記憶に残る一言(その117):ナレーターのセリフ(ウルトラセブン)

月曜日にも緊急事態宣言が解除とのことですが、一足先に解除されたはずの筑波嶺周辺では依然としてマスクをした人だらけ。緊急事態宣言中と大して変わっていません。それにしても真夏にマスクなんてしてられないと思うのですが、冷感素材のマスクとか出てくるんでしょうかね。

本日も昨日に引き続き「記憶に残る一言」です。今回は特撮番組の金字塔「ウルトラセブン」から、現在の日本及び世界の状況を鑑みて身につまされるようなセリフを紹介しましょう。

第8話「狙われた街」。宇宙人による地球侵略が描かれることが多いセブンですが、この回は非常に狡猾な侵略戦略が描かれました。煙草の中に周囲の者がすべて敵に見えるようになる赤い結晶体を仕込み、これを吸引した地球人同士が殺し合うことで、最終的に地球人が死に絶えるのを待って地球を乗っ取ろうと企むメトロン星人。

安アパートを拠点に人間に変身して、自販機に赤い結晶入り煙草を補充するなど、地道というかせこいというか、もっと大規模にやらんかいとツッコみたくなる暗躍を行っていたメトロン星人。メトロン星人という種族が全力で行っているというよりは、メトロン星人の中の一個人がやっているという感じなんですよね。まあ地球人にもいろんな人がいますから、大方は平和的なメトロン星人の中に妙な集団がいたということなのかも知れません。

このメトロン星人、ウルトラセブンであるモロボシダンと卓袱台を挟んであぐら座りをして対話したり、すっかり人間社会になじんだ姿を見せています。何気にダンがセブンであることはしっかり把握しており、情報収集能力は確かなようですが、なぜにこんなボロアパートをアジトにしたのでしょうか。赤い結晶に資金を使いすぎたのか?

メトロン星人、別名は幻覚宇宙人で、地下に潜伏するような侵略作戦を取ったことから、地下鉄のメトロとか命名されたそうです。

煙草に対する風当たりが強くなった昨今は、成人の喫煙率は平成30年の段階で18.3%(男27.8%、女8.7%)ですが、ウルトラセブン放映のに昭和43年には47%(男78.5%、女15.4%)でした。大人の約半数は喫煙者だったということですね。作中でも「人類の約半分は、タバコを吸っているんですからね」というセリフがあります。

ダンはメトロン星人のアジトである安アパートに乗り込み、メトロン星人と対峙します。
ダン「君たちの計画は全て暴露された。おとなしく降伏しろ」
メトロン「ハッハ…、我々の実験は十分成功したのさ」
ダン「実験…?」
メトロン「そうだっ!赤い結晶体が人類の頭脳を狂わせるのに、十分効力があることが分かったんだ。教えてやろう、我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目をつけたのだ。地球を壊滅させるのに暴力をふるう必要はない。人間同士の信頼感をなくせばよい。人間たちは互いに敵視し傷つけあい、やがて自滅していく。どうだ、いい考えだろう」
ダン「そうはさせん、地球にはウルトラ警備隊がいるんだ」
メトロン「ウルトラ警備隊?恐いのは、ウルトラセブン、君だけだ!だから君には宇宙へ帰ってもらう。邪魔だからな…」

メトロン星人はその言葉どおりダンを乗せて円盤で飛び立ちますが、眼中になかったはずのウルトラ警備隊のウルトラホーク1号に撃墜されてしまいます。巨大化し、夕陽の中でセブンと戦うメトロン星人ですが、直接的な戦闘力は大したことがなくて、アイスラッガーで真っ二つにされたところにエメリウム光線を受け、爆発して倒されます。

今回の記憶に残るセリフは、物語ラストの浦野光(2018年没)によるナレーションです。「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい、このお話は遠い遠い未来の物語なのです…。え、何故ですって?…我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから…」いや~皮肉が効いていますね。ウルトラセブン放送時から半世紀以上が経過しても、人間同士の信頼関係は大して変わっていないようですね。喫煙率は大幅に減ったからメトロン星人は戦略を変更する必要があるようですが。

実際、平成ウルトラマンシリーズである「ウルトラマンオーブ」に登場したメトロン星人(メトロン星人タルデ)は、「幻覚タバコ作戦」を遂行しようとしましたが、喫煙者の減少により断念しています。

「ウルトラマンA」には子供とされるメトロン星人Jr.が登場しますが、どうも造形が悪いんですよね。夕映えをバックにした本家メトロン星人は内蔵したランプのせいもあってそれなりに美しいのですが、Jr.の方は口のようなものが付いていたりして、かなり不細工です。策謀家だった本家に比べて性格も凶暴かつ好戦的で。真っ二つにされるという死に様だけは似ていますが、臓器や血液などを大量にぶちまけるというグロい最期を遂げています。

ウルトラシリーズの宇宙人というとやはり「バルタン星人」を代表格に挙げざるを得ませんが、セブンの宇宙人な中々にデザインセンスの良いものが多いのです。何体か私が好きなの宇宙人を挙げてみましょう。

まずは赤いチョッキを着たようなゴドラ星人。還暦を迎えたのかしらん。この人もバルタン星人同様、手がハサミになっていますが、ゴドラ星人の方がカニのハサミに近いような感じです。

ダンが女好き(?)のせいか、セブンには女性に化ける宇宙人が多いのですが、ゴドラ星人も女性に化けてウルトラアイを奪っています。

それではゴドラ星人以外の女性に化けた宇宙人ミニ図鑑。まずはメジャー怪獣・エレキングの飼い主・ピット星人。キューピッドのような可愛い女の子に化けて相手を惑わすことから「ピット星人」と名付けられたそうです。

ドロシー・アンダーソン博士に化けたペダン星人。よく強さでゼットンと比較される、セブン最強怪獣であるロボット怪獣キングジョーを操ります。


人間と全く変わらない容姿のマゼラン星人。個体名はマヤ。地球を「狂った星」とみなし、破壊するために恒星間弾道弾を打ち込み、邪魔なダンからウルトラアイを盗みますが、母星から見捨てられたことを知り、ウルトラアイを返して自ら命を絶ちます。

ニセウルトラセブンを制作したサロメ星人。変身した姿ではなく、マゼラン星人同様人間と変わらない容姿という設定です。

なお宇宙人ではないのですが、チブル星人が作った金髪のアンドロイド少女も美人でした。ちなみに横の老人がチブル星人が化けた姿です。

美人といえばセブンに松坂慶子が出演していたことは有名ですね。当時は16歳位でまだ無名でした。

宇宙細菌ダリーに寄生され、吸血鬼のようになって同型の血液を持つ人間を襲い、口から相手を気絶させる白いガスを吐くようになってしまいます。セブンもミクロ化して松坂慶子の体内で戦うという無茶を。

好きな宇宙人に戻って、アンヌ隊員に迫るこのスチール写真で有名なペガッサ星人。本編にはこういうシーンはないので番宣用だったんでしょうかね?侵略の意図はなく、紳士的な宇宙人でしたが…

宇宙鳥人の異名を持つアイロス星人。科学力はともかく直接的な戦闘力では虚弱な宇宙人が多い中、アイロス星人はエメリウム光線やアイスラッガーを跳ね返しており、驚異的な強さを見せました。セブンは最大最強の技であるワイドショットを初披露してようやく倒しました。

ボーグ星人。西洋の甲冑に似ており、別名は甲冑星人。機械と生命を結合させる改造技術に長けており、その硬い体から繰り出す打撃は強力で、パワーもセブンを上回ります。しかしアイスラッガーは防げなかった…。実は女性だという意外な事実。

ボーグ星人も女性に化けますが、あんまり美人でもないので(爆)、こちらで紹介。後半はすっかり趣旨がずれてしまいましたが、実はセブンにはもう一つ、個人的に記憶に残るセリフがあるので次回にまたやります。有名なアレか?と思ったアナタ。多分違います(笑)。
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