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奈良小旅行(その7):平城京界隈

大川夜景

 小春日和という以上に暖かい平成最後の天皇誕生日でした。祝日なのも今年限りとなるのでしょうか。年末の三連休というのもおつなものですが、誕生日だと月曜とか金曜にずらせないから必ず三連休になるというものでもありませんね。去年は土曜日にあたっていたのでまさしく。そうそう、昨日うっかり冬至かぼちゃを買い忘れてしまいました。代わりになぜか賞味期限切れの関係で割引販売となっていたシュークリームを買ってましたっけ。甘味という意味では当たらずとも遠からずなんですがね…

ドラクエの竜王 

 本日は雨模様と聞いていたのですが、朝になってみれば日が差していたのでやはり奈良に出撃してしまいました。先週の公約(?)どおり大和西大寺パート2です。まずは平城宮跡を横目で見ながら海龍王寺へ。龍王と聞くと世界の半分をやろうとか誘惑してきそうな感じがしますが、仏教においてはあんまり格が高いという感じでもないですよね。メガテンだと普通にフィールドに出てきて戦ったり仲間にしたり。龍神となると一段格上になるんですが。

海龍王寺門 

 海龍王寺は平城京内にあって、かつては藤原不比等の邸宅があったところのようです。伝承では天平3(731)年に光明皇后の発願で建立され、遣唐使に随行した僧・玄昉が初代住持となったとされています。海龍王寺という寺号は、海龍王経という経典にちなむもので、玄昉が唐から日本への帰途、暴風雨に遭った際に海龍王経を唱えて救われたという伝承があります。

玄昉 

 拝観料(500円)を払った際に貰ったパンフによると、藤原不比等は邸宅を建てるにあたって、この辺りを治めていた土師氏から土地を譲り受けたそうですが、邸宅北東隅にあった土師氏所縁の寺院をそのまま残しておいたということで、その寺院が海龍王寺の前身のようです。隅にあったということで、「隅寺」の別名も持っています。

叡尊図 

 先週訪れた西大寺と同じ真言律宗の寺ですが、西大寺中興の祖である叡尊が一時期海龍王寺に住して復興を行ったほか、五名の西大寺長老を輩出しており、かつては真言律宗でも筆頭格の寺院だったようです。明治時代の廃仏毀釈で大打撃を受けて境内が荒廃し、長らく無住の時期が続きましたが、1953(昭和28)年に住職が着任してからは堂宇の修理、境内の整備が行われました。

海龍王寺本堂 

 現在の海龍王寺は、京都の町中によくあるようなこじんまりとした寺院です。本堂はかつてあった中金堂の跡地に建っており、江戸時代の再建。鎌倉時代作の本尊の十一面観音(重文)が祀られています。このご本尊、長らく秘仏となっていたために保存の状態が大変良いことで知られています。

海龍王寺西金堂 

 西金堂(重文)。かつては東金堂、中金堂の三つの金堂がありましたが、今なお残っている唯一の金堂です。奈良時代の建立ですが、鎌倉時代に再建に近い大修理が行われており、主要な部材が鎌倉時代のものに置き換えられています。規模や様式的には変更が無いと考えられており、天平時代の建築様式を現代に伝える貴重な建物とされています。

五重小塔 

 そして西金堂に安置されている五重小塔(国宝)。高さ約4メートルの小塔ですが、工芸品ではなく建造物として国宝に指定されています。8世紀前半頃の作製で、細部様式が薬師寺の三重塔に類似しており、遺例の少ない奈良時代建築の様式を知るうえで重要なものです。当初から屋内に安置されていたようですが、敷地が狭くて大きな五重塔が作れなかったことから作られたのではないかとの説があります。海龍王寺が荒廃していた間は、奈良国立博物館に置かれていました。

海龍王寺経蔵 

 経蔵(重文)。鎌倉時代に叡尊が造立したと伝えられています。叡尊の年譜(『興正菩薩行実年譜』)に、正応元(1288)年、海龍王寺の堂宇を修造し、経蔵を新築したことが記されており、経蔵がこれにあたるものと推定されています。

法華寺門 

 続いてすぐそばにある法華寺に。日本史で聖武天皇が天平時代に日本各国で国分寺と国分尼寺を建立するよう命じたと習いましたね。東大寺は全国の総国分寺ですが、法華寺は全国の総国分尼寺です。海龍王寺同様、藤原不比等の邸宅跡にあり、不比等の没後、娘の光明子(光明皇后)がこれを相続して皇后宮としました。天平17(745)年に皇后宮を宮寺としたのが法華寺の始まりとなります。

萌絵風光明皇后 

 奈良時代は今よりも広大な境内を有し、光明皇后ゆかりの門跡尼寺として繁栄しましたが、平安京遷都以後は次第に衰微し、平安時代末期にはかなり荒廃していたようです。鎌倉時代に、東大寺大仏の再興を果たした僧・重源や西大寺や海龍王寺を復興させた叡尊が復興しましたが、戦国時代に二度の兵火に遭った上に大地震まであって、ほぼ全ての伽藍を失ってしまいました。現在の伽藍は慶長6(1601)年頃、豊臣秀頼と母の淀殿が片桐且元を奉行として復興したものです。叡尊以後、西大寺や海龍王寺とともに真言律宗寺院となっていましたが、1999(平成11)年に創建当時のように独立した寺に戻ることとなり、光明皇后にちなんで「光明宗」と名づけ離脱・独立しています。

法華寺本堂 

 本堂(重文)。慶長6(1601)年に豊臣秀頼と淀殿の寄進で再建されたものですが、地震で倒壊した鎌倉時代の金堂、室町時代の講堂の建材が再利用されています。本尊は十一面観音(国宝)で、天竺(インド)の仏師・問答師が光明皇后の姿を模してつくった」という伝承があります。他に木造維摩居士坐像(国宝)、胎内に納入品がぎっしり詰まっていることが判明した文殊菩薩像などが祀られています。

法華寺カラブロ 

 重要有形民俗文化財に指定されているカラブロ。光明皇后が病人等千人の人に沐浴の功徳を積み困窮者を救ったといわれる浴室です。蒸気導入方式の蒸風呂で、現在の建物は明和3(1766)年の再建です。近年まで使われていたそうですが、現在は外観のみの公開となっています。隣には清水が尽きないとされる井戸があります。

光月亭 

 奈良県文化財指定の光月亭。どう見ても茅葺きの民家なんですが、それもそのはず、月ヶ瀬村にあった18世紀建築の「東谷家住宅」を昭和期に移築して来たものだそうです。東谷家は庄屋の家柄だそうで、現在は法華寺の客間のような形で行事を行う際に活用されたりしています。

法華寺庭園 

 国指定の名勝となっている法華寺庭園は残念ながら非公開で、代わりに華楽園という庭園が公開されています。冬なので淋しいですが、名残の紅葉の他、椿が咲いていました。本堂だけだと拝観料400円ですが、700円払うと全部見ることが出来ます。

平城京と平城宮 

 法華寺のそばにあり平城宮跡。古都平城京の大内裏で、1998(平成10)年に「古都奈良の文化財」として東大寺などと共に世界遺産に登録されています。考古遺跡の世界遺産登録は日本初です。平安京遷都以後は放置され、水田化していきました。江戸末期や明治期に平城京の跡地が研究されて平城宮跡の保存運動が起こり、1921(大正10)年に平城宮跡の中心部分が民間の寄金によって買い取られ、国に寄付され、1922(大正11)年に国の史跡(後に特別史跡)に指定されました。

冬枯れの平城宮 

 ぱっと見は広大な緑地公園ですが、ほぼ本来の平城宮跡地が指定され保存されており、発掘調査が続けられています。平城宮は平城京の中でも政治・儀式の場である大極殿・朝堂院、天皇のすまいである内裏、役所の日常的業務を行う官衙や宴会を行う庭園など、都を治める官公庁が集まった部分ですが、平城京のごく一部に過ぎません。それでもこの広さ。東西・南北ともに1 kmの東側に、東西250m,南北750mの張り出し部を持っています。大半が農地だったとは言え、良く全域確保できたと思います。散歩とかランニングにもいいみたいですね。平城京全域となると現在の奈良市街と被りまくるのでどだい無理というもの。

東院庭園その2 

 一部遺跡は復元が行われており、平城宮東院庭園その一つ。国の特別名勝に指定されています。宴会や儀式が行われていたようで、今日の日本庭園の原型とされています。

大極殿 

 こちらは国家的儀礼が行われた大極殿。恭仁京遷都までのもので、第一次大極殿とも。奈良に都が戻ってからの大極殿は第二次大極殿と呼ばれ、場所も別の所に建造されました。奈良建都1300年に当たる2010年に合わせて、実物大で復元されました。

朱雀門 

 平城宮の正門とも言うべき南門「朱雀門」。疲れたので行きませんでしたが、「朱雀大路」と「二条大路」の復原整備により、平城宮いざない館や観光交流施設が整備され、往時の景観を彷彿とさせるにぎわいの拠点となっています。

佐紀盾列古墳群 

 大体これで大和西大寺界隈は見たかなと思いましたが、平城宮跡の北側には佐紀盾列古墳群というたくさんの古墳があったりします。こちらもいずれは見て回りたいところですが、早くても年明け以降になることでしょう。そもそも行って楽しいのかな?
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