2020年夏季アニメの感想(その1):ド級編隊エグゼロス/ピーター・グリルと賢者の時間/モンスター娘のお医者さん/放課後ていぼう日誌

あっという間に10月。コロナ禍でも時間だけは過ぎ去って行きますね。Go To トラベルキャンペーンにに東京発着が追加され、Go To イートキャンペーンも始まったせいか、街は賑わいを取り戻しつつあるような。美しい秋を楽しく過ごしたいものです。

いきなりですが「艦これ」新規艦娘情報。南西海域7-3-P(第二ボス)で伊潜水艦Luigi Torelli(ルイージ・トレッリ)と期間限定で邂逅出来ると聞いて、周回を重ねてお迎えしました。Guglielmo Marconi(グリエルモ・マルコーニ)級潜水艦の4番艦。伊→独→日と所属の変転を重ね、最後は伊504になるというユニークな経歴を持つ艦です。これでイタリア艦11隻をコンプリート。やはりコンプリートしているアメリカ艦娘13隻に次ぐ大所帯です。CVは生田目仁美。神風型駆逐艦5番艦旗風も演じていますが、おしとやかな旗風に比べて圧倒的なロリボイス。40過ぎてこの声を出すとは…ベテラン恐るべし。

さて9月で夏季アニメも終了したので今日明日はその感想を。今季は視聴本数が7本と少なめでしたが、こんなもんでもいいような気がしました。まずはお色気トリオ第一弾「ド級編隊エグゼロス」。「ジャンプスクエア」連載中の漫画が原作。月刊の少年誌って、かつてはやたらお色気路線に走っていた時期がありましたが、最近はどうなんでしょうか。

コメディタッチのお色気アクション作品とでも言えばいいんでしょうか。人間のエロスの源“Hネルギー”を吸収する宇宙からの侵略者・キセイ蟲と、“Hネルギー”を使って地球を守るヒーロー集団「エグゼロス」戦いを描いています。

エグゼロスはHネルギーを増幅させて戦闘力を強化しますが、着衣はHネルギーに耐えられず破けるので、必然的に毎回戦うと全裸になってしまうという。しかもHネルギーはエッチな嗜好(傾向には個人差あり)で蓄積されるので、必然的にちょっとラッキースケベなイベントが多発します。中学生あたりに喜ばれる作品なんでしょうかね。

キセイ蟲は女王を頂点とする蜂か蟻のような種族で、雌しか存在しません。そんなに沢山いる訳ではないのと、直接命を奪うわけではないせいか、人間側にはそれほど危機感がないような。女王キセイ蟲がお姉ちゃん(井上喜久子)であるほか、仮面ライダーの怪人敵にゲストで登場する各種キセイ蟲が、やたらビッグネームな女性声優揃いでした。伊藤静、柚木涼香、名塚佳織、中原麻衣、川澄綾子、能登麻美子、下屋則子、生田目仁美、浅川悠などなど。なんかTYPE-MOONの作品が始まりそうなキャスティングですね。

ヒロイン星乃雲母は小学生時代はいわゆる“メスガキ”でしたが、キセイ蟲に“Hネルギー”を吸収された後は潔癖症&男性嫌悪症になりました。Hネルギーの貯蔵可能量が常人の数十倍を超えるという(要するにエロいということらしい)特徴は残っていたのでエグゼロスに勧誘されました。エグゼロス加入後も性格はさほど変わらないままでしたが、メスガキ時代の姿をした別人格“黒雲母”が出現するようになり、雲母の精神を乗っ取ったりするようになりました。


CV加隈亜衣の魅力はこの黒雲母でこそ全開になっていたなあと思います。もっと出て欲しかった。小学生の姿で黒のレオタードに黒いコウモリ状の羽を生やし、赤いランドセルを背負っているという、ある種の嗜好の方にはドストライクな姿でした。しかしランドセルから羽が生えているんだよな。なんだこれは…たまげたなあ。

エグゼロスは地球防衛隊に所属しており、各地に支部があるようですが、県知事が条例を改正したら壊滅状態になるなど、どういう機構になっているのか非常に謎でした。ウルトラマンシリーズでも、地球防衛組織は「解散MAT、謹慎TAC、脱出ZAT、全滅MAC」なんて言われ、上層部から事在る毎に「解散」の圧力を掛けられるMAT(帰ってきたウルトラマン)、血気盛んで猪突猛進な性格の主人公北斗星司が他の隊員達としばしば対立し、その度に隊長から「謹慎」処分を受けたTAC(ウルトラマンエース)、戦闘中に搭乗機が被害を受けて「脱出」するシーンの多かったZAT(ウルトラマンタロウ)、そして全隊員が「全滅」したとされていたMAC(ウルトラマンレオ)の性格を一言で表していましたが、エグゼロスは権限が余り無く、事ある毎に解散命令を突きつけられる展開が多かったMATに近い組織なのかも。

お色気コメディ作品なのに、作風はやたら熱血ヒーローもの風になっており、仮面ライダーシリーズのような特撮作品も一度こういう傾向で」やってみたらどうだろうと思ったりもしますが…日曜朝とかには絶対やれなくなりますな(笑)。それにしても一時期は下着すら描かれなくなっていたアニメが、堂々と描くようになってきたのは結構なことです。あれは忖度だんたんでしょうか?

次はお色気トリオ第二弾「ピーター・グリルと賢者の時間」。晴れて「地上最強の男」となり、意中の相手であるルヴェリア先輩と結ばれると思いきや、先輩は性知識が皆無でした。その間隙を縫うかのように「最強の子種」を求めてアプローチしてくる異種族の女達。耐えるんだピーター!負けるなピーター!しかしいつも朝チュンの中満足そうに眠る異種族女性の傍らで呆然とするピーターの事後の姿が。

お色気路線といっても、実際の“行為”は全く描かれず、とにかく朝チュン事後なので、本当にお色気作品なのか疑いたくなります。「異種族レビュアーズ」の後ではあれを超える異種姦ものは無理なのかも知れません。

地上最強の男というと真っ先に思い出すのは範馬勇次郎。「強くなりたくば喰らえ!!!」という名言がありますが、ピーターの場合は地上最強になってから「喰らって」いるのですが(笑)。

勇次郎さんはこうも言っているので、いいんじゃないですかね、異種族を喰らいまくっても。相手が嫌がっているならともかく、全員ウエルカム状態だし。本人はやめたいのに、エヴァンゲリオンの暴走のように気づけばやってしまっているピーター。かつて古舘伊知郎は高田延彦のキックに「聞き分けのない膝小僧」という面白いけど良く判らないフレーズを放っていましたが、それに習えばピーターは“聞き分けのない下半身”を持っているということか。

「キサマが女と戯れる日々に…もの知らぬ浅はかな者たちがあれこれ世話を焼きたがることだろう。毒にも薬にもならぬ駄菓子の如き助言。いらぬ世話をッッッ」「朝も昼もなく喰らえッッッ食前食後にその肉を喰らえッッッ飽くまで喰らえッッッ飽き果てるまで喰らえッッッ喰らって喰らって喰らい尽くせッッッ」勇次郎語録はパねえですね。ということでピーターも喰らいまくればいいんじゃないですかね(性的な意味で)。ルヴェリア先輩に見つかっても、性知識ゼロだから大丈夫(?)。

あ、内容はヤマなしオチなし意味なしという、「やおい」の極致のような作品でした。ピーターはそれなりに苦悩している風なんですが、「やられる」エロ漫画やエロゲーのヒロインなら共感できるのですが、ピーターの場合はなんだかんだ言っても「やってる」側なので、「貞操帯(男性用もあるらしいです)でも付けたら?」とか思ってしまいますね。

ちなみに私はオークのピグリットがイチオシです。オーク族の美的価値観では究極の醜女に分類されるということで自己肯定感が低いですが、人間の視点からは美少女だし、奥ゆかしく尽くしてくれそう。ハーフオークというのはファンタジー系作品でも登場しますし。

続いてお色気トリオ第三弾「モンスター娘のお医者さん」。患者が異種族の若い女性ばかりなのと、診察や治療中にエロい声を出すという意味ではお色気作品なんですが、お色気作品としてはかなりソフトというかなんというか。主人公の医者は診察や治療に没頭すると他のことに完全に無頓着になるので、ラッキースケベにも全く気づかないという。

主人公は助手でラミアのサーフェ、ケンタウロスのティサリア、アラクネのアラーニャ、火竜のスカディらに好かれており、婿に望まれていますが、その…できるんでしょうかね(性的な意味で)。昔話や伝説には異種婚の話は沢山ありますが、だいたい相手が人間の姿に化けることで「やって」ますよね。でも作中の異種族達にはそんな能力はなさそうで。

プラトニックなら何の問題もありませんが、どうもそういう感じでもないような。しかし、作中魔族と人間のハーフの姿は全くなく、魔族も同一種族同士で結婚している様子でした。サーフェにしてもティサリアにしても、上半身はいいんですがね…。一番可能性が高いのはほぼ人間形のスカディではないかと。尻尾ぐらいはノープロブレムでしょう。問題は子孫ができるかどうかですが。

問題が一段落した形で1クールが終了していますが、原作は続いているので円盤の売り上げが良ければ続編もありえると思いますが…売れるかなあ。主人公の異種族からのモテっぷりがどうにも不可解で。それまで医者がいなかったから?あと産婦人科医じゃなんだから、次から次へと若い女性ばかりがやってくるという展開も??なんですよね。確かにこちらとしても野郎の治療シーンとかは見たくないんですが、男女比半々の街で開業したらそういうわけにもいかないでしょう。



それにしても異種族の女の子達を「モンスター娘」と呼ぶのはいかがなものか。過去には敵対して戦争していたとはいえ、今では和睦して共存しているのだし、知性も理性も備えているのだから、異種族娘程度でいいんじゃないですかね。

最後に「放課後ていぼう日誌」。本来春季アニメでしたがコロナ禍で制作が遅れて1/4しか放映できず、夏季に残りを放映しました。

JK4人組の「ていぼう部」がゆるく釣りをするという、きらら系でもおかしくない設定ですが、原作は「ヤングチャンピオン烈」なので非きらら系。そのせいかキャラはそんなに可愛くなく、ある意味リアリティのあるJKといった感じです。

主人公鶴木陽渚(つるぎ ひな)は釣りビギナーで、手芸を趣味として自室には自作のぬいぐるみが大量に並べられているという女の子らしい女の子ですが、強引に入部させられたていぼう部で釣りの楽しさに目覚めていきます。

フナムシに取り乱し、蛸の内臓やマゴチの姿料理を見て失神し、ゴカイ・イソメは絶対触れないという、およそ釣りには不向き(だけど女の子らしいといえば女の子らしい)な陽渚がいかにして釣りに親しんでいくか、という展開ですが、ガンガン慣れてゴカイもイソメも手でむしる、といった感じではなく、疑似餌を使用したり、鰺の下ごしらえはぬいぐるみだと思い込む事で放心状態になってこなしていくなど、無理なく自然な流れになっていて一層リアリティがあったように思います。

私も釣りが苦手なのは、主にエサとか釣った後の料理とかのせいなので、そういう子でも釣りに親しんでいくという展開はいいと思います。原作に対しては、釣り雑誌「つり人」も「のほほんとしたタイトルや女子高生が主人公であることから釣りがメインではないのかと思いきやそうではなく、釣具の描写がリアルで魚もきちんと描かれていながら可愛さもある絶妙な加減」と、好意的に評しています。

水産庁がテレビアニメ版とタイアップし、本作のキャラクターが登場する「遊漁のルールとマナー」の啓発パンフレットを制作して各地の釣具店等で配布しているそうです。作中でも釣り糸が絡まって指を欠損したアオサギの脚から釣り糸を取るエピソードがありましたが、どんな趣味でも心ない人というのはいるんだなあと思います。自然に還る釣り糸とかが開発されるといいですけどね。

こういう基本はしっかり押さえてのんびりまったりと展開する作品は気楽に見られて好きなんですが、二期はどうでしょう。イマイチキャラが可愛くないという致命的欠点がなあ(笑)。主人公陽渚のCVはラティナやゴトランドでおなじみの高尾奏音なので、中の人並みに可愛くすれば、もっと言えばきらら系キャラデザインにすれば更に人気がでそうな気がするのですが。
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