2018年夏季アニメの感想(その2):ちおちゃんの通学路/ハイスコアガール/ハッピーシュガーライフ


いきなりですが打ち切り報告(誰にしているんだ?)。「じょしおちっ!」は5話で視聴打ち切り。短い作品なのですが、とにかく面白くないので。それから春から2クール目に入っている「かくりよの宿飯」は、まさかの18話で視聴打ち切り。ここまで来てなぜとツッコまれそうですが、まあこの作品も「京都寺町三条のホームズ」同様女性向けなんですが、おそらく1クールだったら余裕で見終われたんでしょうが、飽きがきてしまいました。あやかしとか「隠世」の描写がどうにもこうにも魅力的ではなくて。加隈亜衣とか上田麗奈とかも出演しているし、最近やたら美人声の東山奈央も頑張っていたんですがね。

まあ打ち切った作品をあれこれ言っても仕方がないので、視聴継続している作品の感想をば。まずは「ちおちゃんの通学路」。8話まで視聴。お馬鹿な女子学生の日常という意味では「あそびあそばせ」に近い作品とも言えますが、あっちは女子中学生、こっちは女子高生。しかしなんだろう、頭の悪さではこっちの方が上のような気がします。頭が悪いというか、男子小学生的な行動が目立つというか。

鮫島学園の三谷裳(みやも)ちおは、軟式テニス部所属の高校一年生。地味すぎる外見を自覚しており、悪目立ちせず無難に世渡りしていこうと、「中の下」をポリシーとして日々を送っていますが…。実は重度の洋ゲーマニアで、毎日夜明け近くまでネット上でアクションゲームに耽っては、睡眠不足で危なっかしく登校することを常としています。そしてゲーム由来の中二病的な言動をしばしば繰り出してしまうという。それが度々大事件を引き起こす契機となってしまいます。

その親友というか悪友の野々村真奈菜も地味で平凡なルックスで、ちおちゃん同様小市民志向ですが、スクールカースト上位者に取り入ろうとして嘘の恋愛経験を語ったり、教員に媚びて進路志望で将来の目標を「教師」と偽るなど、小賢しい行動を繰り返します。幼なじみのちおちゃんとは息のあったコンビネーションを見せる事もありますが、自分の利益のためであれば平気でちおちゃんを裏切ったり、蹴落としたりする腹黒さを見せたりもします。

この二人、幼なじみならではの何でも話せる間柄でありながら、同時に常に裏切りを警戒しあうという、他人には理解しがたい関係にあります。この二人のやりとりは非常に男子小学生チックで、どこに女子を感じていいやら。

そして一応三番目のキャラとして登場してくるのが細川雪。ちおちゃんたちによればスクールカーストの上位存在で、陸上部のエースでありながら明るく気さくで優しい性格で男女を問わず多くの生徒から好かれているクラスの人気者です。ちおと真奈菜は、雪を学校内での自身の保身に利用しようとすると共に、スクールカースト上位を目指してそれぞれ雪の歓心を買おうとしており、またことあるごとに互いを蹴落としあっています。おい、「中の下」路線はどうした(笑)。えーでちゃんが珍しく普通の女の子を演じてると思ったら、実は結構な裸族で、屋外でも露出志向。陸上競技の女子選手、確かに露出が多いし、競泳選手の水着の露出が減った昨今では陸上の方がセクシーだったりしますが、陸上競技のコスで登校したりは凄い。

そして数いるキャラの中でも一際目立って大爆笑の久志取先輩。3年生で女子カバディ部部長で、凜々しくスポーツに打ち込む求道者気質のアスリート…かと思いきや、実はカバディを愛好してのは「競技にかこつけて女生徒の体を揉むのが好きだから」であったという百合な人でした。これは自覚していなかったようですが、ちおちゃんに敗れて街中の公園に野宿して修行に励む「山ごもり(笑)」の結果開眼していました。なお「女の子」に対する守備範囲は、小学校高学年から女子高生まで幅が広いようですが、特に細川雪にそそられている模様。

展開はもっぱら、ちおちゃんと真奈菜が登校中に引き起こしたり巻き込まれたりする奇抜な出来事から始まりますが、登校中にびっくりするほどイベント山盛りなのに遅刻することはないという。洋ゲーやりまくりで寝不足のはずなのに、一体どれだけ登校時間を確保しているんだちおちゃん。暴走族を更正させたり洋ゲーばりの意味のないミッションをこなしたり大活躍ですが、男に生まれなかったことが惜しまれる逸材(ある意味)。


ところで、本編でちおちゃんがかなりパンチラ(パンモロ含む)をするのです。色っぽくないし萌えもないので目くじらを立てることはないのですが、一時期深夜アニメといえどパンチラは描写しないような風潮があったように思うのですが、解禁(あるいは自主規制解除)でもあったんでしょうかね?ちおちゃんなら確かにセーフだと思いますが、一応美少女キャラの雪もパンチラしてましたが。


続いて「ハイスコアガール」。7話まで視聴。2013年にアニメ化が発表された後、著作権侵害問題により連載は休止となりアニメ化の話も長期間塩漬けになっていましたが、和解成立により晴れて連載も再開され、アニメ化されました。90年代の対戦型格闘ゲームブームを舞台に、ゲーム中毒の主人公・矢口ハルオと超お嬢様ヒロイン・大野晶の成長とゲームプレイが描かれています。

小学生編、中学生編と来ているので、きっと高校生編も来るでしょう。そこまで行ってもまだ90年代。数あるゲームの中でも特に「ストリートファイターⅡ」を愛好し、ゲーセンでそれなりに目立っていた小学6年生ハルオを倒したのは、こんなところにいるとは夢にも思わなかったクラスメイトで成績優秀かつ金持ちのお嬢様である晶でした。

ゲームしか取り柄がないと思っていたハルオは行く先々で鉢合わせする晶といがみ合いぶつかり合いますが、互いにゲーム好きということで距離を縮めていきますが、晶は突然に海外への転校が決まってしまいます。当初は自分の聖域に踏み込んでくる忌々しい存在と思っていた晶が、いつのまにか自分にとってかけがえのない存在になっていたことに気付いたハルオは、空港まで駆けつけて再会を約束するのでした。

そして中3の春、帰国した晶はハルオと同じ学校に転校してきますが、どうも「再会」に対して抱いていた想いがズレていたらしく、すれ違ったままです。一方ハルオのクラスメイトの日高小春はハルオに惹かれていき、恋心を抱いているようですが…。今後晶とハルオの和解とか小春を交えた三角関係とかがなっていくんでしょうか。でもハルオは恋愛感情に疎すぎのから…

登場するゲームはスト2を始め様々な格闘ゲーム、アクションゲーム、シューティングゲームなど。ゲーセンのワニワニパニックとか巧夫老師といったゲームまで、ハルオのゲームの間口はやたら広いのでした。この頃の私は…確かにスト2はスーファミ版を勝った。餓狼伝説2とかも買いましたが、それほど格闘ゲーとかアクションゲーは好きではなかったんですよね。RPG、SLG、ADGあたりが専攻で。逆に言えば苦手な人でもとりあえず勝ってしまうほどスト2はブームだったということですが。

でもまあ確かに懐かしい。自分ではプレイしていなくても存在自体は知っているゲームばかり登場するので、20年以上前が蘇ります。おっさん達にそういうノスタルジック気分を味わわせるのが作品の狙いなのか?

ところでヒロインのはずの大野晶ですが、うなったり泣いたりするばかりで、ここまでほぼ人間の言葉をしゃべっていません。お前はブランカか!いやブランカでも片言ながら言葉はしゃべってたぞ。当然オーディションとかあって担当声優さんは大勢の中から選ばれたはずなんですが、こんなんでうれしいのでしょうかね。

私的にはどうみても小春推し。モノローグを含めてよくしゃべるし、小春視点があるので共感しやすいし。おまけに可愛いし、大抵の人がクズみたいに思っているハルオを、呆れながらも慕ってくれているし。「自分を慕ってくれる人と結ばれるのが一番じゃ」と「ネクストキング 恋の千年王国」のキングヘンリーも言っていたぞ。でもハルオ的にはゲームのライバル的存在である晶しか眼中にないのね。それも恋かどうか自分でもさっぱりわからないままの気持ちで。

ちなみにゲーム好きで有名な杉田智和、中村悠一、安元洋貴、植田佳奈といった声優陣が脇を固めています。安元洋貴は実際に演じているガイル役で登場。延々続いていた「スト2」ですが、今では「スト5」まで来ているんですね。ZEROとかEXもあるのでシリーズは思いの外多岐にですが。今もなお「スト2」初期キャラの多くは健在のようですが、エドモンド本田はどこへ?
最後に「ハッピーシュガーライフ」。映画「アウトレイジ」のキャッチコピーは「全員悪人」でしたが、それをもじれば「全員ヤンデレ」な異様な作品です。正式なキャッチコピーは「戦慄の純愛サイコホラー」ですが。


愛という感情を理解できず、なんとか知ろうとして男遊びを繰り返してきた女子高生松坂さとう。彼女は少女(というより幼女)の神戸しおと出会った事で愛を知り、満たされます。しおと暮らすためにアルバイトに励むさとうですが、美貌のさとうには男女ともに惹き付けられ、なにかとちょっかいをかけられたり、それに嫉妬した人達から嫌がらせを受けたりする多忙な日々。しかし女子高生がなぜ幼女と二人きりで暮らせるのか、なぜしおを軟禁状態にしているのか、そして二人の暮らすマンションにはなぜ返り血が飛び散った部屋があるのか、そしてなぜしおを探すビラが街中に貼られているのかなど、謎は深まるばかりです。


高校一年生ながらそれなりに男性遍歴を重ねてきたというさとうですが、見た目は清純美少女。人当たりも良いため、周囲からの評判は良いですが、実はしお以外の人間は彼女にとってその他大勢でしかなく、邪魔する者には一切容赦がありません。まさにヤンデレ。その一方で、しおとの幸せな生活を失うことを何よりも恐れているため、自身の激烈な言動がそれを脅かすことにつながりかねないことを常に反省したりもしています。しおとの生活を維持するためにバイトに精を出しており、自炊するなどして節約もしている。つまり外部から援助を受けている様子はありません。


そしてしおもどうやらDV家庭の出身で、実母にも捨てられたところをさとうに拾われたようですが、トラウマからかつての記憶をほとんど失っているようですが、精神的に不安定になると断片的に過去の記憶が甦って錯乱します。この子もひとりぼっちで家にいる間に奇妙な行動をしており、ヤンデレの片鱗を見せています。


そしてしおを探し続ける兄とかさとうに告った兄ちゃんとかナルシストの変態教師など濃いキャラが揃うなか、際だって異様なのがさとうの叔母。どうやらさとうは、保護者として同居していたこの人から離れたいが故に自活しているらしいのですが、全身ボロボロで体中に包帯や絆創膏などを貼っています。CVはお姉ちゃんこと井上喜久子17歳。最近は粗野な言動の悪役とかマジのBBA役もこなしていますが、今回はお姉ちゃんらしい優しい声での出演。しかし、他人の欲望を全て受け止め、暴力や性行為を全て愛として受け止めることに喜びを感じるという異常な性的趣向の持ち主で、異常さが目立つさとうさえもドン引いています。

今のところ主要キャラで病んでいないのはさとうの友達の飛騨しょうこだけのようですが、さとうに疑問を持ってしまったのが運の尽き。すでに叔母の異常ぶりを目撃しており、フラグが立ってしまったような。


本作への感想は…「惜しい!」の一言。さとう役の花澤香菜はよくやっていますが、ヤンデレモード時の迫力がいま一つのような気がします。「ヤンデレ」や「狂気」を演じさせると早見沙織が図抜けているので、彼女に演じさせていればと思わずにはいられません。花澤さんは「シュタインズ・ゲート ゼロ」の椎名まゆり役が非常にはまっているので、ああいうおっとり&可憐な役の方が似合っている気がします。まだちょっとだけ残っているので後は次回に。

スポンサーサイト