2022年夏季アニメ序盤の感想(その2):異世界迷宮でハーレムを/組長娘と世話係/プリマドール

今日もアツゥイ!日本も猛暑ですが、欧州でも記録的な熱波に苦しんでいるとか。英仏で軒並み40度超えなんて報じられていました。昔6月のイギリスを旅したら、30度でも地獄かと思いました。バスにはクーラーが付いておらず、窓も開かなくてまさにサウナ状態。ガイドさんはイギリスでは30度で老人が死ぬと言っていましたが、確かに普段の気候が冷涼だとそうなりますね。最近電力逼迫という報道がありましたが、この暑さに冷房が使えなくなりそうということだと、原発再稼働派が一気に増えそう。

さて夏季アニメ序盤の感想を再開しましょう。まずは「異世界迷宮でハーレムを」。4話まで視聴しました。視聴予定作品でもなく、リザーバーにも入っていなかったのですが、制作会社が世紀の問題作「異種族レビュアーズ」を世に問うた(そして放送中止という弾圧を喰らった)パッショーネということで、そこはかとない期待(?)を抱いて視聴することに。

本作の原作は蘇我捨恥が「小説家になろう」に連載した「異世界迷宮で奴隷ハーレムを」で、バリバリの「なろう」系です。書籍化の際に現在のタイトルに変更されました。“奴隷”という単語は刺激が強いということか。しかし奴隷商人から女奴隷を買っていますから内容は変わっていない様子です。ネットの怪しいゲームサイトで初期設定をしたらいきなり異世界に転移した主人公が、ボーナス装備やチート能力を使って無双するといういつもの展開ですが、他作品に比べればチート性能はごく控えめで、主人公もかなり慎重です。

とはいえ、一目惚れした女奴隷ロクサーヌを手に入れるために迷宮で魔物を倒して金になるアイテム入手に務めるくらいはいいとして、それでは期限に間に合わないと賞金首がかかった盗賊を殺すというかなり過激な手段まで取る主人公。最初はゲーム気分で殺していましたが、本当に人を殺しているのだと自覚してもなお手を血に染め続けます。確かに悪人だし、異世界では悪行にはならないのかも知れませんが…割り切りぶりがやたら早い。「オーバーロード」のアインズ様みたいに、転移したらアンデッドになってメンタルも変わったということなら理解しやすいのですが、彼はほぼ現世のメンタルなので、元々サイコパスとかシリアルキラーの気でもあったのか。

エロい描写が前評判になっていた本作ですが、3話まではほぼエロなし。そんなものかと思っていたら、4話にして来ました。私は放送倫理に対応して絵と音声に規制がかかった「TV放送ver.」で見たので何が何だかでしたが、規制のない「超ハーレムver.」が放映されたAT-Xで視聴した視聴者達は「ヒャッハー」だったようです。一説には「回復術士のやり直し」を超えていたとか。

2話でちらりと未来のエピソードが登場した際、ロクサーヌの他に4人も女性キャラが登場していたので、彼女らを全員奴隷にしてハーレムを作っているということなのでしょう。絶倫か。毎日“当番”を替えても腎虚になりそうですが…主人公は17才のやりたい盛りなので大丈夫なのかも知れません。正直エロい部分を売り物にしてもいいのですが、それ以外の部分も視聴に耐えるクオリティで作ってくれればいいなと思います。

奴隷が普通に存在する世界なので、最初は奴隷を買うというところからスタートしてもいいのですが、個人的にはそこからはさっさと解放して、愛と信頼で冒険のパートナーになる、なんてのがいいと思いますが…甘いでしょうかね。

次は「組長娘と世話係」。4話まで視聴しました。桜樹組の若頭で、「桜樹組の悪魔」と恐れられる霧島透が、組長の一人娘・八重花(7才)の「世話係」を命じられたことで、相変わらず暴力三昧のヤクザ稼業とやたら優しくハートフルな八重花との触れ合いの“二足のわらじ”を履くようになる物語です。


いわゆるヤクザ世界の人々は、身内にはやたら優しいという話も聞いたことがあるので、霧島の激しいギャップのある言動は、オンとオフの落差が常人より大きいというだけの話で、別段変とも思いませんが、八重花との触れ合いによって霧島が同業者などにも優しくなるかははなはだ疑問ですね。


桜樹組が広域暴力団(Y口組など)の傘下にいるのかとか、組の規模とか業界(笑)内の位置づけがどのようになっているのかといった詳しい設定はそもそもないのかも知れませんが、本気でこの世界を描くならある程度考えておかないといかんのではないかと思ってしまいます。霧島の28才で若頭というのもかなり異例の出世に見えますが、それはまあ本人の能力とか組内部の人員構成によってはそういうこともあるかと思います。しかし弟分の杉原が23才で舎弟頭というのはどういうことだ。舎弟というのは組長の弟分ということだから、その筆頭である舎弟頭は、子分の筆頭である若頭からしても叔父貴とか呼ばなければならないのでは?

杉原の場合、霧島の弟分ということなら若頭補佐あたりが適当な気がします。霧島が桜樹組を継いで新組長になったという場合なら、弟分だった杉原が舎弟頭になっても変ではないように思いますが。まあそんな極道の世界は詳しく知らねーよとか言われてしまうのかも知れませんし、私も特別詳しい訳ではないのですが、時代劇なんかでも登場人物の幕府とか藩における役職が変だと違和感持っちゃいますよね。それと同じで、どんな世界を描いてもいいのですが、ちゃんと勉強しておいて欲しいなあと思います。それでないと作品世界に没入できないので。

3話まではまあまあいい話かなあと思ってました。ただし4話、テメーはダメだ。訳の分からない夢オチ話をぶっ込んできたのには驚愕と落胆がない交ぜになってしまいました。アニオリらしいですが、こんなのまた入れてきたらもう見ないぞ。

最後は「プリマドール」。4話まで視聴しました。Keyによるメディアミックスプロジェクトのアニメ化ということです。Keyといえば「Kanon」「AIR」「CLANNAD」といった、18禁だけどエロよりも感動に重心を置いた「泣きゲー」の老舗。メディアミックスということは、おそらく今後スマホゲームになるということでしょう。スマホゲームを原作とした作品はダメダメなケースが大半なんですが、これからゲームを作ると言う場合はどうでしょう?

2021年秋季アニメ「takt op.Destiny」が同様のメディアミックスで、アニメが先行して放映され、ゲームの「takt op. 運命は真紅き旋律の街を」は今年リリース予定となっています(まだリリースされてなかったんかい!)。だから世界設定とか主人公達の行く末とかは最後まで描かれず、“続きはゲームで”になる可能性が高いですが、Keyだけあって感動させよう、泣かせてやろうという制作サイドの意志を感じ取ってしまいます。

少女型自律人形(オートマタ)は戦闘用人形の指揮できることから戦争に投入され、将兵らと共に前線で激しい戦闘を行いましたが、終戦を迎えて戦地から帰還。喫茶店「黒猫亭」では自律人形が調理や接客といった新たな任務に就いていますが、そこに新たにやってきた「灰桜」。彼女には戦争の記憶がないようですが…


他の三人の自律人形「鴉羽」「月下」「帚星」はそれぞれ戦争中の辛い経験があり、動きが不自由だったり声が出なかったりといった戦争の後遺症を抱えています。「灰桜」だけは戦争の記憶を持っていないようですが、1話冒頭にこれからまさに実戦に投入されようとしている「桜花」という自律人形が登場しているので、「灰桜」との関係が窺われます。壊れた「桜花」からリサイクルされたとかありそうですし、物語が進むにつれ自分の過去とか正体なんかに気付いたりして。


各話中心となる自律人形がいて、灰桜が関わって視聴者を泣かせにかかるという感じですが、ここまではそこまで強く泣かせには来ていません。戦争用なのにそこまで美少女人形を作る必要があったのかと思っていましたが、自律人形の出現が先にあって、それを軍事転用したということならまあなんとか納得できるかも。でも普通に飲食したり寝たりするあたり、ロボットというよりはファティマに近い存在かもですね。世界の文明の状況とかからするとやたらオーバースペックですが。

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の義手といい、作品の世界観とかけ離れたオーパーツばりの技術が登場すると、個人的にはそっちが気になって作品に素直に感動できなくなってしまうんですよね。「そんなの関係ねえ!」と思う人はそれはそれでいいのですが。

「灰桜」のCVは和氣あず未。「ウマ娘」では1期主役のスペシャルウィークを演じていました。これまでJKくらいのキャラを演じることが多いように思っていましたが、「灰桜」はかなり幼い感じで演じていて、「くまクマ熊ベアー」のフィナに近い感じでしょうか。ドジで天然なところはスペちゃんにも近いですが、まあ売れっ子声優さんはみんな演技が達者ですね。だから売れっ子になるんでしょうけど。
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