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中二病でも恋がしたい!(その2):六花の「中二病」の真実

逃避行
 
 やはり昨日の強風は関東では木枯らし一号でした。しかし日中は陽の当たる草むらで死に損ないの虫がまだ鳴いていたりしました。もやは綺麗な音色とは言い難く、しゃがれ声みたいになってましたが。

闇の中の六花

 さて今日は邪気眼系中二病患者(元患者を含む)を描く「中二病でも恋がしたい!」の続きについて語りたいと思います。これまでは作品が終了してから感想を語る方針でいたのですが、先日2クールあったとはいえ「氷菓」について4回も語ったこともあり、何より先週放映した第7話がこれまでとがらっと雰囲気の違う展開になっていたので、これはぜひ語らねばと思った次第です。

なんちゃってケルベロス

 「中二病」については11月7日の「その1」で語ったのでそちらを参照していただくとして、治療の必要な医学的な意味での「病気」ないし「精神疾患」とは無関係なものだと思っていたのですが、他のキャラはともかく、少なくとも小鳥遊六花の場合は深く慕っていた父の突然の死(実際には突然ではなく、姉の十花などは知っていたが、まだ幼かった六花には告げられていなかった)を認められないが故の現実逃避であることが判明しました。精神分析などでいう防衛機制というやつでしょう。

期待に胸ふくらむ六花

 私は特別心理学とか精神分析というものに詳しくはないのですが、防衛機制の中でも否認(不安や苦痛を生み出すようなある出来事から目をそらし、出来事自体が存在しないかのような言動をとる)とか理想化(自己と対象が「分裂」している状態で、分裂させた一方を過度に誇大視して「理想化」する)とか脱価値化(期待が満たされない時に、直ちに価値のないものとして過小評価する)などが組み合わさっているかのような。

幼い六花と父

 すなわち、父が死んだという事実を認めず、不可視境界線を探しだし得る邪王真眼を駆使することで再び父に会うことができると考え、そんなものは実際には存在しない現実に対しては認識することを拒否しているということなのではないでしょうか。六花の良く叫ぶ「爆ぜろリアル!弾けろシナプス!ヴァニッシュメントディスワールド!」は、単なるギャグではなく、言い換えれば「現実など認めない!空想(妄想)の世界に生きていたい!こんな世界滅んでしまえ!」という六花の魂の叫びでもあったのですね。ちょっと切ない。

食え!

 元患者の富樫勇太と丹生谷森夏や、現役患者の凸守早苗も六花のようなトラウマを抱えて中二病になった(なっている)のだとしたらちょっと嫌すぎる展開なのですが、少なくとも勇太については短編の「Lite」を見る限り、純粋に思春期の少年少女にありがちな自意識過剰から発せられた奇妙な言動傾向という感じでした。森夏や早苗については不明ですが、別段深刻なトラウマがあって初めて中二病になるというものではないですよね。六花が特殊なケースだと思いたいです。

これも一種の「二人乗り」?

 多重人格として知られる解離性同一性障害という精神疾患は幼少期の性的虐待といった、本人にとって堪えられない状況を、それは自分のことではないと感じたり、その時の感情や記憶を切り離して思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとする過程で、切り離した感情や記憶が成長して別人格となって現れるものだといいますが、六花の中二病症状がそれほど深刻な精神疾患でないといいのですが。

辛すぎる現実

 六花にとって現実をつきつけてくる祖父母(というより六花の中二病そのものが理解できないようですが)や、多少の理解はあってもやはり父の死を認めることを強いてくる姉の十花を「敵」として認識している状況はなんとかしてやりたいですね。中二病が直ってはお話が終わってしまうので、父の死とか母の出奔による家族の崩壊を受け入れた上で、たくましく生きていくための「よすが(縁)」として中二病設定を利用するようになって欲しいです。そしてダークフレイムマスターもそれに協力するという展開いいなあ。

対峙する姉妹

 7話ラストで、幸せな記憶のこもった昔の家がすっかりなくなっていて売り地になっているという辛すぎる現実に直面した六花は十花と対峙しましたが、8話はまた妄想バトルから始まるんでしょうかね。それにしても十花は現在の六花から見ると「敵」らしいですが、いい人ですよね。六花に父の墓参りに行かせるのに同好会(昼寝部?)メンバーを誘ったり、毎日豪勢なお弁当作ってくれたり。昔の家を訪ねようとする六花を強引に止めようとしたのも、六花の精神的ショックをおもんばかってのことでしょうし。六花には、十花を洒落で「敵」と言えるようになって欲しいものです。

首輪?している十花

 それにしても十花のチョーカーは首輪のようです。実は裏で「私の奴隷になりなさい」的展開をしていてご主人様登場なんていう無茶なサプライズは勘弁して下さいね。美人だから調教対象には持って来いかも知れないけど。

ナイスバディーな森夏

 今回森夏、くみん、凸守、そして同好会メンバーでもないのに付いてきた一色誠はすっかりシリアス展開を緩和するためのお笑い要員と化してましたね。それもしても勇太も誠も一度は森夏の色香の虜になったはずなのに、醒めるのが超早いですね。誠はくみんに乗り換えたかのような。勇太と六花の密着具合に対して、森夏は何とも思っていないようですが、せっかくあれだけの美人なんだから、もっと大事に扱って勇太を巡る三角関係とかも描いて欲しいです。常に森夏対凸守になっていますが、森夏対六花とかの妄想バトルも見たいものです。

ひたすら白のくみん
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まとめ【中二病でも恋がしたい】

  やはり昨日の強風は関東では木枯らし一号でした。しかし日中は陽の当たる草むらで死に損ないの虫がま

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No title

こんばんは♪
中二病〜 どうなるかと思っていましたが、
やっとエンジンがかかってきましたね(笑)
これからの展開が楽しみです。

Re: No title

 こんばんは、いらっしゃい。

 私は最初から面白くみています。中二病経験者にはかなりウケているらしいですよ。
 私も中二病までは行かなかったと思いますが、色々妄想はしました。ただ、当時はSFにはまっていたのでこのアニメで描かれている「邪気眼系中二病」にはならずに済んだようです。

 SFって読んでいくと結構シニカルに見方をするようになっていく気がしますね。地球なんて大宇宙の砂粒の一つに過ぎないなんていう視点と、自分は何者かに選ばれた特殊な存在だと妄想する中二病は相性悪いかもしれませんね。エスパーとかミュータントとかい要素だけ取り出せば中二病にいけるんでしょうかね。
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