記憶に残る一言(その104):ジョン・メイトリックスのセリフ(コマンドー)

大方の人には割とどうでもいいニュースかも知れませんが、声優の櫻井智さんが5月31日に活動を再開することを発表しました。2016年9月1日に発声に不安を覚えたことを主な理由として引退発表してから2年9ヶ月。93年頃から声優として活動し、1990年代半ばごろの第3次声優ブームの頃にアイドル声優として一世を風靡しました。























櫻井智は実際80年代後半にアイドルグループ「レモンエンジェル」の一員だったので、日高のり子や佐久間レイ、岩男潤子と同じように元アイドルの経歴を持つ声優な訳ですが、最近では元々声優指向でその前段としてアイドルになり、それから声優に転身する人とか、現役アイドルのまま声優としても活動する人もいますが、昔は完全にアイドルとして成功しなかった(あるいは終わった)人の転出先の一つといった感じでした。

彼女の場合、声優時代しか知らない熱狂的なファンがアイドル時代の彼女のことを全く知らず、知ってショックを受けるということもありました。いや、たいしたことじゃなんですが、レモンエンジェルは典型的なアイドル冬の時代のグループで、パンチラを前提としたような大胆な衣装と振り付けで活動していたので。そもそもレモンエンジェル自体がアダルトアニメ「くりいむレモン」から派生した深夜アニメ「レモンエンジェル」とのメディアミックスの中で生まれたものでしたし。あ、別にディスっている訳ではありません。人に歴史ありというか、若い頃はみんないろいろ苦労しているんだということです。

ということで本日の本題は記憶に残る一言で、1985年に公開された米映画「コマンドー」から主人公ジョン・メイトリックスのセリフを取り上げてみたいと思います。演じたのはシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガーです。

前年1984年の「ターミネーター」でヒト型潜入掃討アンドロイドT-800を演じて注目されたアーノルド・シュワルツェネッガーが、ビルドアップされた肉体を存分に活かしたアクションを披露し、悪役から一転して正義の味方として大活躍した本作は、シュワルツェネッガーのアクションスターとしての地位を不動のものにしました。

かつて精鋭部隊・コマンドーの指揮官として名を馳せたジョン・メイトリックスは、退役後娘と山荘で静かな生活を送っていましたが、謎の武装集団に襲撃され、娘をさらわれてしまいます。犯人はかつてコマンドー部隊の活躍で失脚した南米のバル・ベルデ共和国の独裁者アリアスで、娘の命と引き換えに現大統領の暗殺を強要します。

その後メイトリックスは一瞬の隙を突いてバル・ベルデ行きの飛行機から脱出し、独裁者の拠点を突き止めるべく隠密行動を開始し、キャビンアテンダント・シンディの協力もあって拠点を突き止め、完全武装で乗り込んで派手なドンパチの末に娘を救出するのですが、シュワルツェネッガーは2014年に「映画史上最も人を殺した俳優」て第一位に選ばれており、出演作中で一番人を殺害したのは本作の74人なのだそうです。

バル・ベルデ行きの飛行機に搭乗させられる直前、アリアス一味の一人であるサリーが「ビールでも飲んでリラックスしな、娘の面倒は俺がしっかり見ててやるよ」と、メイトリックスを愚弄します。これに対してメイトリックスは不適な笑みを浮かべ「面白い奴だ、気に入った。殺すのは最後にしてやる」と答えます。サリーは、ただの負け犬の遠吠えだと思って、薄笑いで聞き流しますが……

わずか1時間後、監視役の首をへし折って飛行機脱出したメイトリックスは、カーチェイスの末にサリーを追い詰めます。崖の上から左腕でサリーを宙吊りにし、娘の居場所を聞き出そうとしますが、サリーは「何も知らない」の一点張り。しかしメイトリックスはサリーの車からモーテルの鍵を見つけていました。サリーはもはや用済み。

「お前は最後に殺すと約束したな」 と空港でのセリフをちらつかせるメイトリックス。サリーは命乞いしますが…

「あれは嘘だ」の一言であっさり手を放すメイトリックス。


絶叫と共に崖下の暗闇に落下していくサリー。通称筋肉式キャッチアンドリリース。「殺すのは最後にしてやる」のセリフは何かの伏線のような気がしていたが、別にそんなことはなかったぜ!
ネットでは「〇〇と言ったな、あれは嘘だ」と言う具合に、いともたやすく行われるえげつない行為というニュアンスで用いられる事が多いようです。どうしてこのネタを持ってきたのかと言えば…櫻井智には「引退すると言ったな。あれは嘘だ」とか言って欲しかったなと 。

ブラック企業編①
「今日はもうおしまいと言ったな。あれは嘘だ」さあデスマーチの始まりです。会社に寝袋持ち込みは必須?せめて残業手当は払ってYO!「残業すると言ったな。あれは嘘だ」と返したい。

ブラック企業編②
「有給休暇があると言ったな。あれは嘘だ」面接で騙すのは勘弁です。私は残った有給を買い取る制度が欲しいですな。一日一万位でどうでしょう。

交番編
「お礼は必要ないと言ったな、あれは嘘だ」拾った財布を届けたら、意外に入っていた時。一番いいのは落とし主が現れなかった時ですね。私も鞄ごと電車の網棚に置き忘れたことがあるので、ネコババはやめて。(お礼はしました)

結婚編
「俺は最高であると言ったな、あれは嘘だ」何が最高なのかよくわかりませんが、甘言に惑わされずに結婚前にはちゃんと自身でチェックしましょう。恋愛脳になってると難しいかも知れませんが。当然男女逆転版もありますよ。

ときメモ編
「一緒に帰ると言ったな、あれは嘘だ」詩織…ひどい。が、詩織の求めるスペックに達していない自身の不徳を恥じるべきなんでしょう。

ネット詐欺編
「メール一通で100万円と言ったな。あれは嘘だ」そもそも信じるなそんな嘘広告!

宮崎駿編
「引退するといったな。あれは嘘だ」そもそも引退するする詐欺なんですよねこの人。ジブリで11作品を監督したうち7作品で引退を宣言しているんだとか。

ボジョレーヌーボーの出来のキャッチコピーか。好意的に解釈すれば一回一回全身全霊を込めて取り組んでいるから引退したくなるくらい気力も体力も消耗するんだということかも知れませんが、いちいち引退を仄めかさんでもね。

なおシュワちゃんの娘役はアリッサ・ミラノ。本作が評判になり人気を不動のものとし、日本でも「アメリカの後藤久美子」と注目されてアイドル雑誌などに特集が組まれるほどでした。

しかし大人になったら別人ですねこの人…。「ロリキャラだと言ったな。あれは嘘だ」(言ってません)

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