記憶に残る一言(その149):赤犬とエースのセリフ(ONE PIECE)

先日厚生労働省が屋外で2メートル以上の距離を確保できる場合は、会話をする際にもマスクを着ける必要はないと発表しました。マスク生活も3年目となるともういい加減うんざりなので、特に週末恒例のウォーキング時にマスクなしで良いなら朗報です。しかし、出退勤時とか店舗に寄る時とかはやはりマスクなしとはいかないでしょうね。

本日は「記憶に残る一言」です。今回は連載25年で単行本100巻以上という大人気少年漫画「ONE PIECE」から赤犬とエースの会話を紹介しましょう。なにげにワンピを取り上げるのは本ブログ初という。

ワンピ世界には世界各国をまとめる国際組織である世界政府が存在し(ガンダム世界の地球連邦政府みたいなものか)、直属の海上治安維持組織として海軍(同じく連邦軍のようなものか)が存在します。ワンピ世界は大半が海で占められ、唯一の大陸は世界を縦断する「赤い土の大陸(レッドライン)」。これに垂直に世界を一周する航路が「偉大なる航路(グランドライン)」と呼ばれています。グランドラインには海賊王ゴール・D・ロジャーが遺したとされる、富と名声と力の「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」があるとされ、世界中の海賊が集まっています。


このグランドラインに君臨する三大勢力が、「海軍本部」「王下七武海」「四皇」。「海軍本部」は文字通り海軍の本部基地。「王下七武海」は、実入りの何割かを世界政府に納める代わり他の海賊や未開地域に対する海賊行為が認められている、世界政府公認の7人の大海賊。

そして「四皇」はグランドラインに皇帝の如く君臨する4人の大海賊のことで、これが極めて強力なので、海軍本部と王下七武海が抑止力として存在しているようです。


その四皇の一人「白ひげ」エドワード・ニューゲートの腹心ポートガス・D・エースは海賊王ロジャーの息子であり、主人公ルフィの義兄でもあります。白ひげ海賊団にいたマーシャル・D・ティーチが、同海賊団で最大の禁忌とされる「仲間殺し」を犯して逃亡した際、独断でティーチ討伐に向かい、グランドラインのバナロ島で死闘を展開しますが、エースはティーチに敗れて身柄を海軍に引き渡されます。


世界政府は海賊王ロジャーの血筋を断つ好機と捉え、海軍本部のあるマリンフォードで公開処刑することを公表。これを阻止するべく攻め込んだ白ひげ海賊団+シンパの海賊団艦隊と海軍本部+王下七武海の5人による全面戦争が「マリンフォード頂上戦争」と呼ばれます。



激闘の末、ルフィはエースの救出に成功し、後は船上から脱出するのみという状況になりました。この時発した、海軍大将赤犬の捨てセリフがこれです。

「エースを解放して即退散とは とんだ腰抜けの集まりじゃのう白ひげ海賊団。船長が船長…それも仕方ねェか………!!」
「"白ひげ"は所詮…先の時代の"敗北者"じゃけェ…!!!」

負け惜しみにしか思えないセリフですが、これに反応したのがエース。「ハァ…ハァ… 敗北者……?」

煽り耐性ゼロだったのかエース。「取り消せよ……!!!今の言葉……!!!」と激昂します。これはもしやと思った赤犬からさらに煽られると、せっかく逃げられるところだったのに赤犬に殴りかかりに行きます。


しかし、能力の相性の悪さによりあっさり返り討ちに遭ってしまいます。このエースの「メラメラの実」と赤犬の「マグマグの実」の能力についてはまたツッコミどころではあるんですが、長くなるので今回は触れません。

その後赤犬がルフィに襲いかかったところを瀕死のエースがかばい、無念の死亡へ。


そもそもエースが海軍に捕らえられたのは、ティーチを追跡して返り討ちに遭ったからですが、この際も白ひげの制止を聞かずに独断で飛び出していったものでした。「マリンフォード頂上戦争」はエースが原因で始まったものですが、「白ひげ」側はエースを奪還すれば勝ちだと認識していたので、「見え見えの挑発に乗るんじゃねえ」(11番隊隊長キングデュー)、「おいよせエース、立ち止まるな」(白ひげ傘下ビザール)、「のるなエース!戻れ!」(16番隊隊長イゾウ)とこぞってエースの軽挙を制止しました、なのに前の轍を再び踏んでしまうエース。

仲間思いで向こう見ずな性格の義弟・ルフィですら「エース行こう、おっさんの覚悟が……」と引き止める側に回っており、弟が冷静に戦況を見ているにも関わらず顔を真っ赤にして激昂しているエース。どれだけ煽り耐性がないんだ。

しかも、どうやら赤犬はエースを挑発するつもりで「敗北者」と言った訳ではなかったようです。すらなく、若い頃から海賊を毛嫌いし、悪は全て根絶やしにすべきという「徹底的な正義」を信条とする硬骨漢である赤犬は、単に思ったことをそのまま口にしただけだったようです。そのため、わざわざエースが引き返して来た時は「?」という反応でした。

白ひげが敗北者かどうかは見解の相違と言ってしまえばそれまでの話で、海賊を取り締まる立場の海軍最高幹部に白ひげの偉大さを語って聞かせたところで同意してくれるとはとても思えません。さらに怒りに震えたエースが赤犬を倒せばまだしも、簡単に撃退され、一矢も報いることなく殺されてしまいました。

エースの死により、白ひげ側の戦略的敗北は決定してしまい、白ひげも戦死。親分を失った白ひげ海賊団残党もその後ティーチ率いる「黒ひげ海賊団」に惨敗し、壊滅状態となってしまうのでした。白ひげを本当に敗北者にしてしまったA級戦犯はエース…

YouTubeの「ゆっくり解説」などでは、説明の中で「敗北」「敗北者」といったフレーズが出てくると、相方が「ハァ…ハァ… 敗北者……?」「取り消せよ……!!! ハァ… 今の言葉……!!!」と叫ぶのがお約束になっています。

ネットで見つけたパロディをいくつか。まずは今となっては懐かしい「けものフレンズ」から激おこのアライさん。かばんちゃんをバカにされたんでしょうか。だとすると「けもフレ2」のキュルルあたりに煽られたのか。「かばんちゃんは先の時代の敗北者じゃけえ」とか。

BOKETEより。出典不明のJKですが、キレるエース。いや、このセリフは白ひげにじゃなく、キミに向けて言っているのでは?

これは幼少期に読んだ「野口英世」の伝記にまつわる場面では。エースだったんか英世(笑)。大人になって知る彼のクズいエピソードは、子供向けの伝記には一切出てこないんですよね…

「鬼滅の刃」とのコラボ。鬼殺隊は海軍本部側に付いたのでしょうか。ここまで全否定されてはエースV.S.炭治郎激突待ったなし。

「敗北者じゃけえ」に全面降伏のエース。これは生還パターンですが、ここまで言い切ってしまっては、せっかく戻っても肩身が狭そう。

なんと白ひげを褒め称える赤犬。なのに「敗北者」の単語にだけ反応するエース。そりゃあ赤犬も「?」になるわ。文脈を理解しろエース!国語の成績が悪いのか!

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