。こういう暴力的な貴樹は初めて見ますね。そして見たくはなかった。貴樹はいつも穏やかでないと。
そして回想はさらに遡って「ずっと遠野くんのことが好きだったの」と涙ながらに告白する花苗。「何人も傷つけてきた。」と後悔する貴樹。それでも水野さんだけは本当に好きだと思っていたのですが…明里の呪縛は全く解けていないかったようです。呪縛されていること自体に気付かないところが明里の呪縛の恐ろしさ。いや、明里は悪くない。私も呪縛してくれ~(マゾか!)。
全然電話に出てくれない貴樹に水野さんは弱っています。温泉旅行の想い出に浸ったり、「私たちもう終わりなのかな」というメールの文案を打って破棄してみたり。悲しみに沈む水野さんの表情。可哀想です。
一方貴樹。水野さんの着信を確認しながらノーリアクション。深夜の地下道を歩いています。しかし浮かんでくる回想は、水野さんとの初体験直前のシーン。濡れ場はないですよ「秒速」にそれは似合わないですからね。明里の初体験シーンなんか見たくないでしょ?水野さん、大学生時代まで体験なしの処女だったようです。人によっては処女非処女などどうでもいいことかも知れませんが、処女までいただいておいて逃げるとか、どうもコミック版の貴樹は人でなし感が強いように感じます。それを全て明里の呪縛のせいにするつもりなんでしょうか?
日曜出勤する貴樹。ストーカーと化した水野さんに出くわして驚愕です。「このまま会えなくて伝わらないまま終わっちゃうのが嫌だったの」という水野さんの泣きそうな顔。「貴樹君の気持ちが全然わからないの」と、涙を流しながら一番見せたくないものを見せてと迫ります。
というところで第7話は終了です。ページが余ったのか、裏面には大学時代の貴樹の彼女の姿。一人目の彼女は生協でお弁当を売るアルバイトをしていたようですね。笑顔が可愛いです。不倫していた猛一人の彼女は塾の先生かな。子供達に見せる笑顔はやはりステキです。コミック版の貴樹はこういう娘達から笑顔を奪ってしまうんだよなあ。
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