2022年春季アニメの感想(その3):社畜さんは幼女幽霊に癒されたい/骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中/まちカドまぞく 2丁目

昨日からKDDIの携帯電話サービスで通信障害が発生しています。私のスマホもauなのでもろに影響を受けました。西日本エリアでは復旧作業が終了したようですが、結構長かったですね。幸い休日だったので自宅PCを使用しており、ネット接続に不自由はありませんでしたが、買ったばかりの新型スマホに早速ソニータイマーが発動したのかと焦りました(笑)。ま、ソニータイマーの都市伝説は“メーカー保証期間終了直後に故障が頻発する”というもので、買ってすぐという話ではないんですが。

さて夏季アニメも放映を開始しているので、春季アニメの感想を終わらせて行きましょう。といいっても今日では終わらないのですが。まずは「社畜さんは幼女幽霊に癒やされたい。」。有田イマリが「少年ガンガン」で連載するコメディ漫画が原作です。

ブラック企業に勤め、長時間労働で大量のストレスを溜めこんだ「社畜さん」こと伏原さんは、会社で彼女を心配して立ち去らせようとする幼女幽霊「幽霊ちゃん」を目撃。同居することになった二人に、更に化け猫「みゃーこ」が加わり、隣人のイラストレーターにはメイド幽霊「リリイ」が憑いていることも判明。人外に癒やされる日々が続きますが…

主人公伏原さんのCVが金元寿子ということで見始めた作品ですが、ブラック企業で過労死寸前というキャラなので、当然のことながら私の好きな明るく元気な金元ボイスは聞けず。まあ元気な社畜だったら幽霊なんか見えないでしょう。


幽霊ちゃんのCVは日高里菜で、それはそれはあざとくいたいけボイスを出しています。が、個人的にはこの人のロリボイス(「盾の勇者」のフィーロもそう)にはちょっと飽きていて、「古見さん」のヤンデレストーカーな山井恋のような演技の方が好きです。幽霊で普通の人には見えないのはいいとして、会社でおにぎりを盗んで食べたりしていたあたりが謎。本人は見えなくても、ふわふわと宙を飛んでいくおにぎりは見えてしまうのでは。また本名と共に、いつ死んだのか、なぜ死んだのかなどは一切不明。

化け猫のみゃーこは猫が幼女に化けているせいか、猫でも幼女モードでも他人から見えるようです。料理も得意で、同居するならみゃーこの方が断然いいですね。


隣家のメイド幽霊リリイも、普通にイラストレーターの世話を色々焼いているので、この世界の幽霊は普通に現世に干渉できるらしいです。「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のめんま(芽衣子)も、普通の人には姿も見えず声も聞けないけれど、文字を書くなどの物理的干渉力を発揮できましたが、最近の幽霊は物理的干渉力を標準装備しているのか?それとも霊感のある人のエクトプラズムでも利用しているのか?

話は変わりますが、オカルトでは皆知っているエクトプラズム。私も「恐怖新聞」などでその存在を知りました。「霊の姿を物質化、視覚化させたりする際に関与するとされる半物質、または、ある種のエネルギー状態のもの」(Wikipediaより)ということで、エクトプラズムを出す霊能者の写真はネットでもよく見られますが、どうみても布ですよね。それに写真もだいたい欧米系で、日本発のエクトプラズムの写真というのもなかなかお目にかかれず。今や懐かしいオカルト用語といった感じになってしまっています。

ともあれ、ブラック企業で壊れそうだった伏原さんが幽霊ちゃん達に癒やされて生きる気力を取り戻したのは結構なことなんですが、会社のブラックぶりは相も変わらず、上司がクソなのはともかく、どう見てもクソ忙しくしている伏原さんに、平然とヘルプを頼んでくる同僚達も結構なクソソ連中でした。伏原さんに頼りがいがあるとか、頼まれたらイヤと言えない性格だったりとかもあるんでしょうが、彼女の境遇がハードすぎて見ていて辛いモノが。幽霊ちゃん達に癒やされて本当の自分を取り戻し、ホワイト企業に転職して生じた余暇を幽霊ちゃん達と楽しむ、なんて展開だったら良かったのに。



終盤現れた第四の人外「ミコ」のわかりにくい警告が理解されず、アパートが火事になって住む家を失った伏原さんですが、ミコの斡旋で良い感じのマンションに引っ越せて結果オーライでした。「大島てる」が扱ってそうな、いわゆる“出る”マンションですが、伏原さんなら問題ないでしょう。人気声優をたくさんキャスティングしているので、制作側には二期を狙っている感があるようですが、どうかなあ…

続いて「なろう」系の「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」。遊んでいたオンラインゲームの世界に、ゲームキャラクターの姿と能力で転移したアークの冒険を描きます。ゲーム世界への転移とか、姿が骸骨とか、能力や装備が規格外とか、「なろう」系の名作「オーバーロード」との類似性を強く感じる作品ですが、内容はかなり異なっています。


アークは一人ぼっちで転移していること、あまり思い悩むこともなく楽天的に異世界を堪能していること、エルフや獣人を見ては感動し、極めてフレンドリーに接していることなど、あらゆる自体に対応できるだけの圧倒的な能力を持っていることを背景にしているのでしょうが、その割りに「オレTSUEEE!!」感を全然出してこないあたりに主人公の人柄の良さを感じます。

最初はアインズ様みたいに思えたアークも、途中からはむしろ黄金バット(若い人は知らないでしょうが)のように思えてきます。また、OPからやたら出てくる高笑いなど、スタッフも明らかに黄金バットを意識しているようです。



序盤、悪漢に襲われる貴族令嬢とか、悪漢に捕まって酷い目に遭うエルフの少女とか、人質を取られて抵抗できずにセクハラされかかるダークエルフのアリアンなど、やたらセクシャルな描写が多かったので、そういう傾向の作品化と思いきや、途中で路線変更したのか中盤以降はそういう感じではなくなっていきました。客寄せのためだったのか?

アリアンと知り合って人間に捕らえられたエルフの救出を手伝うことになったアークは、その後やはり人間に捕らえられた獣人救出をしている獣人忍者チヨメも手伝ったりと、基本人助けをしているうちに一期が終了。とにかくこの世界の人間は亜人を捕まえては奴隷にするのが好きらしい。

一応「蜘蛛ですが、なにか?」のように人間の王国側の話も出てくるのですが、「蜘蛛ですが」で蜘蛛子の話は面白いのに人間サイドの話がクソつまらなかったように、本作も王国側の話が本当にどうしようもなかった。図らずもアークが暗殺された親エルフ派の王女を生き返らせたりしているので、今後接点はあるんでしょうが、エルフや獣人を友に、悪い人間をばったばったとなぎ倒していくという、なんちゃって水戸黄門ストーリーでもいいような。


個人的にはアリアンのママン・グレニスのCVが皆口裕子だったのがとっても良かったです。パワーや魔法・スキルは圧倒的なアークも、基本的な技術だけでの勝負だとあまり強くはなく、グレニスに手もなく捻られ、でもそれを修行として喜ぶというポジティブな姿勢のアークには好感が持てました。グレニスは1話限りではなく、もっと登場させて欲しかった。


滅多に人に馴れないとされる精霊獣(ポンタ)に懐かれたり、女性に紳士的だったり、子供達にも好かれているのは、やはりアークの人柄の良さによるものでしょう。実際見ていて嫌味なところもないので、「なろう」系にしては異例の「いい人」な主人公でした。こういう主人公ならぜひ二期を制作して貰いたいものです。

最後に「まちカドまぞく 2丁目」。1期は2019年夏季アニメで、およそ3ねんぶりの2期となりました。「きらら」系らしく日常系ファンタジーといった作風ですが、背景には光と闇の勢力の争いなどがあり、またメソポタミア系に由来する事物も色々登場することから、一部には“「きらら」系のエヴァ”と呼ばれているとか。

実際、毎回毎回のほほんと日常生活が描かれているようでいて、実はゆっくりとながら物語はちゃんと進行していて、正直始まったばかりの頃は1期の展開を忘れていて「なんのこっちゃ?」と思ったりもしましたが、まあ思い出せば無問題。

ごく普通のJKがある日目覚めたら魔族になっていた…という展開と思いきや、主人公のシャミ子は幼少期は異常に身体が弱くて全然普通ではなかったことが判明。その後なんとか普通っぽく成長できたのは、魔法少女千代田桃の義理の姉で、先代の魔法少女千代田桜のおかげだったという。

その事実が判明した6話はまさに「神回」と言うべき出来で、それまで話には出てきていた千代田桜が夢の中とは言え初登場。しかもCV金元寿子で、私が一番好きな声質で話す金元さんが最高でした。


また、パパンのヨシュアが残した“ナントカの杖”(おそらく旧約聖書に出てくるアロンの杖)も入手したほか、「純喫茶あすら」の白澤やリコといった他の魔族とも知り合い、桃以外の魔法少女として陽夏木ミカンが引っ越してきたりと、シャミ子の周囲も賑やかになってきました。2期はほぼ夏休みに起きた出来事で成立していましたが、こんなに充実した夏休みはなかなか味わえないことでしょう。

過去にあった何らかの事件により、基本ダウナーな言動の桃より、ミカンの方が明るくて親切で好感度が高いのですが、ミカンはミカンで心が動揺すると呪いが発動するという困った体質(?)を持っていました。終盤はこの体質改善が主題となり、不完全な召喚によりミカンに取り憑いていた使い魔のウガルルを現世に正しく召喚し直すことで呪いから解放するという非常に良い展開となっていました。

シャミ子の性格とか家族との関係など、私はこの作品世界が非常に好きなので、ぜひ3期4期と続けて貰って、ミカン箱に封印されたパパンを解放したり、千代田桜を復活させたり、吉田家に掛かっている貧乏の呪いを解いたりして欲しいですが、そうなると作品が終わってしまうかしらん。

挙動言動全てが怪しい小倉しおんが面白くて好きです。名字繋がりでCV小倉唯だったらなお良かったのに(笑)。しばしばシャミ子を助けてくれるので頼りになると言えばなるのですが、彼女自身何らかの思惑を持って行動しているらしいのが気になります。光か闇かと言えば完全に闇寄りに見えますが、魔族という訳でもないようで、一体どういう立ち位置にいるのか。いつの間にかシャミ子らが住むボロアパート「ばんだ荘」の天井裏に住み着いていて、呼んだら出てくるというのがランプの魔神みたいで面白いです。

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