記憶に残る一言(その148):成人漫画雑誌のコピー(COMIC LO)

ガチャを引くのに必要な石(ジュエル)の配布が渋い「ウマ娘プリティーダービー」。おかげで10連ガチャ分(1500個)が貯まる度にガチャを回してしまうので全然貯まりません。同じCygamesのゲームでも石の配布が比較的甘い「プリコネR」では7万個ぐらい貯めてるんですが。しかし今回、断続的に引いた20連目で来てくれたのがニシノフラワー。

ウマ娘が所属するトレセン学園には中等部と高等部があり、要するにJCとJKが在籍しているらしいです(いろいろ疑惑のあるウマ娘もいますが)が、ニシノフラワーは中等部ながら身長135センチともの凄く小柄。どうやら彼女は飛び級で進級してきたので実際は小学生らしいです。元ネタの競走馬がやはり小柄でJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞して“天才少女”と呼ばれたことを反映した設定のようです。

YouTubeではガチャに挑む動画がたくさんありますが、「ロリコンじゃないけど」と断っている人が多くて笑えます。私もゲットした訳で、確かに可愛いとは思いますが、この子を性的な目で見るという発想はないですね。

そこで思い出したのが、デジたんことアグネスデジタルが育成ストーリー中で口走っていた「推しは見だけ!触っちゃダメ絶対!」というセリフ。デジたんは自身がロリ容姿のウマ娘にも関わらず、超が付くほどのウマ娘オタクなので、四方八方どこを見てもウマ娘だらけなトレセン学園での生活は至福の極みらしいです。おそらくキモオタレベルのアイドルマニアが異世界転生した姿なのでしょう。

デジたんはオタクらしく知識が豊富で、しばしば古代の哲学者の箴言を引用します。“子曰く、君子の徳は風なり”とか“古代の哲学者は云った。『あわれみとおそれを通じて得られる喜びこそ感情の浄化、カタルシスである』と。”とか。前者は孔子、後者はアリストテレスのようですが、ということは、先のデジたんオリジナル発言かと思われた「推しは見るだけ!触っちゃダメ絶対!」にも元ネタがあるのかな?と思って探したら、発見してしまいました。

茜新社が発行するロリータ専門の成人向け漫画雑誌に「COMIC LO」というのがあります。私は実際に見たことがないのですが、「ロリ漫画の灯を消すな」の考えから創刊され、「ロリータオンリーコミックス」というコンセプト通り、幼い少女の性描写がメインなのだそうです。表紙イラストはお色気感がないことが多いそうなので、その筋の人も買いやすいかもですね。

この雑誌、当然読者層はロリコンなのだろうと思いますが、しばしば読者に自重を促す「意見広告」を掲載しているそうで、その中にあった有名なものが「Yes!ロリータ No!タッチ」です。これは意味的にデジたんの「推しは見るだけ!触っちゃダメ絶対!」とほぼ同じですね。

「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」の犯人として死刑執行された宮崎勤がおたく・ロリコン・ホラーマニアとして報道されて以降、同様の趣味を持つ者に対しては世間から強い偏見が産まれました。「有害コミック騒動」なんかその一端ですね。宮崎のような、現実と妄想と犯罪行為の境界が曖昧で、明確な規範意識が欠落したのがオタクだなんて誤解(曲解?)も出てきたり。そんなのにオタクに限らずどの界隈にだっていそうですが。

デジたんに倣って引用するならば、「渚カヲル曰く『何人にも侵されざる聖なる領域。心の光。リリンも分かってるんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だという事を』」。そう、心の中に留めている分には何を妄想しようが罪に問われることはありません(だって分からないもの)。しかし、現実に行ってしまえばアウトなことというのは沢山あるわけで、特にロリコンについてはごく少数であっても現実に子供達を肉体的・精神的に傷つけてしまう愚か者が存在したからこそ特に危険視されることとなりました。妄想すら許されなくなるような未来が到来しないよう、自重を強く促す気持ちも判ります。

「COMIC LO」にとっても規制強化の風潮が高まることは死活問題と捉えたためか、それとも一種の自虐ネタなのか、その他にも様々な「意見広告」を掲載しています。いくつか紹介しましょう。まずは「ロリコンなら子供を守れ。」わざわざ「ロリコンから子供を守れ」の「から」に×をつけて「なら」に訂正しているあたりが凝っています。

「私はロリコンです こども大好きです だから手は出さない」。“マナー守って楽しいロリータ”とも記載されていますが、ロリータって、対象になる少女のことでしょ?そこは“楽しいロリコン”では?

「最近ロリコンでいるのが辛い・苦しい…という方、ロリコンは直せます。」。続けて「自殺を考えたり、犯罪に走ったりする前にお医者さんへ相談しましょう。」と。一方、「脳内だけで満足できるロリコンは(中略)楽しい人生を送りましょう。」とも。脳内妄想に留められないロリコンはもはや病気ということか。

自虐の極致「LOなんかやめて、やる」。続けて「この世から児童性犯罪が完全になくなるって言うのなら、本気でナ。」とも。この手の雑誌が犯罪を誘発するとか批判されるんでしょうね。個人的には規制を強める方が反作用も強くなるように思います。

「“LO”の意味ってなんすか?」。直球の質問に対し「LOとはLOVEって意味です。」と答えています。え!そうなの?てっきり「Lolita」の略かと…

「STAY FICTION フィクションにとどまろう」。コロナ禍で「STAY HOME」が叫ばれた昨今のご時世を反映した比較的最近のコピーのようです。玉石混淆(石多め)の「なろう」系も、それでフィクションに留まっていられるというのであれば、存在する意味もあるんでしょうね。

雑誌の付録に付いていたらしいステッカー集。2006年のもののようです。「生涯一炉利魂」「絵流王連合」「子宝成就」「ロリコン出没注意」などおかしなステッカーも混ざっています。こういう余裕のある笑いは嫌いじゃないです。ま、私はロリコンじゃないので「COMIC LO」を買うことはないと思いますが。というか、2年前までは毎月買っていた竹書房の四コマ漫画雑誌(「まんがライフ」など)も買わなくなってしまったことだなあ。
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