2023年冬季アニメ序盤の感想(その3):魔王学院の不適合者Ⅱ/神達に拾われた男2/虚構推理Season2/吸血鬼すぐ死ぬ2

天気の良い日曜日は布団が干せていいですね。寒さは続いていても、日差しは徐々に強くなり、日照時間も長くなってきました。私の腕時計はソーラータイプなのでこういう日は充電のため日光浴させてます。

本日は冬季アニメ序盤の感想第三弾。図らずも2期作品ばかりが集まってしまいました。まずは「魔王学院の不適合者Ⅱ 〜史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う〜」。3話まで視聴しました。1期は2020年の夏季アニメでした。制作会社もメインスタッフも同じですが、主人公アノスのCVは“中の人”がやからしたので変更されています。が、交代した二枚目声優梅原裕一郎が全く違和感のない演技をしています。

2年半ほど前の作品なのに、始まった当初全然物語を覚えていなくて笑いました。「なろう」系のせいなのか自分がクソボケなせいか。しかし「○○したくらいで俺を殺せる思ったか」で何となく思い出しました。「なろう」系の典型とも言える「俺tsueeee!!」展開の連続になりますが、何しろ主人公が神さえ滅ぼすという暴虐の魔王なのでもはやネタになっています。


滅茶苦茶強いのにどうもそれが理解されないらしく、敵対者には事欠かず、毎回その無双ぶりを見せつけてくることになります。今回は神が前面に出てきており、世界の秩序を正すためとして天父神ノウスガリアが、熾死王エールドメード・ディティジョンの身体を乗っ取って登場。

実はエールドメード、かつてはアノスの同盟者にしてアノスに次ぐ強さだったそうですが、アノスの力をさらなる高みへと向かわせるために敵を探し続けるという奇妙な性格をしており、ノウスガリアをアノスの次の敵とするために自ら肉体を提供したとか。


それなりに強くないと相手の強さが判らないなんて展開、黄金時代の少年ジャンプとかでもよくありましたが、そういう意味では雑魚連中が軒並みアノスに敵意を向けてくるのは雑魚ゆえに力量を推し量れないからとも言えるのかも知れませんが、目の前で圧倒的な力を見せつけられてもなお敵対的なのは理解に苦しむところ。自分のような雑魚はどうせ相手にしないからといった見極めが出来ているのか(笑)。魔王の「俺tsueee!!」もそのうち飽きてきてしまうかも知れません。今期が限界かな…

続いて「神に拾われた男2」。4話まで視聴しました。頓死したブラック企業勤めの男が異世界に転移します。神々から手厚い加護を受けますが、それは境遇に同情したといだけでなく、異世界では魔法が発達していて魔力発生量より消費量が上回っており、定期的に魔法が使われないこちらの世界から魔力を譲渡されており、魔力を移動させる際に転移者が必要になるという設定になっています。「なろう」系なのに異世界転移に理屈を付けている作品というのは何気に珍しいような。

主人公リョウマは神の娯楽のために酷い境遇を強いられてきましたが、異世界の神々は優しいので伸び伸びと暮らせるようになります。リョウマは異世界でもあまり顧みられてこなかったスライムを使って生計を立てることに。

自らがスライムなっちゃうという他、様々な用途で使用される異世界のスライム。しかしクリーニングに使うというのは本作が初めて。そして異世界でクリーニング屋を経営するというのも本作が初。薬局経営というのはありましたけど、クリーニング店というのはさらに地味。

1期は、ネットにおいて見た後に何も残らない虚無作品とか言われていました。でもまあ大冒険ばかりが「なろう」系でもないでしょう。最近はスローライフものが流行のようですが、本作もスローライフものと思って見れば癒やし系アニメの範疇とも考えられるような。何も考えずぼーっと見ているのは悪くないと個人的には思います。

今回は冒頭クリーニング店が軌道に乗ったので別の町に2号店を開設するという話になって、そこで知り合ったミヤビというキツネ系獣人の娘がリョウマの“彼女”エリアと同じ学校に行くというので間を取り持っていました。OPとか見ると友人になるようなので、今後も登場することでしょう。

お次は「虚構推理Season2」。4話まで視聴しました。原作はミステリー小説で、2012年に第12回本格ミステリ大賞小説部門を受賞しています。「なろう」系でもラノベ原作でも漫画原作でもないアニメを見るのは昨今の私としては珍しい(笑)。1期は2020年冬季アニメだったので、3年ぶりの2期です。

11歳の時に、幽霊や妖怪など怪異達の“智恵の神”になる契約を交わした岩永琴子は、代償として右目と左足を失いましたが、精巧な義眼と義足のおかげで見かけは愛らしい美少女系お嬢様そのものです。恋人の桜川九郎は人魚と件の肉を食べたせいで不死身の身体と、死と引き換えに未来を自分の望むものに決定できる能力を持っており、見かけは普通の青年ですが、怪異達からすると恐るべき怪物に映るようです。

第三者から見るとお似合いの二人ですが、九郎の方は年上好きなようで、熱烈な愛情を示すも見てくれは中学生のような琴子にはつれない態度でわりとぞんざいに扱っています。とはいえなんだかんだとペアで事件解決に奔走することに。

推理ものではあるんですが、本作の特徴は必ずしも真実を明らかにしないところ。琴子が扱うのは、怪異がらみの事件ばかりなので、人間社会において受け入れられる「表向きの答え」を作ったり、人間とは異なる価値観を持つ怪異を納得させるために詭弁やもっともらしい架空真相を作ったりします。故に「虚構推理」なんですね。

1期は、全12話中10話分が「鋼人七瀬」というエピソードで費やされており、長すぎると批判されていました。このエピソードは、原作でもそもそも事件解決のため、真相とは別に虚構を並べ立てていくという展開がミステリーなのかという議論があったそうです。個人的には劇中歌「火炎放射器とわたし」とかに笑わせて貰いましたが、確かに長かった。原作でも長編のエピソードだったとはいえ、6話くらいで終わらせて、他のエピソードを展開して欲しかったですね。

2期は短編のエピソードを扱うようで、2~4話は雪女編でした。この後も1エピソードを3話くらいで終わらせてくれるといいなと思います。白い着物の雪女は、小泉八雲の「怪談」そのものという感じでしたが、次代の変遷に従い近代化もしているようで、洋装をして町を歩いたり天ぷらを食べたりしています。

CV悠木碧のこの雪女が可愛くて、雪女編については琴子も事件の真相を明らかにしており、ウリの“虚構推理”は最初にブラフとしてぶつけたのみでした。

「怪談」の雪女は人間との間に子供をもうけていて、本作の雪女も可能なようです。そうして産まれた子孫は「氷属性男子とクールな同僚女子」のキャラみたいになってしまうのかも。琴子はHしてもいいけど避妊は忘れずにと釘を刺していました。やはり人間と怪異のハーフは色々と生きづらそうですからね。

怪異の生態については詳らかではないのですが、幽霊は子孫を残せなさそうですが、妖怪はどうなんでしょうか。不死なら子孫を残す必然性はなさそうですが、寿命があるなら子孫を残す必要がありそうです。その場合に相手は同族でなくていいのでしょうか。雪女が女性だけの種族だとすると、配偶者は人間の男でも、産まれた女の子は雪女になる可能性が。

怪異から持ち込まれた様々な事件を解決するということの他、琴子と九郎には、九郎の従姉である六花との対決というシリーズ全体を通しての物語があります。六花も九郎と同じ能力を持っており、それを利用して生活費を稼いだりしているようですが、彼女の大望は普通の人間に戻るということで、それを可能とする怪異を生み出すことを目論んでいるとか。OPにも登場するその姿はまさにラスボスの風格。鋼人七瀬編ではネットを介して琴子と丁々発止とやり合いましたが、今度は直接対決するのでしょうか?

最後は「吸血鬼すぐ死ぬ2」。4話まで視聴しました。1期が2021年秋季アニメだったので、2年と経たずに2期制作は早いほうですね。原作は秋田書店の「少年チャンピオン」連載のギャグ漫画。単行本は既刊23巻ということなので、ギャグを生み出すという才能の枯渇が早々に起きやすいギャグ漫画としてはかなりの長期連載となっています。

基本は1期を踏襲しており、制作会社もキャストもメインスタッフも同じなので安定のクオリティです。すぐ死ぬ(すぐ復活するけど)吸血鬼ドラルクと吸血鬼退治人ロナルドの奇妙な同居生活と、次々と現れる珍妙な吸血鬼達。対する吸血鬼退治人組合(バンパイアハンターギルド)や県警の吸血鬼対策課の面々もおかしな連中ばかりなので珍騒動が絶えません。

この世界ではいわゆる吸血鬼(作中では高等吸血鬼とされる)の他にも下等吸血鬼という動物・虫・植物などが吸血鬼化したのが山ほどいて、吸血野菜なんてのまであります。下等吸血鬼は人間の血を吸っても吸血鬼化させることはないので危険性は低いとも言えますが、吸血野菜なんかは極端に不味くなるらしいので、やはり放置は出来ません。

ドラルクは高等吸血鬼の中でも真祖の血統で、れっきとした血筋なのですが、とにかく弱い。そしてなぜか吸血鬼退治事務所に居座り吸血鬼退治にも手を貸したりするという。他の吸血鬼退治人とも打ち解けていて、やたら交友関係が広かったりします。過去には全面対決時代もあったようですが、現在は快適で有用な現代の人類文明社会は保全すべきで、人類に著しく害をなす他の吸血鬼を退治することはむしろ本意というのがドラルクの一族の総意なんだそうです。


舞台は横浜で、東京から武者修行的にやって来た吸血鬼退治人もいましたが、横浜の吸血鬼のあまりのキテレツぶりに逃げ帰っていました。横浜の吸血鬼は質量共に圧倒的なようです。なにしろ強力な催眠術で猥談しか話せなくさせて自分の性癖を暴露させるという吸血鬼Y談おじさんとか、催眠術と結界を同時使用して他人に強制的に野球拳をさせるという吸血鬼野球拳大好きなど、変なのが一杯いますから。

中には危険度Aクラスとされる凶悪な重要手配吸血鬼もいますが、なにしろギャグ作品なので大体酷い目に遭って退治されることに。全国に特A級指名手配される辻斬りナギリなんかは復讐を期して登場する度に酷い目に遭うことに。

毎回面白いですが、欲を言えば豪華声優を揃えているわりにあまり活躍しない吸血鬼退治人組合の仲間達をもっと登場させてすっとこどっこいな活躍をさせて欲しいですね。細谷佳正、日笠陽子、小野坂昌也、間島淳司などと超豪華なキャスティングがもったいないので。
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