2021年春季アニメ序盤の感想(その3):異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω/スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました/シャドーハウス

変異ウイルスの流行により、愛媛でまん延防止等重点措置(まん防)が適用されたり、徳島でもまん防適用を要請するの方針だったりと、四国もコロナ禍と無縁ではいられません。五月晴れとは裏腹にぱっとしないGWですが、マリンライナーに乗って岡山に遠征してきました。訪問先については今後紹介していきますが、行き先が本州であっても、私が四国に居住している限りはカテゴリは「どっきん四国」(笑)。

さて春季アニメ序盤の感想もそろそろ終わりにしなければ。まずは「異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術Ω」。4話まで視聴しました。ラノベ原作ですが、主人公がゲームキャラとしての姿と能力で異世界に飛ばされているあたり、「なろう」系の「オーバーロード」や「魔王様、リトライ!」に似ていますが、両作品がなぜ異世界転移したのか不明なのに対し、本作は異世界の住人に召喚されたというところが異なります。

2018年夏季に一期が放映された作品の二期です。一期はテンプレのような設定ながら、結構上手くまとまっていて面白かったので期待したのですが、監督・アニメ制作会社をはじめ、制作サイドの陣容はかなり大幅に変わっています。そのせいか、主要登場人物3人以外の一期のキャラは一話のみの登場でほとんど排されてしまっています。

変わって異世界の教会(枢教院)の最高権力者である大主神官のルマキーナ、冒険者のホルンが仲間に加わっています。ルマキーナは今回のヒロイン的立ち位置で、教会の頂点でありながら実質的な権限は持たず、教会の不正をただそうとして刺客を送られる始末。ちょいエロ要員としても大活躍します。


自称“異世界の魔王”(実際そうなんだけど、いくら言ってもほぼ誰も信じてくれない)である主人公ディアブロは、ゲーム内で圧倒的強さを誇っていたステータスそのままに多数の魔術を操り、高レベルなので生半可な攻撃は一切通らず、こと魔術に対しては装備している「魔王の指輪」の効力で反射してしまうため、異世界でもほぼ無双状態ですが、現実世界の本当の自分は引きこもりのコミュ障なので、相次ぐラッキースケベに動揺しまくりながらも魔王キャラを演じることでどうにかやっているという状況です。

ルマキーナはディアブロすら驚くほどの魔力を持ち、強力な治癒や浄化を使いこなす反面、自分自身には効果を及ぼせないという制約を持っており、いかにも保護してやらなければならないという都合の良い設定になっています。CVは今売れまくっている伊藤美来。本作では歌を歌わず、CVとして出演していない「戦闘員、派遣します!」で歌を歌っている不思議。

しかしこの世界の教会は腐っていますね。聖騎士はろくでもないのばかりだし、ルマキーナが頼みの綱にしていたバドゥタ聖騎士長は、会ってみれば完全に腐敗していました。そのわりにディアブロをあと一歩まで追い詰めるほどの戦闘力を持っており、一期に登場したガルフォードといい、異世界の住人も決して弱くはないので、異世界魔王ディアブロといえども「オーバーロード」のアインズ程余裕をかましてはいられません。

取りあえずルマキーナに掛けられた呪いは解くとして、その後はどうするんでしょうか。教会改革まで手を貸すのか。魔族も暗躍しているようですが、ディアブロは魔王クレブスクルムを仲間にしているのに、大半の魔族は全然言うことを聞いてくれません。強くても記憶がない不完全な復活が「失敗」とみなされているようなので仕方がないのか。ちょいエロを楽しむ作品なので、あまり深く考えずにゆるーく見ているのが正しい鑑賞法なのでしょう。

次は「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」。4話まで視聴しました。このタイトルの長さ、貴様「なろう」系だな!「なろう」系に違いあるまい!はいそのとおり。現世で過労死したOL相沢梓が異世界に転生します。通り魔に殺されたリーマンは異世界転生してスライムになっていましたが、彼女の場合は女神様が同情してくれ、見た目17歳の不老不死の魔女にしてくれました。なぜに17歳。それは女神様のCVがお姉ちゃん(井上喜久子)だから(笑)。


そしてとことんスローライフを満喫してなんと300年。生活費稼ぎのために毎日スライムを倒していたらレベルがMAXとなり、最強の魔女になってしまいました。300年の生活は一瞬だったので、300年もスローライフやってたらいい加減飽きるんじゃないかとか、300年間毎日律儀にスライムを倒しているあたりが過労死に繋がるんだよなとかツッコみどころは一杯ですが、緩い作品なのでスローライフな目線で見てやるのが吉でしょう。


通称「高原の魔女」アズサのCVは悠木碧。作風のせいか、それとも「蜘蛛ですが、なにか?」でほぼ毎回のように独演会を開催している疲労からか、かなり緩めに演じているような感じです。だがそれがいい。全体的に緩い雰囲気の中、共演者は何気に人気声優ばかりで豪華ですね。


一人ぼっちで300年暮らしてきて平気だったはずですが、ドラゴン少女やら精霊の双子姉妹(倒されたスライムの魂から誕生)、エルフが仲間に加わり、さらに魔族の大物ベルゼブブ(というかその名は魔王そのものじゃないか)とダチになるということで、アズサの周辺は一気に賑やかになっています。本人は相変わらずスローライフを続けたいらしいですが、300年も静かに暮らしてきたのなら、そろそろ弾けてもいいんじゃないですかねえ。


今季は本作と「聖女の魔力は万能です」が女性主人公の「なろう」系作品。「なろう」系といえば、ちょっと前までは労せずして得たチート能力で「オレ強えー!」な主人公がハーレムを作るというのがテンプレ的展開でしたが、随分様変わりしてきたような気がします。

最後に視聴予定になかった「シャドーハウス」。4話まで視聴しました。「週刊ヤングジャンプ」で連載中のソウマトウの漫画が原作です。巨大な洋館「シャドーハウス」に住む顔のない漆黒の「シャドー」一族と、それに仕え「顔」役を務める「生き人形」たちの不思議な物語です。

主人公は「生き人形」のエミリコ。彼女が使える「お影様(シャドーの敬称)」がケイト。シャドーは貴族然として振る舞っていますが、資質を試される「お披露目」というイベントがあり、これに合格しないと一人前のシャドーと認められないらしいです。


「シャドー」って何だ、「生き人形」って何だという話ですが、シャドーの方は影絵のようにしか見えないので、もしや「少女革命ウテナ」に登場していた「影絵少女」なのでは。「かしら、かしら、ご存知かしら〜」。感情が高ぶると頭から煙のように煤を出したり、そもそも体中から煤が出て家具や調度類、衣服を汚すので頻繁に着替えや入浴が必要だったりしています。

それとも車田正美の「リングにかけろ」に登場した日本ボクシング界の影の存在、影道と何らかの関係が(ありません)。


同じ車田作品の「風魔の小次郎」には敵対組織である夜叉一族でも最強とされる夜叉八将軍という戦士達が登場し、当初はシルエットで隠されていてまるでシャドー一族状態でした。後に全員顔が判明しますが、竜魔に瞬殺された不知火だけはシルエットのまま倒されて最後まで顔が判明しなかったので、もしかすると不知火だけはシャドーだったのかも(笑)。

「生き人形」はシャドーの元締め「偉大なるおじい様」が命を吹き込んだ人形だとされていますが、こちらは明らかに普通の人間のようです。記憶を操作して人形だと思い込ませているようですが、食事が必要だったり、個体差が大きすぎたりで、人形とするには無理があります。

「お披露目」前のシャドーの幼生は相互にあまり交流がないようですが、各シャドーが必ず一体持っているお付きの「生き人形」の方は屋敷の掃除などで相互交流が盛んで、特にエミリコは好奇心が旺盛で明るく元気で前向きという主人公特性をてんこ盛りしたキャラとなっています。

一方その主のケイトの方は思慮深く読書好き。ものを知らないエミリコの教師役でもありますが、エミリコの明るさとやさしさに励まされてもいます。CV鬼頭明里なので多分美人だと思いますが、なにしろ真っ黒なので顔立ちは一切不明。

シャドー達がとにかく煤を出すので、「生き人形」達は掃除に忙殺されていますが、煤は単なる汚れではなく、一定以上集まると生物のように自律的に動き出し、「生き人形」を襲撃したりするようになります。煤を取り込んだ「生き人形」は錯乱状態となってしまい、死んでしまうこともあるようです。


様々な謎はこれから徐々に解明されていくと思いますが、主人公エミリコのCV篠原侑が良い仕事をしています。2016年頃から声優として活動していて、最近では「放課後ていぼう日誌」でていぼう部部長黒岩悠希を演じていますが、演技が全く違っていてとても同一人物とは思えません。

同一人物とは思えないといえば、「生き人形」のリーダー格バービー。名前は可愛い人形風だけど本人は全然可愛くなく、口が悪く超攻撃的。CVはまさかの釘宮理恵。いつまでもツンデレだけじゃないとは思いますが、こんなキャラも演じるとは。リゼロに出てきた「虚飾の魔女」パンドラ役は美人だけに似つかわしく思えましたが。

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