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2020年春季アニメの感想(その2):アルテ/本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません第二部/乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

夏至を過ぎて

 うっかり忘れていましたが、この前の日曜日は夏至でした。しばらくは短夜が続く訳ですが、昔は平安歌人でもあるまいに、なぜか日が長いのが嫌いでしたね。早く暮れる秋冬が好きでした。今ではすっかり暗くなるのが早いのが嫌いになったので、暑さはともかく、日の長さは年中これくらいでもいいなと思ったり。冬に日が長ければ洗濯物の乾きが良くていいですよ。

アルテ感想

 さて続々と終了する春季アニメの感想を続けていきます。まずは「アルテ」。ルネサンス期のフィレンツェを舞台に、貧乏貴族の娘アルテが画家を志して悪戦苦闘する物語です。最初は女というだけで差別的に取り扱われて見ているこちらも胸くそ悪くなりましたが、はやり昔苦労して親方になったレオに拾われて以降は、本人の努力と根性もあって徐々に理解者を増やしていきました。

アルテとカタリナとユーリ

 坂本真綾のOP「クローバ-」といい、安野希世乃のED「晴れ模様」といい、頑張る女の子への応援歌という感じでしたが、頑張る女の子の姿というのは見ていて気持ちが良いですね。それだけにあんまりにも障害が多いとみていて滅入ってしまうのですが、本作は序盤だけだったのでそれほどストレスを感じずに済みました。

アルテとレオ

 レオ親方に恋心?的展開もあって、いやいやいっぱしになるまでは仕事に生きろよとツッコんだりしていたら、上手い具合にヴェネツィア行きの話が来て、大貴族の娘の家庭教師になりました。貧乏貴族の出身であること、女であることはハンデキャップだと考え、負けるものかと根性を出してきたアルテですが、ベネチアでは、貴族出だから教養を持っていて、女性画家は独特の感性があり、珍しいから需要があるという新たな視点を持つことに。

ロリカタリーナ

 家庭教師をしていたカタリーナというちびっ子は、何人もの家庭教師に暇を取らせてきた問題児でしたが、アルテ同様生まれ育ちと関係なくなりたいもの(料理人)があることが判明してからは似たもの同士として急速に親しくなりました。カタリーナのCVはM・A・Oですが、ここ数年一番売れている声優じゃないかと思えるほどいろいろな作品に出まくっています。お姉さんからロリ、知性派から天然まで自由自在にこなすので売れるのも当然といえば当然なんですが、今季視聴した作品でも4作品に登場していました。

髪を切るアルテ

 このままヴェネツィアに残って大貴族の庇護下で画家としてやっていくという手もありましたが、案の定最終回にはフィレンツェに戻ったアルテ。再びレオの下で修行するようですが、明るい未来が開けてそうというところで終了しました。原作は続いていますが、一期で終わったとしてまあキリがいいところなので、二期がなくてもこれはこれでいいかと思います。

高級娼婦ヴェロニカ

 フィレンツェではレオの顧客である高級娼婦ヴェロニカ(CV大原さやか)と知り合い、その教養を尊敬する反面、「女」を武器に男を翻弄する様子に反発も感じていたアルテでしたが、ヴェネツィアで図らずも画家としても「女」が武器になることを学んだので、これからはまた違う見方ができるようになったのかも知れません。でも枕営業とかは違うからな(笑)。

まるで親子じゃないか

 余談ですが、カタリーナは金髪だけど、両親は黒髪なんですよね。どういう訳かカタリーナを溺愛する叔父(パパンの弟)のユーリは金髪。これはもしや…。この時代なら「おや、誰か来たようだ」となるレベルの秘密かも知れません。

本好きの下剋上二部感想

 次に「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません第二部」。第一部の続きで、まさに原作の第二部をアニメ化しています。原作は全5部で完結しているので、もしかすると完結までアニメを制作してくれるのでしょうか。そうなると少なくとも5クール必要という昨今の深夜アニメでは異例の大作ということになりますが。でも今回も二部全てをアニメ化した訳ではないようなので、実際にはもっと話数が必要になるかも。これは劇場版展開か。

マインと神官長

 魔力の大きさを買われて貴族待遇の見習い巫女として神殿に入ることになったマイン。この世界では貴族は魔力を持った支配階級で、魔力量に応じて上級、中級、下級の序列があるということで、魔力を基準にしたある意味実力社会ですね。まれに平民にも魔力を持った人間が生まれてきますが、その多くは魔力に身体が耐えられずに早世してしまいます。幸い、この時期は王族貴族の間で大きな争いがあったようで、貴族の数が激減しており、平民であっても魔力を持つ者が必要となっていたのでマインは生き延びることができました。

マインの側仕え

 平民なのに貴族扱いということで周囲の風当たりが強かったマインですが、次第に周囲を取り込んで味方を増やしていきます。冒頭から一貫して求めているのは本を読む、本を作るということで、年少者とはいっても前世では20歳超えだったので、それなりの知識・経験をがあるはずなのですが、そうは思えないほど頻繁にトラブルを引き起こします。後述の「はめふら」のカタリナがJKだった前世の精神年齢によって我が儘を言わないようになった(マナーとか食い意地とかは前世由来で×でしたが)のとは対照的で、マインの場合は肉体年齢に引きずられて幼児化してしまったかのような。

魔樹トロンベ
成長トロンベ

 魔力のある世界といいながら、平民の生活ではほぼ無縁のものでしたが、二部後半では貴族達が魔力の行使する様子を目の当たりにすることになります。魔力で石を変形させて乗り物とする騎獣とか、魔力を持った樹木・トロンベとか。トロンベは一部にも登場し、芽吹きの頃なら平民でも退治可能でしたが、成長しきったトロンベは騎士団が討伐しないとならないほど手強い敵でした。

騎獣に乗る

 剣と魔法の異世界ノリへどんどん突入!と言いたいところですが、本作のウリは異世界ものでありながら現代の文化・技術に立脚した発明や工夫なので、あんまり魔力が前面に出てくると色々と齟齬が出てきそうです。しょっちゅうマインを怒鳴りつけるギルベルタ商会のベンノと、マインの幼なじみのルッツにスポットを当てて、この世界での商売の話をやっても面白そうです。

はめふら感想

 本日最後は、今期最も期待していた「はめふら」こと「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」。この作品を契機に「悪役令嬢」ものが「なろう系」で流行したそうですが、本作を超えるものはなかったようです。「なろう系」がすべからく本作並のクオリティだったら世間から嘲笑われることもなかったでしょうが。

カタリナ×マリア

 ソルシエ王国の大貴族であるクラエス公爵家の一人娘カタリナは、高慢で我が儘なとんでもないロリでしたが、石畳に額をぶつけたことで前世の記憶が甦ります。私に言わせれば「本好きの下剋上」のように、この時本来のカタリナは死んで、代わりに「野猿」の魂が入り込んでカタリナの記憶を継承したのではないかと思います。

キュウリを咥えて登校
前世の野猿
前世での暮らし

 「野猿」というのはJKで死んだ前世のことで、本名は不明。兄二人の下で野生児のように育ちましたが、中学生の時に「あっちゃん」こと敦子と出会ったことで、恋愛小説やゲームなどにも興味を持つようになりました。あっちゃんに勧められて始めた乙女ゲーム「FORTUNE・LOVER」にドはまりし、』をプレイし、寝不足で遅刻しそうになって慌てて学校へ向かう途中で交通事故に遭って死亡してしまいました。

あっちゃん

 不慮の死に神が同情して異世界に転生…という展開は「なろう系」お約束ですが、本作では特にそういう展開はなくいきなり転生していました。この世界が「FORTUNE・LOVER」そっくりということと、自分がそのゲームでろくな最後を迎えない悪役令嬢であることに気づいたカタリナは、破滅フラグを回避し、今度こそ全うな生涯を送るべく悪戦苦闘することになります。

パジャマパーティー

 将来に破滅しかない悪役令嬢になってしまったという点は同情しますが、それ以外は羨ましい限り。名家の一人娘で財産も身分も不自由なく、周囲が超美人なせいで目立たないけど本人だって実は結構美人です。そして単に前世を思い出したのではなく、魂そのものが入れ替わったのでは亡いかと思うのは、その後の行動が全く異なるからです。

アンも落とす

 本作は8歳頃の幼少編と、15歳になって魔法学校に入ってからの青春編に別れますが、序盤の幼少編がとにかく楽しいです。破滅フラグを回避するための行動が、図らずも周囲のキャラを救済することになっているという無自覚の救世主カタリナ(笑)。自分に向けられる他者の好意には極めて鈍感ですが、周囲の人間に分け隔て無く接して、気遣いや思い遣りの態度を取れるようになりました。この辺はJKの精神年齢が加わったからということなんでしょう。

マリアを守るカタリナ

 公爵令嬢としてはマナーがなっておらず、貴族社会の常識から掛け離れた行動を取るので、しばしば周囲を困惑させますが、本気で嫌がられている訳ではなく、「困ったお嬢様だ」くらいの好意的な捉えられ方をしているようです。ママンからは厳しく叱責されますが、ママンにしてもカタリナのおかげで夫との不和が解消されており、コミュ障気味のメイド長や庭師までもカタリナにぞっこんラブになっています。

アンも落とす

 カタリナ付きメイドのアンはカタリナの奇行にいつもため息をついていたのであきれかえっているのかと思いきや、やはり自分を道具として扱わないカタリナに最後まで尽くしたいと思っているという。その勢いのまま、「FORTUNE・LOVER」の攻略対象キャラ(♂)・ライバルキャラ(♀)をことごとく落として回るカタリナ。結果、ゲームの主要キャラは全員カタリナラブになってしまいました。

全員カタリナの味方だった

 青春編でも「FORTUNE・LOVER」のプレイヤーキャラ(主人公)であるマリアを落とし、ついでにマリアのママンさえも落としてしまう無双ぶり。それこそ、実は「全員仲良しエンド」という、恋愛ゲームとしてはどうかと思うけどカタリナとしてはこれ以上無い結末への布石なのでした。

ラスボスをもたらすカタリナ

 ゲームの隠しキャラだった生徒会長がラスボスとして登場し、あっちゃんは前世で「とても難しくてバッドエンドは全員死亡」と語っていましたが、野猿はそこまでプレイしていなかったので、正体も素性の攻略法も知らないままにラストバトルに突入してしまいましたが、やはり自然体のカタリナに落とされて浄化。カタリナお嬢様の「たらし」は世界を覆い尽くすほどなのでした。

マリアとママン

 途中原作にないゲームオリジナル展開が挟まれ、はっきりクオリティの低下が感じられましたが、原作部分は非常に面白く、また見ていてストレスが全くないので週末のストレス解消にもってこいの作品でした。二期制作も決定と言うことで喜ばしい限りです。

もう一人の私

 なお前世で親しかった「あっちゃん」は王国宰相を務めるアスカルト伯爵家のソフィアとして転生していますが、カタリナと違って前世の記憶は取り戻しておらず、カタリナの危機に際してスタンドのように「あっちゃん」が出現するようです。まさか彼女も早世してしまったのか…?ソフィア自身もカタリナもこのことには気づいていまぜんが、ソフィアの言動の端々に前世を思い出したりしています。「ソフィアっちゃん」であることに気づいてしまうと、カタリナから見て他のキャラと別格扱いになってしまうので、ここは気づかないままの方がいいんでしょうね。

お澄ましマリア

 個人的にはカタリナ×マリアの百合エンドを期待します。平民なのに特に稀少な光の魔力(多分聖属性で治癒系)を持っており、成績も優秀なのをやっかまれて貴族令嬢達に陰湿ないじめに遭っていましたが、カタリナが助けた上に努力も認めてくれたので、他の男は眼中にない様子。本来であれば彼女が男性キャラのいずれかと恋愛関係になり、カタリナが悪役令嬢として立ちはだかるのですが、カタリナが助けてくれて友人になってくれる上に、男性キャラが全員カタリナにぞっこんラブなので、これで恋愛関係など築ける訳が(笑)。でもマリアもカタリナラブなので、これでいいんでしょう。マリアのCVは早見沙織ですが、こういうお澄ましボイスのはやみんは久々のような気がします。これだ、この声で私ははやみんが好きになったんですよ。

もはや聖カタリナ

 「八男って、それはないでしょう!」と共に今季の「なろう系」アニメだった「はめふら」ですが、内容は対照的。方や貧乏貴族の八男、方や大貴族の一人娘。方や膨大な魔力、方や「土ボコ」。方やハーレム、方や全員仲良し。そして作品の出来は「はめふら」が圧勝。「八男」も「はめふら」がなければ普通の「なろう系」と評されたと思うのですが、相手が悪かったですね。

祝二期制作
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