大分紀行:昨年末の話で恐縮ですが

夜中の緊急地震速報に叩き起こされました。どんなすごい揺れが?と身構えましたが、高松は大した揺れではなく。後で見たら震度3でしたが、体感では2程度だったような。でも震源地に近い大分宮崎方面ではかなりの揺れだったようで、大きな被害がないといいのですが。

だからという訳ではありませんが、本日は大分に旅した話を。オミクロン株の感染拡大の予兆を感じながらもまだ大したことのなかった年末、大分市に行ってきました。目的は特急ソニックに乗ることです。

これが883系ソニック。1995年デビューで今となっては結構ロートルですが、登場時のインパクトは大きかったです。「ワンダーランドエクプレス」と呼ばれ、奇抜なエクステリアは話題をさらい、高速バスにジリ貧だった日豊本線の活性化と利用者増加に大きく貢献しました。

なにしろこの座席。ヘッドレスト部分がなにやらTDLのあのキャラを連想させるような。今はリニューアルされて落ち着いた色合いになっていますが、昔はもっと派手でした。

これが旧座席。実に派手ですね。まさに「ワンダーランドエクプレス」を体現するかのようです。この時に一度乗っておきたかったですが、叶わず。

しかし、折しも襲来した年末寒波で常にない大雪が新幹線を襲っておりました。運休こそしなかったものの、30~40分くらいの遅れが発生。私が新幹線に乗る岡山駅は寒いもののピーカンで雪の気配は微塵もありませんでしたが、滋賀のあたりがヤバかったようです。

そういう訳で小倉駅に着いた頃には乗車予定のソニックは既に出発しており、みどりの窓口で次の列車の席を取り直して貰いましたが、来たのは885系の通称「白いソニック」。悪い列車じゃないし、こっちの方が新型なんですが…夏の長崎旅行で乗っていたんですよね。今回は青い方に乗りたかったんじゃ~と心で叫びつつ、帰りの列車に期待します。

大分県には既に別府、湯布院、日田に宿泊したことがあり、4回目の宿泊。それくらいなら1回しか宿泊していない他県(鹿児島、熊本、佐賀、福岡)に泊まれよと自分にツッコミましたが、先ほど言ったように青いソニックに乗りたかったもので。でも大分市は初宿泊です。「おんせん県」の異名を取る大分県、同じ列車に乗ったみなさんも、大体別府で降りていきます。

なぜお前は別府で降りないのだ?それは私のご贔屓ホテルであるドーミーインが大分市にあったからです。「天然温泉白糸の湯 ドーミーイン大分」は大分駅前にありました。せっかく来たのだから豊後国一宮である西寒田(ささむた)神社か柞原(ゆすはら)八幡宮を訪ねようかと思っていたのですが、列車の遅延により諦めて駅ビル内のスーパーで買い物してホテル直行とあいなりました。それにしても一宮が二つあるとはこれいかに。

ドーミーインの大浴場はいいですねえ。サウナと水風呂に交互に入って「整えている」人もいましたが、私は普通に風呂に入り、サービスのアイスモナカを食べ、恒例の「カイジ豪遊ごっこ」の後、9時半には夜鳴きラーメンを頂きました。

サービスなので文句は言えませんが、出来れば半玉といわず一玉欲しいところです。シンプルな醤油味ですが、夜食だと「だがそれがいい」。

朝風呂も大浴場に浸かり、やはりサービスの乳酸菌飲料を飲んで、さあ朝食。ドーミーインの朝食はご当地名物も出してくれるのがいいですね。大分だと中津唐揚げなんかがあります。

カレーもあって、実は朝カレー好きなので早速頂こうと思ったら、まさかの「椎茸カレー」。大分名物には椎茸もあった模様。子供の頃からキノコ類が苦手で、大人になってだいぶ克服したんですが、「超えられない壁」が椎茸。カレーの味に紛れるかもしれないとも思いましたが、いやいや椎茸の味はA.T.フィールドすら突破すると考え直し、遺憾ながら回避しました。「椎茸カレー」はあってもいいですが、「ノン椎茸カレー」も置いておいて欲しかった…

列車の出発まで時間があったので、少しは観光もせねばと思って向かったのが大分城址公園。正式には府内城と言うらしいです。江戸時代中に天守は燃えて再建されなかったようですが、櫓は復元されています。

しかーし、掘の内側は立ち入り禁止に。PCR用検体採取場が設置されているため閉鎖されているとのこと。仕方なく外苑を歩いて行きます。

「人質櫓」というちょっと物騒な名前の櫓。江戸末期の文久元(1861)年に再建されたものだそうですが、名前の由来は不明。人質を押し込めたといった伝承はないそうですが、ではなぜこの名前にしたし。

こちらは東丸南東隅二重櫓。第二次大戦の戦災で焼失して戦後に復元されたものです。本来は平櫓だったそうですが、他の櫓が二重櫓なので同形式で再建したとか。一階の張り出した部分は「石落し」だそうです。

駅に戻ってお土産選び。大分駅は結構立派ですね。かつて住んだ札幌の駅を思い出しましたよ。

あ…すいません、やはり札幌駅の方が立派です。

お土産に買ったのは、50年以上愛され続けるという大分銘菓「ざびえる」。かのフランシスコ・ザビエルの名前を使っているのは、ザビエルが大友宗麟の庇護下、大分市で布教活動を行ったからだそうです。バター風味豊かな洋風の皮に、純和風の白餡(銀)と、ラム酒に漬けたレーズンを刻みこんだ餡(金)の二種類があります。余談ですが、ザビエルってバスク人だそうですね。

年末なので豪華にもう一丁ということで選んだのは「ボンディア」。ポルトガル語で「おはよう」を意味するそうで、1978年に大分市とポルトガルのアベイロ市が姉妹都市を締結した際に記念として作られたお菓子です。砕いたクルミを煉り込んだ小豆あんをパイ生地で包むという和洋折衷のお菓子で、「大分土産といえばボンディア」というぐらい定番のお土産となっているとか。おいしいけどちょっとお高め。

帰りの列車は期待通り「青いソニック」でした。新幹線も帰りは雪の影響もなくスムーズで、順調に高松に帰り着きました。
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