記憶に残る一言(その155):東方杖助のセリフ(ジョジョの奇妙な冒険Part4「ダイヤモンドは砕けない」)


非常に楽しく視聴していた「異世界おじさん」ですが、なんと7話までで放送休止になってしまいました。新型コロナ感染拡大の影響だそうですが、他のアニメは放映しているところ、どうして「おじさん」だけ…。7月末にも2週間の放送休止していましたが、8話は一体いつ放映するのでしょう。Twitteには、関係者とみられる「異世界おじさんの10話演出をやる予定でしたが、7話放映前でまだ作画スタッフがゼロということでやらないことになりました。非常に残念です」という内情暴露がツイートされていたそうで、よほど深刻な事態だったのでしょう。必ず見るのでいつかちゃんと放映して下さい。

さて一方、「組長娘と世話係」8話で視聴を打ち切りました。自分でもそこまで視聴していて…という気がしないでもないのですが、「暴力あるいは暴力的脅迫によって自己の私的な目的を達しようとする反社会的集団」、いわゆる暴力団の描き方が妙すぎて、ちょっと大人の視聴には耐えないなあと。別に私は暴力団に詳しいわけではないのですが、組織というのものの存続には常にヒト、モノ、カネといった経営資源が必要で、特にカネは重要なんですが、本作の舞台となる桜樹組は何をもってカネを得ているのか全く不明。主人公で若頭の霧島透は同業者をボコりまくってきたようですが、そういうことも時には必要(いわゆる“出入り”)だとしても、それでカネを稼げるわけではないでしょう。

昔ながらのイメージだと賭博やらクスリ、さらには「みかじめ料」(用心棒代)なんかで稼いできたところ、現代は警察の締め付けも厳しくなってさらに巧妙な資金獲得活動をしていると言われますが、一体桜樹組はどうやって組織を維持しているの?悪いことは一切やらないというなら、それはもう暴力団じゃないんじゃ。作品の趣旨が可愛いJSとの触れ合いなのであんまりあくどい部分は描けないということなんでしょうが、じゃあ暴力団なんて設定にしなければいいのに。いっそシノギでは死ぬほどあくどいことをしまくりながら、組長娘にだけは優しい笑顔を向けるというとんでもキャラを描いた方がリアリティがあったように思います。そういう人間の“業”みたいな部分を恐ろしいほど描いてみせているのが「メイドインアビス」なんですよね。

さて本日は「記憶に残る一言」です。今回はジョジョ第四部の主人公・東方杖助(ひがしかたじょうすけ)のセリフを紹介しましょう。


一部のジョナサン・ジョースター、二部のジョセフ・ジョースター、三部の空条条太郎と、姓名を略すと「ジョジョ」になるキャラが主人公を務めてきた本作ですが、東方杖助はこのパターンにはあてはまりません。名前の“杖助”が“ジョウジョ”と読めるということで、上級生に「これからてめーをジョジョって呼んでやるぜ」と言われていました。ただし以降誰もジョジョと呼ぶ人は現れず、周囲の人々からは「仗助」「仗助くん」などと呼ばれています。

杖助は、二部主人公のジョセフが62歳のときに日本人の女子大生・東方朋子と不倫してできた子供です。つまり三部主人公の条太郎の年下の叔父ということに。三部がジョセフ69歳の時の出来事なので、条太郎・ジョセフ一行がエジプトへ向かう道すがら、ディオの差し向ける刺客達と激しく戦っていた頃には杖助は既に小学生だったということに。ただしジョセフは杖助の存在をずっと知らずにいました。

髪型は革靴をさかさにして頭に乗せたような形のリーゼント。そして終始学ランを着ています。幼少期に非常に困っていたところを助けてくれた少年が学ラン・リーゼント姿だったということで、その人に強く憧れ、「生きる目標」としているため、自らも同じスタイルにすることに。

スタイルはヤンキー風ですが、通常は明るく人当たりのいい性格でいたって温厚です。しかしこの髪型をけなされると怒りで我を忘れ、手がつけれらないほど逆上することに。これは父であるジョセフの遺伝ではないかと思われます。


ある日、一見不良のようなツッパった恰好をしていることが原因で先輩の不良グループに絡まれることになった杖助。頬を引っ叩かれようと、学生服と所持金を置いてくよう脅されようと全く怒らずヘコヘコした態度をとっていましたが…

調子に乗った不良が仗助の髪形を「アトムみてーな頭」と言ったことで、杖助は態度を豹変させることになります。いや、確かにアトムみてーな頭とは思えませんが。

もしこの場に本部以蔵がいたら絶対これを言ってくれたことでしょう。

「おい…先輩 あんた…今おれのこの頭のことなんつった!」と叫ぶやいなや不良の顔面にいきなり自身のスタンドであるクレイジー・ダイヤモンドで殴りかかる杖助。スタンドは普通の人には見えませんが、当然ぶっ飛ぶ不良。さらにこう続けて言います。


「おれの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ何モンだろうーーーとゆるさねえ!このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ?」はい、これが今回の記憶に残る一言です。

不良は「アトムみてーな」と言ったのであって「サザエさん」とは言っていません(笑)。当然「そ…そんなこと誰も言って…」と否定する不良。

しかし問答無用で「たしかに聞いたぞコラーーーッ!」と空耳アワーで踏みつける杖助。手が付けられませんね。「鉄腕アトム」と「サザエさん」…共に国民的に有名なマンガということしか共通点がないのですが。なお杖助は「アラレちゃん」や「ポパイ」は知っていますが「パーマン」は知らないなど、知識に偏りがあるようなので、もしかすると本当にアトムとサザエさんの区別がつかないのかも。

なお不良の怪我はクレイジー・ダイヤモンドの復元能力で治しましたが、本人がぶち切れていたせいか、前と違う形の鼻にされてしまいました。ブタ鼻というかオーク顔というか…

それではネットで見かけたパロディ画像を。まず本当にサザエさんみてェーな頭の杖助。「このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ!?」って、それ以外の何だというのだ。

巻き貝ヘアー姿の杖助。これはサザエと言いたくなるかも知れない。でもサザエというよりはホラ貝ですね。

本人降臨編。この髪型を見て「アトムみてーな頭」と言ったのなら、そりゃーお前が悪いわ。

ウマ娘のゴールドシップ編。いやー帽子は注目してないかったな。むしろ人間の耳がある部分につけた耳当てが非常に気になります。外したらどうなっているんでしょうか。

同じくビワハヤヒデ編。頭が大きいことを非常に気にしているウマ娘です。アトムでもサザエさんでも怒らないでしょうが、大きいと言ったらブチギレます。

余談ですが、リアルにそんな髪型の女性いねーよとツッコまれがちなサザエさんヘアーですが、西洋文化や風習が本格的に入り始め、新しいファッションや文化が取り入れられるようになった1920年代(大正末~昭和初期)に流行した「モガヘアー」だそうです。

「モガ」とはモダンガールの略(ちなみにモダンボーイを略すとモボ)です。「サザエさん」の連載がはじまったのは戦後直後の1940年代ですが、平和が戻ったので戦時中は禁止されていたモガファッションを復活させようということだったのかも。一周回って令和の時代に再流行とかしたら面白いですね。「このヘアースタイルがサザエさんみてェーだとォ?」も再流行したりして。
スポンサーサイト