2019年夏季アニメの感想(その4):荒ぶる季節の乙女どもよ。/うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。

ラグビー日本代表がワールドカップを戦っていますが、世界の強豪相手に実に強いですね。既に3勝を挙げていますが、最後の相手はスコットランド。前回ワールドカップでも3勝しながら決勝トーナメントに進めなかったのは、スコットランドに惨敗して勝ち点差で及ばなかったせい。今回は決戦前夜にスコッチウイスキーでも飲み干してみたりして。しかしラグビーってのはウェールズとかアイルランドとか、やたらちんまい国が強い不思議な競技ですよね。ラグビーという競技が英連邦加盟国以外にあんまり普及していないせいなんでしょうか。ワールドカップが英連邦加盟国以外で開催されるのも今回が初めてなんですよね。歴代優勝国も英連邦加盟国ばかりなので、ぜひそちらも風穴を開けて欲しいものです。

さてそれでは引き続き2019年夏季アニメの感想です。今回あたりで終わらせたいところでしたが、なお放映中の作品が残っているので今度の土曜日まで続くことに。まずは「荒ぶる季節の乙女どもよ。」。性に振り回される文芸部の女子高生5人組の話です。

正直、終盤まではとても良かった。潔癖かつ堅物だったのに、彼氏が出来たらコロッと転向してしまう部長とか、作家志望で原稿持ち込みをしていてリアリティ追求のため顧問を誘惑する部員とか、美人で昔から男につきまとわられたせいでやけにすれていて、友達の彼を狙いにいく部員とか、百合に目覚める部員とか。内面のドロドロ具合が鬱陶しい人には鬱陶しかったと思いますが、私は「イケイケ、もっとドロドロに!」と思っていました。

この先顧問とそういう仲になったり、友達の彼氏をNTRして血みどろ三角関係とか、凄まじい展開を期待していたのですが、さすがに1クールではそこまで風呂敷は広げられなかった…というか、残念ながらそういう方向は目指していなかった模様です。まあ深夜アニメといってもそこまで泥沼展開は無理か。

ただ、終盤が想像以上にがっかり展開で。女子生徒(文芸部員ではない)の妊娠→退学という事件を契機に男女交際禁止を全面禁止として、ラブホ街に男とうろついていことをもって退学処分を喰らった部長を助けようと、顧問を人質に取って学校に立てこもる文芸部員一同。男女交際禁止令撤回、部長の退学処分の撤回、そして謝罪を要求するというちょっと香港の騒動を彷彿とさせる事態になりましたが。

これが金曜日の夜だったということで、一晩経てば頭も冷えるだろうと放置して帰っちゃう校長&教頭。人質取って立てこもっているのにこの対応はある意味凄い。そして「色鬼」(これって子供の頃やったことがないのでルールとか良く判りませんが)をしつつ互いの感情をぶつけ合う部員達。

それだけやって朝になるまでの時間に校舎に抗議のデコレーション(?)を行う乙女ども。良くそんな時間があったなあと思いますが、これって完全に学校側への宣戦布告になりますよね?さぞや大変な処分を喰らったのではないかと思ったら。

EDは一年後。3年生だった部長は大学生になって彼氏とラブラブ。ということは退学処分は取り消されたのか。他の部員もそれぞれ進級し、顧問は同僚の女性教師と結婚へ。ということで全員ハッピーエンド的終わり方をしています。え?これでいいの?


荒ぶっていた乙女どもも一発大暴れしたらスカッとしてしまったようです。それはともかく、あれだけ杓子定規だった学校側がなぜすんなり寛大な処置を取る方向に変わったのかが完全に謎。そもそも主要登場人物にいろいろな事情とか背景があるように、校長や教頭にだってそういうものはあるはずなんですが、完全に「石頭の大人」の代表として記号化していましたよね。そういう扱いをするのなら、この事件後に文芸部員達に厳しい処分を下すのは当然のように思えます。その後生徒達が大挙して抗議運動を行う流れになって、事態の拡大&深刻化を恐れて沈静化を図ったというのなら、ちょっとはそのあたりも描いて欲しかった。しかし、メインキャラ以外の生徒は文芸部を気持ち悪い珍獣扱いしていたので、そういう展開になること自体信じられませんが。

大体本作、主人公グループとその周辺については事細かく描くのですが、その分校長と教頭やモブの学生達とかは非常に扱いが雑で、テンプレ的な言動しかしないんですよね。まるでRPGとかのNPCのようです。例えば「TARI TARI」という作品でも生徒と学校側の対立という構図はありましたが、校長や教頭にもそれぞれ事情や背景があることをきちんと描いていました(その分理事長が完全に悪役になっていましたが)。

そういう訳で、文芸部員とその周辺にだけ関心がある場合は面白い作品ということになるんでしょうが、どちらかというと校長&教頭側に年齢が近くなってしまった私としては、制作者の興味の範囲外の存在に対するひどくぞんざいな描きっぷりにがっかりという感じです。

ところで文芸部員一の美人・菅原新菜が所属していた劇団の演出家・三枝の最後の扱いは酷すぎる。真性ロリコンなので、かつて新菜のことを弄んだとかあるのかと思ったら完全にプラトニックだったし、新菜の方から迫っておいて、いざその気になったらギャラクティカ・マグナム一閃って。まあ本当に手を出そうとするなよオッサンとは思うけど、この人そこまで悪人じゃないと思うんですよね。そこはオヤジに穢され尽くして身も心もボロボロになった新菜と、それでもそんなあなたが好きという百々子という方が百合展開としてはより良いものが…いやちょっと趣味を出し過ぎましたな。

ラストが綺麗過ぎですが、途中までは面白く見ました。私のお気に入りは当初の菅原新菜改め須藤百々子。一番事件のない人と思いきや、しょうもない男にまとわりつかれたり、百合に目覚めたりと回を追うごとにドラマチックになっていきました。ぜひ百合ップルは成功して欲しいですが、三枝の復讐劇に巻き込まれるとかあればそれもまた良し。

続いて「うちの娘の為ならば、俺はもしかしたら魔王も倒せるかもしれない。」。図らずも両作品とも「。」が付いています。こちらはタイトルの長さで判るとおり「なろう系」です。どういう訳か角を折られて祖国を追放された魔人族の少女ラティナを保護することとなった凄腕冒険者のデイル。素直で賢く、なによりとても愛らしいラティナにメロメロになったデイルとラティナの生活が描かれます。

4話でラティナがレイプ目になるまさかの鬱展開がありましたが、以降はラティナが病むことはなく、大半の登場人物に愛される存在になっています。デイルは18才にして彼女より娘にデレデレでいいのかと思ってしまいますが、気持ちは分かる!私もこういう娘がそばをうろちょろして欲しい。

魔人族は角以外人間とほぼ変わらない外見ですが、寿命がはるかに長く(その分出生率が低いらしい)、神ではなく魔王を信奉し、魔力を持っていて魔法が使えます。人間の大半は魔法を使えず、デイルなどごく一部だけが使えます。魔法を使う際の呪文が魔人族の言語らしく、ラティナが人間の言葉を覚えていない頃は呪文でコミュニケーションを取っていました。


さらに魔人族は人間が恐れる魔王に仕え、その尖兵になる場合があるので、デイルも劇中任務としてそういう魔人族の少女を殺していますが、だから魔人族は忌み嫌われているという訳でもなく、人間に仇なす場合を除いては特に敵視されてもいません。過去に魔人族に酷い目にあったという人達は別ですが、そりゃあ仕方がないでしょうね。このほかエルフとか獣人族も存在し、異種婚もありのようです。

ラティナは幼いながらにデイルに恋愛感情を持っているようですが、寿命の長さの相違から仮に結ばれても先立たれてしまうことになるようです。ラティナは栄養状態が悪かったせいか初登場時4~5才くらいに見えましたが、実際には8才くらいで、作中で1年くらい経過しているので10才近くになっています。この世界では学校(学舎)は2年で終わりのようで、その後は就職するとか上級の学校に行くとかするようです。ラティナは魔法を使えるし魔力感知も出来て、十分デイルの手助けになるので冒険者になってもいいと思いますが、さてどうするんでしょうか。

8才から少女を育てるというと思い出すのが「プリンセスメーカー」シリーズ。8才から18才まで娘を育ててその過程を楽しみつつ、その結果を見るというゲームでしたが、数あるエンディングの中には「育ての親と結婚する」というのがありました。積極的にこの「娘→嫁」エンディングを狙うプレイヤーもいたという話も聞きますが、シリーズ4作品をプレイして、私がこのエンディングを見たのは「プリンセスメーカー4」のみ。これは今まで全然見てないから一度位はと思ったためで、基本娘にそういう気持ちを持つのは良くないと思ってました。まあ魔王の嫁にしてしまったことはあるんですけどNE!

だから自分がラティナを娘にしたとしても、そういう邪な気持ちは持たないと思いますが、ラティナにはラティナの気持ちがありますからね。美しく成長して大人になったラティナに真摯な愛を告げられて、なお断れるかどうかはわかりません(原作ではラティナはやはりデイルに恋愛感情を持っているようです)。少なくともラティナに慕われまくる位に慈しみたいですが、それもラティナがとっても素直で賢く、わがままを言ったりしないからで、現実の女の子とは全然違うんでしょうね。どう思いますか、リアル明里パパ?

ラティナ役の高尾奏音(かのん)は弱冠17才。「魔王様、リトライ!」のアク役も演じていましたが、ラティナの方が断然可愛いです。「艦これ」では軽空母神鷹、軽航空巡洋艦Gotland、海防艦八丈、石垣を演じています。

私はまだ神鷹と八丈しか持っていないのですが、聞けば高尾奏音がコスプレしているGotland、提督への距離感が異様に近く、実装は昨年なのに最初期からいたかのような彼女面をしていると評されています。ぜひ欲しかったんですが、今回のイベントではお迎えできませんでした。次回イベントでは是非。

「なろう系」はハーレムシチュエーションになることが多いですが、本作はデイルがラティナ一筋で、元カノ(或いはかつて振られた)ヘルミネすら敬遠する有様となっていて、事実上「嫁要らず」状態。とはいえまだ20才前。余計なお世話ですが、ラティナには手を出さないだろうけど、欲望の処理はどうしているのか若干気になります。「このすば」の「サキュバスの店」みたいなのがあればいいけど。

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