2023年夏季アニメ序盤の感想(その3):アンデッドガール・マーダーファルス/七つの魔剣が支配する/デキる猫は今日も憂鬱/レベル1だけどユニークスキルで最強です

昨夜は4年ぶりに隅田川花火大会が開催されました。久しぶりに見たいなと思ったら仙台では地上波・BSともに放送していませんでした。しかし、YouTubeでは普通にライブをしていて、余計な演出とかコメントがなくてむしろテレビ番組より良かったりして。テレビが見られなくなってる理由が改めてわかった気がしました。来月は五山の送り火も見られたらいいな。

夏季アニメ序盤の感想の3回目です。まずはリザーバーから昇格した「アンデッドガール・マーダーファルス」。3話まで視聴しました。新進の推理作家青崎有吾の小説が原作です。19世紀末、日本なら明治時代頃が舞台ですが、怪物が普通にいるので異世界なのでしょう。「怪物専門の探偵」を名乗る日本人3人組が欧州で怪物がらみの事件を解決していきます。

1話は発端で、「不死」という珍しい怪物で生首だけの状態になってしまった輪堂鴉夜(あや)とその従者の馳井静句が見世物小屋で怪物達と殺し合いをしていた半人半鬼の真打津軽と出会って“鳥籠使い”を結成します。鬼には不死をも殺す力があるとかで、当初は津軽に殺して貰おうと思っていた鴉夜ですが、二人とも自分たちを現在の境遇に追い込んだ共通の敵がいることを知り、欧州に向かうことになります。

2からいきなり欧州編となり、既に探偵としての名声を確立している駆け足状態ですが、フランスで吸血鬼殺しの事件を探偵中。おそらく4話で終わってまた次の事件に移行していくことでしょう。鴉夜は首だけ美少女ですが、1000年近く生きているようで、博識と論理的な思考を持っており、普段は鳥籠に入っています。津軽はやたら性格が軽く、つまらない冗談を日本の格闘術であるバリツを習得連発していますが、静句が無口な分、鴉夜の推理の相方役を務めています。鬼は攻撃力に全振りした怪物らしいので、怪物との戦闘で真価を発揮するのではないかと。


二人の共通の敵は「教授」と呼ばれています。またイギリスではシャーロック・ホームズが活躍しており、“鳥籠使い”はホームズに比定されたりしています。この状況で「教授」と言えば、思い当たるのはあの人。そう、ホームズをして“犯罪界のナポレオン”と言わしめたモリアーティ教授です。教授は「最後の事件」でスイスのライヘンバッハの滝でホームズと一騎討ちとなり、共に滝壺に落ちて死亡したことになっています。

ホームズシリーズの作者コナン・ドイルはこれでシリーズを終わらせるつもりでしたが、ファンから猛抗議を受け続け、10年近く経ってから「空き家の冒険」でホームズを復活させました。物語の時系列では3年後ということになっていますが、滝に落ちたのはモリアーティだけでホームズは無事でしたが、モリアーティの手下から命を狙われ続けると考えて相打ちを装ったのだそうです。

しかし、日本の格闘術「バリツ」(柔道ないし柔術という解釈が一般的ですが、日本に滞在経験のあるイギリス人がロンドンで教えていた「日本の柔術に、ステッキ術と打撃技を合わせた護身術」バーティツという説などもあります)を習得していたということで、腕っ節には結構自信があったホームズに対し、モリアーティは完全に頭脳労働者という感じで、手下を使った組織力とか数の暴力で攻めるのは得意でしょうが、とても一騎討ちをするタイプとは思えません。

なのでホームズ同様、モリアーティも実は死んでなかったという設定は十分ありだと思います。姿を消していた3年間、ホームズは世界各地を旅行したりしていましたが、モリアーティもアジアに潜伏し、鴉夜を首だけにしたり津軽を半人半鬼にしたりしていたということでしょう。きっと配下には怪物達がいっぱい。

鴉夜を演じる黒沢ともよはまだ30前で、最近結婚しましたが、子役として早くから芸能界に身を置いていたのですっかりベテラン声優の風格がありますね。個人的にはポスト沢城みゆきではないかと。

次は「七つの魔剣が支配する」。3話まで視聴しました。最近は「なろう」系に押されっぱなしな印象のラノベですが、本作はラノベ原作。作者の宇野朴人は「児童文学じゃないハリー・ポッター」としています。個人的には「魔法科高校の劣等生」テイストもあるような。

キンバリー魔法学校に入学した主人公オリバーは、同じく新入生のナナオ、カティ、シェラ、ガイ、ピートと知り合い、行動を共にするようになります。魔法学校なので当然魔法を学ぶのでしょうが、東方のサムライであるナナオは剣技はともかく魔法は使えそうになく、なんで来たんだとツッコみたくなりますが、それぞれ理由があるようです。

登場人物が基本横文字ばかりな上、序盤からやたらに上級生や先生が多く登場するので覚えきれない感があります。なお、魔法学校といっても魔法一辺倒ではなく、魔法と剣術を組み合わせた魔法剣という技術体系があり、至近距離では魔法より剣の方が早かったりするあたり、「無職転生」の世界にも近い感じもします。

タイトルの「七つの魔剣」ですが、魔法剣の中でも特に強力な術理が「魔剣」と呼ばれ、現在は六つの魔剣があるそうです。主人公オリバーは当然どれかを習得している気配。サムライガールナナオも当然魔剣に絡んでくるでしょう。七つ目の魔剣を編み出すとか。



なお、ナナオのCV貫井柚佳は久しくモブキャラを演じてきましたが、これから売れていきそうな雰囲気を感じます。「無職転生Ⅱ」でおそらく一話限りのゲストキャラであろう娼婦エリーゼを演じていましたが、色気と優しさがあって凄く良かったので。凜々しいサムライガールより、色っぽいキャラが似合いそうな。

続いて「デキる猫は今日も憂鬱」。3話まで視聴しました。講談社の「水曜日のシリウス」「月刊シリウス」で連載中の山田ヒツジの漫画が原作。仕事は出来るけど生活能力が壊滅的なOL福澤幸来(さく)と、彼女が拾った野良猫・諭吉の日常が描かれます。

しかしこの諭吉、拾った頃は普通の子猫でしたが、今や人間大サイズとなり、二足歩行するので遠目には熊のよう。人語はしゃべらないけど理解でき、料理掃除洗濯と家事万端をこなす万能猫でした。卵かけご飯すらまともに作れない幸来を「駄目人間」と呼び、「幸来より収入が高い人が飼い主になるなら幸来を見捨てて高収入側の家に行く」と決めているようですが、なんだかんだと幸来の面倒を見続けています。

もうね、こんな猫がいたら嫁さんいらないですね。普通に買い物にも行っているし、周囲に不審者と思われていないのが凄い(思っている人もいるようだけど)。これは「くまクマ熊ベアー」と同じようなものと思われているのか(笑)。

飼い猫に財布を預けて面倒見て貰って、全く不自然さを感じていない幸来の鈍感力の凄まじさ。「ときメモ」で主人公をやれそう。諭吉が毎日作ってくれるお弁当が毎回立派なので、会社で料理上手と思われつつあることを気にしていますが、あんたにはそれ以前に気にすることが山ほどある。


諭吉のCVはベテラン声優で重低音ボイスの安元洋貴。でも猫なのでほとんどしゃべらず、リアクションが主。モノローグはもっとあっていいと思うけど。「中の人」も料理が得意だそうなので、役には合っていますが。諭吉のあの巨体を維持するのに猫缶は一日に何個必要なのかとか思いますが、風呂もトイレも人間用を使えそうなので、本物の猫一匹飼うより楽だったりして。ペット禁止のアパート・マンションでも行けそうなので、私も諭吉が欲しい。近所の野良猫を助けたら、諭吉になって来てくれないものか。

最後に「レベル1だけどユニークスキルで最強です」。3話まで視聴。今回はなしでいけそうかと思っていましたが、最後に来てしまった「なろう」系。まあ私が好きなだけなんですが。ブラック企業で社畜化していた主人公佐藤亮太が仮眠をしていたら異世界に転移してしまいます。しかも倒されたスライムのドロップアイテムだったという、今までにない斬新な転移方法。

この異世界、なんと野菜や肉、果ては空気や水までもがダンジョンでドロップされるという超不思議世界で、亮太は自分をドロップさせたエミリーと一緒にダンジョンライフを送ることになりますが、なんとレベル1でステータスは全てFという最低値。しかも敵を倒してもレベルアップしないという逆チート性能。もはやボトムズと呼びたいですが、唯一倒した敵からのドロップだけがSランクで、通常ドロップがない敵からも有用なアイテムをドロップさせられるという。

「ドラクエ」シリーズでも「ちからのたね」とか「すばやさのたね」など、ステータスが上がるドロップアイテムがありますが、あまり出てこない貴重品でした。本作でもレアアイテムだと思いますが、主人公はとにかく敵を倒せば出てくるので、どんどんステータスは上昇していきます。いわゆるレベルアップで、各種ステータスは上昇していきますが、アイテムでステータスを上げられるならレベル1のままでも各種ステータスのカンストさえ可能かも。

亮太が最初に出会った冒険者のエミリーは、ドロップのステータスが低いため稼ぎが少なく、家を持てずにダンジョン内で暮らしていました。見た目そんな路上生活同様の暮らしとは思えないほどちゃんとした身なりでしたが、風呂とかトイレとかどうしていたんだ。でもこのエミリーの優しい性格にほだされ、ブラック企業での社畜生活を思い出して泣いた亮太を慰めるシーンに私も感動した。

もうね、設定とか作画とかツッコミどころ満載なんですが、エミリーが可愛いから見ています。とにかくドロップアイテムの質が良くて高値で売れるため、亮太の稼ぎで一緒に家で暮らせるようになりましたが、もう結婚しちゃえと思います。なぜダンジョンの路上生活で身についたのか不明ですが、家事全般が得意。もしや人間に転生した諭吉なのか。


イヴという自前のウサ耳を持つバニーガールの冒険者も登場し、亮太が手に入れる特上ニンジン目当てにつきまとってきますが、同時に「低レベル」とディスってチョップしてきます。からかい半分のチョップなのかと思いきや、「エクスカリバー」と呼ばれ、モンスターを一撃で倒したり岩を両断するなど実は高威力。低レベルの亮太になぜこれが全く通じないのかイヴは不思議そうにしていますが、お前本気で打ってたんかい。もしや山羊座の黄金聖闘士…

エミリー役の久住琳はまだ新人声優のようですが、今後伸びそうな予感。「ダーリン・イン・ザ・フランキス」でまだ駆け出しの頃の市ノ瀬加那に注目していたなど、私、結構声優の鑑識眼はあるんじゃないかと密かに思っているんですが…海のリハクレベルで。久住琳や貫井柚佳もブレイクするといいですね。

この画像を見るに、イヴの他にも女性きゃがが加わってハーレムパーティーになりそうですね。個人的にはエミリーを大事にして欲しいけど、エミリーに恋愛感情があるのかどうか。優しさと愛は似て非なるもの。
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