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金刀比羅宮:1368段の石段に挑戦

どっきん四国

 せっかく四国に来たのに本格記事の第一弾がアニメの感想じゃ全然ご当地感がありません。これからは四国のあちこちに出かけて記事を作っていきたいと思います。カテゴリも新設して「どっきん四国」。

マリンライナー

 むかしむかし(そうさのう、昭和末から平成初のころじゃったかのう)、富田靖子が起用されたJR四国の瀬戸大橋線のキャッチフレーズが「どっきん四国」でした。瀬戸大橋で四国と本州がドッキングということなんでしょう。岡山-高松間はマリンライナーが走っていて、発車の合図の音楽は「瀬戸の花嫁」です。



 私は飛行機より断然列車派なので、四国と本州が列車で繋がっているのはとてもありがたいです。北海道だと、例えば東京-札幌には無理をすれば列車で行けないことはないですが、時間が掛かり過ぎて非効率かつ不経済です。東京-高松だと、そりゃあ乗ってる時間は飛行機の方が圧倒的に短いですが、空港までのアクセスとか待ち時間とか価格を比較すると、新幹線&マリンライナーで勝負にならないと言うことはありません。

お座敷遊び

 ということで新カテゴリ「どっきん四国」の第一弾は香川県、いや四国を代表する観光地の一つ、金刀比羅宮です。♪こんぴらふねふね 追風(おいて)に帆かけてシュラシュシュシュ♪という香川の民謡「こんぴらふねふね」は、お座敷遊びの定番だそうですが、金刀比羅宮が題材となっています。神仏分離以前は金毘羅大権現と呼ばれ、「こんぴらさん」の名で親しまれています。金刀比羅神社、琴平神社あるいは金比羅神社と呼ばれる神社は全国に約600もあるそうですが、その総本宮です。

絵馬殿

 特に海上交通の守り神として、漁師・船員、海保・海自などの海事関係者から厚く信仰されており、境内の絵馬殿には航海の安全を祈願した多くの絵馬が見られます。祭神は大物主神と崇徳天皇。大物主神は農業・殖産・医薬・海上守護などに御利益のある神とされていますが、金刀比羅宮のある琴平山(別名象頭山)はかつて瀬戸内海に浮かぶ島だったとの伝承があり、そこから特に〝海の守り神〟として知られるようになったとか。

琴電

 高松から金刀比羅宮に列車で行くには、JRと琴電の二つの方法があります。JRだと乗り換えがあり、琴電だと駅数が多いので一長一短ですが、私は江ノ電を彷彿とさせるレトロな雰囲気の琴電で行くことにしました。2両編成でガタコト揺られて行くというのもなかなかいいものです。

琴平駅

 ここが琴電琴平駅。なかなかに趣がありますね。後ろに何やら櫓のようなものが見えます。

高灯籠

 それはこの高灯籠。幕末の1860年完成で、高さ約27m。日本一高い灯籠だそうです。かつては瀬戸内海を航海する船の指標となり、船人がこんぴらさんを拝む目標灯となっていたそうです。

JR琴平駅

 こちらはJR琴平駅。こちらも雰囲気があります。琴電琴平駅の方が金刀比羅宮に200メートルくらい近いというメリットがあります。

大宮鳥居

 琴電琴平駅のそばに立つのが大宮鳥居。もう境内かと驚きますが、まだまだ。大宮橋を渡って金倉川を越え、左に曲がってずんずん進みます。

表参道

 そしてやってきた表参道。土産物屋、うどん屋、旅館などが並ぶ門前町から石段が始まります。100段目までは大したことないのですが…

貸し竹杖

 お店では竹杖を貸し出しています。一本100円。念のため一本借りました。イベント終了後の感想としては、本宮までならなくても大丈夫ですが、奥社まで行くならあったほうが無難かなという感じです。

一之坂鳥居

 一之坂。急な石段となり、最初の難関です。

大門

 365段目に辿り着くのが、松平高松藩初代藩主頼重が寄進した大門。この人は水戸黄門こと光圀の兄ですが、将軍家光への拝謁が遅れたため、水戸家は光圀が継ぐことに。光圀はこれを心苦しく思ったらしく、頼重の子を養子に迎えて水戸家を継がせ、自分の子は頼重の養子としました。なので水戸家出身の「最後の将軍」慶喜の直系のご先祖は光圀ではなく頼重ということになります。

大門正面

 立派な門なので、これを本宮と間違える人多し(笑)。確かに急な石段がやっと終わって「は~着いた着いた」という気持ちになるのですが、金刀比羅宮においてはまだ序の口。というか、ここから先が境内なので、金刀比羅宮参拝はここからスタートするとも言えます。

五人百姓
加美代飴

 宮域で特別に商売が許された「五人百姓」が「加美代飴」という名のベッコウ飴を売っています。付属の木のハンマーで割って、皆で仲良く食べてねということらしいです。

旭社

 628段目に辿り着くのが旭社。正直登っている最中は石段の数なんて数えられないので、今度こそ着いたと思ってしまいますが、違います。1837年に建てられた立派な建築で、江戸時代末期に参拝した森の石松は本殿へ行かず、ここへの参拝のみで帰ってしまったと伝えられているとか。「徒然草」に登場する“仁和寺のある法師”かお前は。しかし森の石松って実在の人物なんですかね?

賢木門

 ちょっと行くと賢木門。1584年に四国平定を目指していた長曽我部元親が寄進しましたが、一本の柱を逆さまにつけてしまったということで、当初は逆木門と呼ばれていました。元あった門が邪魔だと火を付けたら神罰に当たって慌てて作り直したという伝承がありますが、実は創作のようです。

一段下がる場所

 この先に、山に登っているのになぜか一段下がる場所があります。誰もが「あれ?」と思うので記憶に残りやすいと思いますが、一説には本宮までの石段が786段で、語呂合わせで「なやむ」となってしまうので、一段下げて785段にしたとか。本当かどうかは定かではなく、私も上りなんだから一段増やせばいいんじゃないかと思います。

本宮ラス前石段

 本宮までの最後の難関・御前四段坂。133段の石段が4段階に分かれています。踊り場で一息入れつつなんとか登っていきましょう。

本宮

 そして辿り着いた本宮。石段785段目、海抜251メートルです。創建はかなり古いようですが定かではなく、何度も改築され、現在の社殿は1878年の改築によるものだそうです。

讃岐富士が見える
讃岐富士

 本宮から讃岐平野を見下ろせます。正面にあるのが讃岐富士こと飯野山。「○○富士」と呼ばれる郷土富士は各地にありますが、讃岐富士は標高422メートルなので十分の一スケール富士山と言いたくなりますね。

奥社に向かう道

 ここで終わってもいいと思いますが、全1368段ならまだ半分くらい残っているはず。そう、奥宮に行かないと全てを登り切ることはできないのです。では行かねばなるまい。なぜかって?そこに石段があるからSA!ということで本宮右奥から奥宮を目指します。

白峰神社

 途中には常磐神社、白峰神社、菅原神社があります。白峰神社は崇徳天皇、菅原神社は菅原道真を祭っています。日本の三大怨霊のうち二人までがここに。菅原道真はともかく、崇徳天皇は本宮で祭っているのでもういいんじゃないかと思いますが、崇徳天皇の廟所がある白峯寺(坂出市)にある頓証寺殿を1878(明治11)年に白峯神社として金刀比羅宮の摂社にしていたものを、1898(明治31)年に白峯寺へ返還し、当地に新たに白峰神社を創建したのだそうです。

白峯

 上田秋成の「雨月物語」第一話の「白峯」は、西行と崇徳院の怨霊が論争するという話ですが、一瞬その白峯とはここのことかと思ってしまいました。年代的に明らかに違いますね。

奥社に向かう石段

 菅原神社まではわりと緩やかな上りで、大したことないように思えるのですが、残り500メートルの立て札から先が大関門。本宮の時もそうですが、金刀比羅宮はラス前に難敵が登場するRPGのようです。幸い石段の一段一段はそんなに高くなく、整備もよくされているので何とか登れます。

厳魂神社

 そして遂に現れた奥社。正式名称は厳魂(いづたま)神社。高松松平家の前に讃岐国を支配した生駒家の元家臣で、戦国の兵火により荒廃した金毘羅大権現の再興に尽力した金剛坊宥盛を明治に入って厳魂彦命として祀ったものだそうです。

天狗と烏天狗

 金剛坊宥盛は「死して永く当山を守護せん」と言い残し、天狗と化して忽然と姿を消したと伝えられているそうで、そばの断崖には天狗とカラス天狗の彫物が掛けてあります。奥社の標高は421メートル。讃岐富士の頂上とほぼ同じ高さです。山に登ったというからには、本宮の251メートルではちょっと不足で、奥社の421メートルならまあいいかなという感じです。

金刀比羅宮イラストマップ

 登りは息が切れるし汗はかくし疲れますが、降りは膝に来ます。登った分だけ降らなければならないという基本中の基本を忘れていたせいで、琴電琴平駅に着く頃にはへとへとに。しかしまあ、竹杖の助けを借りたとは言え、やれば出来るもんですね。筑波嶺時代、腰痛と膝痛に結構悩まされていたのですが、高松に来てから徐々に痛みが軽くなってきました。特に膝は良い感じなので、これからもいろんな所に行けそうです。
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