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2019年春季アニメの感想(その3):機動戦士ガンダム THE ORIGIN

淀川の城北ワンド

 沖縄・奄美地方は梅雨入りしたということです。本日の曇天は、大阪に梅雨前線が近づいているような気配を感じさせますが、あんまり暑くなくて個人的には快適です。来週前半までぐずつくみたいですが、流石に梅雨突入にはまだ早いでしょうかね。画像は城北ワンドです。土曜日にいつも歩く淀川にあって、河川工事の副産物としてできた川岸二連なる池のような部分なんですが、釣りに良いスポットらしいです。今日は釣りにも向いてる日でしょうね。

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 序盤乾燥

 さて本日は春季アニメの感想第三弾。満を持して「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」です。3話まで見ましたが、実は放映されているのは2015~2018年に制作されたOVA全6話を再編集したもので、私はOVA版の方を3話まで見ているので、テレビ版では6話分相当ということになっています。ネタバレになってしまうといかんので、テレビ版3話(OVAの2話の前半)までを紹介したいと思います。

マチルダ救出作戦

 そうかOVAか。どうりで長いと思ったら1話約1時間ありましたよ。私もこう見えてファーストガンダム世代。ガンダム界(?)では一番面倒くさくてうるさいと思われている世代かも知れませんが、実は本放送時は部分的にしか見ていないのであんまりいばれなんです。放送部の先輩達が騒いでいたので見てみたのが23話「マチルダ救出作戦」。Gファイター登場という回だったんですが、いきなり中盤を見ても何がなんだかでした。それからしばらく放置して、再び見たのがキワモノMAザクレロが登場する32話「強行突破作戦」でした。この頃同時間隊に全日本プロレス中継をやっていて、どっちを見るか悩ましいところだったんですよね。

ソロモン攻略戦

 35話「ソロモン攻略戦」のスピーディーかつ大規模な宇宙戦に魅せられて、そこから最終回まで一気でしたが、「宇宙戦艦ヤマト」同様、人気に火がついたのは再放送からでした。再放送の際には1話から全部見ましたよ。本放送時に見たアムロは戦闘マシーン化していたので、序盤のぐちぐち面倒くさいアムロには驚きましたが、今考えると素人をいきなり軍人にしているんだから当たり前というか、あんなもんじゃ済まないだろうとか思います。

スーパーロボットっぽいガンダム

 それはそうとリアルロボットアニメの嚆矢とされるガンダムですが、今考えるとかなりスーパーロボットの尻尾を引きずっていました。バンクシステム(あわわ…)はさておくとして、主題歌の歌詞とかね。またモビルスーツは量産兵器なんですが、ガンダム自体はコスト度外視でふんだんに新機軸を投入された試作機という設定で、単機大気圏突入も可能など、他のMSとは一線を画した性能を持っていました。であればこそ素人のアムロはニュータイプ覚醒まで生き延びることができたとも言えますが。

ダンバインとビルバイン

 本作以後のサンライズのリアルロボット系アニメ作品の主役メカは、より量産兵器の色彩を強くしていった気がします。反面、量産兵器であるが故に、序盤はともかく中盤以降は敵の新型機に対抗することが難しくなり、途中で主役メカが交代するという現象が起きるようになりました(例:ザブングル→ギャリア、ダンバイン→ビルバイン、エルガイム→エルガイムMk-Ⅱ)。このタイトルと主役メカが異なる「看板に偽りあり」状況をなんとかしようとしたのか、「機動戦士Zガンダム」では主役メカのZガンダムが中盤から投入されるという手段が取られましたが、それはそれで序盤の主役メカを務めたガンダムMk-Ⅱ時代がやはり「看板に偽りあり」状態でしたな(笑)。

ガンダム THE ORIGIN 原作漫画

 ともあれ、ガンダムは作中で描かれなかった部分が多々あり、それは番組冒頭のナレーションで一応の説明はされたほか、後発作品やゲームなので一部映像化されるなどしてさらに詳しく描写されましたが、それでもシャアの幼少期とかまでは描かれていなかったので、ガンダムシリーズ専門漫画雑誌「ガンダムエース」に、創刊号(2001年6月発売)から連載された安彦良和の漫画「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」は興味深い作品でした。これをアニメ化したのが本作ですが、原作自体、ファーストガンダムをベースにしていたものの、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジが施されていたので、ファーストガンダムを完全に補完するというよりは、辻褄が合わないとか非現実的だという部分を手直ししたリメイク版という色彩が強いかも知れません。漫画版はファーストガンダム自体をリメイクしているのですが、OVAの方はファーストガンダム前史であるルウム戦役を描いた6話で終了しています。その辺り、完全リメイクしている「宇宙戦艦ヤマト」と異なりますね。

宇宙戦艦ヤマト2199

 「宇宙戦艦ヤマト」こそ、本放送時に全話視聴したんですが、じゃあリメイク版「宇宙戦艦ヤマト2199」を見たかと言われれば、全く見ていませんし、見る気もありません。別にリメイク版を見た人・見たいい人にどうこう言う気はありませんが、私自身は矛盾は突っ込みどころは多々あれど、ヤマトはあれはあれで完結しているんじゃないかという想いがあって、矛盾点などについてもどう解釈すれば辻褄があうかを考えた方が楽しいとか思ってしまいます。ファーストガンダムはヤマト以上に思い入れが強い人がいる気がするので、アニメでフルリメイクするとなると必ずしも歓迎されないかも知れませんね。

やばいジオン

 何はともあれファーストガンダム前史である「THE ORIGIN」です。必ずしもファーストを補完する作品ではないということを念頭に感想など行ってみましょう。まずは第1話「ジオンの子」。これまで断片的に知られていた以上にパパンのジオンが感情的というか情動的です。簡単に言うとヤバイ感じ。しかもママンのアストライアは実は妻ではない、つまりは愛人とか愛妾という立場であるという。「人の革新」を唱える割にそいういうところは極めて旧態依然としているのがガンダム世界なんですが、ニュータイプと色恋は別物だということなんでしょうかね。宇宙世紀も不倫は文化か。

本妻ローゼルシア

 ジオンの本妻はこの人、ブル連隊長ローゼルシア。独立運動の理論家として活躍したジオンの古くからの同志であり、資産家として財政面で彼を支えたパトロンでもあったようです。残念ながら子供は授からなかったということですが、それは愛人作って子供を産ませていい理由にはなりませんな。シャア達が住んでいたダイクン邸も元々彼女のものだそうで、それじゃあシャア達が塔に追いやられても仕方がない。ローゼルシアは本気でジオンを愛していたかも知れませんが、ジオンの方はローゼルシアの金目当てで結婚したんじゃないかという気もしてきます。

ダイクン一家
幽閉用の塔

 そんな訳でアストライア達に冷たく当たり、セイラに意地悪おばさんと言われるアストライアですが、大人の目から見ればそれも仕方ないよなと思ってしまいます。シャアとセイラは本来「非嫡出子」ということになりますが、ローゼルシアに子がないためジオンの直系はこの二人しかいないという。もしローゼルシアに子供いたらジオン亡き後の情勢は大分変わっていたかも知れません。

デギン・ザビ

 ファーストではジオンを暗殺したのはデギン・ザビである気配が濃厚でしたが、本作では誰が殺したのは不明。民衆は連邦説だと思ってたり。ザビ派と対立するジンバ・ラルは完全にデギン犯行説ですが、証拠は特にありません。

ジンバ・ラルもやばい

 で、このジンバ・ラル。ファーストの印象では幼いシャアとセイラを守り抜いたジオンの忠臣といった印象だったんですが、本作ではザビ派と対立するラル派の領袖といったところで、ジオンの遺族を匿ったのにもこの人なりの欲得とか打算がある様子。人間らしいといえばそうですが、ジオン・ダイクンといいジンバ・ラルという、非常に俗物の気配が。

若いランバ・ラル

 ジンバ・ラルの息子ランバ・ラル登場。ファーストの10年前なので当然ですが若い。既に大尉の階級を持っていますが、10年経ってもなお大尉だったということはまさに万年大尉ですね。まあザビ家が覇権を取った後のサイド3に残っていたら、対立派閥のラル家の息子なんて生きていられるだけでもありがたいかも。

歌姫ハモン

 そして当時からラルと恋仲らしいハモンさん。なんかキャッツアイ風ですね。クラブの歌姫らしいですが、ファーストより色っぽい。CV沢城みゆきのせいか、峰不二子っぽいという感じもしますが、能力的に本当に峰不二子っぽいことは後に判明します。

ザビ家の兄弟
激おこのサロス

 こちらはザビ家の兄弟。ガルマはさっきデギンの後ろにいました。一人知らない人がいると思ったら次男のサスロでした。この次男についてはファースト当時からザビ派によるジオン暗殺の報復としてダイクン派に暗殺されたとされていましたが、実物を見るのは初めてです。長男ギレンと三男ドズルでは容姿があまりにも違いすぎると思っていましたが、その間をつなぐミッシングリングのような姿ですね。ガウォークというあだ名を捧げたい。

サスロ暗殺その2
サロス暗殺

 そして爆破により暗殺されるサスロ。物語の描写的にやったのは明らかにキシリアのようなんですが、ラル派の犯行ということに世論操作され、ラル派は失墜します。ギレンもキシリアの犯行と知っていて状況だけうまく利用したような感じです。後にギレンを殺害するキシリアですが、兄を二人も手にかけるとは。ギレンもサスロ暗殺を知っていたならもっと警戒しておけよと突っ込みたくなります。
ジオン紙報道その1
ジオン紙報道その2
同乗していたのに生きてるドズル

 サスロ暗殺時、爆破された自動車に同乗していたドズルは負傷しながらも生存。顔の傷はこの時できた模様ですが、すぐ隣に座っていたのにこの程度で済むとは。もしラル派の報復テロであるならば、ドズルに斟酌する必要などなく、自動車ごと派手に爆破して二人もろともに殺害してもなんら不思議ではないのですが、あえてサスロのみをターゲットにした様であるあたり、やはりドズルには特に遺恨がないキシリアの犯行であるというのが有力な気がします。

キャスバルと単独会見するキシリア
シャアとキシリア

 そしてシャアと単独会見するキシリア。匿われているラル家から出てダイクン邸に戻るように説得しますが、パパンを殺したのはザビ家だと疑っているシャアは納得しません。

迫るキシリア
キシリアの手錠プレイ

 怒ったふりのキシリアはまさかの手錠プレイ。「お姉さんが“変な性癖”を教えてあ・げ・る」的な。ファーストガンダム第41話「光る宇宙」で、シャアがキシリアから正体がキャスバルであることが露見していることを知らされる場面で「私は4歳ごろのキャスバル坊やと遊んであげたことがあるんだよ。お忘れか?」と言っていますが、こんなことをあったんならそれどころじゃない(笑)。「私は11歳ごろのキャスバル坊やと手錠で遊んであげたことがあるんだよ。お忘れか?」になる。忘れてませんとも。しかし屈しないシャアでした。しかしキシリアにシャア侮り難しの印象を与えたことで情勢はさらに悪く。

愁嘆場

 第2話「母との約束」。ランバ・ラルは、情勢の悪化によりパパンのジンバ・ラルをシャア・セイラと共に地球に脱出させる作戦を立てます。アストライアとの別れに号泣するセイラに対し、無言のシャア。既に状況は理解出来ているようですが、しかしこのシャア、パパンについては何も思っていない様子。後にロリコンとかマザコンとか言われまくるシャア(私も散々言っています)ですが、アストライアがママンでは仕方がないかも。

連邦軍人に化けたハモン

 ガンタンクで迎えに来たのは連邦軍士官に化けたハモン。マチルダさんかと思ったZE。ど、どうやって調達したんだろう?後に軍属でもないのにランバ・ラル隊に同行し、ラル不在時は指揮も執り、部下達からも尊敬され、ラル亡き後はマゼラトップを操縦してアムロをあわやというところまで追い込んだハモンさんですが、それにしてもこの頃から有能すぎるだろうハモンさん。昔は一体何をやっていたんだとか詮索したくなります。

戦争前からあるガンタンク

 そしてガンタンクがザク以前に存在していたという驚きの解釈変更。ガンタンクを純粋な装甲戦闘車両として再設計したとされるガンタンクⅡに似ています。当然コアブロックとかはなし。主力戦車扱いらしいですが、61式戦車との役割分担はどうなっているのやら。そもそもミノフスキー粒子登場前のこの車高の高さは戦車としてどうなんでしょうか。

砲撃するシャア

 前に立ち塞がるガンタンク部隊に対し、シャアが砲撃。いきなりガンダムを操縦したアムロほどではないにせよ、初めて乗った戦車で試射もなしで砲撃して敵を撃破するシャアもすごい。そして爆煙に紛れて脱出して首尾良くランバ・ラルと合流、地球に向かうコンテナに忍び込みます。

テアボロ・マス

 そして第3話「エドワウとセイラ」。シャアとセイラはテアボロ・マスの子として地球で新たな生活を始めます。シャアはエドワウという名前になりますが、シャアの名前の中でも一番マイナーなのでは。テアボロ・マスはジンバ・ラルとは旧知の実業家だそうで、妻に先立たれて商売一筋に生きていましたが、2人を実子同然に可愛がるようになりました。テアボロさんは本当に良い人で、ジンバ・ラル抜きでここでの生活が続いていたら、シャアにも違う未来があったかも知れません。それから3年…

セイラ10歳

 セイラ10歳。見た感じほぼ完成形ですね。

シャア14歳

 シャアは14歳。声が田中真弓から池田秀一に変わってこちらも完成されてきたような。

老いの妄執にとらわれるジンバ・ラル

 ジンバ・ラルはすっかり老いました。しかし老いの妄執に囚われたジンバ・ラル、アナハイム社と密かに接触してザビ家打倒を計画します。それは常に監視していたであろうザビ家に即座に知られるところとなり、視角がやってきます。なんだこの「さまようよろい」は(笑)。横溝正史ミステリーじゃあるまいし、なんで宇宙世紀に鎧姿?

さまよう鎧
ジンバ・ラル殺害

 テアボロは重傷を負ったものの生存しましたが、メインターゲットであるジンバ・ラルはあっさり刺殺。その魔手はシャアとセイラにも迫ります。

鎧を倒すシャア

 セイラを守って剣を振るうシャア、なんと鎧の隙間から刺突して倒してしまいます。ファースト最終回ではアムロに同じ事をされますが、ヘルメットとマスクのおかげで九死に一生を得ましたね。

ミライさん登場

 テアボロ・マスを見舞う友人のシュウ・ヤシマ。娘はミライ。そう、あのミライ・ヤシマです。相変わらず地味ですな。シュウにサイド5のテキサス・コロニーへの移住を勧められるテアボロ。月を挟んでサイド3に近いサイド5なら監視が容易で、ザビ家に恭順の意を表すことになるので反抗などするはずがないと思わせられると。

ラルファイトクラブ

 サイド3ではあれからくすぶってるランバ・ラル。連邦兵相手に喧嘩三昧ですが、そこへやってきたのはドズル・ザビ。モビルスーツの前身であるモビルワーカーの実験を手伝えという依頼でした。ドズルは見かけはフランケンシュタインっぽいですが、ザビ家では一番まともな性格です。だからこそランバ・ラルもドズルの配下になったんでしょう。

ガイアと出会うラル

 行った先にはガイア、オルテガ、マッシュが。後の黒い三連星である。ランバ・ラルとは旧知の仲だったんですね。

モビルワーカー

 これがモビルワーカー。ガンタンクを圧倒して有用性を見せつけます。ファーストではジオンの宇宙軍はドズルの宇宙攻撃軍、キシリアの突撃機動軍に大別されており、突撃機動軍の方がMSの運用に積極的という感じがありましたが、本作ではドズルが開発から積極的に関わっていたことになっています。政争や謀略好きのキシリアよりは生粋の武人気質のドズルの方が確かに適当かも知れません。それにしても黒い三連星はいつからキシリア配下になってしまったのか。

幼いアムロ
アムロ登場

 そしてアムロも登場。まだ酸素欠乏症になっていない有能エンジニアのテム父さんと共に宇宙に向かうようです。持っているのハロが入った箱。私は、ハロはてっきりアムロがサイド7時代に自作したロボットだと思っていましたが、まさかの市販品だったんですね。後にアムロは誕生日プレゼントとしてフラウ・ボゥに渡していますが、いくら朴念仁のアムロでも、まさか中古の市販品をそのまま渡すとは思えないので、きっと中身は魔改造しているに違いありません。

ジト目のセイラ

 その様子を見ていたセイラ。ちょっとジト目風ですね。「それでも男ですか!?」とか思ってそう。セイラはミライ、アムロと計らずもこの頃に出会っていたんですね。それにしてもセイラがセーラー(笑)。

テキサスコロニー

 セイラが、サイド7に移る前にテキサス・コロニーにシャアと共に住んでいたというのは意外でしたね。テキサスはシュウ・ヤシマの所有で、バブル期にテーマパークとして作られたのを買い取ったんだそうですが、宇宙世紀にもバブル期があったんだ。一体どれほどの建設費用か想像もつかないコロニーをまるまるテーマパークにするなんて、よっぽどのバブル景気だったんでしょうね。しかしそういう経緯があったにしては、ファーストでホワイトベースとザンジバルがテキサスを訪れた際、シャアもセイラも何のリアクションもありませんでしたな。ミライも「ここはパパのコロニー」とか呟いてもよかったんですが。
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