2021年冬季アニメ序盤の感想(その5):怪物事変/無職転生〜異世界行ったら本気だす〜

昨今何かと世間を騒がせているYouTuberの中に、2DCGや3DCGで描画されたキャラクター(アバター)を使って動画投稿や生放送を行う配信者達がいます。バーチャルYouTuber、とかVTuberとか言われています。YouTuberにしてもバーチャルYouTuberにしても、ずっと「ほ~ん」としか思っていなかったのですが、最近「兎田ぺこら」(愛称ぺこーら)というバーチャルYouTuberにどハマリしてしまいました。

きっかけは「プリコネR」で、正月ネネカ(通称ニュネカ)をわずか20連で引き当てたので、他の人はどうなんだろうとYouTubeを見ていたところ、兎田ぺこらが大騒ぎしながらガチャを引いている動画に行き着いたことでした。アバターは見ての通り可愛い系ですが、“ファファファファ”という個性的な笑い方やしばしば過呼吸気味な息づかいになるところ、そして調子がいいとイキリ倒し、調子が悪くなると毒づいたり泣き叫んだりするあたり、生粋の天才リアクション芸人を見るかのようで。基本何しても可愛いんですよね。視聴者などからも楽しくいじられまくってますが、それに対するリアクションもまた上手くて。天性のエンターティナーでしょうか。杉田智和も彼女の動画を見ているそうですが、もうすぐ終わっちゃう「アニゲラ」に呼んだらいいのに。そういえば先輩格のバーチャルYouTuberは以前呼んでましたね。

さて冬季アニメ序盤の感想もやっと最終回。まずは「怪物事変」。4話まで視聴しました。こう書いて「けものじへん」と読みます。月刊誌「ジャンプスクエア」連載の藍本松の漫画が原作。古来この世の影に潜み、人に見つからぬよう、人と関わり合って生きる“怪物(けもの)”という存在がいて、多くは人間界に適応し、社会に交じり生活していますが、中には必要以上に人と深く関わろうとするケースが出てきたということで、やはり“怪物”達で構成される隠神(いぬがみ)怪物相談事務所は、そんな“怪物”たちが起こす怪事件に対処しています。

同事務所にいるのは所長で“化け狸”の隠神、母親が“蜘蛛(アラクネ)”である半妖の織(しき)、“雪男子(ユキオノコ)”という怪物である晶、そして新たに加わった父親が“屍鬼(クーラー)”である半妖の夏羽(かばね)です。彼らが怪物が関わる事件を解決していくという展開です。生粋の怪物とハーフの半妖で何か違いがあるのかというと、見たところ全くなくて、ほぼ半妖も怪物。怪物は基本不死ですが、首を刎ねかもぎ取ると動きを止めるので封印できるらしいです。


怪物がらみの事件だと警察からも頼りにされていたりするなど、“知る人ぞ知る”事務所ですが、警察をほぼ牛耳っている狐の怪物もいたりして、“必要以上に人と深く関わろうとするケース”ってのはほぼほぼお前らなんじゃないかとが思ったり。屍鬼の半妖のせいなのか、これまでの虐待に近い境遇のせいなのか、世間の常識を知らず感情がほとんどないような夏羽が、徐々に人間らしくなっていくという展開になるんでしょうか。首だけにされても口がきけたり、なんとなれば身体を生やせる夏羽は、怪物の中でも殊の外強い存在のようですが、今後全員で立ち向かわないとならないような強敵とかも出てくるんでしょうか。

案件によっては怪物を倒すのではなく、人間と上手くいかせることも。例えば風俗嬢に化けている猫又と彼女に恋した人間の場合、猫又が飼い猫となって人間と暮らすことでWin-Winの関係に。人間より猫の方が良かったんかい(笑)。でも分からんでもない。

夏羽が親から渡されたらしい「命結石」は、夏羽を暴走させないという機能がある他、他の怪物にとっても何らかの魅力的な能力だか価値があるようです。これを巡っての争いとかもありそうです。

最後は今季一番楽しみにしている「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」です。交通事故で死んで異世界転生というベタベタな「なろう」系ですが、2012年9月に連載開始したという古い作品で、むしろ我々の知る「なろう」系というものの潮流を作り上げた作品なのかも知れません。一説には「『なろう』の最終兵器」だとか。


20年近く自宅に引きこもる34歳ニートのおっさんが、両親が死去したのに葬儀にも出席しなかったことで兄弟や親戚達にも見限られ、家を追い出された直後、トラックに轢かれかけた高校生を助けようとして事故死してしまいます。その後気づいたら異世界で若夫婦の赤ちゃん(ルーデウス)に転生しており、おっさんの意識や記憶を保ったまま、今度はまっとうに生きていくことを決意します。

ショタとしてのリアルの声は内山夕実が務めていますが、34歳ヒキニートおっさんのままの意識が発するモノローグは杉田智和。これが実にいい仕事をしています。歩けない新生児の頃からおっさんの意識を持っていたので、通常の赤ちゃんと違って非常に育てやすかったそうですが、反面赤ちゃんとは思えないドスケベな面も見せており、メイドさんをおびえさせていました。



現世での34歳ヒキニートの姿はとても気持ち悪いのですが、断片的に描かれた彼がどうして引きこもりになったかというエピソードを見たら、鬼の哭く街・A立区だってそこまでのいじめはないぞいうレベル。こんなことされたら誰だって引きこもります。

そのトラウマは異世界転生してもなお健在で、引きこもりを継続していたルーデウスですが、魔法の才能に着目した両親が呼んだ家庭教師ロキシーのおかげでトラウマは解消されることに。ルーデウスは女神のごとく彼女を崇拝することになりますが、ご神体はパンティ(笑)。やはりキモオタおっさんの意識は抜けないのでした。

作画も物語展開も実に丁寧で、玉石混淆で“石”の方がはるかに多い「なろう」系の中ではかなりの“玉”になりそうです。なにより杉田智和のモノローグがいい味出しています。ネタもぶっこんでいるあたり、かなりアドリブを駆使しているようですが、音響監督が気づかずにOK出しているんじゃないかと。

なお、今季は「俺だけは入れる隠しダンジョン」とか「回復術士のやり直し」など、ちょいエロな「なろう」系が複数放映されている(「回復術士」は“ちょい”ではないという説もありますが)のですが、実は本作のちょいエロ系。だがそれがいい。

なにしろルーデウスの両親は若いので、実にお盛ん(性的な意味で)。家中に響き渡るママン・ゼニスの喘ぎ声。CV金元寿子が熱演しています。「異世界レビュアーズ」出演で吹っ切れたんでしょうか。私はいいと思います。精神的にはドスケベながら、子供の身体はまだまだ付いてこないルーデウス、冷やかしに行ったろうかと悪い顔をして部屋を出ますが…


なんと先客が。ロキシー先生が夫婦の部屋の前で喘いでいます。モノローグでシグルイネタを披露しつつ、気づかれないようにそっと戻るルーデウスは大人だ。こんな思春期まっさかりの少女まで発情させるとは…恐るべし金元ボイス。しかし実はロキシーは37歳なんだそうです。合法ロリか!でも種族がエルフのように長命らしいので、少女扱いで正解なんじゃないかと思います。


さらにメイドさん(リーリァ)も影響を受けていて、パパン・パウロと浮気をして妊娠することに。ゼニスが妊娠してエッチが出来ず、欲求不満になったパウロがリーリャを欲望のはけ口に…みたいな展開だと鬼畜過ぎますが、実はリーリャも夫婦の営みにモロに影響を受けており、パウロを“誘い受け”していたのでした。

本来なら大事になるところですが、ルーデウスの大人な対応(なにしろ精神年齢は両親より上だし)により、パウロを徹底的にクズ扱いにしたことで事なきを得ました。いや、実際パウロはクズですが盛り盛りのマシマシにしたと。その後杉田智和モノローグがさらっと語っていましたが、パウロとリーリャはかつて同じ道場で剣を習っており、リーリャの寝込みを襲って純血を散らしたんだとか。つまり元カノをメイドとして一つ屋根の下で暮らしていたという。やはりクズ過ぎるぞコイツ。しかしはしたなくも毎晩大声出してやりまくっていたのがいかんだから、ゼニスにも責任の一端はあると言えるでしょう。

ルーデウスの機転で結果的に妹が二人も出来、家族が増えるよ!やったねルディちゃん!な展開となりました。ロキシー師匠は去って行きましたが、ルーデウスには新たにシルフィエット(シルフィ)というエルフの血を引くガールフレンドが出来ました。ハーレム展開は「なろう」の王道ですが、それにしてはまだまだ慎ましい限り。ヒロインは今後さらに増えていくんでしょうか?

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