好きなアニメキャラ(その101):メーテル(銀河鉄道999)

啓蟄も過ぎて本格的に春らしくなってきましたね。今日のように天気が良いと日差しの強さを感じます。淀川の堤防では土筆を探す人の姿も。洗濯物が乾きやすいのはいいのですが、虫も出てきましたね。我が社宅、昨年は“G”ことゴキブリが出現しなかったのですが、今年はどうか。そういえば札幌でも出ませんでしたね。札幌の場合は気候と高さ(13階)のせいだと思いますが、大阪の場合は餌になりそうなものがないからではないかと。茶殻で良かったら食べに来いや(笑)

本日は好きなアニメキャラ。今回はなぜ100回記念でやらなかったかと後から臍を噛んだメーテルです。こんな大物を取り上げずに来てしまったとはなんたる不覚。少年たるもの、年上の女性に憧れる時期が必ずあると思うのですが、その“少年の憧れ”を体現したかのようなキャラがメーテルだと思います。「銀河鉄道999」は原作、テレビアニメ版、劇場版で多少の差違があるのですが、主として劇場版に準拠して語りたいと思います。

とにかく美人で、落ち着いた大人で、理知的で物静かでありながら妖艶さとミステリアスさを併せ持つ女性で、主人公星野鉄郎を銀河超特急999で銀河の旅に導きます。機械の身体をタダでくれる星へ連れて行くという話でしたが、実はママンである機会帝国の女王プロメシュームの命により、機械化惑星の部品となる意思強固な青少年を集めるという役目を担っていました。ネジやビス、ナットといった部品であっても機械の身体と言えば言えるのでしょうか。

しかし実はパパンは反機械化世界を目指しているドクター・バンで、既に肉体は失ってメーテルのペンダントヘッド(黒いカプセル)になっていますが、重傷を負ったメーテルを治癒させるといった特殊な力を持っています。自分は機械の身体になっているとも言えますが、それでも反機械化を目指すという。パパンは「機械化惑星を破壊すべく、多数の同志をその中心部へ送り込む」という作戦をメーテルに課しており、すなわちメーテルが連れて行く青少年は機械化惑星の部品にされるけど、それは将来機械化惑星を破壊するための「埋伏の毒」であるということになります。

ルックスとは今更言うまでもないのですが、いわゆる典型的「松本美人」です。細身の長身、長い睫毛に切れ長の目、腰まで伸びた金髪、そして憂いを帯びた微笑み。少年漫画ではファッションに注意を払わないので、いつも一張羅なわけですが、メーテルの場合は首周り・袖口・裾にファーをあしらったケープ付きコート、ロングブーツ、パパーハ姿で有名です。

パパーハはアストラハン・ハットとも呼ばれるコーカサス地方の帽子ですが、もはや日本では「メーテル帽」で通っているのではないかと。黒一色で統一しているのは、「喪服」としての意味合いがあるためだそうです。「メーテル帽」で検索したらご覧の有様だよ!


ちなみに上着の下は黒のワンピース、黒い下着を着用してる模様で、やはり黒一色で統一。女版久我重明というべきか、久我重明が男版メーテルなのか。

実はメーテルの身体は本物の身体ではないらしく、本物の身体は冥王星に眠っているようです。鉄郎は自分のママン(星野加奈江)に似ていると思っていましたが、それもそのはず、プロメシュームから「宇宙一美しい体」として星野加奈江の若い頃の身体を与えられたのだとか。劇場版2作目「さよなら銀河鉄道999」では「機械化人を含めたあらゆる機械が持つ機械エネルギー」に対して吸引力が作用するという「大暗黒彗星サイレンの魔女」の影響を受けていないので、単純に機械の身体という訳ではないようですが、本体とは別にバイオボディとでも言うべきものを使っているということなんでしょうか。老いたら別の身体に交換して。

劇場版1作目ラストでは、元の身体に戻ったら、たとえ再会して鉄郎の傍にいても気づくことはないだろうと言っていましたが、この発言には重大な疑義があります。仮にメーテルの身体は星野加奈江のクローンだとしても、元のメーテルもさして違わない姿であろうと思われます(理由は後述)。


余談ですが、原作及びテレビ版の鉄郎は、ママンがあれほどの美人(何しろそれなりに年を取ってからでも剥製にして飾られるくらい)なのになんであんなに不細工なんだろうと思いますよね。劇場版2作目でパパンが黒騎士ファウストとして登場し、仮面で本来の姿はわからないものの、それなりの男前なんじゃないかと想像されるからなおさら。劇場版の徹郎は年齢もアップしてルックスのかなり向上しましたが、やはりあれくらいはないと整合性が取れないということでしょうか。

分身として「かよいあう同じひとつの心をもったふたつの存在」とされる惑星メーテルがありましたが、劇場版1作目ラストで崩壊してしまいます。惑星メーテルがなくなっても、生身のメーテルには特にダメージがあったような描写はなかったので、単に機械化帝国の母星としての意味合いしかなかったのか。ではここから「銀河鉄道999」では語られることがなかった衝撃の展開を。

衝撃その①:メーテルのママンのプロメシュームは「1000年女王」雪野弥生だったんだよ!

1000年周期で地球に接近する惑星ラーメタルから派遣され、1000年間人知れず地球を統治する役目を持つ1000年女王。その最後の一人が雪野弥生で、地球で生活していくうちに次第に地球人への愛情が芽生え、地球を奪い取ろうとするラーメタルと対立するようになります。1000年間の任期終了に伴い、後任として新たに派遣された新女王から交代を迫られますが、これを拒否して金星で決闘を行って新女王を倒し、引き続き1000年女王でいることを選びました。そしてラーメタルの侵略から地球を守り、自らも母星であるラーメタルに帰還したのでした。


その後ドクター・バンと結婚して子供を儲けますが、ラーメタルの寒冷化により飢餓で苦しむ民衆を救うには自ら進んで機械化人間になる以外に道はないと考えた末に機械化人となり、機械帝国の女王へと変貌していったのだとか。そしてドクター・バンの正体は、「1000年女王」の主人公雨森始なんだとか。雨森始は学生服を着た鉄郎といった雰囲気のキャラでしたが、そういう顔に惹かれる血筋なんでしょうか。

それにしても、地球人のことを「宇宙で一番優れた人々」とまで言い切っていた雪野弥生が狂信的なまでの機械の信奉者になってしまうとは。メーテルによれば、かつては「鉄郎のお母さんにも負けないくらい優しい母」だったそうですが、機械の体による永遠の命の実現を目指すようになってから変わってしまったのだそうです。心は変わるものだ…でも変わり過ぎィ!

衝撃その②:エメラルダスはメーテルの双子の姉だったんだよ!


キャプテン・ハーロックと並び称される宇宙海賊クイーン・エメラルダス。原作やテレビ版の「銀河鉄道999」ではメーテルのライバル的存在として描かれていましたが、言われてみりゃごもっともと言わざるを得ないほど似ているこの二人。メーテルの髪を栗毛にして頬に傷を入れればエメラルダスのできあがりですから。

劇場版第1作ではプロメシュームはメーテルのことを「一人娘」と言っていましたが、その後松本センセの中で設定が変わったらしく、双子の姉妹となりました。エメラルダスは当初設定が固まっていなかったのと、この宇宙で只一人愛する大山トチローがいろんな松本作品にいろんな役で登場しているせいで、パラレル化した設定となっていることもあります。

ハーロックとトチローは性行為表現が頻出する「ガンフロンティア」以来の黄金コンビですが、ガンフロンティアではシヌノラという美女がエロス担当で登場し、ラストではトチローの子を身籠もっていました。ということはシヌノラはエメラルダスの前身ということか。結構お色気シーンがあるメーテルに対してエメラルダスにはそういうシーンがほとんどみられませんが、それは“昔散々やった”から?

ママンの若かりし頃の雪野弥生にして双子のも姉のエメラルダスにしても、典型的な松本美人なので、メーテルの本来の身体が別にあったとしても、それほど変わらないのではないかと思ってしまいますが、いかがでしょうか。



メーテルのモデルは、シーボルトの孫娘である楠本高子説、八千草薫説、加藤登紀子説など諸説ありますが、いずれも松本センセが語っているというところが…(笑)。このほか「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ(ヴィヴィアン・リー)や「我が青春のマリアンヌ」のヒロインであるマリアンヌ(マリアンヌ・ホルト)のイメージも入っているそうなので、色んな女性を重ね合わせたハイ・サーヴァントのような存在なのかも知れませんね。また古くから松本センセの妻で漫画家の牧美也子がモデルではないかという説がありましたが、これはセンセ自身が明確に否定しているそうです。

CVは池田昌子。画像は若い頃のを選ばせていただきました。当ブログでは2013年5月12日の記事で取り上げていますので詳しくはそちらを参照願います(https://nocturnetsukubane.blog.fc2.com/blog-entry-367.html)。他にもメーテルを演じた声優はいますがなんと言っても池田昌子でしょう。もう80歳ですが、なおも現役で活躍中。鉄郎を演じた野沢雅子も82歳でなお元気に活躍しているので、「銀河鉄道999」コンビは実に息が長い。

また「エースをねらえ!」のお蝶夫人こと竜崎麗香もインパクトがありました。とても高校生とは思えない。彼女をもじったダイドーの「お腸夫人」はどこに行った?

洋画の吹き替えではオードリー・ヘップバーンやメリル・ストリープを受け持っており、典型的美人声というやつなんでしょうね。あと個人的には「青い体験」「続・青い体験」の主演であるラウラ・アントネッリの吹き替えも大好きです。
スポンサーサイト