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ブログタイトルの由来について

私の住む場所から見た形に近い筑波山
 
 秋が本格化してきて、長すぎた夏の記憶がようやく薄れ始めてきたところですが、なんと来週にはもう11月。立冬が来ます。既に晩秋ですよ晩秋。この気候のまま一ヶ月位巻き戻してもらいたいですね。もっと秋を満喫したいです。

 さて、今日はいつもと趣向を変えて、当ブログのタイトルの由来について語りたいと思います。「その他」が増えるのが嫌なので、新カテゴリーをとも思いましたが、後が続くか判らないのでとりあえずは泣く泣く「その他」で。「海外」もなんとかしなければ(汗)。

筑波山神社

 筑波嶺はもちろん筑波山のことです。西側の男体山と東側の女体山の二つの嶺を持つ日本のツインピークスです。標高は877メートル(女体山)と1000メートルにも満たない低い山ですが、姿の美しさから江戸では「西の富士、東の筑波」と並び称されていました。「紫峰」という雅称もあります。

 深田久弥が「日本百名山」に選んでいますが、百名山では一番標高が低く、1000メートル未満なのは鹿児島の開門岳(924メートル)と筑波山だけです。深田は選定基準として

①山の品格:誰が見ても立派な山だと感嘆する山であること
②山の歴史:昔から人間との関わりが深く、崇拝され山頂に祠が祀られている山であること
③個性のある山:山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性をもっていること

を挙げています。

歌川広重の名所江戸百景に描かれた筑波山

①については富士山と並び称される美しい山容から問題ないでしょう。②についても、万葉集や常陸国風土記に記されているなど由緒があり、古くから話題になっている山であり、山頂には筑波山神社や大御堂があるので十分です。③はツインピークスであることや、例の「歌垣」(古代の乱交パーティーとでもいう行事。万葉集に入っている高橋虫麻呂の歌の「人妻に 吾も交はらむ わが妻に 人も言問へ」で有名です)の場所であったことなどからクリアしていると思います。山が低いことが幸いしてか、とにかく人との関わりが深い山ですね。

筑波山山頂

 私ユースフは筑波山に住んでいる訳ではなく、筑波山が見える辺りに住んでいるということで「筑波嶺」の名前を拝借しております。ごく近いかというばそれほどでもないのですが、まあ東京で見るよりは遙かに大きくくっきりと見える辺りに住んでいるとお考え下さい。筑波山を眺めながら夜に想いを綴る…というと、イメージは何か綺麗ですね。こんな内容ですいません(笑)。

陽成院の和歌

 しかし種明かしをしてしまうと、直接的には百人一首の陽成院の和歌「つくばねの 峰よりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりける」から取ったのです。百人一首では「淵となりぬる」となっていますが、私は「ける」の方が好きです。

 「筑波山の峰から流れ落ちるわずかな水は、集まって男女川(みなの川)となるのですが、その男女川の淵のように、私の恋も次第に積もり積もって、今では淵のように深くなってしまいました」という感じの意味でしょうか。

男女川

 陽成院というのは第57代の陽成天皇のことで、80才という当時として非常に長命の方でしたが、在位は7才から15才までの8年弱ということで、長い後半生を上皇として過ごしています。清和源氏の祖であり、本来は「陽成源氏」とするべきなのですが、暴君の評判があったため、それを忌避して陽成院の父である清和天皇に祖を求めたという説があります。

 暴君の評判というのは、蛙を蛇に呑ませる、犬と猿を戦わせる、人に切りつけるなどの異常行動などがありますが、最大のもの、乳母の子(乳兄弟ということになりますね)の源益(みなもとのすすむ)を宮中で殴殺したというものでしょう。これが事実であれば確かに未曾有宇の不祥事ですが、天皇を廃位し、自身の意向に沿う光孝・宇多帝を擁立した藤原基経の罪を抹消するための作為という説もあって真実のほどははっきりしません。退位後も琴の弦で女を縛って水に沈めるなどしたことが記録されており、事実なら狂気というか凶暴というか…

知足院中禅寺大御堂

 歌は釣殿宮綏子内親王に宛てたもので、陽成院の妃になっています。江戸時代の文学者契沖の説によると、万葉集の「筑波嶺の 岩もとどろに 落つる水 世にもたゆらに わが思はなくに」(筑波山から岩をとどろかせて落ちてくる水のように、あなたを思う私の気持ちが絶えることがあるなどとは思っていません)に影響を受けた歌だということです。この歌については筑波山に歌碑があります。

万葉集の歌碑

 陽成院の方は、もちろん当時の貴人なので実際に筑波山を訪れたり見たりしたことはないでしょう。そもそも「恋ぞつもりて 淵となりける」が言いたいので、どこの山でのどこの川でもいいような気もしますが、「筑波山」と「みなの川」がそれなりに有名であったことや、「つ」「み」「ね」を重ねることで押韻を効かせるという、耳で聴く際の効果を狙うために選んだのでしょう。

 なお、男女川は下流で桜川となり、霞ヶ浦に注いでいます。「淵のなりける」の「淵」が霞ヶ浦であるという説もあるようですが、流石に日本で二番目に大きな湖は「淵」のイメージにはそぐわないのではなかと。元は海の海跡湖ですしね。

桜川と筑波山

 恋心をあふれる深い水に例えるのは古来からある常識的な比喩だそうで、この歌自身はあまり評価が高くないようです。曰く「とりたてて言うほどの特徴はない」「想としては無意味極まる空虚な歌」「常凡の域を脱していない」……陽成院、泣いちゃうかも(笑)。陽成院自身、歌人としては知られておらずこの歌のみが知られているようですが、その一首が百人一首に選ばれているという辺り、凄い「一発屋」とも言えますね。現代なら「アラジン」とか「トムキャット」(古い!)辺りでしょうか。

 そんな「一発屋」の和歌から想を得て始めた当ブログですが、私自身はこの歌結構好きです。百人一首は藤原定家という当時最高の歌人が選んだものなので、定家には認められた歌といってもいいでしょう。百人一首の話題はまた改めてしたいですね。

秋の筑波山

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