2019年秋季アニメの感想(その2):ぼくたちは勉強ができない(第2期)/アフリカのサラリーマン/私、能力は平均値でって言ったよね!

旧聞に属する話で恐縮ですが、これは笑いました。某市で市民が自由に書き初めをするコーナーに掲示されていたようです。書き初めなんて中学校を卒業以来書いていないのですが、こういうのなら私もぜひしたいです。「想像を絶するだらしなさ」とか「ちっ、うっせーな」なんかもいいですね。隣の達筆「打倒実習」も、どういう意味なのかちょっと気になったりして。

昨日に続いて2019年秋季アニメの感想です。それにしても冬アニメ「異種族レビュアーズ」、1話からぶっ飛ばしてますね。深夜アニメらしいといえばらしのですが、物議を醸しそうな。私は嫌いじゃない…というか、ぶっちゃけ好きですけど、出演する男性声優はともかく、女性声優は平気なんでしょうか。

ではまず「ぼくたちは勉強ができない(第2期)」。第2期といいつつ、実際には分割2クールという感じです。1期でキャラの関係性が確立されていたので、安定した面白さだったほか、1期のヒロインである3人娘に加え、先輩と先生まで加わって5人態勢になりました。

アンジャッシュのコントのようなすれ違い・勘違いギャグが多めだったり、受験勉強もののわりに勉強には本格的には切り込まないといった気になる部分もありましたが、ハーレム的展開ながら主人公に嫌味がなかったり、ヒロイン達の持つ苦悩を丁寧に描いていたりと全般的には良作だったと思います。

1期が夏休みまで、2期が文化祭までということで、3期はいよいよ冬から受験本番かと思いきや、2期最終回の終盤数分で一気に受験・卒業までダイジェストで描いてしまうという荒技を見せました。これはもう3期はないということですかね。

一番問題なのは、こういう作品では必ず焦点となる「主人公は誰を選ぶのか?」問題に、原作が未完にもかかわらず回答を出してしまったことですね。アニメオリジナルだとか原作の了解を得たとか色々言い訳はできるでしょうが、原作が終わっていないのだからそこまであえて描く必要はなかったんじゃないでしょうか。それぞれのヒロインにファンがいるので荒れるのは必至なのに、それでも敢行した意味はなんなんでしょうか。


ちなみに原作の人気投票では2回とも先生が勝利しており、私は同級生から選ぶのが定石であるところ、ファンの声に押されてまさかの先生エンドもありなのかと思っていました。私はギャルゲー・エロゲーでヒロインに先生がいたら落とさずにはいられなかったんですが。もちろん他のキャラも落としますけどNE!本作では、競馬風に言えば本命:先生-対抗:文乃で予想していたんですが、大外しとなりました。

続いて「アフリカのサラリーマン」。大塚明夫、津田健次郎、下野紘と芸達者を揃えて、男性声優は基本年齢高めの渋いキャスティングでした。そんな中に小倉唯とか喜多村英梨がいる不思議。

もしアフリカに日本の会社があったら…という感じで展開するのかと思いきや、中身は日本のブラック企業そのままで、動物が社員という以外はあんまりアフリカ感がなかったような。アフリカだから問題は弱肉強食でけりを付けるとか、ぶっ飛んだ展開を期待していたのですが。


時事ネタとかも展開していましたが、基本オオハシとかミツオシエ、ツルあたりが酷すぎる。会社にいられないレベルというか、もはや社会人失格レベル。こんなの雇用していたら会社が持たない。そうか、鳥類は会社組織に向かないんだ(違う)。


終盤のプレゼン勝負の話だけはちょっと良かったですかね。大塚明夫ライオンに遺恨を持つ大塚芳忠トラと速水奨ヒョウのバトルはベテラン声優の風格を存分に見せてくれた感じです。オオハシがちゃんと働いていた(らしい)のはこの時だけだったような。遺恨の理由がプリンを食べてしまったというしょぼいものなのはまあ笑いどころなのでいいんですが。


シシ村とゴリ美のJKコンビは毎回ラストで必ず登場していましたが、小倉唯にゴリラを演じさせているという以上にそれほど面白さはなかったという。ちなみにキタエリ演じるシシ村、それって名字では?ということはライオン先輩の本名はシシ村ライオンとか言うことになるんでしょうかね。

いつも両手に包丁を持っていた殺傷ハムスターは一体なんだったんでしょうか。社員のようでいて実はそうでもなさそうな感じで。

最後に「私、能力は平均値でって言ったよね!」。女性が主人公の異世界転生ものです。優等生だったけど窮屈な生き方をしていた栗原海里が、少女を助けて死亡したことで異世界転生することになり、今度は平凡に生きたいと能力を「平均値」にするように願い、異世界に貴族の娘アデルとして転生します。

しかし、平均値にと願った能力は、「古竜種や神を含む全存在のなかで、その分野ごとの最低値と最大値の平均」であり、一人間としては破格のものでした。アデルは「普通の女の子」として生きたい一心で家出をし、Cランクハンター「マイル」として力を隠しつつ生活することにしましたが…

異世界転生のみならず、その世界でも別人となって生きようとするというややこしことをする主人公ですが、なんだかんだと実力を見せてしまうので、お約束かも知れませんが全然普通には生きられません。「またアタシ何かやっちゃいました?」の嵐。ただ主人公が女の子というだけでこんなにも見てる側の反発が弱まるものか。結局可愛い女の子がやることは大抵許せるということですね(笑)。

本作の特徴としては、異様なレトロギャグが挙げられます。主要視聴者を一体どの辺りに据えているのか大いに疑問なんですが、バブル世代あたりを狙っているとしか思えません。アニメを含む70年代ギャグは個人的には好きでしたが、平成世代はおいてけぼりだったんでは。これは原作由来なのか制作サイドの趣味なのか。


終盤、過去の核戦争を暗示するような遺跡とか、異世界最強種のはずの古竜種がさらなる力を求めているなど、異世界にも何やら不穏な気配が蔓延しているというところで終わってしまいましたが、これは2期への布石なんでしょうか。「平均値」の解釈の誤解も、実は「『天国』のようなもの」に存在する「『神』に相当する立ち位置」の存在を自称する創造主の曲解であり、そこには何らかの理由があるようです。

異世界転生ものにありがちなベタな展開といえば確かにそうなのですが、女の子が主人公になるだけでかなり好感度に相違が出てくる不思議。本作なら2期を制作するならぜひ視聴したいと思います。現在のパーティーである「赤き誓い」のほか、かつての仲間の「ワンダースリー(これもネタや)」も活躍させて欲しいです。
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