好きな声優さん第7期(その8):種﨑敦美~素と演技のギャップが激しい天才声優

今日は暑さも一段落といった感じ。猛暑を脱したというだけでまだまだ気温は高いのですが、今までが今までだったのでほっと一息。猛暑ノーリターンでお願いしたいのですが、夏将軍がターミネーターばりに“I'll be back”とか言ってそうで怖いですね。

本日はなんと半年ぶりの「好きな声優さん」。通の間では以前から知られていた実力派ですが、「SPY×FAMILY」のアーニャ・フォージャー役で完全にブレイクした種﨑敦美を紹介しましょう。

種﨑敦美は生年非公表の9月27日生まれで大分県出身。「﨑」(通称“たちざき”)の字は往々にして一般的な「崎」で表記されてしまうこともありますが、「﨑」は環境依存文字のため表示できない場合もあるので仕方がないかも知れません。声優仲間では赤﨑千夏なんかもこちらの字ですね。

声優を志した切っ掛けは、幼いころに見た「美少女戦士セーラームーン」(1992年)の「セーラー戦士死す!悲壮なる最終戦」(無印最終回直前の45話)での演技に魅了されたことだそうなので、種﨑敦美は1980年代後半頃の生まれだと思われます。この回はセーラー戦士達がばたばたと死んでいくという衝撃展開で有名で、最終回ではセーラームーンとタキシード仮面さえも死亡するので、ショックを受けて熱を出したり拒食症や登校拒否になった女児が続出しました。そういうトラウマ展開で衝撃を受けず魅了されたというあたりがちょっと他の女児とは違いますね。

余談ですが、どれくらい衝撃的だったかというと、相次ぐ友の死にセーラームーンの目が死んだようになってしまい(いわゆる「レイプ目」)、空中からの敵の攻撃を棒立ちで見つめるだけになってしまったほどでした。

さらに余談ですが、「美少女戦士セーラームン」の終盤は月野うさぎ(セーラームーン)のCV三石琴乃が病気のため降板しており、荒木香恵(現在は香衣)が代役を務めていました。これが縁となって第二期「セーラームーンR」ではちびうさを演じることに。

閑話休題。高校卒業後は声優になるべく、単身上京して養成所に入りますが、養成所の費用を溜めるために高校時代から各種バイトを掛け持ちしていたそうです。

やはり子供の頃、同じ大分県出身の岩男潤子のコンサートが地元で開かれてた際、トークコーナーで話す機会に恵まれ、声優になりたい旨を伝えたところ、彼女から「いつか共演できるといいね」と激励されたそうです。声優になった後に現場で彼女と会って当時の話をしたところ、「嬉しい」と喜んでもらえたそうです。初志貫徹ってなかなか出来ないことですよね。

地声は低めですが、声の幅がとても広く、女子中高生ヒロインをはじめ、大人びた女性、幼い舌足らずな少女、クールな少年、必殺技を叫ぶ男主人公など、様々な声を出せる実力派です。また演技力にも定評があり、“憑依型の天才声優”とも評されています。なぜ憑依型なのかと言うと、素ではオドオドとした言動をすることが多く、また天然エピソードも多いのに、演技になると豹変するからだと思われます。上田麗奈も憑依型だと思います。あと「賭ケグルイ」の蛇喰夢子を演じている時など“狂気モード”の早見沙織も。

一見オタク風な雰囲気もありますが、人生でプレイしたゲームは「ときめきメモリアル2」と「ぼくのなつやすみ」の2本だけだそうです。なお「ときメモ2」の推しは一文字茜ということです。茜、いい子なんですが、彼女と親しくなると続々登場する番長達とのバトル展開が待っているんですよね。私の推しは八重花桜梨。美人教師の麻生華澄もいいぞ!

アニメ作品の出演は2012年頃からのようですが、ゲーム作品では2008年頃から出演していたようです。「せれぶ」という名前のシンガプーラの雄猫を溺愛しています。シンガプーラは「小さな妖精」とも呼ばれる世界最小の猫で、優しくて甘えん坊で、大人しく飼いやすい猫種だそうです。

それでは私の知っている種﨑敦美の演じたキャラです。実力派だけあって多すぎるので主要なところを。例によって古い順です。まずは「終わりのセラフ」(続編は制作しないのだろうか)の花依小百合。

日本帝鬼軍吸血鬼殲滅部隊 「月鬼ノ組」の少尉で、主人公百夜優一郎達研修生の講師を務めていました。優一郎の命を助け、軍にスカウトしたもう一人の主人公とも言うべき一瀬グレン(画像右)の従者で、幼少期から好意を持っています。

「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER」の西之園萌絵。国立N大学工学部建築学科1年生で、本作の探偵役となる国立N大学工学部建築学科助教授犀川創平の相方兼ヒロイン役です。

周囲の目を集めるほどの美女(アニメではキャラデザインのせいかそれほど…)にして、優れた洞察力と観察力、記憶力を持ち、驚異的な計算能力を有しており、本作の他、西之園萌絵が事件を持ち込んだり巻き込まれたりして、犀川創平がやむを得ず解決するという流れの森博嗣の一連の作品(通称“S&Mシリーズ”)で主人公を務めています。

「ハイスクール・フリート」の西崎(いりざき)芽依。この人の「崎」はたちざきではありません。横須賀女子海洋学校の航洋直接教育艦「晴風」の水雷長で仇名は「メイちゃん」。

小柄ながら負けん気が強く、魚雷でもおもちゃの鉄砲でも、とにかく撃てれば幸せという、いわゆるトリガーハッピーなキャラです。なお本作の世界観では飛行機やヘリコプター、ミサイルや人工衛星などは存在せず、航空機により大艦巨砲時代の終焉は起きませんでしたが、噴進魚雷という超長距離魚雷で大型艦の主砲の射程圏外から攻撃が可能となったので、各国とも小型艦艇の大量建造にシフトし、大型艦の必要性は次第に薄れていったそうです。

「響け!ユーフォニアム」の鎧塚みぞれ。北宇治高校吹奏楽部2年生でオーボエ担当。この吹奏楽部では1年前に当時の3年生たちの不真面目さに耐えかねた、集団退部事件がありましたが、その主導者がみぞれの親友の傘木希美でした。

希美は当時、すでに部の主力メンバーとなっていたみぞれには退部の話を持ちかけませんでしたが、みぞれは親友に見捨てられたと感じてしまい、それ以来みぞれにとって希美の存在はトラウマとなり…という本作特有のドロドロ展開が。

なお鎧塚みぞれと傘木希美を主人公にした本作のスピンオフ的な劇場版アニメ「リズと青い鳥」が2018年に公開されています。

「宝石の国」のネプチュナイト(海王石)。愛称はネプちー。人間のいなくなった遙か未来、28体の人型の宝石が、月から襲来しては宝石たちを拐おうとする奇妙な月人との戦いを繰り返すという不思議な作品でした。これも続編はまだ制作しないのでしょうかね。

ネプチュナイトは辛口な性格の変わり者で、ベニトアイト(画像右)と組んで見廻りをしています。感情をあまり表には出しませんが、口を開くと辛辣な台詞を吐きます。宝石たちが就寝や冬眠の前にやる「まくら投げ」が得意。

「ブレンド・S」の天野美雨。喫茶店「スティーレ」の客からウェイトレスになった変わり種。「花園フォルダ」の名で成人向けの同人漫画家をしており、商業誌掲載を誘われるほどの実力と人気をもっています。

ネタと刺激欲しさに喫茶店で働くことになり、店員の人間関係や行動を観察しては同人誌のネタを妄想しています。OPの「ぼなぺてぃーと♡S」は各ウェイトレスがソロで歌っているバージョンがありますが、天野美雨verが一番ヤバいです。
どうヤバいのかはとりあえず一聴して貰えればわかるかと。2分40秒からが要注目。

「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術」のクレブスクルム。1期の(思いがけない)成功により2期を制作したのはいいのですが、やってしまいましたなあ感が強いものになってしまいました。3期は無理かな?

クレブスクルム(愛称クルム)は、本来圧倒的な強さを持つ魔王ですが、今は幼女として暮らしています。ビスケットが大好物で、人族を滅ぼすとビスケットが食べられなくなるので人を殺さないことに。

「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」の双葉里央。主人公梓川咲太の数少ない友人の1人で、「一生友達してもらうつもり」の相談相手でもあります。咲太を「青春ブタ野郎」と命名したのはこの人。咲太と共通の友人である国見佑真に好意を抱いています。

咲太が巻き込まれる「思春期症候群」の考察や解説を行っていますが、自身も2人に分裂するというドッペルゲンガー現象のような思春期症候群を引き起こすことに。アニメは良作で、続編の劇場版も公開されましたが、まだ原作が残っているのでぜひ2期を制作して欲しいです。

「モンスター娘のお医者さん」のスカディ・ドラーゲンフェルト(画像左)。本作の舞台となるリンド・ヴルムの街で政治力、経済力、指揮力のすべてで議会を掌握している最高権力者です。その正体は火竜で、人間に介入を続けるうちに、巨大なドラゴンの姿を失い人に近い姿へと変化しました。普段はベールで顔を隠しています。

悪性腫瘍を患い、天命だと思って手術を拒否していましたが、主人公グレンに説得されて手術を承諾。年は1000歳近いものの、見た目どおり幼くあどけない性格をしています。ただし親しい者にしか見せません。

「転生したらスライムだった件」のミュウラン。魔王クレイマンの配下魔人「五本指」の一人で、薬指のミュウランと呼ばれる300歳の魔女です。クレイマンからの魔人となって若さと永遠の寿命を得た代償に生殺与奪を握られています。

クレイマンの陰謀の走狗として使われ、魔国連邦の首都リムル攻撃の手助けをしましたが、後にリムルに許されてクレイマンの呪縛からも解放されました。リムルが英雄に仕立て上げたヨウム(画像左)に愛され、後には結婚する模様。

「プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2」のクロエ。個人的にはゲームでおなじみ。元々奨学金獲得のために結成されたギルド「聖テレサ女学院なかよし部」の一員で、メンバー3人のやりとりが抱腹絶倒なので大人気。

クロエは2年生で抑揚のない喋り方が特徴。基本的に面倒くさがりでぶっきらぼうですが、根は優しく面倒見が良いタイプです。キャラ属性が全く違う3年生のユニ(CV小原好美)、1年生のチエル(CV佐倉綾音)との掛け合いはとにかく愉快。

「その着せ替え人形は恋をする」の乾紗寿叶(さじゅな)。「ジュジュ」の名で知られるネット上で人気の美少女コスプレイヤーです。コスプレイベントには顔を出さないため、謎の人物と言われていますが、コスプレ衣装や写真のクオリティーが極めて高く、ヒロイン海夢にとっては憧れの存在でした。

初コスプレをした海夢の衣装の出来に注目し、主人公新菜の自宅を訪れ、自身にもコスプレ衣装を製作するよう依頼します。女子校育ちで同世代の男子と接した機会が非常に少なく、見た目も幼い雰囲気ですが、新菜と妹の心寿が密かに進めていたコスプレの費用を払うなど、常識はわきまえています。

最後に「SPY×FAMILY」のアーニャ・フォージャー。人の心が読める超能力者の少女で、ある組織の実験で「被検体007」として生み出されました。「お勉強」ばかりの生活に嫌気が差して逃亡し、能力を隠しながら施設や里親を転々としていましたが、任務のため養子を探しに来たロイドの素性に興味を抱き、養女となりました。対外的にはロイドと死去した前妻との子という設定で、ヨルは継母となります。

テレパシー能力を持ち、他人の思考の映像や心の声を見聞きできますが、能力のオンオフはできず、絶え間なく他人の思考が流れ込んでくるため人ごみは苦手です。能力で家族の秘密を漠然と知っていますが、家族生活を楽しむために知らないふりを通しています。それでも時折ロイドやヨルの思考に驚愕させられています。

とにかく役柄の幅が広く、幼女から大人の女性まで、そして「ダイの大冒険」のダイなど少年役もこなしています。今後も順風満帆に思われますが、喉を大事に長く活躍して欲しいですね。

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