2021年秋季アニメの感想(その2):吸血鬼すぐ死ぬ/見える子ちゃん/無職転生 第2クール

アツゥイ!ならぬサムゥイ!雪ではないけど風花が舞った高松。この雪はどこから来たのかしらん。強い北風が吹いてるので中国山地あたりから?一日中一桁台の気温というのはこの冬初ですね。

昨日に続いて終了した2021年秋季アニメの感想です。まずは「吸血鬼すぐ死ぬ」。「少年チャンピオン」連載中の漫画が原作で、深夜にやる必然性が感じられないギャグ作品でした。たしかに下ネタもあったけど、この程度なら夕方放映でも全然問題なかったと思います。放映料金の問題なんですかねえ。


高等吸血鬼で「真祖にして無敵」との触れ込みのドラルクは埼玉県の古城に住んでいましたが、退治に来た吸血鬼退治人(バンパイアハンター)ロナルドが城を破壊してしまい、住居を失ったドラルクは新横浜のロナルドの事務所に同居することに。なりゆきでコンビを組んだドラルクとロナルドは、次々に起きる妙な吸血鬼の事件を解決したりしますが…

ドラルクは戦闘能力はほぼ皆無で、吸血鬼の弱点(十字架とか太陽とかニンニクとか)を使うまでもなく物理的ダメージですぐ死にます。なんとなれば精神的ダメージでも死にます。とにかくしょっちゅう灰になるドラルクですが、吸血鬼は不死身なので復活も早く、死ぬのがお約束の逆となっています。


吸血鬼とハンターの共存なんて無理だろうと思いきや、ドラルクの一族(真祖の一族)はこの世界には吸血鬼が山ほどいて、高等吸血鬼として、快適で有用な人類文明社会は保全すべきで、人類に著しく害をなす他の吸血鬼は退治するべきとの方針なのだそうです。まあドラルクには誰も倒せないでしょうけど。

というわけで、ロナルドが所属する吸血鬼退治人組合(バンパイアハンターギルド)も、神奈川県警にある吸血鬼対策課も、単に吸血鬼というだけでは別に攻撃してくる訳でもないので、ドラルクは割とのほほんと暮らしています。

それでも次々と奇妙奇天烈な高等吸血鬼や動物・虫・植物などが吸血鬼化した下等吸血鬼が出現して事件を引き起こし、対するハンターの連中も妙なキャラばかりなので毎回ギャグ展開となるわけですが…ちょっと大人が見るには辛かったりして。

一番可愛いのはアルマジロのジョンですね。ドラルクの使い魔で、その経緯もアニメで描かれていて深い絆を感じますが、ロナルドにも可愛がられているばかりでなく、他の退治人たちやご町内の人々からも愛されており、「ジョンくんファンクラブ」が設立されてたり。もうジョンを主人公としたらいいんじゃないかなあ。

ギャグ作品で最終回も特に終わりという感じもなかったので、続けようと思えばいくらでも続けられそう。人気があったら即2期制作という感じではないでしょうか。

次は「見える子ちゃん」。こちらも漫画が原作ですが、対象年齢は高め。ある日突然、普通の人間には見えない存在が見えるようになってしまった女子高生が、怯えながらも精一杯平常心を装い、見えないふりをしてやり過ごすという内容です。

主人公四谷みこは美人JK。やはりホラー作品のヒロインは美人じゃないといけません。美人を怖がらせたいというドSチックな気持ちもないではないですが、恐怖に歪んだ顔を見せてもなんとか絵になるのは美人だからという側面が強いように思います。

単に幽霊が見えるという程度ならともかく、みこちゃんの目に映るそれらはとにかくキモい。幽霊と言うより怪物のような姿をしているのが多く、物理的な接触はないとはいえ、重なることさえイヤだと思うようなのばかりです。


登場した中で気持ち悪くない霊は、みこちゃんのパパン(普通すぎて霊とは思えなかったレベル)や、強面だけど猫好きな男性に憑いていた奥さんと2匹の猫の霊くらいでした。あとは大体が怪物化していてとにかく怖い。


みこちゃんの描写が妙にエロいと思ったら、監督はかの伝説の「異種族レビュアーズ」の監督でした。なるほど。あの世界なら霊体関係の風俗とかもありそうですが、こっちの霊体は大半が無茶苦茶キモいので風俗店で働けそうにありません。

どうしてヤバいものが見えるようになったのか、理由はさっぱり不明ですが、中には無視に失敗すると攻撃してくるような超絶ヤバいのもいて、みこちゃん絶対絶命。数珠などで対抗しようともしましたが、そんなの全然効かないようなのもいて。

そんな中、心霊スポットとして有名な神社でキツネ系(?)の神様のようなのに助けられ、3回ほど助けられるみこちゃん。助ける度にカウントダウンしていたので、お礼参りにいかなきゃと思うみこちゃんですが、どうもこいつはこいつでヤバそうな気配。


親友の百合川ハナは霊感ゼロですが、生命オーラが強く霊を引き寄せやすい体質らしく、彼女と一緒にいるみこちゃんは毎回怖い目に遭うことに。もう一人、二暮堂ユリアという子とも仲良くなりますが、この子も「見える子ちゃん」ながら、なぜかみこちゃんとは見えるものが違うらしく、あんまり害のなさそうなのは見える反面、マジでヤバいのはなぜか見えません。

OPもEDもみこちゃん(CV雨宮天)が歌っていますが、OP「見えないからね!?」は彼女の気持ちそのものの歌である反面、ED「ミタナ? ミタヨネ?? ミテルヨネ???」は人外サイドからも歌となっており、なぜそれをみこちゃんが歌っているのか謎。

展開的には神社の神様みたいなヤバいのとの決着が付いていないので、2期をぜひ。ホラーとエロスは表裏一体のようなところがあるので、やりすぎない程度にエロスも欲しいですね。怖い時にスカートの端をきゅっと握るみこちゃんがイイ!!

最後に「無職転生 第2クール」。分割2クールの後半で、これで第1期終了のようです。「小説家になろう」連載作品が原作で、交通事故死して異世界に転生するという設定からしてまさに堂々たる「なろう」系なんですが、「なろう」系離れした非常に重厚な設定が特徴で、「なろう」系の最終兵器と言われるだけはあります。こんな作品ばかりなら、「なろう」系もスマホ太郎だのバカにされることはなかったんでしょうが…玉石混淆は世の常とはいえ、石の割合が多いんですよね「なろう」系。

34才のヒキニートがトラックに轢かれかけた高校生らを助けようとして事故死し、記憶を持ったまま異世界に転生。前世で何事も中途半端に投げ出した後悔から、今度こそ真面目に生きようと決意するところから始まる物語です。主人公ルーデウス(ルディ)は魔力の才能があり、幼少期から努力しているので相当な力を持っていますが、大人の心を持っているとはいえ、前世がヒキニートだったので経験豊富とはいかず、またスケベでお調子者といった悪い癖もあるので、他の「なろう」系作品の主人公のようには無双できません。

ロキシー師匠のおかげでトラウマを克服し、シルフィと仲良くなって平和に暮らせそうなところを、無理矢理貴族の家で働くことにされ、まるで“狼に育てられた少女”そのものののような凶暴なお嬢様エリスの家庭教師となります。

どうにかこうにかエリスとも上手くやれるようになってきたら、今度は謎の魔力暴走による「フィットア領転移事件」に巻き込まれ、魔大陸に飛ばされてしまうルディ。様々な冒険と苦労の末なんとか故郷への帰還を果たしますが、故郷は変わり果てていました。

エリスと恋仲になり、前世でも果たせなかった“脱童貞”を果たすルディですが、直後に去ったエリスに愛想を尽かされたと落ち込むルディ。エリスは今のままではルディの足手まといだと思っており、修行の旅に出たのですが、その辺の気持ちが全然伝わっていません。もう人生そのものをまた諦めようかとさえ思ったルディですが、この世界の母親(ゼニス)がなお行方不明なのを思い出し、探しに行かなければと決意したところで終了しています。

当然2期をはよ!な展開なんですが、当初は無詠唱魔法が使えて無茶苦茶強いかと思われたルディが、この世界では大したことは無い(強いことは強いけど、更に強い連中がうようよしている)ことや、異世界はいわゆる剣と魔法の世界ながら、剣(他に槍とかもあり、要するに武技)がかなり強くて一対一だと魔法ではなかなか圧倒できなかったりで、他の「なろう」系のように無双ができません。ましてや「俺、またなんかやっちゃいました?」なんて夢のまた夢。


とにかく絵が綺麗で、大河小説のような展開が素晴らしいです。突如発生した「フィットア領転移事件」も今の所原因不明ですが、作中なぜ起きたのかもちゃんと説明されているらしいので、他作品のように投げっぱなしにはなっていないようです。

ヒロイン候補のロキシー、シルフィ、エリスは皆魅力的ですが、第1期だとエリスが正妻格か。ルディと過ごす時間が長かったし、初体験の相手でもあるし。美少女ながらとにかく凶暴だったのが、“ウォーター”を認識したヘレン・ケラーのような時期を過ぎて、ずいぶんと文明開化したものです。CV加隈亜衣の熱演が素晴らしい。

個人的には未だ行方不明のルディのママン・ゼニスが気に掛かります。CV金元寿子だし。第1期最終回に至るまで、ルディが彼女のことに言及することがほとんどなく、仮にも母親なのに気にしていないのかと思っていましたが、すっかり意気消沈したルディを立ち直らせたのはゼニスを探さねばという気持ちだったので、そうではなかった模様。マザコンではなくても、やはり母親というのは男にとって特別な女性ですよね。

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