唐津紀行:佐賀県に初宿泊。残りは1県

ドラゴンクエストシリーズの音楽を手掛けた事で有名な作曲界の巨匠・すぎやまこういち氏が亡くなられました。「学生街の喫茶店」(ガロ)、「亜麻色の髪の乙女」(ヴィレッジ・シンガーズ)、「恋のフーガ」(ザ・ピーナッツ)、「花の首飾り」(ザ・タイガース)といった有名な楽曲の他、2000曲以上のCMソングを手掛けてこられ、東京競馬場・中山競馬場で使用されるファンファーレも作曲しているという偉大な作曲家です。御年90才ということで大往生といえるでしょうが、今後のドラクエで新曲が聴けないと思うととても残念です。「序曲」は永遠だと思いますが。

そうそう、巨匠といえば漫画界の巨匠・さいとう・たかを氏も亡くなられてしまいましたね。なんと言っても「ゴルゴ13」が有名ですが、「鬼平犯科帳」「仕掛人・藤枝梅安」なども手掛けていたんですね。「ゴルゴ13」についてはほぼ53年という長期連載ですが、昔から分業体制が確立しているので、今後も連載が継続されるとか。「サザエさん」「アンパンマン」「クレヨンしんちゃん」など、作者亡き後もアニメが続く作品はありますが、漫画が続く作品というのは異例では。「ゴルゴ13」の最終回のプロットは昔から考えていたそうですが、存命中に最終回が執筆されることはなかったので、内容は完全に幻になってしまいましたね。お二人のご冥福を心からお祈りします。

話題はがらりと変わりますが、先日佐賀県を旅してきたので、今回はその話をしたいと思います。お笑い芸人のはなわが♪SAGA さが SAGA さが♪とシャウトしていた佐賀県。“日本一影が薄い県”なんて話題だと必ず優勝候補の一つに挙げられる佐賀県。福岡や長崎は有名だけど、その間にあるので素通りされがちな佐賀県。

最近は「ゾンビランドサガ」なんかのせいで知名度がアップしたような気もしますが、実はこれまで私も宿泊したことがありませんでした。ずいぶん20年位前に北九州2泊3日周遊の旅というパックツアーに参加したことがあるので、泊まらんまでも訪れたことくらいあるんじゃないかと思っていましたが、川下りをした柳川が佐賀ではなく福岡だったという衝撃(笑撃?)の事実によってこの幻想も打ち砕かれてしまいました。

この前宮崎に行ったばかりですが、「ロマンシング サ・ガ」は2までやったし、私の誕生星座である双子座(ジェミニ)の聖闘士はサガだぜという訳の分からない理由でよしそれならばSAGAだ!ということになりました。また例によって瀬戸大橋を渡って岡山から新幹線。JR西日本のレインメーカーとなっているようなユースフです。

博多でランチということで、駅ビルアミュプラザの10階にある「博多鉄なべ 無限餃子」へ。「博多名物!!鉄なべ餃子定食」のダブル(16個、1190円)をオーダー。16個というと多すぎるように思われるかも知れませんが、一つ一つの餃子が小さいので全然余裕です。ただし、鉄なべがとってもアツゥイ!!「鉄なべ餃子」の他にも「水餃子」「炊き餃子」が選べるそうです。

佐賀と言ってもいろんな場所があります。県庁所在地の佐賀市、新幹線も停まる鳥栖市、温泉で有名な嬉野市・武雄市、焼物で有名な伊万里市などなど。そんな中で私が選んだのは唐津市でした。海がある、城がある、特別名勝・虹の松原があるといったところが決め手になりました。

博多バスターミナルから昭和バスの高速バスからつ号に乗ります。1時間半ほどで唐津城手前にある大手口(唐津バスターミナル)に到着。

唐津城は唐津湾に面する海城です。城から左右に広がる砂浜が鶴が翼を広げたように見えることから舞鶴城とも呼ばれる高松城もそうでしたが、天守がない高松城址と違って唐津城には模擬天守のほか櫓や門が建てられ、石垣・堀が復元されています。江戸初期の築城で、豊臣秀吉が文禄・慶長の役の際の遠征軍の宿営地として築いた名護屋城(名古屋城にあらず)の遺材を使用したそうです。

寺沢氏を皮切りに、江戸時代の間に譜代大名5家が入れ替わっています。これはかなり頻繁ですね。平山城なので、天守に行くまで結構階段を上ります。有料のエレベーターもありますが、ここは根性で。山上からは虹ノ松原が見えます。手前の松林ではなく、奥にずっと続いているのがそうですが、松原というよりほぼ森林ですな。

こちらは日本百景に選定されている唐津湾。左手は陸続きの大島で、中央は無人島の鳥島。右手の島は高島です。高島は人口300人ほどですが、宝くじが当たるという謂れのある宝当神社があるので、宝くじのシーズンには多くのファンが訪れるとか。

天守は入場料500円。5階建てで各フロアで唐津の歴史や唐津焼の紹介がされています。最上階は展望フロアになっています。エレベーターはありませんが、模擬天守なので階段はゆったり。現存天守だと階段が滅茶苦茶急なので膝が死ぬんですよね。

唐津城から徒歩で虹の松原に向かってみます。舞鶴橋を渡った先にある砂浜にも松林が。砂浜を歩くのは風情がありますが、足がすごく疲れるので、舗装された車道を歩いたりして。この辺り釣りをする人も多いせいか猫が結構居ます。しかし警戒心が強そうなのばかりなのでコンタクトは断念。人懐こい子が好きですね。

虹の松原入り口?松もたくさん生えてますが下生えも鬱蒼としています。松林って下生えがないというイメージだったんですが、これはもはや森。

どんどん進むとこんな感じ。だんだん川口浩探検隊の雰囲気になってきました。松原というのは遠くから見るのがいいのかも知れませんね。入ってみるとただの森林。

夕暮れも近いので撤退して、松浦橋を渡って松浦川を越え、ディスカウントストア・トライアルに寄って酒と肴を購入して今宵の宿へ。唐津第一ホテルリベールです。部屋からは松浦川と、その向こうの唐津湾が見えて風光明媚ですが、大浴場が狭いのと、部屋着が小さいのが難。大きいのがないかフロントに聞いたらこのサイズしかないと。だったらドーミーインの部屋着のように伸縮性のあるのにしたらいいのに。

翌日は趣向を変えて鉄道で博多駅を目指します。ホテル最寄りは無人駅の和多田駅。筑肥線ですが、姪浜からは地下鉄空港線に乗り入れています。東京とかではよくありますが、さすが大都会福岡市ということでしょうね。

博多駅ではまた博多バスターミナルに行き、西鉄バスの太宰府ライナーに乗ります。目的地は太宰府天満宮。イメージでは博多のすぐそばという感じだったんですが、案外遠いですね。随分前に一度来たことはあったんですが、梅ヶ枝餅しか覚えていなかった(笑)ので、再訪です。

参道の両側には土産物屋や飲食店がたくさんあって、梅ヶ枝餅も売っていますが、それは帰りと言うことにしてまずは天満宮へ。各地のパワースポットに行ってはラオウのように「き…きかぬ きかぬのだ!!」と涙を流すのがこの夏の個人的流行なんです。遺跡や寺社があるからパワースポットになるのか、パワースポットに遺跡や寺社ができるのか、一体どちらなんでしょうかね。

太宰府天満宮の鳥居と楼門。天満宮は言わずと知れた菅原道真を祭る神社ですが、太宰府天満宮は京都の北野天満宮と並ぶ全国天満宮の総本社で、年間850万人以上の参詣者があるとか。菅原道真と言えば学問の神様として知られますが、オカルト方面では平将門、崇徳院と並ぶ日本三大怨霊として有名ですよね。右大臣まで昇ったものの、藤原氏の陰謀により太宰府に左遷され、この地で亡くなった道真の怨霊は猛威を振るったとされ、狼狽した朝廷はは太政大臣位を追贈し、本来は天皇・皇族をまつる神社の社号である「天満宮」を認めるなどして慰撫に努めたとか。それだけのパワーがあるならば、有効利用すればそれはそれは御利益があるだろうという発想が日本的というのかなんというか…(批判じゃないですよ)。

こちらが本殿。造営された10世紀以後、兵火などにより数度焼失しており、現在のものは小早川隆景が1591年に竣工したものだそうです。豪壮華麗な桃山様式という訳ですね。

本殿前にある飛梅。太宰府に左遷される際、都の邸宅の梅を惜しんで「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」と謳った道真を慕って一夜にして飛んできたという。毎年境内で一番に花が咲くそうです。そういえば昔「飛梅」という梅味の缶ジュースがありました。結構美味しかった記憶があります。子供の頃から「梅ソーダ」とか梅味のジュースが好きでした。

本殿裏手の摂社群。道真の血縁者(親、子、師匠など)が並んでいます。なんか摂社末社に心引かれるんですよね。もし私が神様なら(おいおい)、大親分の傍らでこんな風にひっそりと祀って貰いたいな、なんて。

本殿裏手右側の裏山にある「誠の滝」。小さい滝ですが、境内に滝がある神社というのも珍しいように思います。

太宰府天満宮の奥にはには知る人ぞ知る穴場パワースポットと言われる天開稲荷社があるということで行ってみることにします。さらに先には「鬼滅の刃」で大人気になっているんではないかと思われる竃門神社もありますが、それはかなり遠いので今回はパス(「鬼滅の刃」も見てないし)。ごく近い天開稲荷社でも結構階段を上ります。

鎌倉末期に稲荷神社の総本社である京都の伏見稲荷大社から勧請された九州最古の稲荷神社だそうです。干支に応じた12本の紐があり、自分の干支が書かれた鈴を鳴らしてから中央の大きな鈴を鳴らしてお参りをするという珍しいスタイルなんだそうですが、私が訪ねた時はコロナ禍のせいか紐は一本だけでした。

奥の院にはさらなるパワーがなんていうので、ここからどれだけ進むのかと思いきや、社殿裏手にありました。パワーを感じる人は感じるんでしょうね…としか言いようがありません。なにしろ相変わらずラオウ状態だったので。

天満宮に戻って絵馬堂。奉納された絵馬を掲げておく堂ですが、太宰府天満宮のものは1813年と結構新しいものです。

参道に戻って梅ヶ枝餅を食べます。美味しいと評判らしい店には行列が出来てたりしてますが、特にこだわりがないので空いている店でさくっと1個だけ買いました。130円でした。小豆餡を薄い餅の生地でくるみ、梅の刻印が入った鉄板で焼く焼餅です。由来は、左遷されて悄然としていた道真に老婆が餅を差し出し、道真の好物になり、道真の死後、老婆が餅に梅の枝を添えて墓前に供えたのが始まりだとか(他説もあり)。焼きたては熱々でとても美味しいです。

西鉄で博多に帰ることも考えましたが、ちょうどバスが来たので芸はありませんが、バスで博多バスターミナルへ。昼食はバスターミナル8階の飲食店街にあった「まんぷく食堂ぎおん亭」で。名物はとんてきらしいですが、デカ盛りかつカレー(1060円)をチョイスしました。多分「ゴーゴーカレー」とどちらにしようか迷った影響ですな。デカ盛りでライス550グラム。その上のメガ盛りだとなんとライス700グラムです。

といった辺りで唐津紀行は終了です。今年にはいるまで私の未宿泊県としては徳島・岡山・佐賀の3県が残っていましたが、これで徳島と佐賀をクリアして残すは「晴れの国」岡山ただ1県となりました。海を隔てているとはいえ、香川からは隣県なので行こうと思えば簡単に行けるのですが、死ぬまで一度も泊まらなかった県というのが一つくらいあっても面白いかななんて思ったりもして、どうしようか考え中です。
スポンサーサイト