2022年夏季アニメの感想(その3):異世界薬局/ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇/オーバーロードⅣ

一応完遂した「艦これ」初秋イベントですが、未邂逅の艦娘がいるので資源の消費に悩みながら連合艦隊を組んでE5-4で掘りを行っていたところ、涼波がドロップしました。夕雲型駆逐艦の10番艦。これで現在実装されている夕雲型はコンプリートです。

2021年5月実装なので、1年半近く経っての邂逅となりました。これにて個人的に今回のイベントは終了です。今回実装された米戦艦マサチューセッツと米軽巡ブルックリンとは邂逅できませんでしたが、きっと次回イベント以降にもチャンスはあるでしょう。実装されて1年以上出会えないと「来ない艦娘」に進化するんですが、その前に来て欲しいものです。

なお涼波は32駆逐隊所属で、32駆には藤波、早波、玉波、浜波が所属していましたが、上画像のように藤波、早波にしか言及していません。涼波の時報ボイスでは「まだ、玉の奴が来てないかなぁ。」「浜波?ああうん、ゴメン。前はね、会えてないんだ。」と述べており、涼波実装時に玉波は未実装だったのと、浜波は涼波戦没後に編入されたので顔見知りではないことを反映しています。玉波は放置時セリフで「涼、藤波さん、浜波さん、早波さんも、みんなとまた逢えて良かった。とても嬉しい。」と言っているので、ニュアンス的に涼波と玉波は気安い仲の模様。

ルックスはおでこちゃんで性格は元気娘でサバサバ系。自称サバサバ系は結構ヤバい人も多いみたいですが客観的に見てサバサバなのでOK。「涼波ハルヒの憂鬱」なんちゃって…って、節子それ涼波とちがう、涼宮や!

さて秋季アニメも続々と放映開始されているので、夏季アニメの感想をちゃっちゃと綴って行きましょう。次回で終わるかな?まずは「異世界薬局」。「なろう」系ですがタイトルが短く、医学薬学を取り扱っている異例の作品です。


主人公は薬学の准教授で、かつて幼い妹を脳腫瘍で亡くしたことから人生を薬学に捧げて研究に没頭していましたが、志半ばで過労死することに。すると恒例異世界転生して、ある貴族の子供ファルマとなることに。パパンであるその貴族は帝国の宮廷薬師で、公爵より上になる尊爵の位を持っていましたが、その世界の医学水準は中世レベルでした。主人公は生前の薬学の知識を活かすことを決意し、結核で死の間際だった皇帝を救ったことで宮廷薬師として認められ、勅許を得て「異世界薬局」を開業することになります。

転生にあたっては神などの超越者との面談とかはありませんでしたが、ファルマは10歳で雷に打たれたことで転生の記憶を有するようになっているので、「本好きの下剋上」のように異世界の子供の身体を乗っ取った形なのかも。あらゆる物質を左手で生成、右手で消去でき、無尽蔵の魔力を持つなど、「なろう系」恒例のチート能力はしっかり持っています。


異端審問官に目を付けられたりもしたものの、わりとあっさり薬神の生まれ変わりと認められて心酔されたりしており、その辺りの展開の早さはさすが「なろう系」です。それはまあいいのですが、主人公が薬学准教授で薬学知識を駆使して人々を救っていこうとするのは当然として、なんでこの世界は医師と薬師が完全分離していてむしろ薬師の方が優越的なのかは謎です。


現代はともかく、薬剤師という職業がなかった時代は、医師が生薬による処方、調剤、調合、治療を行っていました。薬師という言葉がありますが、これは医師の古称とでもいうべきもので、薬師が医師と薬剤師の2つに分割され、医薬分業となったもいえるのでは。なので、中世レベルの医学水準世界であれば、薬学専攻の主人公がバリバリの薬師になるのは当然として、宮廷薬師とは別に宮廷医師がいるのが解せません。実際宮廷医師、CV速水奨なのに全くといっていいほど出番がなく、ほぼ空気状態です。そりゃあ薬師が治療を全部やっちゃうんだから当然なんですが、せめて外科的処置を専門にやればと思いきや、なんと主人公がそれもやっちゃいました。

という訳で、医薬未分離のレベルの世界なのに、無理に医師と薬師を分けて存在させていることが本作の大きな違和感となっています。なのでタイトルは「異世界薬師」とでもして、医薬を共に扱う職業とすれば良かったのにと思います。あとはファルマのママンのCVがせっかく遠藤綾だったので、もっともっと登場させて欲しかった(個人的願望)。

続いて「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇」。放映開始が遅くて10月に入っても続けるのかと思いきやなんと11話で終了。分割2クールで後半は来年冬季放映のようですが、1クール未満やん。

タイトルのとおり人気シリーズの4期目なんですが、私はもう後半は見ないんじゃないかと思います。原作は「小説家になろう」連載作ではないんですが、「Arcadia」という小説投稿サイトに投稿されたものなので、広義の「なろう系」とは言えると思います。それは別にいいのですが、物語の展開ぶりに嫌気が差してきました。


物語を進めるため、そして主人公ベルやパーティー一行の成長のため、やたらベタな悪役を登場させる上、必要以上にイキらせる。最後は悲惨な末路となるんですが、その繰り返しにちょっとうんざりしてきました。今期で言えばジュラとターク一味ですが、黒幕的動きをしていたジュラはさておき、パッと胡散臭いタークを主張を信じる間抜けな冒険者達、怪しいと感づきながら結局彼の行動を止められないヘスティアファミリアといった辺りにベタベタな感じを持たずにはいられません。

あともの凄い強敵が現れ、死闘の中で傷ついて絶体絶命になったりするも、なぜか応急処置中には襲ってこなかったり、たまたま仲の良くなったキャラ(ダンジョンの“異端者”の人魚)がもの凄い治癒能力を持っていて切断された腕さえつなげてしまったり。いいんですけどね、「なろう系」ならば。私が「なろう系」に飽きてきただけなのかも知れません。ともあれ「ダンまち」はもう卒業でいいなあと感じてしまいました。11話なんか見るのも苦痛だったんですが、最後まで見ないと感想を書けないので無理して見ました。

本作では神々も地上に降りてきて人々(デミヒューマンを含む)と共存していますが、そんな中で予知夢を見るカサンドラという女性キャラがいますが、彼女は何に由来した予知をしているのか。名前の由来となったカッサンドラはアポロンに予言能力を授かり、その結果アポロンに捨てられる未来が見えたのでアポロンの愛を拒絶し、結果憤慨したアポロンから「カッサンドラーの予言を誰も信じないように」という呪いを受けてしまうと言う悲劇の予言者です。カサンドラも名前の由来からわかるとおり予知夢を信じて貰えないのですが、それは内容がはなはだしく不明瞭で、多分に解釈力を要するところ、彼女に十分な解釈能力がないせいではないかと思われます。が、ノストラダムスの四行詩なみにわかりにくい予知夢(映像とナレーション付き)は一体誰が見せているのかなあ。神様由来ではないようですが。「○○したら××になるから△△するのがいい」といったわかりやすいナレーションが付いた予言なら良かったんですが、これも“ストーリー展開の都合で”感が山盛りで(笑)。

最後に「オーバーロードⅣ」。原作は「なろう系」ですが、私は「なろう系」屈指の傑作作品だと思います。タイトルどおりアニメ第4期となります。

終了間際のゲームにログインしていたら、ゲームキャラとして、ゲームでの拠点ナザリック地下大墳墓やNPC諸共に異世界に転移してしまった主人公モモンガ。NPC達は自分の意思を持って行動を始めますが、すべからくモモンガを「至高の御方」として神の如く崇拝し、不用意に口にしてしまった「世界征服」を実現するために動き出します。モモンガはそれに戸惑いながらも、NPC達には友の忘れ形見のような愛情を持っており、彼らを失望させまいとして、至高の存在を演じていくことに。

格差社会の極限みたいな世界でブラック企業務めをし、唯一の趣味がゲームだった彼は、異世界転移しても特に元の世界に戻りたいとは思っていませんが、異世界においては自分達が圧倒的強者であるにも関わらず、まだ見ぬ強者、未知の技術の可能性を疑っており、様々な証拠により示唆される別のプレイヤーの存在や痕跡もあるため、慎重な姿勢を崩さずにいます。

ナザリック地下大墳墓周辺には王国、帝国、法国といった人間種の国家がありますが、この世界においては身体能力や知性面が他種族に比べ劣るため、全体的に「劣等種族」に置かれることが多いようです。にも関わらず存続し得ているのは、過去に降臨したプレイヤー集団とみられる「六大神」や「八欲王」の行動によるところが大きいようです。ナザリックも最盛期のままで転移したとそれば、41人ものプレイヤーで構成された、ゲーム世界屈指の強力ギルドだったはずですが、ゲーム終了直前の転移だったため、プレイヤーはモモンガ一人だけです。

4期は物語が大きく動き、ナザリックと同盟関係だった帝国が属国となり、王国は滅亡させることとなります。帝国の属国化についてはモモンガの思いつきの行動の結果ですが、なまじ頭の良い皇帝がモモンガのことを自分以上の知謀の持ち主と思い込んでいるが故の勘違いの連続で、そこが面白いところです。モモンガについてはNPCきっての鬼謀の持ち主であるデミウルゴスも自分など及びも付かない深謀遠慮の持ち主と誤解しており、他のNPC達も全員「モモンガ様がおっしゃるならそうなんだ」と確信しています。それを裏切れなくて事実をカミングアウトできない鈴木悟さん(モモンガの本名)。


で、実は王国の滅亡はナザリックの陰謀というよりは、王国のラナー王女の計画によるものでした。作戦の9割方、絵図面の書いたのはラナーだったそうです。“黄金の姫”と呼ばれる美貌と頭の回転を持つ彼女は、実は「精神的異形種」と形容されるほど人間とかけ離れた精神構造を持っており、孤児を拾って自分付きの騎士としたクライムと永遠に睦み合うことだけを目指していました。最終的に王国を滅ぼして悪魔に転生し、その夢は叶いますが、人口900万人の王国を滅ぼす程度で夢が叶ったことはありがたいことだと思っています。


性自認が身体の性別と一致していない人をトランスジェンダーと言いますが、ラナーの場合は悪魔の心が人間の身体に宿っていたようなものなのでしょう。悪魔の身体を得て心身が一致したことは彼女にとって幸福の極み。ナザリックとしてもデミウルゴスやアルベドに匹敵する頭脳が加わったことは、内政や外征などで利用できて便利ではないかと思われます。

3期と4期の間には「聖王国編」というのがあり、劇場版になるらしく飛ばされていましたが、テレビで放映がはばかられる残虐シーンがあるのだとか。劇場公開終了後はAmazonプライムでオナシャス。


2期はリザードマン編が冗長だったとか、3期は王国兵虐殺シーンがあんまりだったと不評部分もありましたが、4期は総じて好評でした。帝国属国化、王国滅亡の狭間にはドワーフ王国との接触やフロストドラゴン及びクアゴア征服も描かれていましたが、さくさくと進んでテンポが良く、またシャルティアを始めとするNPC達の活躍もあり、見応えがありました。

今回は戦闘メイドプレアデスの活躍の場がなかったのは残念でしたが、序盤に一般メイドが存在感を発揮していたのは良かったですね。戦闘の役には立ちませんが、やはり至高の41人に創造されただけあって、忠誠心はプレアデスに全く劣っていませんでした。


そしてモモンガが自ら創造し、しばしばモモンガの影武者を務めるパンドラズ・アクターも大活躍。モモンガの中二病設定てんこ盛りなせいで奇人ぶりが目立ちますが、設定上ナザリックトップクラスの頭脳と知略を有し、戦闘力もトップクラス、さらに「至高の41人」全員の外装をコピーし、その能力の八割程を行使できるというチートっぷり。唯一残った至高の御方であるモモンガの「真の息子」であることはパンドラズ・アクターにとってもの凄い優越感をもたらしていると思われますが、おそらくこれを表に出したら他のNPCから嫉妬の嵐を喰らいかねないので、おくびにも出さないのがいいですね。

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