2020年秋季アニメの感想(その4):安達としまむら/ご注文はうさぎですか?BLOOM/無能なナナ

今日も寒いですね。寒い早朝、いつものように起きなくていいい日曜日のまったり感といのはなかなかに良いですが、ベッドの中で布団から腕を出してスマホを見たり本を読んだりとするには寒すぎます。なにしろ部屋の中は4度ですから。暑さも寒さも極端なのはいかんですね。

「ひぐらしのなく頃に 業」は2クール目を引き続き放映中なので、これを除いての秋季アニメの感想ということになります。感想じゃないですが、「ひぐらし」最新話(14話、猫騙し編其の壱)を見たら、06~07年の放送時のアニメで苦労して大団円を迎えたはずなのに、どういう訳か再び惨劇の舞台に引き戻されたということらしいですね。これは梨花ちゃまもやってられないでしょうが、「中の人達」的には何度も演じられてウマーなんでしょうか。プロデューサーという名の神の意志…なんてメタなネタではないでしょうが。

まずは「安達としまむら」。不良少女が百合に目覚めていくまでを描いた作品ということなんでしょうか。高校入学直後から授業をサボりまくっている安達はやべー奴に思えますが、何よりよく2年生に進級できたな。試験成績もさることながら、欠席が多いと進級できないんじゃなかったっけか?

安達、見た目は普通に美少女なんですが、メンタル的には陰キャな非モテ男子高校生に近いんですよね。もしやそういうキャラが異世界転生してきた姿なのか。それだけのルックスを持っていたら、かなりのリア充人生を送れそうなんですが。バイトでチャイナドレスを着たりしているあたり、自分に全然自信がないという訳でもないようなんですが。

一方しまむら。普通に「島村」なんですが、なぜかひらがな表記される不思議。何より名前が「抱月」らしいのですが、なぜ文学史に出てくる文学者(しかも♂)の名前なんでしょうか。ママンは普通の人っぽいのに。そういや二人ともママンは登場するけどパパンは全く姿を見せませんね。どちらのママンもバツイチなんでしょうか。


展開的には安達×しまむらのほか、しまむらの友人の日野×永藤も結構百合っぽい展開で、しまむらには小学校時代の親友樽見の最接近があって、三角関係も予想されるところなんですが、そこまでは描かれませんでしたね。正直ちょっと鬱陶しい制作の安達よりも樽見の方が良かったりしないか、なんて思ったりもしましたが。友人だったら何人居ても不思議ではないんですが、安達はほぼしまむらに恋愛的アプローチしているので、樽見の存在を覚知したらだだでは済まないでしょう。


しまむらは可愛いですね。この人は「好きなアニメキャラ」で取り上げようと思っていますが、普通にモテるJKでしょう。女子校だから女子にモテてるけど、共学だったら男共が放っておかないはずです。ルックスといいひょうひょうとした性格といい、寒さに弱い辺りもチャームポイントじゃないかと。妹とも仲がいいし。

百合がガチレズに至る道を描いている(?)中、当初から登場する謎の自称異星人、知我麻社は何者なんでしょうか。いや、個人的には異星人でいいと思うのですが、存在する意味とか必然性が良く判りません。意味がなきゃ登場しちゃいけないという訳ではないんですが、もっとしまむらや安達に絡んでくるのかと思ってたら、別にそうでもなかったし。しまむら妹と三組目の百合関係ということでしょうか?


安達としまむらが二人で歌うOP「君に会えた日」もいいですが、安達の「中の人」鬼頭明里が歌うED「キミのとなりで」は更にいいです。鬼頭明里はもう3枚目のシングルなんですね。歌声が地声より高いのが鬼頭明里の特徴。既に鬼頭明里は人気声優として確立された感がありますが、しまむら役の伊藤美来も「プリコネR」のコッコロといい、2020年で大いにブレイクしてきたのではないでしょうか。

かのアミバ様もこう言っている(言ってません)ほど、私も百合が好きなんですが、見た目は完全に女子であるにも関わらず、安達のメンタルが非モテ陰キャ男に近いあたりが若干引っかかるんですよね。しまむらは見た目も内面も女の子そのものなので、これは安達がタチになるということなんでしょうか。百合はいいのですが、ガチレズにまで至るとちょっとついて行けなくなりますが…

続いて「ご注文はうさぎですか?BLOOM」。シリーズ第三期に当たる「きらら系」横綱の登場。「ごちうさ難民」なんて言葉が生まれるほど癒やしを求めるオノコ共に愛される作品です。アニメ制作会社が変わったと言うことで若干不安はありましたが、放映されてみればいつもの「ごちうさ」でした。


本作についてはもはや言うことはないというか、黙って見て和むのが一番だと思うのです。しかし癒やし系とは言っても「ごちうさ」は「サザエさん」時空ではないので、少しずつ時間は経過しており、第三期終了時点で作中時間はほぼ2年が経過したことになります。リゼが女子大生になり、ちまめ隊が女子高生になってもあまり変わらず物語は続いていきそうですが、ココア達が高校を卒業する辺りが大きな転機になりそうな予感。


第二期から第三期まで5年も経過していたということが唯一の不満(原作ストックの問題?)で、引き続き第四期もオナシャス。しかしにぎやかしだった「チマメ隊」トリオもチノはココアと千夜の高校へ、マヤとメグはリゼとシャロの「お嬢様学校」に通うことになりそうなので、リゼの高校卒業と共に変化の要素になりそうですね。シャロ、マヤ、メグで「シマメ隊」を結成するんでしょうか。


ゆるくほんわかした日常を描いている作品ではあるんですが、チノのママンは故人だったりと、シビアな側面がないわけではありません。チノのママンとココアのママンが学生時代に親友だったという。

そういえば男がほとんど登場しない本作ですが、ココア、千夜、シャロは両親が健在なようです。ココアは、姉のモカとママンしか登場しませんが、パパンの他兄も2人いるという。シャロなんか一人で極貧生活をしているようにしか見えないのですが、両親とも陶器職人をしているそうです。なぜ娘を捨てたかのようにしているのか。


ということは、片親なのはママンがいないのチノとリゼの二人だけということに。今回チノママンについては幽霊(?)が登場していたほか、サキという名前も判明していますが、リゼのママンについては一切言及がありません。もしや本件は「ごちうさの闇」なんでしょうか。

最後に個人的今季最大の問題作「無能なナナ」。“人類の敵”と呼ばれる怪物と戦うために孤島の学園に集められた能力者の少年少女。そこに新たに加わった柊ナナは、「心の声が聞こえる」という触れ込みでしたが、実際には異能力を持たない無能力者で、能力者達の抹殺を任務としていました。


次々にクラスメートを殺していくナナ。しかし能力者は次から次へと想像を絶する能力を見せていき、遂には不老不死なんてのまで出てくる始末。ありとあらゆる困難に、知恵と勇気と機転で立ち向かうナナ。彼女は“委員会”から能力者達こそが“人類の敵”そのものであると吹き込まれていましたが…


基本は荒木飛呂彦の描く頭脳戦のような展開で、時間遡行とか未来予知、死体操作(ネクロマンシー)、瞬間移動といったとてつもない異能を持つクラスメートをいかに抹殺するかということの他、ナナに疑いを持ったキョウヤの追及をどうかわしていくかという側面もあります。ナナからすればキョウヤを抹殺できれば一番いいのですが、何しろ彼の異能は不老不死なので手を出しようがないという。

このほか、孤島の学園の先輩にあたるジンが登場。彼によれば、能力者同士の殺し合いが発生して彼を残して全滅したということですが、あらゆるものに変身可能で、その能力までもコピーできるという彼の異能は、キョウヤと並んでナナの脅威となっています。ジンはナナの素性とか“委員会”に興味があるようですが、第一期終了までに委員会の詳細は明かされませんでした。キョウヤの妹がかつて孤島の学園に行ってそのまま行方不明になっているそうなので、ジンの世代のデスゲームに巻き込まれたのかも知れませんが、キョウヤは何しろ不老不死なので、本当の年齢は不明です。

人見知りしない明るい表の顔と、思慮深く冷酷な裏の顔を持つナナを大久保瑠美が好演していました。モノローグでも毒を吐きまくるナナですが、終盤漸く本当の友達が出来たのもつかのま、ナナを助けて命を落としてしまいました。ミチルちゃん、CV中原麻衣のせいで本当は裏の顔があるんじゃないかと、ナナのみならずずっと疑っていましたが、本当に純真な人だったんですね。一時「裏の顔」を出してきたかという展開がありましたが、実はジンが化けた偽物でした。

本作は毎回終盤の“引き”が強く、次回一体どうなるんだろうと思わせる展開を続けてきましたが、ミチルちゃんが亡くなってしまったことでナナが今後どうなるのか全く判らない状況となっています。原作の進行次第かも知れませんが、早く第二期を制作して欲しいですね。第一期だけだと謎がほぼ未解明のままなので。終始原作に沿った展開がアニメ化されており、アニメオリジナルの展開はなかったそうなので、いけると思うのですが。

しかし能力者といっても十人十色というか、一人として同種の能力を持っている人がいないので、“人類の敵”となりうる能力もあるでしょうが、団結とかは難しそうな気がします。唯一無二の能力ばかりという点は、スタンド能力者にも似ていますね。
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