紫雲山:高松市中心部に秘境あり

GWも完全に終わって明日から通常の日々。ちょっとアンニュイな気分なので本日は遠出をせず、栗林公園に行って年間パスポートでも買おうと思ったら、なんと臨時休園。“新型コロナウイルス感染症拡大の現状を踏まえ”とのことですが、5月一杯休園するようです。いや、香川では緊急事態宣言は出てないのですが…

ぶうぶう言ってもやっていないものは仕方ありません。栗林公園というと、背後にある紫雲山が借景として良い仕事をしています。これも栗林公園の一部と言ってもいいほどです。今回は紫雲山の話を。

高松の有名な観光地である屋島は、メサ(卓上台地)と呼ばれる地形の典型例とされています。風化しやすい花崗岩の上を硬い溶岩が覆ったため、浸食作用で周囲が削れていく中、テーブル上の台地として残りました。

私は屋島を見る度に、ハワイのダイヤモンドヘッドに似てるなと思うのですが、どうでしょうかね。


しかし側面から見た姿は似ていても、ダイヤモンドヘッドはメサではなく火山。上空から見た姿は屋島とは似ても似つきません。

で、メサがさらに浸食を受けると、台地から丘の姿に変わります。これはビュート(孤立丘)と呼ばれます。讃岐富士こと飯野山もビュートです。

そして栗林公園を引き立てる紫雲山もビュートです。正式には石清尾(いわせお)山塊と呼ばれるビュートの一部。この画像だとメサと言いたくなりますが。石清尾山塊の中でも稲荷山と室山の二峰の山塊を紫雲山と呼んでいます。北側の稲荷山が166m、南側の室山が199.8mとごく低い山なんですが、高松市の市街地の中にぬっと立っているので実際よりも高く見えます。

石清尾山塊には峰や尾根を中心に、古墳時代の前期から後期にわたる120基を超す積石塚と盛土墳が分布しており、全国的に知られる古代遺跡として史跡に指定されています。古墳時代の高松は、山塊付近まで海が迫っていたようです。

大して高い山ではないのですが、最初から登ろうと思ってはいなかったので、どうしたものかと思ってグーグルマップを見ていたら、栗林公園と紫雲山の境に「紫雲原生林」の記載されたハイキングコースが表示されているのを発見。これなら行けまっせということで探索することに。

稲荷山の名前は、麓にある中野稲荷神社に由来すると思われます。JR栗林公園駅北口のすぐそばにあります。1743年に高松藩5代藩主の松平頼恭が創建したそうですが、じゃあ稲荷山という名前になったのはそんなに昔ではないということに。鳥居が駅と合体したかのように見えます。

境内は小さいですが、拝殿を右に折れていくと登山道があります。山は登らないので左に折れると山腹を縫っていく遊歩道があります。

市街地のまっただ中のはずなのにこの秘境感。イノシシ注意という看板も雰囲気を出してきます。札幌だとヒグマに注意だったので、危機感はだいぶ違いますが、イノシシもかなりヤバイらしいので油断は禁物です。

全く人に出会うことなくずんずん進んでいきます。無人の野を行くが如しと思っていたら、突如人が携帯型の椅子に座っているのに出くわして驚いたり。栗林公園の西側を歩いているのですが、木々が生い茂っていて庭園はよく見えません。

民家の軒先といった場所に出て散策は終了。スズメバチとイノシシにさえ出くわさなければかなり良い感じの散歩道になりますね。帰途、ハローズ栗林公園店という大型スーパーを発見。初めて入るスーパーマーケットは心躍りますね。いつも使っているマルナカよりいろいろと安いんでないかい。時々自転車で買い物に来ることにしましょう。
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