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ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣:CMどおり手強いシミュレーションRPG

花散らしの雨

 花散らしの雨となった大阪。今年は長く楽しめた桜ですが、いよいよお終いでしょう。ちょっと寂しいですが、これから初夏にかけてはいろんな花が咲き乱れるので、今度はそっちを楽しみにしましょう。

ファイアーエムブレムパッケージ 

 レトロゲームを語る日曜日、本日は「ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣」です。本作は1990(平成2)年4月20日発売。現在もシリーズ作品が発売され続けている人気シミュレーションRPGシリーズの記念すべき第1作目にして、我々コンシューマー機ゲーマーにシミュレーションRPGのなんたるかを教えてくれた記念碑的作品です。「ファミコンウォーズ」で知ったウォー・シミュレーションとドラクエやFFのようなファンタジーRPGの要素を融和しながら、独自要素を多数有していました。



 ファイアーエムブレムというと思い出すのはこのCMです。うぉお…あれから29年も経っているのか。本物のオペラチームにコスプレさせて、本物の馬まで舞台に上げるという本格派ですが、CMだけ見てもゲームの内容は一切伝わらないという(笑)。

ファイアーエムブレムトップ絵 

 ただし、歌詞の ♪ファイアーエムブレム 手強いシミュレーション 勝って来るぞと勇ましく 危なくなったなら スタコラ逃げろ おごれるものは ドツボにはまる♪ は、プレイしてみるとしみじみ感じるところがあるフレーズですね。

ファイアーエムブレムチラシ 

 ファミコンウォーズではただの駒に過ぎなかったユニットに命と個性が付き、生きている存在とプレイヤーに感じさせ、感情移入を高めることに成功しています。反面、戦いで死んだら生き返らないというシビアなシステムとなっていました。一応終盤一人だけは復活させられるのですが、基本は誰も死なせないことを目標にプレイしていくことになります。死んでしまうとクリア後に見られる後日談が見られない(「○○にて倒れる」だけになってしまう)だけでなく、その後の戦闘自体が一層シビアになってしまいます。主人公は死んだらゲームオーバーですが、主力ユニットが死んだ場合は自主的にゲームオーバーにせざるを得ないという。何度やり直しをしたことやら。これが本当の「死に戻り」。

ファイアーエムブレムカセット 

 ストーリーは、ファンタジーの王道です。地竜王メディウスと勇者アンリとの戦いから100年後、突如復活したメディウスにより、アカネイア大陸は戦乱の時を迎えます。アンリが建国したアリティア王国も、メディウス率いるドルーア帝国と傘下の連合軍によって滅ぼされてしまいました。王子であるマルスは姉のエリスの助けによって辺境の国のタリス王国へと亡命するも、エリスはドルーア帝国に味方する魔道士ガーネフによってさらわれてしまいます。2年後、マルス達アリティアの戦士たちは、タリス城への海賊襲撃をきっかけにドルーア帝国を打破するべく、そして愛する姉を取り戻すべく立ち上がるのでした。

ファイアーエムブレムチラシその2 

 ということで、亡国の王子マルスは、配下の一党と、タリス王国の戦士達とともに戦いに挑むことになります。タリスは自国防衛以上の義理はないような気がしますが、王女のシーダがすっかりマルスにホの字なので。当初の目的は、アカネイア大陸の宗主国であるアカネイア王国の唯一の生き残りであるニーナ王女との合流、続いてアカネイア王城の奪還、さらにアリティア王国への帰還、姉エリス救出と神剣ファルシオンの奪回と続き、暗黒竜メディウスのドルーア城に攻め込みます。

美麗マルス王子 

 戦いの中で様々なユニットが仲間に加わります。原則死んだユニットは生き返らないシステムなので、仲間が増えることは結構なことなのですが、自動で仲間になってくれるユニットはまれで、大半はユニットのいる村を訪問したり、当初は敵として出てくるユニットに味方ユニットを接近させて説得する必要があります。村の場合は盗賊が狙ってる場合があり、盗賊に先を越させると仲間にできなくなり、敵ユニットの場合は不用意に近づくと先制攻撃を受けてしまったりといろいろ厄介です。また説得は誰でもいいという訳ではなく、マルス王子ないし兄弟など特定のユニットのみという制限がある場合が多いです。

シーダ王女 

 説得といって真っ先に思い出すのがタリスの王女シーダ。大半の地形で影響を受けないペガサスナイトである彼女は、可憐な容姿と心優しい性格で人々を惹きつける不思議な魅力を持っているというというこで、敵ユニットを寝返らせる能力に突出していました。私は“ナンパ師シーダ”と呼んでいました。初期メンバーであるタリス王国の傭兵オグマが生きる意味そのものを与えてくれた存在として心服しているほか、主従関係を持とうとしないナバールからも命を懸ける価値ある人物と見られており、剣士にモテモテ。しかし本人はマルス以外眼中にないという。

 暗黒竜メディウス

 以下、シーダがナンパしたユニット達です。
①カシム:クラスはハンターで、母の治療費に困って海賊に雇われていましたが、シーダから薬代を貰って寝返ります。ただしハンターの弓はペガサスナイトの天敵なので、接近は慎重に。

ナンパ師シーダ

②ナバール:盗賊団に雇われていた凄腕の剣士で、クラスは傭兵。シーダの「私をその剣で好きなようにして…」と言われて「女を斬る剣は持っていない」の台詞と仲間になります。その後はオグマ隊長と並ぶ主力となります。ま、シーダがナンパせずにいると女子供でも平気で手にかける外道として散っていくんですけどNE!なおリメイクでは全ユニットが全般的にグラフィックが向上するのですが、ナバールの変貌ぶりは特にものすごいです。もはや耽美派美形。

ナバールの変遷 

③ロジャー:クラスはアーマーナイト。元々戦争嫌いな性格を見抜いたシーダが、戦争の虚しさを説いてナンパします。相手を注意深く観察して弱点を突いていくシーダ…恐ろしい子!

オグマ隊長 オグマも格好よくなった

④ジェイク:クラスはシューター。アンナという地元女性と交際していますが、シーダからアンナが「この国の人たちのために戦ってくれるならどこまでも付いて行く」と伝えて欲しいと言われた、と誇張を交えた説得を受けて仲間になります。いや、そこまでは言っていなかった気もしますが…

エリス救出 

⑤ロレンス:クラスはジェネラル。シーダのパパンであるタリス王とは旧友の間柄ということで、力を貸して欲しいとシーダに説得さるとホイホイ仲間になります。コネって大事ですね。

ミネルバ王女 
ファミコン時代のパオラ ファミコン時代のカチュア

 あと印象的なのはペガサスナイト三姉妹。マケドニア白騎士団所属で、マケドニア王国はドルーア帝国側の連合国の一角となっています。白騎士団団長であるミネルバ王女は、妹マリアが人質になっているのやむなく従っているという状態なので、マリアを救出することで味方になります。

スーファミ版のペガサス三姉妹 

 パオラ・カチュア・エストの三姉妹は、敵ユニットを取り囲むことにより必殺の一撃(暗黒竜・紋章においては通常の3倍ダメージ)であるトライアングルアタックを繰り出すことが可能です。マケドニアの白い三連星と言われているとか言われていないとか(言われていません)。でもジェットストリームアタックというかトリプラーというか。

ペガサス三姉妹 
後作のペガサス三姉妹 

 この三姉妹もリメイクでは美形になっていますが、オリジナルはかなりしょぼかったです。ファミコンの貧弱なグラフィックでは仕方ないといえば仕方ないんですが、そもそも当時はそんなに美形揃いにしようと思っていなかった節があります。なお長姉パオラと末妹エストはアリティア騎士団の“黒豹”アベルを好きになりますが、アベルはエストと相思相愛になり…。次姉カチュアはマルス王子に好意を持ちますが、こちらはシーダがいるので最初から実らぬ想いということになります。なおカチュアの想いは死亡時のみ判明するので、知らないままエンディングを迎えるのが正しいプレイスタイルではないかと。なおエストも一度はアベルと結ばれますが、パメラの想いをを察してか後に突如としてアベルに別れを告げ、姿を消すことに。悲恋ばかりか三姉妹。

リフ登場 
リフが傷薬に

 僧侶リフ。ただのGGEなんですが、序盤は役に立ちます。しかし女性僧侶レナが加わると即座にリザーブに落ちて使われなくなります。リメイクでは容量不足のせいか登場せず、リフ登場の場面で代わりに傷薬を貰えるということでネタキャラになってしまいました。傷薬などの回復アイテム、もしくは回復行為そのものの事を指す「リフる」という言葉が出来たりして。異常な人気からか、その後のリメイクではまた復活しています。

老将ジェイガン 

 ジェイガン。アリティア騎士団長で序盤唯一の上級職であるパラディンで、序盤は非常に強力なユニットですが、老体ゆえかレベルアップしてもステータスがほとんど伸びません。なので他のユニットを使って苦労した方が後々自分のためになり、安易にジェイガンに頼っていると痛い目を見ることに。「今回のジェイガンは~」と、序盤のお助けユニットを通称ジェイガンと呼ぶことは、もはやコンピューターゲームの専門用語の1つにもなっているとか。

黒騎士カミュ 

 黒騎士カミュ。ドルーア帝国傘下の連合国の一角であるグルニア王国の精鋭・黒騎士団団長にして、アカネイア大陸最強の騎士と評され、三種の神器の一つ、神槍グラディウスを操ります。アカネイア王国のニーナ王女が処刑を免れたのはカミュに匿われたおかげであり、二人は相思相愛の仲になりますが、それぞれの立場により敵同士に引き裂かれてしまいます。その後もカミュへの想いを忘れられなかったことが悲劇を生むことになりますが、それはまた別のお話。マルス軍との壮絶な戦いの中で散華したと思われていましたが…

カミュとニーナ 
カミュとニーナその2

 美形かつ話せば解りそうなルックスから、説得を試みたプレイヤーは多数と言われます。難関マップに登場ということもあり、もし説得出来たら一気に難易度は急降下するところなんですが、残念ながら仲間にはなりません。この「戦いたくない敵」「仲間になりそうでならない敵」は、シリーズ恒例となってしまいました。

マチスー、前、前 
レナの説得 

 マチス。ソシアルナイトで、比較的序盤で仲間になってリフのポジションを奪うレナの兄でマケドニア王国の貴族です。能力が低いので特に仲間にしなくても問題はないのですが、登場早々に厭戦派で「レナに会いたい…」などと言っているので、レナが説得すれば仲間になるのが見え見えのユニットです。しかし、会いたいと言った口の渇かぬうちから、説得しようと接近してくるレナに平気で攻撃しかけてくるというド外道でもあります。

紋章の謎での後日談 

 その図抜けた間抜けさから「バカ兄貴」の愛称がつけられたほか、顔が解っているはずの相手に攻撃するという理不尽なシステムは完全にネタ扱いとなり、後のシリーズにも“仕様”として採用されるなど、半ば伝統・恒例となってしまいました。

魔道士ガーネフ  

 本作はシミュレーションRPGの様式を確立したと評され、後に多数のフォロワー作品・続編・リメイクを生み出し、ゲーム業界に新風を巻き起こしたと言える作品です。しかし発売当初の評価は芳しくなく、売れ行きが悪くて値崩れを起こしたほどだそうですが、一部のファンから根強い支持を得て、口コミにより評価が高まりました。名作は埋もれないということですかね。しかし初代だけあってシステム周辺が面倒・不便な点も多々ありました。また全体的な難易度も高く、プレイのハードルは高かったのですが、詰め将棋のようなストイックさがまた一部に熱狂的に支持されたりして。

小学館の公式ガイドブック 

 小学館から発売された公式ガイドブックは、学者・プロ棋士、そして漫画家のしりあがり寿がコラムを執筆しているほど濃い内容でした。特にしりあがり寿のコラムはイラスト付きなのでインパクトがありました。「弓矢くらい根性で耐えろパオラ」とかは笑いましたね。
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