2018年春季アニメの感想(その3):ヒナまつり


今週は週明けからいきなり暑くなって一気に夏本番という様相に。近畿地方はまだ梅雨明けしていないはずなんですが、「アツゥイ!」と言わずにはいられません。今年初めてクーラースイッチオン。ついでにかねてから用意していたシーブリーズのスーパークールボディーシャンプーとサンスターのトニックシャンプーも投入。刹那とはいえ冷凍人間状態になります。

本日は2018年春季アニメの感想です。3回目の今日は「ヒナまつり」を。いつもは数本まとめて感想を書くのですが、傑作だと思った作品は書きたいことがたくさんあるので単品扱いです。インテリヤクザの新田の家に突如出現してそのまま居着いた超能力少女ヒナと周囲の人々のドタバタな日常が繰り広げられていくギャグ作品なんですが、妙に感動的な展開もあったりして、何というかいい意味で一筋縄ではいかない作品でした。

主人公ヒナは強力な念動力を使いますが、基本的に無口無表情で我儘かつズボラで、一日中食う寝る遊ぶしかしないという、バブル期の日産セフィーロのキャッチコピー(懐かしいな)のようなクズな中学生です。新田の計らいで娘と言うことで中学校に編入されましたが、授業中も寝てばかりです。どう見ても「いらない子」なんですが、なぜか世間では概ね好意的に見られていて、組長など孫娘のようにかわいがっています。


実は未来から飛ばされてきたらしく、未来では兵器として酷使されたいたようです。だから現代の常識は全く欠如していましたが、新田との暮らしの中で少しずつ常識を学び、ドクズからクズくらいには成長しました。高校生になるとかなり変わるらしいのですが、アニメでは中学生時代しか描かれなかったので基本クズのままでした。


そのヒナに振り回される新田は、いわゆるインテリヤクザで金周りが良く、趣味は壺の収集。もしかするとマ・クベの前世は新田なのかも知れません。

父を早くに亡くし、手っ取り早く金を儲ける手段としてヤクザを選んだという人ですが、実家でもぐうたらな母や妹の代わりに家事を担当しており、家事能力も高いものがあります。金回りが良くて家事も出来るという、ヤクザであることに目をつぶれば優良物件なんですが、ヒナに遭遇したのが運の尽き。

その新田が惚れていて口説いていたのがバー「Little Song」の経営者兼バーテンダーの桜詩子。当初は新田の口説きを華麗にスルーする“いい女”風の人だったんですが…。警察嫌いで弱者に優しく、面倒見の良いところもありますが、中学生の瞳を無理やりバーテンとして働かせ始めたあたりからクズ道一直線に。

後半はどんどん登場が減り、OPやEDからも姿を消すなどしていくという。日笠陽子を起用しているのでクズっぷりの演技はさすがの一言でしたが、登場させないのはもったいないなあと思いましたが、番宣ラジオ「ラジオ『ヒナまつり』Little Songへようこそ!」では本土楓と一緒にメインMCを務めています。ひよっちはラジオとか番宣動画に定評があるので、ラジオをやらせるために起用したんじゃないかという気も。私がアニメ監督だったら、キャストには絶対ひよっちを入れたいです。この人がいてくれれば困った時は何とかしてくれそう。


ごく普通の中学生だったのに、ヒナの隣に座っていたばかりに運命が激変していく三島瞳。自分自身を「どこにでもいる普通の女の子」と思っていましたが、何事も器用にこなしてしまう呑みこみの速さと順応性を持ち、詩子に目をつけられて「Little Song」のバーテンダーとして働くことになりますが、その才能故にすぐバーでの力関係を逆転させてしまい、詩子はもう瞳なしでは店を続けられないほどになってしまいます。

その後、バーの常連の依頼で様々な仕事を掛け持ちし、中学生にして大金を持ち、大きな人脈を作ってしまいます。本人は普通の中学生に戻りたがっていましたが、華麗なる人脈を目の当たりにしたママンがあっさり納得してしまったので、もはや少女実業家道一直線に。瞳役は春季アニメで大活躍だった本土楓ですが、この役が一番面白く演じていたような。

事務所の先輩であるひよっちを尊敬しまくっていたということで、「ラジオ『ヒナまつり』Little Songへようこそ!」開始直後は珍しく緊張しまくって絡みが弱かったのですが、次第に慣れて調子が出ていきました。でもひよっちを尊敬するというのはわかりますね。この人の才能は半端ないって。

そして私が一番好きなキャラであるアンズ。ヒナを「処分」するために未来から派遣されてきました。ヒナ同様現代の常識が全く欠如していたため、暴走族「邪神龍」を壊滅させたり、商店街で食い逃げ、万引きなど傍若無人な大騒動を巻き起こしていましたが、ヒナとの直接対決で敗れ、未来に帰ろうとしましたが、転送装置の故障で帰るに帰れずに行き場を失い、ホームレス生活を送ることになります。


ヒナとは異なり、表情豊かで喜怒哀楽がはっきりしており、攻撃的で傍若無人な性格は、ホームレスのおじさん達との交流の中で和らいでいき、本来の素直で心優しい性格に戻っていきました。ホームレスになってからは貧乏ながらも心温まる暮らしをしていましたが、寝ぐらにしていた公園が自治体の整理事業の対象になり、仲間のホームレス達がアンズの将来を心配した結果、詩子の紹介で町内の中華料理店「来々軒」に引き取られることになり、住み込みで仕事の手伝いをすることになりました。

店員というよりほぼ娘同然の扱いをされていますが、いつも健気で可愛いので、新田は一度アンズの化けの皮をはごうと試みましたが、その結果本当にアンズがいい子であることを知り、本気でヒナとチェンジしたいと考えるようになりました。理想型の娘ですね。

CVはりえしょんこと村川梨衣で、ラジオや番宣番組ではやたらハイテンションなんですが、声優としての演技力は高く評価されています。「のんのんびより」の一条蛍とか「ご注文はうさぎですか?」のメグなど、私の知っているキャラの演技ぶりは、ともてりえしょんとは思えませんでした。本作ではOPも歌っていましたが、アンズが登場するエピソードは基本感動系のストーリーになっており、そこがひたすらクズなヒナと好対照にもなっていました。


最終回が全然最終回らしくなく終わっているほか、終盤になっていきなり第三の超能力少女マオが登場してきたので、これはもう当然二期前提でしょう。マオはなぜか東南アジアの無人島に転送され、そのまま無人島でサバイバル生活を過ごした末、イカダで中国大陸に上陸し、超能力を使って「気功少女」として拳法道場の広告塔となっていましたが、ようやくヒナたちの居場所を知って日本に来ることに。その間なんと3年。ということで二期はヒナ高校生編ということになるでしょう。

もうヒナよりもアンズとか瞳のエピソードの方が面白くて仕方がなかったのですが、その他の中学校の生徒とかヤクザ芦川組の連中も奇人変人ばかりでまさに多士済々。ヒナがアンズが未来で属していた組織の人間(警備主任だとか)である斑鳩もうっかり現代に取り残されてしまっており、組織の構成員もきっと変人ぞろいに違いありません。

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