高知に行ってきました:特急「南風」に乗りたかったので

8月最初の更新です。冷夏という噂もありましたが、梅雨が明けたら昨年並みの猛暑となっていますね。今が一番暑い盛りなのでそれも仕方がないですが、問題はその期間。去年に比べてまだ耐えられてる気がするのは、ユニクロで買ったドライEXの部屋着のおかげもあるんですが、猛暑の期間がまだ2週間くらいだかだと思われます。お盆明けくらいで収まってくれたらとはかない望みを持っているのですが、台風10号が過ぎたら秋の気配が…なんて訳にはいかないでしょうかね。

本日は先日行ってきた高知旅行の話などを。夏は旅の季節。行楽には春秋がいいのはよくわかっているのですが、実際問題休暇を取りやすいのは夏休み期間中しかないというのはリーマンの宿命。なのでくそ暑い季節にわざわざ旅に出るはめになるんですね。昨年は鹿児島と石川・和倉温泉に行ってきたのですが、なぜか記事にしていませんでした。今回はネタ不足なので小旅行もしっかり記事にするのでした。

実はなんちゃって鉄オタの気がある私。一口に鉄オタと言ってもいろんな種類があるのですが、私の場合は「乗り鉄」というやつですね。とりあえず乗ったことのない列車に乗りたいという。でも全線制覇とか全駅下車といったことを目指す気はさらさらなく、乗ったことのない列車に乗って喜ぶ程度です。昨年の場合は鹿児島に行ったのは九州新幹線を終点まで乗りたかったという理由で、和倉温泉に行ったのは特急サンダーバードに乗りたかったからです。なのでせっかく和倉温泉に行ったのに安いビジホに泊まりました(笑)。加賀屋?なにそれ美味しいの?

で、今回の高知旅行もはやり本命は鉄道。新大阪から岡山までは新幹線で、岡山から高知には特急「南風」に乗りました。岡山というところは、山陰とか四国に行くのに重要な駅ですよね。東海道・山陽新幹線は今更語ることもないビジネス専用列車という感じですが、岡山からは島根方面に行く特急「やくも」、鳥取方面に行く特急「スーパーいなば」、愛媛方面に向かう特急「しおかぜ」などが出発しています。そして「南風」も。「やくも」「しおかぜ」には以前乗ったことがあるので、今回は「南風」を選択。「みなみかぜ」ではなく「なんぷう」と読みます。“南国土佐”というイメージからの命名なんでしょうか

やなせたかしが高知で育ったということで、「南風」にも「アンパンマン列車」があり、行きは運悪く(運良く?)そのアンパンマン列車にぶち当たってしまいました。まあ乗ってしまえば関係ないのですが、岡山駅出発時と高知駅到着時にアンパンマン(CV戸田恵子)の声で車内放送が流れます。どちらかと言えばマチルダ中尉でやってくれた方が嬉しいですが。

主に土讃線を走る南風ですが、四国を袈裟切りにするかのように、讃岐山脈および吉野川に沿って四国山地を越えていくということで、山の中をうねうねと走るのでカーブは多い反面、トンネルはさほど多くないので車窓から風景が楽しめます。特に大歩危、小歩危は絶景ポイントで、わざわざアナウンスが流れます。

全国の売れない芸人が行きたくなりそうな地名ですが、「ほき、ほけ」は古語で、渓流に臨んだ断崖を意味し、奇岩や怪石の多い土地を示しているのだそうです。国の天然記念物・名勝に指定されていて、特に小歩危峡の水流は日本一の激流と言われ、夏季には多くのラフティング・カヤック愛好者を集めているとか。確かに車窓からもラフティングをしている様子が見えました。

岡山駅から2時間半強で高知駅着。「南風」乗車が目的ならとっとと上りに乗って帰れよと言われそうですが、そこはなんちゃって乗り鉄なので、初めて来た高知を無視する訳にはいきません。それにここには「日本三大○○」と謳われる名所があるのです。


まずは名所として名高い桂浜へ。高知駅からすぐそばという勝手なイメージを持っていましたが、MY遊バスという観光スポットを回る周遊バスを使ったので、1時間近くかかりました。長宗我部氏時代は桂浜付近に浦戸城を築いていましたが、関ヶ原の戦い後に土佐藩主となった山内一豊はこの地は手狭と感じ、高知城を築いて移りました。月見の名所として知られていますが、月が出るまではいられませんでした。

坂本龍馬の銅像が建っていますが、台座がやたら高くて、しかも午後には逆光になるという。砂浜に立っているというイメージを勝手に持っていたのですが、階段を上る高台にありました。

桂浜は、北東の上竜頭岬と南西の下竜頭岬の間に弓形に砂浜が延びています。下竜頭岬には竜王宮がありました。大した階段ではなかったので上って行ってみましたが、大したところでもありませんでした。桂浜水族館や坂本龍馬記念館もありますが、やはり高知は坂本龍馬を徹底的に推してきますね。教科書から消えたら怒るんでしょうなあ。

市内に戻って早速訪れたのが、「日本三大○○」。○○に入るのは「がっかり」。そう、はりまや橋です。三大○○という場合、3つの中で2つは鉄板で残り1つは諸説があるというケースがありますが、がっかり名所もそんな感じで、札幌の時計台、高知のはりまや橋は鉄板であと一つは諸説ありとなっています。長崎のオランダ坂や沖縄の守礼門、京都タワーや名古屋テレビ塔などが候補になっているそうです。はりまや橋は高知市内でももっとも交通量の多い、路面電車のはりまや橋交差点にあります。堀で隔てられていた高知の豪商・播磨屋と櫃屋(ひつや)が、互いの往来の為に架けた私設の橋だったそうで、「よさこい節」では“土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし買うを見た”と歌われています。

札幌の時計台もそうですが、今時これを見るために訪れるという事はまずないでしょうから、過度の期待を持って来て、実物を見てがっかりするという人もいないと思いますが、なにしろがっかり名所として有名なので、観光客は来た人はやはり写真を撮ったり渡ったりするわけです。路面電車が交差する市内中心部にあるので、普通に観光していると嫌でも目に入るという地の利もあります。

高知の路面電車は、1904(明治37)年開業で、今年で115年という歴史を持っています。現存する路面電車では日本最古だとか。駅と駅の間隔が非常に短く、3~4駅先といっても大した距離じゃなかったりしますが、足弱の人には便利かも知れませんね。鉄道の線路同士が斜めや直角に交わることをダイヤモンドクロス(平面交差)と言いますが、路面電車同士がほぼ直角に交わっているのはここだけだそうです。

はりまや橋から3つ先の駅だったのでうっかり乗ったらあっという間に着いた高知城前にあるのが我が宿。ザ クラウンパレス新阪急高知。以前は高知新阪急ホテルという名前だったそうです。一人旅なんでもっと安いビジホがいくらでもあったんですが、うっかりややお高めなこのホテルを予約してしまいました。高知城に近いというところに惹かれちゃったんですよね。

夜に「カイジ豪遊ごっこ」を楽しんだことはさておき、翌日さっそく高知城に行きました。鷹城とも呼ばれ、江戸時代に建造された天守や本丸御殿、追手門等が現存し、城跡は国の史跡に指定されており、日本100名城に選定されています。なお天守と追手門が両方現存している城は全国でも高知城のほか弘前城・丸亀城の3ヶ所だけで、天守と本丸御殿が両方現存しているのは高知城のみだそうです。

G20サミットの時に、再建された大阪所にエレベーターが云々ということが話題になっていましたが、高知城はガチで江戸時代のままの作りなので天守に上るには階段しかありません。6階建てになりますが、なにしろ階段が急です。ちょっと慌てたら転がり落ちてしまいそう。慎重に上り下りしましたが、この階段のせいで膝を痛めてしまいました。膝に矢を受けてしまってな。

その後旧山内上下屋敷長屋、山内神社、鏡川などを訪れて高知駅前に。駅前広場には土佐三志士の像が建っています。坂本龍馬を中心に向かって左に武市半平太、右に中岡慎太郎。2011年設置ということで新しいものですが、内部が発泡スチロールで表面を強化ウレタンで覆っているという関係で、大型の台風が来ると一時避難することがあるという珍しい像だそうです。高知の人はこの三人を「先生」と呼ぶんですね。

また駅前には「『龍馬伝』幕末志士社中」というパビリオンがあり、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で使用された坂本龍馬の生家のセットが再現されています。大河ドラマを見ていた人にとっては「聖地巡礼」の場所となると思われますが…例によって私は見ていませんでした。でもさすがにしっかりと作られていた印象。

で、帰りはアンパンマン列車ではない「南風」に乗り、岡山で新幹線に乗り換えて大阪に帰った訳でした。鹿児島でも思いましたが地方といっても県庁所在地はなかなかに立派ですよね。それとも薩長土肥といった明治維新の“勝ち組”のせいなんでしょうか?高知は近畿じゃないのに今回の記事を“京の夢大阪の夢”カテに入れてしまいましたが、大阪発ということでどうか一つ(笑)。
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