2020年秋季アニメ序盤の感想(その1):神達に拾われた男/ゴールデンカムイ第三期/魔王城でおやすみ/くまクマ熊ベアー

西城秀樹の「ブルースカイブルー」を思い起こすように目に染みる青空の日曜日。まさにこれがザ・秋だぜと感動しつつ、洗濯して布団を干して、新しくできたインドカレーやに行ったり(バターチキンカレーおいしい)、窓辺に飛んできたとてつもなく大きな雀蜂にびびったり(網戸があって本当に良かった)しておりました。

さて豊作と噂される2020年秋季アニメ群ですが、私もなんと14本も見ています。さっそく序盤の感想をば綴っていきたいと思います。まずは「神達に拾われた男」。3話まで視聴しました。


初めてみるアニメなのになぜか序盤のストーリーが判っている不思議。どうやら以前コミック版の1巻を読んだ模様。無料で公開してた時期があったんでしょう。異世界転生ものの典型的「なろう系」アニメですが、そこここに従来から指摘されている異世界転生ものへの“ツッコミ”への説明が試みられています。


ブラック企業勤務で急死した中年リーマンが三柱の神の力でショタとなって異世界に転生するのですが、その理由は間違いとか可哀想だからとかではなく、異世界の神々が不足する魔力を補充するためにこの世界から使われていない魔力を抽出する際に、魂の転移が必要となるからだそうです。迷惑掛けるからということで若返りとか各種の優遇措置も取ってもくれるという。ちなみに異世界転生者は何人もいますが、数百年は隔てられているので遭遇することはありませんが、その子孫に出会ったりはします。

森の中で一人で3年暮らし、会話能力もおぼつかなくなってきた頃、困っている公爵一行を助けたことで知遇を得て、街に出ることになります。森に住む間にスライムを様々な用途に“進化”させて利用法を考案した他、魔物や盗賊を狩ってステータスを上昇させていました。

主人公は何かと言うと無双して、その度に周囲は全員驚くという例の黄金パターンは健在ですが、他作品ほど不快な感じは受けません。それは、①常識も良識もある中年リーマンだったため、異世界の常識には全く通じていなことを自覚している ②チート能力も、神々から与えられたものであることを自覚しており、決してドヤ顔をしない ③ショタなのでハーレムを作ったりしない などが理由だと思います。一応ヒロインはいますが、ヒロインもショタに相応してロリなので、微笑ましい限りです。

はやみん(早見沙織)がロリのママン(公爵夫人)を演じていて、ちょっと前ならこれはお姉ちゃん(井上喜久子)の役どころだったのに、と時の流れを感じたりしました。ま、お姉ちゃんはお姉ちゃんで女神役を演じていて、こちらはいくつになっても凄いなと健在ぶりを見せていますけど。

例によってギルドに登録して冒険者となったので、これからテンプレのような活躍をすることになるだろうと思いますが、原作者が主人公の好感度を下げないためにはどうすればいいのかを工夫しているようなので、「なろう系」初心者にもお勧めな作品なんじゃないかと思われます。

続いて「ゴールデンカムイ第三期」。3話(通算27話)まで視聴。杉元&アシリパ一派、第七師団鶴見一派、土方歳三一派がと三つ巴でアイヌの黄金を探し求める物語ですが、二期を経て舞台は樺太に移り、杉元とアシリパは離ればなれとなり、杉元は鶴見一派と一時的に共闘してアシリパの行方を追っているところです。

基本はシリアスな話のはずなんですが、ゲストが怪人奇人のオンパレードなのと、しょっちゅうホモビデオ的な展開になるのが抱腹絶倒です。なんだこれは…たまげたなあ。



全然関係ない話題ですが、STEINS;GATE風の「タイムトラベラーTDN」というスレを見つけてしまい、「何度過去に戻っても監督がたまげてしまう…!」に大笑いしてしまいました。別スレでは「TDN『あんたさえ…あんたさえたまげなければ…』」というのもあって、どんなにあがいても世界線が収束してしまうようです。抜本的解決となるはずの「ビデオに出演しない」という選択をなぜしないのかTDN。それともリゼロの「死に戻り」のようにビデオ出演以前には戻れないのか。


北海道編でも人を剥製にする男、快楽殺人鬼、女装の殺人医師(中身はGGE)など奇想天外なキャラが続出し、明治の北海道はパナイなあと思いましたが、樺太はそれに輪を掛けたようなCHAOSな地。♪CHAOS CHAOS I wanna CHAOS♪と旧支配者も出現してしまいそう。


殴ることが自己表現という訳の分からない格闘家が「全員同時に来て欲しい」「もっとォ」と叫んだり、ヒグマより恐ろしいと言われるクズリの襲撃を受けて逃げ込んだ先がロシア式サウナ「バーニャ」で「アツゥイ!」になったりと、どうにもゲイビデオ臭のある展開が多いんですよね。面白いからいいんですが。


チカパシというアイヌの少年が杉元達に同行していますが、樺太アイヌのエノノカと出会って二人はまんざらでもない様子。エノノカは正直アシリパより可愛いんでないかい。子供達の冒険は微笑ましくていいですね。エノノカのCV市ノ瀬加那はかねて「好きな声優さん」で取り上げたいと思っていたのですが、そろそろ頃合いかも知れません。

お次は「魔王城でおやすみ」。3話まで視聴。魔王にさらわれ、魔王城の囚われとなってしまったスヤリス姫が、寝ること以外することがないので、快適な安眠を求めて魔王城で好き勝手をする話です。

姫の本名はオーロラ・栖夜・リース・カイミーンだそうで、人類統一国家カイミーン国の姫です。人質となっているものの、エロゲでありがちな虐待(性的な意味で)や拷問(やはり性的な意味で)は一切なく、衣食住はそれなりに満たされています。ひたすら暇を持て余しているところ、寝具や牢の環境が悪くて安眠できないということで、安眠のために様々なことを行う、それが毎回のミッションとなっています。


姫は安眠を得るためには手段を選ばず、魔物を倒して素材を剥ぎ取ったり、宝物庫からアイテムを盗み出したりと、次々と騒動を巻き起こして魔物達を困らせます。ぬいぐるみのクマのような「でびあくま」をブラッシングで手懐けて以来、姫がブラシで鉄格子を叩く(ブラッシングのサイン)→でびあくまが鍵を持ってくる→姫が脱獄というパターンが確立しており、事実上脱獄自在。



「おばけふろしき」「かいぶつふろしき」などの布系魔物は姫に寝具の材料として狩られ、不要な頭と手の部分が積み上げられ、定期的に魔王城幹部の「あくましゅうどうし」が回収して蘇生させています。そして姫に復讐しに行ってはまた狩られるのがお約束。


そもそも魔王タソガレがなぜかヘタレで、姫の数々の蛮行(笑)にほぼ無策。なぜさらったしとツッコミたくなりますが、どうやら姫救出のために立ち上がった勇者アカツキ一行との対決に向け、容易く辿り着けないようにしつつ、挫折することもないようにするというゲームなら制作者側が腐心する部分を自ら担当しているようです。お前は何がしたいんだ。


なおナレーションははやみんが担当。「神達に拾われた男」のママン役といい、いつもとちょっと違う役柄を担当していますね。本格的にポストお姉ちゃんへの道を進み始めたのか。姫は魔王城徘徊中によく死にますが、「あくましゅうどうし」が蘇生させてくれます。そのせいか死の恐怖をあまり感じてない様子。

最後に「くまクマ熊ベアー」。3話まで視聴。当初は視聴する予定ではありませんでしたが、「なろう系」にして異世界ものです。主人公が女の子ということでは「私、能力は平均値でって言ったよね!」や「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」に近い感じですが、プレイしていたゲーム的世界に入ったということでは「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」の方がより近いのか。


15才にして財テクに大成功して悠々自適の引きこもり生活を送ってゲーム三昧だったユナは、神様の采配によりゲームの世界そっくりの異世界に飛ばされてしまいます。しかし、その際貰った装備アイテム「くまセット」(下着込み)が凄まじくチート性能である上、レベルカンストまでやりこんでいたゲーム世界そっくりだったせいで、苦労もなく異世界で暮らすことができるようになりました。



「くまセット」は見た目完全にゆるい感じの熊の着ぐるみなので、「お前のような冒険者がいるか!」とツッコまれまくるのですが、極めて高性能で、絡んできた冒険者たちをフルボッコにしたのを皮切りに、強力な魔物を立て続けに狩り、くまセット付属の「クマの異次元ボックス」の能力で鮮度を保った血まみれ状態で持ってくるので、「ブラッディベアー」と呼ばれ恐れられるように。

「くまセット」はふざけたコスプレにしか見えないので、一見さんからは信用されませんが、ユナ本人も仕方ないなと思っています。しかし、「くまセット」のない状態だと魔法もスキルも使えず、引きこもり故に素の状態の能力はしょうもないので、脱ぐに脱げない状態です。着てると汚れないうえ、リバーシブルで裏返すとパジャマになるなど、ずっと着たままでも特に問題はないようです。

「くまセット」の特性なのか、熊を強く思うと魔法の効果が上がるようで、土魔法の応用で家を建てた際も、熊の形にすると家の強度が増すため、「クマハウス」を建てることに。


「なろう系」は女の子を主人公にするとそもそもヘイトが貯まりにくいところ、ユナは困っている人(特に子供)を積極的に助けるタイプなので、不快感は全く感じられません。異世界で最初に出会ったのが幼い女の子ながら家計を支えて働くフィナだったことで、魔物から助けるだけでなく、様々に支援を行っています。


ゴブリン退治で同行した魔法使いもルリーナという女の子だったし、今後もなるべく女の子と絡んで百合っぽい展開をしてくれると個人的に大好物になります。それにしても「ゴブリンスレイヤー」以来、女の子がゴブリン退治に行くのは危険この上ないというのは常識になっているんですが…

「くまセット」は両手も熊のパペットのようになっていますが、それぞれクマの召喚獣を呼べ、移動手段や戦闘に利用できますが、片方だけを構いすぎると、もう片方がすねてしまうため、平等に扱わないといけません。


なおこの異世界、魔物には魔石があり、肉や牙や毛皮などの素材も利用可能ですが、解体する必要があります。フィナは幼いながら解体を生業としており、冒険者も自分が狩った魔物を解体するのは常識のようですが、ユナは絶対にやろうとしません。「私倒す人、あなたばらす人」的な感じで同行者を扱いますが、どんな強敵でも倒すので、ギブアンドテイクは一応成立しているのかな。

ユナの本名は優奈。と聞くと、銀英伝ならぬ銀嬢伝「銀河お嬢様伝説ユナ」を思い出すのですが、今の若い人は知らないでしょうねえ。PCエンジンでプレイしたなあ(遠い目)。CV河瀬茉希も気になる声優なんですが、まだちょっと知っている役が少ないかな。なお、銀嬢伝について気になる方は当ブログの下記の記事をご覧下さい。うわ、7年以上前の記事だ…
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